香典を渡すのは通夜?告別式?香典の金額やマナーを合わせてご紹介

公開日 : 2020/11/3

更新日 : 2020/11/3

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お通夜と告別式に参列を考えていると香典をどちらで出せばよいか迷ったことはありませんか?どちらに出すのが正解なのか、答えはあるのでしょうか。今回は香典を渡すべきタイミングや金額など、香典のマナーについて詳しく解説をしていきます。

公開日 : 2020/11/3

更新日 : 2020/11/3

目次

香典とは?

香典とは亡くなった人に供える金品のことです。香典を出すことが故人への弔意を示す行為であると同時に、経済的に大きな負担がかかる喪家への金銭的援助ともなります。お葬式では、現金やお花、果物、お線香やまんじゅうなどさまざまなものが故人へ供えられます。

 

その中で現金を香典と称するのは最近のことで、昔はお線香やお香のことを指していたと言われています。仏式でのお葬式が大半を占めていた昔では現金での援助はほとんどなく、その代り仏式のお葬式で必ず使われるお線香などが供えられていたからです。

 

香典が現金となったのは、使い方が限られるお線香やお香よりも現金の方が遺族の助けとなるという考え方の普及したためです。なお、香典は経済的な負担の一時的な軽減の意味合いもありますので、お葬式が終わり落ち着いた頃にはお礼を兼ねて「香典返し」をするのが習わしです。

 

香典返しは地方によって風習が異なりますが、もらった金額の3分の1から2分の1程度で遺族の負担にならない金額の品物でお返しをします。お礼の他に、お葬式が滞りなく済んだことの知らせも含まれています。

香典を渡すタイミング

お葬式はお通夜と告別式の2日間行われることが多く、両日又はどちらか1日に参列をします。香典は訃報を聞いて準備をしてからお葬式へと持参しますが、お通夜と告別式のどちらに持参するのがよいのでしょうか。

通夜と告別式のどちらでもよい

香典を持参する日は、一般的には通夜と告別式のどちらでも構いません。通夜と告別式はお葬式というくくりでは同じなので、遺族に香典が渡れば問題がないのです。ただ最近では、通夜に参列をする人が増えていますので、通夜に持参する人が多い傾向があります。

 

また一緒に通夜や告別式に参列をする人がいれば、どちらに持っていくか相談しておくのもよいでしょう。

香典はどちらか1回渡せばよい

香典は通夜と告別式のどちらかに1回渡せばそれで構いません。両日に参列をするからと2回渡す必要はないということです。もともとお葬式では、不幸が続かないようにと祈るように人々は不吉な言葉や行動を避けます。

 

香典を2回渡すことは、お葬式をもう一度願っているような意味合いとして捉えられてしまう可能性がありますので注意しましょう。

地方によって慣習がある可能性

一般的には通夜と告別式のどちらで渡してもよい香典ですが、通夜の方が望ましい、または告別式の方が望ましいと言われている地方も存在します。年嵩の人であれば地方の風習や慣習に通じていますので、相談しておくのも良いでしょう。

告別式で渡す香典金額

告別式で渡す香典の相場の金額をここでご紹介します。香典の金額は、一般的には故人との関係性の深さと出す側の年齢が関係しており、関係性が深いほど、また年齢が高いほど香典金額は高くなります。

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祖父母

祖父母が亡くなった時の香典の金額は、出す側の年齢が20代であれば1万円から3万円、30代で3万円程度、40代以上であれば3万円以上が目安です。ただし、成人していない場合や、親に扶養されている場合には香典を出す必要はありません。

両親・義両親

両親や義両親が亡くなった時の香典の金額は、出す側の年齢が20代であれば5万円程度、30代では5万円から10万円程度、40代以上では10万円程度が目安です。実の親と義両親で金額の差を出すことはしません。

 

なお両親や義両親が亡くなり、自らが喪主を務める場合には香典はもらう側となりますので、出す必要はありません。また成人していない場合や両親に扶養されていた場合なども香典を出す必要はありません。

兄弟姉妹・義兄弟姉妹

兄弟姉妹や義兄弟姉妹が亡くなった時の香典の金額は、出す側の年齢が20代以上であれば3万円から5万円程度が目安です。兄弟姉妹や義兄弟姉妹にだす香典金額は出す側の年齢であまり差はありません。

 

