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葬儀で僧侶に納めるお布施のマナーとは?宗派別についても解説!

葬儀の際に僧侶に納めるのがお布施です。お布施の金額はあらかじめ決まっているところもありますが、そうではないところもあります。その場合、どれくらいお渡しすれば良いのでしょう。一般的なお布施の金額はもちろん、宗派別やお布施に関するマナーについても解説します。

公開日 : 2020/10/22

更新日 : 2020/10/22

目次

葬儀のお布施の内訳

葬儀で僧侶にお渡しするお布施は高いというイメージがあるかもしれません。それは、一口に「お布施」と言っても、その中にいくつもの金額が含まれているからです。 そこで、まずは葬儀のお布施の詳しい内訳について紹介します。

読経料

読経料とは、僧侶にお経をあげてもらうことに対するお礼です。読経は自宅やお寺などで行う葬儀だけではありません。火葬場でもお経をあげてもらいます。これらすべての読経に対するお礼のお金です。

 

お布施の大半は、この読経料が占めていると言っても良いでしょう。僧侶にお経をあげてもらうという行為は、一般の人が行うそれと比べて徳などの点で特別なものなので、お布施の大半を占めているのです。

 

戒名料

戒名とは、亡くなった人につけられたあの世での名前です。現世の名前はさまざまな穢れがあるため、あの世へ行ったときに良くないと考えられています。僧侶に新しい名前を付けてもらうことで穢れがなくなり、成仏できるとされているのです。

 

戒名にはランクがあり、ランクが高くなればなるほど、戒名料は高額になります。ただ、宗派や地域によっては戒名をつけないところもあり、するとお布施も安く抑えることができます。

お食事代

葬儀では精進揚げも同時に行われるため、精進料理を提供することが多くあります。この時、葬儀で読経をして頂いた僧侶にも一緒に食べて頂きます。

 

しかし、僧侶のその後の予定によっては食事をしないケースもあります。その場合は、お食事代としてお布施に追加してお渡しします。

お車代

葬儀を自宅や冠婚葬祭用の会場などで執り行なう場合、僧侶に来て頂く必要があります。その場合には、お車代としてお布施に金額を追加してお渡しします。

 

ただし、神社仏閣で葬儀を執り行なう、または僧侶を自家用車で送迎するなどの場合は、お車代は不要です。僧侶に来て頂く場合に比べて、労力などの負担が少ないとされるからです。

葬儀に納めるお布施の相場

葬儀で僧侶にお渡しするお布施は、あらかじめ金額が決まっていることもあります。その場合は、その金額に従ってお布施をお渡しします。 しかし、金額が決まっていない場合はこちらで金額を決めてお布施をお渡ししなければいけません。その際の一般的な相場について紹介します。

一般的な家族葬の場合の相場

一般的な家族葬の場合、お布施の相場は15~50万円程度と言われています。一口に相場と言っても、15~50万円では大きな差があります。これは、戒名の有無や葬儀の規模によって異なるからです。

 

枕経のみの場合は、15万円またはもっと安い金額で良い場合もあります。どのような規模で行うのか、戒名はどうするのかによって、家族葬と言えども相場に大きな開きが出てしまうのです。

宗派別の相場

葬儀にお渡しするお布施の相場は、宗派によっても異なります。これは、宗派によって必要なものと不要なものがあるからです。 それぞれの宗派における、一般的なお布施の相場を紹介します。

浄土宗

浄土宗の一般的なお布施の相場は、30~50万円とされています。金額に開きがあるのは、葬儀の規模や僧侶の人数によって異なるからです。

 

また、浄土宗の戒名料は30万円から、読経料は20万円からです。ちなみに読経料にはお通夜と葬儀の両方の読経が含まれています。

浄土真宗

浄土真宗のお布施の相場は、25~50万円とされています。上記の浄土宗に比べて下の相場が安いのは、戒名料が低く設定されているからです。

 

浄土真宗では、戒名のことを法名と言います。法名料は10万円程度から用意されており、高いものでは50万円程度です。なお、読経料はお通夜と葬儀の両方を合算して20万円程度とされています。

真言宗

真言宗のお布施の相場は、25~60万円程度とされています。お布施の内訳によって金額は、大きく異なります。

 

