夏の喪服のマナーや選び方とは?暑さ対策や小物についても紹介
公開日 : 2020/10/14
更新日 : 2020/10/14
この記事では夏の喪服のマナーや選び方について解説していきます。夏のお通夜やお葬式は蒸し暑い日に行われることが多いので、熱中症になる危険性があります。快適な服装でマナーを守りながら参列するために、夏の喪服の選び方や涼しくする方法について確認してきましょう。
公開日 : 2020/10/14
更新日 : 2020/10/14
目次
夏の喪服について
夏場のお通夜やお葬儀に突如参加することになったとき、準備ができていなくて冬の喪服で参列したという経験はありませんか?夏の喪服は暑くて大変だし、服の袖の長さや色がどんなものが適切なのかわからないといった疑問があることでしょう。
今回は、夏の暑さを凌ぎつつも、マナー違反にならない夏の喪服の疑問やお悩みについて徹底解説していきます。
夏の喪服のマナー
夏の喪服のマナーは基本的に他の季節と変りません。蒸し暑い日のお通夜やお葬式でも、肌を隠し、ジャケットを着用する必要があります。
いつから夏の喪服を着るのか
お通夜やお葬式の服装には、肌の露出のタブーなど他の冠婚葬祭よりも厳しい暗黙のルールが存在します。涼しさを優先した軽装にすると時期によっては失礼だと考える人も少なくありません。
しかし、実際には一定期間に夏服、もしくは冬服を着るといった決まりはありません。そもそも、喪服の夏服と冬服の違いは生地の素材や裏地の有無など洋服の機能性にあります。ですから、周りの方が一目で夏服か冬服かということを判別することはできません。
服装の礼儀を気にしすぎて体調に問題が生じる方が周囲に迷惑をかける可能性もあります。そのため、ご自身が快適に過ごすことができる服装をするのが好ましいでしょう。
一般的には6月と10月を衣替えの時期とするため、その時期に夏服と冬服の切り替えをするのもよいでしょう。
夏の葬儀・通夜に冬の喪服でもいいのか
喪服の中には夏と冬のオールシーズン対応できるものがあります。夏服と冬服の両方を用意するのが面倒な人や出費を抑えたい人にはおすすめです。
女性用のものはジャケットやボレロにワンピースやスカートを合わせるアンサンブルタイプ、もしくはジャケットとワンピースとシャツがセットになったものが多いです。
使われている生地は厚すぎず薄すぎずという素材で夏でも冬でも組み合わせの工夫で一年中着ることができます。男性用の喪服も通気性の良い素材が使われているので、春夏秋冬着こなすことができます。
ご自身で単品を組み合わせて用意することも可能ですが、ちぐはぐな印象を与える可能性もありますので、あらかじめ同じ生地で用意されているセットの喪服を購入することを推奨します。
夏冬兼用喪服の注意点
オールシーズン着ることができる喪服は経済的にもありがたいですし、便利なものですが、注意する点があります。それは、多くの喪服が春秋冬の3シーズンに着ることを想定して作られているということです。
露出を避けるためにどれも長袖でできており、季節感がないため、夏でも着ることができると考えてしまう傾向にあります。もちろん、夏のお通夜やお葬式に3シーズン用の喪服を着ることが絶対的にNGであることはありません。
他に選択肢がないのであれば、3シーズン用の喪服を夏に着ても構いません。しかし、夏場は30度を超える日もあります。そんな日のお通夜やお葬式に3シーズン用の喪服を着ると汗をたくさんかいたり、熱中症になってしまったりする可能性があります。
いくら暑いとは言っても、涼しさを求めてカーディガンやボレロ、ジャケットを脱いで参列するのはマナー違反になってしまいます。そのため、夏場のお通夜やお葬式のために、3シーズン用の喪服を持っていても別に夏用の喪服を用意しておくことをお勧めします。
夏の喪服の選び方
夏用の喪服があると便利なことがわかりました。快適な服装でお通夜やお葬式に参列するには、どういったポイントに気を付けて喪服を選べばいいのか確認していきましょう。
男性用の夏の喪服の選び方
まずは男性用の夏用の喪服について解説していきます。
夏用スーツの選び方
夏用の喪服には30度を超える真夏でも快適に過ごすことができるように設計されています。例えば、ジャケットの背中側の裏地が短く仕立てられていたり、通気性のある薄手のもが生地として使われていたりします。
