孫からの香典はどうするべき?状況別の出し方や金額相場を紹介

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2020/10/10

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祖父母が亡くなったとき、孫から香典は出すべきなのでしょうか。以下では、孫からの香典の出し方についてご紹介しています、状況別の必要性や金額相場についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。あわせて、知っておきたい香典マナーにも触れています。

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2020/10/10

目次

孫からの香典は必要?

香典は通夜や葬式、法事などに参列する際、線香やお花代として現金を包むものです。葬祭の互助の意味も兼ねています。基本的に葬儀に参列するときには、香典を持参するのがマナーですが、それが祖父母の場合、孫はやはり香典を出すべきなのでしょうか。

状況別の孫からの香典の有無

香典を出すべきか否かは、孫の年齢や立場によって異なります。たとえば自立の有無や、孫と祖父母の関係性などが、香典の是非を決めるポイントです。以下に、孫の立場や年齢別に、香典を出すべきか否かの判断基準をご紹介していきます。

未成年の場合

孫が未成年であり、両親などの保護者によって扶養されている場合、香典は必要ありません。大学生の場合であっても、親に扶養されている立場なら同じくです。ただし、未成年でも就職している場合や、アルバイトなどによって収入がある場合もあります。

 

基本的に未成年か学生で親と同居としている場合は、収入があっても孫からの香典は不要です。どうしても孫本人が香典を包みたいという場合には、親が出す香典とまとめて包むのがよいでしょう。その際、香典袋に孫の名前を書いておきます

 

香典は1世帯につき1つというのが慣例で、香典袋には代表者の氏名を記します。遺族は香典を包んだ相手に礼状や返礼品を準備するものですが、その際に、同じ世帯なのにバラバラに香典を包むと、準備する手間がかかってしまいます。よって、未成年や学生の孫から香典を出す場合は、保護者との連名にするのが無難です。

成人している場合

成人しており、かつ個人の収入がある場合は独立していると見なされるため、香典を包みます親と同居している場合も同様です。

 

似たケースとして、未成年でも就職しており、かつ親から独立している場合は香典を包むこともあります。ただし基本的に未成年の香典は不要ですので、独立しているからといって、経済的に無理をしてまで包む必要はありません。香典を包むべきかどうかは保護者と相談するとよいでしょう。

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結婚している場合

結婚している孫は独立していると見なされるため、香典を包むのがマナーです。夫婦で親と同居している場合も同様です。ちなみに、同年代で独身の孫がいる場合、既婚者は独身者より少し多めの金額を包むのが良いとされています。

 

ちなみに結婚している孫が香典を出す場合、以下のケースに該当することがあります。それぞれの香典の出し方を簡単に説明いたします。

夫婦連名の香典の出し方

孫夫婦が香典を出す場合、香典袋に記すのは基本的に夫の氏名です。その理由は、前述のように香典は世帯ごとに包むものだからです。しかし、夫婦で祖父母と親しくしていた場合は、連名で香典を包むこともあります。あるいは、妻の祖父母の葬儀に夫婦そろって出席する場合も、夫婦連名で香典を出します。

 

夫婦連名で香典を包む場合、夫のフルネームの横に、妻の名前を記します。また、香典は2人分の金額を包む必要はなく、1人分の金額でかまいません。もし気になるなら、すこし多めにしてもよいでしょう。

 

また1つ注意したいこととして、孫夫婦の連名の香典を敬遠する地域もあります。連名にしてよいか迷ったときは、親族や地域の年長者に確認するか、夫名義で香典を出すのがおすすめです。

妻が代理で参列する場合の香典の出し方

孫である夫が葬儀に参列できない場合、代理として妻が参列することがあります。この場合でも香典は必要で、おなじく代理で妻が持参します。

 

妻が代理で参列する場合、香典袋の氏名は夫の名前を書き、その左に小さく「内」と記します。これで、妻が代理で香典を持参したことを示すことができます。ちなみに金額は、夫婦連名の場合と同じく1人分でかまいません。

祖父母と同居していた場合

孫が祖父母と同居していた場合、孫は葬儀を催す立場にあたります。つまり、香典を出す側ではなく、香典を受け取る側というわけですので、香典を包む必要はありません。また、この場合は親との関係性や年齢も考慮されます。親が喪主を務める場合は、孫も葬儀を主催する側に立ちますので、やはり香典は不要です。

 

もし喪主を務めるのが親以外で、かつ個人的な収入がある成人なら、香典を包むこともあります。この場合はケース・バイ・ケースですので、香典をどうすべきかは周囲と相談しながら決めるとよいでしょう。基本的には、祖父母と同居している孫は、葬儀の主催者側になるため香典は不要だと考えてかまいません。