なお、真言宗の戒名料は30万円程度からです。高いものでは100万円を超える戒名もあります。ちなみに、読経料はお通夜と葬儀の合算で20万円程度です。

曹洞宗

曹洞宗のお布施の一般的な相場は、25~60万円程度です。金額に差があるのは戒名の有無や葬儀の規模、僧侶の人数によって異なるからです。

 

曹洞宗の戒名料は、30万円からとなっています。高いものでは100万円を超えるものもあり、すると必然的にお布施の金額は高くなります。なお、読経料はお通夜と葬儀を合わせて20万円程度です。

日蓮宗

日蓮宗のお布施の一般的な相場は、約30万円と言われています。一般的な相場に開きはありませんが、葬儀の規模や僧侶の人数、戒名によって金額に差が生まれます。

 

日蓮宗の場合の戒名は法号と言います。法号は30万円程度となっており、高いものでも40万円程度とあまり高くありません。他の宗派に比べると、法号料の上限はあまり差がないのが特徴です。

 

ちなみに、日蓮宗の読経料は他の宗派と同じです。お通夜と葬儀の両方の読経を合わせて、読経料は20万円程度です。

臨済宗

臨済宗の一般的なお布施の相場は、15~50万円程度と言われています。他の宗派と比べると、下の相場が一番安いと感じるかもしれません。

 

臨済宗の戒名料は、低いものでも30万円からです。高いものになると100万円を超えるものもあるため、お布施の金額も高くなります。

 

なお、臨済宗の読経料も他の宗派と同じで、お通夜と葬儀の両方を合わせて20万円程度です。読経料についてはあまり宗派による差はないようです。

葬儀のお布施の書き方

葬儀の際に僧侶にお渡しするお布施には、正しい書き方があります。書き方を誤っていると、知らないところで恥ずかしい思いをすることになるかもしれません。 ここでは必要最小限のお布施の書き方を紹介します。これだけ押さえておけば、恥ずかしい思いをすることはないでしょう。ぜひ、参考にしてください。

表書き

表書きとは、お布施の封筒の表の部分のことです。ここは、お布施の顔と言える場所ですから、正しい書き方をする必要があります。書く位置は、封筒の表面の中央上部です。

 

表書きには通常、「御布施」や「御回向料」などと書きます。宗派によっては「御礼」と書く場合もあります。

 

ただし、「お経料」と書くのはやめた方が良いでしょう。お布施はお経をあげてくださった僧侶へのお礼の気持ちです。その気持ちを表すお布施に「料」と書くのは失礼だという考え方があります。そのため、「御布施」や「御礼」と書くことをおすすめします

名前

お布施では、誰が納めたのかわかるように必ず名前を書きます。各位置は、表面の下部中央です。ただし、地域によっては裏面に書く場合もあるため、確認が必要です。

 

名前は通常、喪主の名前をフルネームで書きます。「〇〇家」と名字だけを書くケースもありますが、地域によっては同じ苗字の家が複数存在することもあります。その場合は、どこの世帯なのかわからなくなるため、おすすめできません。

 

ただし、名前をフルネームで書くのか、それとも名字だけで書くのかについても、地域によって異なります。一概に「これが正しい」とは言えないので事前に確認しましょう。

金額

お布施の裏側には、納めた金額を書きます。これは、中身を確認する必要がないようにと言う配慮です。

 

通常、金額は旧字体の漢数字を使用して書きます。わざわざ旧字体を使うのは、改ざんされることを予防するためです。使用される旧字体は以下の通りです。

 

  • 一・・・壱
  • 弐・・・弐
  • 三・・・参
  • 五・・・伍
  • 千・・・仟
  • 万・・・萬
  • 円・・・圓

 

最後の「円」については、特に旧字体を使わなくても問題ありません。ただ、数字はすべて旧字体を使用しているため、それに合わせて「円」も旧字体の「圓」を使用することがあります。

中袋の書き方

お布施に中袋がある場合は、こちらにも必要事項を記入します。真っ白な状態では、中身を出した後にどの世帯から頂いたお布施なのかわからなくなるからです。

 

表面にはお布施の金額を書きます。必ず縦書きにし、数字は旧字体の漢数字を使用します。使用する漢数字は上記の項目で紹介した通りですので、そちらを参考にしてください。

 

裏面には住所と喪主の名前をフルネームで記します。裏面の向かって左側に、右側から住所→名前の順で書きます。

 

住所では番地を書くことがあるでしょう。その場合は、漢数字を使うのがマナーです。例えば「1-2-30」という番地だった場合は、「一丁目二番地三〇号」などのように書きます。

 

また、名前は住所の位置よりも少し下げて書くのが通例です。住所よりも1~2文字程度下げて、喪主の名前をフルネームで書きましょう。

葬儀のお布施に関するQ&A

葬儀のお布施についてのマナーなどに就いて紹介してきました。しかし、いくつかの疑問を感じている人もいるかもしれません。 そこで、葬儀のお布施に関する疑問の中でも特に多いものをピックアップして、解説と共に紹介します。

ダメな金額ってある?