3シーズン用の喪服には裏地が背中側の全面についていたり、厚手の生地が用いられたりします。そのため、夏用の喪服はスーツの中でも裏地のないものがいいでしょう。生地はサラサラと感じるドライな生地がよいです。
特に男性はお通夜やお葬式の間にジャケットを脱ぐ時間は殆どありません。暑さに耐え、熱中症を防ぐには、涼しく快適に過ごせるスーツを選ぶことが重要になります。
夏の喪服のネクタイの選び方
近年、社会的にはクールビズが広まり、夏場ではネクタイを着用しない人が増えてきました。しかし、お葬式やお通夜は正式な場所ですので、必ず無地の黒いネクタイを用意しましょう。
ネクタイは夏用の弔事用ネクタイを選ぶことをお勧めします。紗織りと呼ばれる織り方で作られており、薄くて軽いネクタイになっています。他のネクタイと比べて涼しく、季節に合った印象を与えるので弔事用ネクタイを用意しておくと便利です。
夏場のシャツの選び方
喪服は基本的に肌の露出を割けます。そのため、夏のお葬式やお通夜でも薄手の長袖シャツを着ることが推奨されます。
しかし、近年では酷暑と呼ばれる日が続き、熱中症になる可能性も防げません。そういった状況を考慮し、半袖シャツを着用する人も増えてきました。半袖シャツを着用する場合は、長袖のジャケットを上から着ることを忘れないように注意しましょう。
女性用の夏の喪服の選び方
次に女性用の喪服を選ぶ際の注意点やポイントについてみていきましょう。
夏の喪服のジャケットの選び方
お葬式やお通夜の最中はジャケットの着用が求められます。夏場に3シーズン用のジャケットを着ると背中に汗をかいてしまうので、夏用のジャケットを準備することをお勧めします。
夏用喪服の中には裏地のないジャケットや裏地が途中までになっている背抜きと呼ばれる設計がなされているジャケットがあります。そのようなタイプのジャケットを選ぶと背中の風通しがよくなるので、汗をかくことを防げます。
裏地がないと背中が透けることがありますが、失礼にはあたらないので問題ありません。
夏の喪服のブラウスの選び方
お通夜やお葬式の最中にジャケットを着るという前提であれば、半袖のブラウスを選ぶことは可能です。半袖は可能ですが、肌の露出が多いものは避けましょう。ひじが隠れる5分丈以上の袖をお勧めします。
夏の喪服のワンピースの選び方
夏のお通夜やお葬式には喪服のワンピースのみを着用したいと思う方が増えてきています。3シーズン用の喪服の中で7分丈のデザインやシフォンのものであれば、比較的涼しく快適に着用できるでしょう。
しかし、式中ではジャケットの着用が必要になります。3シーズン用の喪服のジャケットは冬に備えて厚手に作られていることが多いので、確認しておきましょう。夏の喪服のワンピースとしてお勧めなのは、アンサンブルのようにみえるワンピースです。
ワンピースの上下がセパレートのようにみえ、まるでボレロを着ているようにみえるデザインのものです。そういったデザインのものは、上下の服を着用する必要がないので、大変便利です。注意点としては袖や丈が短すぎるものを選ばないということです。
夏用といっても、首回りや腕、足などの肌の露出が多くなるワンピースは控えましょう。デザインは装飾が少ない、極力シンプルなものを選ぶことが無難です。
夏の喪服に合わせる小物の選び方
女性の着用する小物としてストッキングとパンプスについて解説していきます。夏の喪服を着るとき、ストッキングを履くのは暑いと感じる人が多いでしょう。しかし、お葬式やお通夜のマナーとして、季節を問わずストッキングを着用することが求められます。
夏用の喪服の準備の1つとして、冷感素材やサラサラした触り心地のするストッキングを用意しておきましょう。どうしても暑さに耐えることが難しい場合は、ニーハイタイプのストッキングを用意するのも1つの手です。
ただし、スカートの裾から肌がみえないようにする注意が必要です。例外としてお通夜に参列する際に準備していたとみせないように、敢えて肌色のストッキングを着用する場合があります。
パンプスについては、季節を問わず黒く光沢のないパンプスを用意しておきましょう。カジュアルな場面で履く黒い靴を喪服に合わせるのはマナー違反になり得るので、注意が必要です。
子ども用の夏の喪服の選び方
子どもと一緒にお通夜やお葬式に参列する場合、子どもにはどのような服装を準備すればよいのか解説していきます。