孫が複数いる場合

孫が複数いる場合でも、それぞれ成人して収入がある場合、1人ずつ香典を包むのがマナーです。もし未成年の場合は、それぞれの世帯ごとに香典を出すことになりますので、孫からの香典は不要です。香典を出すべきかの判断基準は、未成年かどうかがポイントになるため、孫が複数いる場合でも特別な香典の出し方をする必要はありません。

 

もしかしたら、孫一同で香典を出したいと考える場合もあるでしょう。その場合は、お金を少しずつ出し合って香典を包んでもかまいません。名義は「孫一同」とするか、3人以下ならそれぞれのフルネームを書きます。ただし孫同士が連名で香典を出すのは、全員が未成年である場合に限られます。

孫からの香典の金額相場

孫からの香典の金額は、年齢別に相場があります。金額相場は独身者や既婚者、独立しているかどうかに関わりません。孫からの香典の金額相場は、20代が1万円、30代が1~3万円、40代は3万~5万円以上が一般的です。ただし香典の金額は、孫の収入や、祖父母との親しさによっても変動しますので、以上の金額相場を目安として、状況にあった金額を包むとよいでしょう。

 

また、通夜や葬儀後に会食が予定されている場合、食事代として5000円程度を上乗せして包むこともあります。食事代が必要かどうかは、親族や喪主と話しってもよいでしょう。

香典のほかにお花代は必要?

香典とは別に、供花やお花代を出すこともあります。供花は、祭壇に飾る花や、葬祭場の入り口付近にならべるスタンド式の花などです。香典は線香やお花の代金として包むものですので、香典を出すならお花代は基本的に不要です。

 

しかし場合によっては、孫同士などでお花を出すこともあります。こちらもケース・バイ・ケースになりますので、香典のほかにお花代をだすべきか迷ったら、親族内で話し合うのがおすすめです。また、お花を飾るにはスペースの確保などが必要になるため、喪主ともよく話し合う必要があります。

家族葬の場合の孫からの香典は?

家族葬は、近親者や故人と親しかった知人・友人など、ごく少人数が集まって執り行う葬式の形態です。最近は都市部を中心に家族葬が主流になりつつあります。身内だけで行う家族葬であっても、基本的に孫からの香典は必要です。香典を出す判断基準は、未成年か成人かの判断基準に従うとよいでしょう。

 

また、家族葬の場合は香典を辞退されるケースも多いです。その場合、孫からの香典は不要です。

香典を辞退された場合

孫の年齢が若い場合や、家族葬の場合は、孫からの香典は辞退されるケースがとても多いです。辞退された場合は、無理に香典を渡すような真似はやめましょう。祖父母や喪主の心遣いを無下にすることになってしまいます。

 

また、香典を辞退する理由の1つに、香典返しや礼状をおくる手間を省きたいというものがあります。無理に香典を渡してしまうと、受け取ったほうは返礼品を準備しなければなりません。そういった点からも、やはり、香典を辞退された場合は、それに従うべきだといえるでしょう。

香典を辞退されるときの文言について

ちなみに香典や供物を辞退する際には、「香典辞退」「供花、供物お断り」「御厚志お断り」などの3つのキーワードが用いられます。「香典辞退」は香典は辞退されていますが、お花やお供え物は持参してかまいません。反対に「供花、供物お断り」は、香典は辞退されていません

 

最後の「御厚志お断り」は、香典・供花・供物のすべての受け取りを辞退するという意味です。それぞれ意味が異なりますので、しっかり把握しておきたいところです。

香典を渡すタイミングは?

孫は通夜と葬儀の両方に参列する場合が多いです。かといって香典を2回出す必要はなく、どちらか一方にのみ持参します。通夜に持参するのが一般的です。香典を渡すのは、受付をしたタイミングです。受付係に手渡しましょう。

 

もし受付がない場合は、通夜の焼香前に喪主や遺族に渡すか、祭壇に備える方法もあります。通夜に参列しない場合は、葬儀の受付時に渡します。

葬儀に参列できない場合の孫からの香典は?

通夜や葬式に参列できない場合もあります。その場合、香典は後日、喪主に郵送する方法がよく取られています。通夜や葬式に持参する場合と同じく、香典は香典袋に包みます。郵送方法は現金書留です。その際、お悔やみの言葉や、葬儀に参列できなかったお詫びの言葉を添えて贈ると、より丁寧です。

 

香典を郵送する場合は、葬儀が終わってから1カ月以内、おそくとも3カ月以内に先方に届くようにしましょう。葬儀欠席のお詫びの意味合いもありますので、なるべく早い時期が望ましいです。