お布施で用意する金額には、ダメな金額というものがあります。ダメな金額があるということを知らずにお布施を用意してしまうと、場合によっては神社仏閣に迷惑をかけてしまうこともあります。 2つのパターンがありますので、それぞれについて紹介します。

料金表に従っていない金額

お通夜や葬儀におけるお布施は、僧侶に対価として支払われるものではありません。あくまで「お礼」という形で納めるものです。

 

しかし、神社仏閣によってはあらかじめ料金表が設定されていることがあります。その場合は、料金表に記された金額を納めるのがマナーです。料金表に従って、神社仏閣でお金を計算している可能性があるからです。

 

料金表に記された以上の金額をお布施として納めたい場合は、お布施とは別に「御心付」として別に用意することをおすすめします。

縁起の悪い数字は控える

「4」や「9」といった数字は、縁起が悪いと考える人が多いので、あまり使わない方が良いとされています。理由は「4」は「し=死」、「9」は「く=苦」を連想させるからです。

 

ただし、あらかじめ料金表が用意されている場合は、気にする必要はありません。料金表に記されている金額をお布施として納めましょう。

 

料金表がない、「御心付け」として別にお渡しする場合は、「4」や「9」という数字は避けて用意することをおすすめします。

いつ渡すといいの?

お布施をお渡しするタイミングは特に決まっていないというのが結論です。そうはいっても、いつ渡せば良いのかわからず、渡しそびれてしまうということも起こるかもしれません。

 

一般的には、葬儀の終了後にお渡しするのがマナーです。葬儀の後に催される精進揚げに僧侶が参加される場合は、食事の合間を見計らってお渡しすると良いでしょう。また、僧侶が帰る時にお渡ししても問題ありません。

 

葬儀が開始される前に、僧侶に挨拶をするタイミングがあります。その際に先にお布施をお渡しするという方法もあります。

葬儀のお布施を抑えるには?

お布施の金額が高いと感じる人がいるかもしれません。ここまでで紹介してきたお布施の相場は、決して安いとは言えません。 ただ、お布施の金額を抑える方法はいくつかあります。できるだけ安く抑えたいと感じた場合の参考にしてください。

葬儀社に紹介してもらう

家族ぐるみでお付き合いのある菩提寺が存在する場合、葬儀は菩提寺にお願いするでしょう。しかし、菩提寺で提示されるお布施の料金は、紹介した相場と似たような金額です。

 

菩提寺のお布施の料金が高いと感じた場合は、葬儀社に紹介してもらうと良いでしょう。葬儀社が紹介するお寺は、お布施の金額が安く設定されています。

 

また、菩提寺によってはお布施の金額が設定されていないケースも多々あります。その場合、どうしても高い金額のお布施を用意してしまいがちです。

 

葬儀社が紹介するお寺なら、あらかじめお布施の金額は設定されています。その金額以上のお金を払う必要もないため、結果的にお布施代を抑えられるのでおすすめです。

戒名料を見直す

ここまで紹介してきた宗派別のお布施の相場をご覧頂くとわかるように、お布施の中で大半を占めていると言っても過言ではない読経料はほとんど同じです。それなら、お布施のどの部分で差が出ているのかと言うと、戒名料です。

 

戒名はランクによって金額に大きな差があります。ランクが低いものなら10万円程度の戒名もありますが、高いものでは100万円を超えるものもあります。この戒名を見直すことで、お布施全体の金額を抑えることが可能です。

 

また、最近では戒名をつけないというところも増えてきています。地域などにもよりますが、戒名をつけなくても問題ないのなら、いっそのこと戒名なしにするのも一つの方法です。

葬儀のお布施は地域や宗派によって変わるので注意

葬儀のお布施は、地域や宗派によって金額やマナーが変わります。知らずに準備をしてしまうと、恥ずかしい思いをすることもあるかもしれません。必ず事前に確認して用意するようにしてください。