また両親や義両親と同じく実の兄弟姉妹と義理の兄弟姉妹で差をつけることもありません。兄弟姉妹では同じ立場が多くなる傾向があることで、同じ立場で出す香典の金額が異なると気まずくなるため、香典金額に悩むことが多い関係でもあります。

 

香典金額に悩んだら同じ立場の人と相談するとよいでしょう。

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その他の親族

その他の親族とはおじ・おばや従兄弟などがあげられますが、この辺りの関係は普段からの付き合いが人によって全く異なるため、関係性の深さを基準に考えるとよいでしょう。一般的には出す側の年齢が20代であれば5千円から1万円程度、30代以上であれば1万円から3万円程度が目安です。

友人知人関係

友人知人関係では、香典を出す側の年齢が20代・30代では5千円程度、40代以上では5千円から1万円程度が目安です。付き合いの深さで金額を決めるとよいですが、他の同じ友人関係の人がいれば相談して金額を合わせるのもよいでしょう。

近隣・町内など

近隣や町内の間柄で香典を出すときには、年齢に関係なく3千円から5千円程度が目安です。あとは付き合いの深さから判断するとよいでしょう。

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仕事関係

仕事関係では香典を出す側の年代が20代では3千円から5千円、30代以上では5千円から1万円程度が目安です。これは一人で香典を出す場合の金額ですが、仕事では同僚などがまとめて香典を出す場合があります。

 

まとめて香典を出す場合には周囲の決めた金額で構いませんが千円~が多くなります。一人で香典を出すか、まとめて出すかは会社の方針や自分の考えによるので亡くなった人との関係を考えて決めるとよいでしょう。

告別式に持参する香典のマナー

香典を出すには様々なマナーがあります。マナーは亡くなった人を悼む気持ちを表すと同時に身近な人を亡くし悲しむ喪家への気配りです。自らの気持ちを表すためにぜひとも必要最低限のマナーを覚えておきましょう。

表書きの選び方

香典袋の表に書かれているのが表書きです。香典袋の表書きは参列するお葬式の宗派によって異なりますので、適切な表書きを選ぶ必要があります。

仏式

仏式の表書きは、宗派によって異なります。浄土真宗以外の仏式では、表書きは「御霊前」「御香典」「御香料」などを使います。浄土真宗では「御仏前」「御香典」「御香料」などを使い、「御霊前」を用いません。

 

浄土真宗で「御仏前」を使い、「御霊前」を使わないのは浄土真宗の教義に理由があります。浄土真宗では亡くなった人は、仏の力によってその場で「仏」になりますが、浄土真宗以外の宗派では、亡くなった人は亡くなってからすぐには仏にならず忌明け法要を経て仏になると考えられています。

 

亡くなってから仏になるまでの間は故人は「霊」として存在していると考えるために、浄土真宗以外では「御霊前」とするのです。「御仏前」も「御霊前」も亡くなった人の前に捧げるとの意味合いは同じです。

 

香典袋自体は無地又は蓮が描かれたものを使います。蓮は極楽浄土の花で仏式では重要視されています。

神式

神式の表書きには「御霊前」「御榊料」「玉串料」「神饌料」「御神前」などを用います。神式では線香を使わないので、仏式で使う「御香典」や「御香料」は使いません。香典袋は何も描かれていない無地のもののみ使用できます。

キリスト教

キリスト教は日本ではカトリックとプロテスタントが多く、それぞれで表書きが異なります。カトリックの表書きには、「御霊前」「御花料」「御ミサ料」「献花料」などを用い、プロテスタントには「御花料」「忌慰料」「献花料」を用います。

 

なおカトリックは無地又は十字架・百合のついた香典袋を、プロテスタントでは無地又は十字架のついた香典袋を用いましょう。

先方の宗教が不明な場合

先方の宗教が不明な場合は表書きに困りますよね。できれば宗教だけでもわかっていると表書きを決めることができます。仏式とだけわかっていれば「御香典」を、キリスト教とだけわかっていれば「御花料」を使えば間違いがありません。

 

ただ全く先方の宗教がわからない場合は、最も汎用性の高い「御霊前」を用いることをお勧めします。「御霊前」を使わないのは仏式に浄土真宗とキリスト教のプロテスタントだけだからです。

 

ただ表書きを間違えたからといって大きな失敗にはなりません。しかし、知っている人が見ればすぐに間違いかどうかわかってしまうことでもあるので、気を付けておくにこしたことはないでしょう。