香典袋の書き方マナー

香典袋の書き方のマナーについてご紹介します。孫から香典を出す場合に限らず、すべてのシーンに共通するマナーですので、ぜひご確認ください。

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正式な筆記用具は毛筆

香典袋は毛筆で書くのが正式ですが、筆ペンで代用できます。その際は、使う墨の種類に注意が必要です。四十九日までに行われる葬儀や法要には、薄墨を使用します。これは「突然で墨をする暇もない」というお悔みの気持ちを表すための作法です。

 

一方、四十九日以降の法要には通常の濃さの墨を用います。四十九日以降の法要は、あらかじめ日取りを予想できるため、「墨を刷る暇がない」という状況は当てはまらないからです。

 

香典袋に薄墨を使用するのは、通夜や葬儀、初七日などです。一方、通常の墨を使用するのは、四十九日、一周忌、三回忌などです。薄墨タイプの筆ペンもたくさん販売されていますので、通夜や葬儀の香典袋にはそれらを使用するのもおすすめです。

表書きの書き方

表書きは香典袋の外袋の、上段の中央に縦書きします。ちょうど水引の飾りの真上にあたります。表書きは香典の名目ですが、タイミングによって種類が異なります。四十九日までの表書きには「御霊前」を用います。四十九日が明けるまでは、人の魂は霊としてこの世に留まると考えられているためです。

 

一方、四十九日を過ぎると故人の魂は成仏するため、四十九日以降の法要の表書きには「御仏前」を使用します。墨の使い分けとあわせて覚えておきたいマナーです。

 

ただし、浄土真宗の場合は事情が異なります。浄土真宗では「即身成仏」をとなえており、人の魂は死後すぐに成仏して極楽に行くと考えられています。そのため、浄土真宗式での葬儀の場合は、通夜や葬儀、初七日であっても、表書きには「御仏前」を用います。

氏名の書き方

名前は水引を挟んで、表書きの下に縦書きします。あとで遺族が、誰からの香典なのかすぐに判断できるよう、必ずフルネームを書きましょう。孫同士で連名する場合は、3人までならそれぞれのフルネームを書くことができます。4人以上なら代表者の名前を中央に書き、左隣りに「孫一同」と記しておきます。

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中袋の書き方

中袋はお金を包むための白い封筒です。香典袋は、のし袋(外袋)と中袋の二重になっているものが一般的です。中袋にはサインペンやボールペンが使用できます。あとで遺族が読み取りやすい筆記用具を使うのがおすすめです。

 

中袋の表には香典の金額を書きます。このとき、旧字の漢数字を用いるのが慣例です。また改ざん防止のため、金額の前後にはそれぞれ「金」「圓」をつけます。たとえば1万円の香典を包んだ場合は「金壱萬円」と書きます。

 

中袋の裏側には住所と氏名を書きます。住所は、裏側の左側の中央寄りです。その左隣りに氏名を書きます。住所と氏名には常用漢字を使用できますが、番地や部屋番号は漢数字で書くのがマナーです。

中袋がない場合は?

中袋が省略されている香典袋もあります。その場合は、のし袋の裏側に、香典を包んだ人の住所と氏名を書きます。この場合、裏書にはサインペンやボールペンを使用してもかまいません。

 

住所は裏側の左側の下段に縦書きします。その隣に金額を書きますので、バランスよく配置してください。氏名はのし袋の表側に記入しますので、裏側への記載は省略します。

そのほかの香典のマナー

香典にまつわる代表的なマナーをご紹介します。香典を出す以上は1人の社会人とみなされますので、ぜひ、以下のマナーを大切にしてください。

新札は使わない

通夜や葬儀の香典には旧札を用いるのがマナーです。一方、四十九日以降の法要は新札でもかまわないという意見もありますが、遺族側への配慮から、やはり旧札を用いるのが無難です。もし新札しか手元にない場合は、折り目をつけて使用しましょう。また、いくら旧札であっても、あまりに汚れがひどいものや、敗れているお札は使用できません。

お札の向きをそろえる

お札はすべて向きをそろえておきます。また、香典袋にお札を入れる際は、肖像画が香典袋の裏側の下方にくるように入れるのがよいとされています。厳密なルールではありませんが、「悲しみに顔を伏せる」という意味がありますので、できれば守りたいマナーです。

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袱紗で包む

香典袋をむきだしで持ち運ぶのはやめましょう。弔事用の袱紗に包んで持参するのがマナーです。受付で香典を出す際は、右手で袱紗を持ち、袱紗の上に左手で香典袋を取り出します。そのまま、相手に表書きが正面に来るように向きを変えて、お渡しします。その際、「お悔やみ申し上げます」「この度はご愁傷さまです」などの言葉を添えるとスマートです。

孫からの香典は状況に応じよう

孫から香典を出すかどうかは、年齢や立場によって判断します。孫が成人であっても香典を辞退されるケースもあります。頑固にならず、状況や周囲との話し合いで、香典の有無や金額を決めるとよいでしょう。