香典袋の選び方

香典袋は中にいれる香典の金額によって使い分けましょう。これは香典袋の格と金額が釣り合わないと不作法になってしまうからです。

香典の金額が1万円程度

香典の金額が1万円程度までであるならば、香典袋は水引が印刷された簡易的な香典袋を使いましょう。水引は白黒と黄白がありますが、黒色が薄く紫にも見える香典袋もあります。告別式に持参する香典袋としては白黒が一般的ですが、関西地方では黄白を用いる場合も有ります。

 

なお黄白は地方によってはお葬式では使用せず法要専用という場合も有りますので、悩む場合には周囲の人に相談しましょう。

香典の金額が1万円~3万円程度

香典の金額が1万円から3万円程度であるならば、本物の白黒または黄白の水引がかけられている香典袋を使いましょう。本物の水引は3本・5本・7本と奇数の本数でかけられ、本数が多いほど格が高くなります。

 

また中袋がある場合と無い場合があり、どちらを使っても構いません。中袋がある香典袋の方が丁寧ですが、中袋を用いることによって二重となってしまうことを避ける傾向もあります。

 

これはお葬式では忌み言葉として不幸を重ねる、または続くことを連想させる言葉を用いないよう気を付ける風習が日本には残っているからです。

香典の金額が5万円以上

香典の金額が5万円以上の場合は、本物の双銀の水引がかけられた香典袋を使いましょう。白黒や黄白に比べて、双銀は最も格が高い装飾です。この香典袋は水引の紐自体を太くし、また本数を7本以上で結ぶため、華やかな印象に仕上がっています。

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新札を使わない

香典に入れるお札は新札を使いません。新札は銀行に行くなどして準備をしなくては手に入らないものなので、新札を入れることは「故人の死を準備して待っていました」という意味合いとして喪家に伝わってしまうのです。

 

喪家からしてみると、故人の死を待っているというのは嬉しいことではありません。香典を出す側が知らずに新札を使ったとしても、喪家との間にトラブルが生まれてしまう可能性があります。

 

どうしても新札しか手元に無い場合には、一度折って折り目を付けてから香典に用いるようにしましょう。

不吉な数を避ける

香典では不吉な数を避けて金額を決めます。お葬式で不吉な数というのは偶数と「四」と「九」です。偶数は割り切れる数字と見なされ、「故人や喪家との縁を切る」という意であり、「四」は「死」に、「九」は「苦」という漢字に音が通じることから、さらに不幸を呼び寄せる数字と言われています。

 

日本では古来より言葉に宿る力を言霊として尊び、また縁起を担ぐために不吉な数字を言葉にしたり、わざわざ使うことを避ける風習があります。お葬式では特に大切な人を亡くして悲しみ遺族に追い打ちをかけないようにという配慮であり、現代まで受け継がれています。

 

そのため香典では4千円・6千円・8千円・9千円・2万円・4万円・6万円などの金額は避けます。ただ、現代では新しい解釈ができ、どうしても2万円など偶数の数字で香典を出したい場合には、1万円を2枚ではなく、1万円と5千円札を2枚で奇数枚にすればよいといわれることもあります。

 

なお、10万円は偶数ですが不吉よりも数が多くて素晴らしいという考えが強く、香典だけではなく祝儀にも用いて良い数字です。

持参する際は袱紗(ふくさ)を使う

香典をお葬式の式場に持参する際には、袱紗という布に包んでいきましょう。袱紗は正方形で祝儀や不祝儀を包む専用の布です。もともとは金品や贈答品など格の高いものを包む小さな風呂敷でした。

 

袱紗は祝儀と不祝儀で色を変えます。祝儀を包む際は暖色系を、香典を含む不祝儀を包む際は寒色系の色の袱紗を用います。紫色だけは祝儀でも不祝儀でも使うことができますので、社会人として準備する際には紫から買うとどちらも使えて便利です。

 

式場についたら受付で記帳を行い、その後に袱紗ごと香典を取り出して、その場で袱紗を開いて香典のみを受付に差し出します。その際には「この度はご愁傷さまです」などと一声かけるとよいでしょう。

告別式の香典について

香典は一般的にはお通夜と告別式のどちらかに1度持参すればそれで構いませんが、地方によってはお通夜がいい場合、告別式がいい場合と決まっていることもあるので周りに確認するとよいでしょう。

 

また香典は、故人と喪家を大切に思う気持ちを表すために様々なマナーが現代まで続いてきています。香典のマナーを守ることで自らの気持ちを伝えられるように心がけましょう。