制服があるときの夏の子どもの喪服の基本
一般的に幼稚園から高校までは制服があれば、制服を喪服として着用します。夏には半袖に夏用のズボンなど、学校指定の夏服が準備されています。そのため、夏のお通夜やお葬式には学校が指定している夏の制服を着用すれば、問題ありません。
制服がないときの夏の子どもの喪服の基本
制服がない場合には、夏用の喪服を用意しておくとよいでしょう。男の子の一般的な喪服は、白シャツ・黒や紺、グレーのズボン・黒のブレザーやジャケットです。大人と同様に光沢のないシンプルな黒・紺・グレー・白の中から選び、組み合わせましょう。
靴は基本的に黒色が推奨されますが、派手でないスニーカーでも問題はありません。女の子の一般的な服装は、襟付きの白いブラウスや黒・紺・グレーのスカートです。男の子と同様に光沢のあるものは避けて、黒・紺・グレー・白の中から選択しましょう。
靴下はくるぶし丈やニーハイソックス、ルーズソックスは避けましょう。靴は男の子と同様に基本的に黒色が推奨されますが、派手でないスニーカーでも問題はありません。
夏の喪服に合わせる小物や雑貨
小物や雑貨は基本的に季節で違いはありません。夏用の小物として揃えておくとすれば、黒い日傘や扇子、吸水性のある白か黒の無地のハンカチがおすすめです。ハンカチは一般的に手を拭いたり、涙を拭ったりするために用意されます。
しかし、夏のお通夜やお葬式では汗を拭くためにもう1枚用意しておくとよいでしょう。また、暑さ対策として冷却材をハンカチなどで包んでもっていくという便利な方法もあります。
黒い扇子については持参することに問題はありませんが、葬儀場内で使わないように注意しましょう。
夏の喪服に関する工夫
できるだけ真夏日の服装は涼しく快適に過ごしたいものです。ここでは、夏の喪服をできるだけ涼しく着こなす方法や工夫を紹介します。
大きめのサイズを選ぶ
喪服を選ぶ際、身体のラインに沿ったジャストサイズのものではなく、少しゆとりをもったサイズを選びましょう。少し大きめのサイズを選ぶことで通気性を確保できます。
オールシーズン用の喪服であれば、夏は通気性、冬は中にインナーを着こむ工夫ができるようになります。また、女性の場合は膝が隠れる程度のスカート丈を選ぶように注意しましょう。
洗えるものを選ぶ
夏用の喪服を着ていても酷暑の日のお通夜やお葬式になるとどうしても汗をかいてしまいます。汗をかいた日などは汚れや臭いが気になり、快適ではありません。そのため、ポリエステル製など自宅で洗濯することが可能な洋服を選ぶと便利です。
ウォッシャブルタイプの喪服はクリーニングに出す必要がなくなるので、経済的にも嬉しいものです。
吸水性のある下着
体温調節や汗をかきすぎないようにインナーを吸水性のあるものにするのがお勧めです。汗をよく吸い取り、サラサラする肌心地のものがいいです。色は万が一見えた場合のためにも、目立たない色がいいでしょう。
髪の毛をまとめる
特に女性の方は長い髪の毛を束ねたり、お団子にしたりするだけで首元が涼しくなります。低めの位置で髪の毛をまとめることも涼しく快適に過ごすための手段となるでしょう。
ジャケットのみ追加する
ワンピースやシャツ、ブラウスなどがそこまで厚手でなく、夏場でも着ることができそうな素材でできているのであれば、ジャケットのみ追加するという手段もあります。
夏用のジャケットは裏地がなかったり、背抜きといった作り方がなされていたりするので、通気性がよく、背中に熱がたまりにくいです。ただし、ちぐはぐな印象にならないように、お手持ちのワンピースやシャツを色や素材のバランスを確かめる必要があります。
夏の喪服のお得な購入方法
お通夜やお葬式の時には必須となる喪服ですが、普段使いできるものではなく、使用回数は比較的少ないです。そのため、できるだけ費用を抑えたいと考える人は多いことでしょう。そこで、夏用の喪服をお得に手に入れる2つの方法を紹介します。
ネット通販を利用する
1つ目の方法はネット通販で購入する方法です。ネット通販は相場価格より安く購入できるケースが多いです。キャンペーンなどで定価よりも安く買えるチャンスもありますので、ぜひチェックしてみてください。
レンタルする
使用頻度が少ない夏の喪服なので、レンタルするというのも1つの手です。ただし、お通夜やお葬式の前日や当日になって用意し始めると自分に合うサイズのものがないという可能性もありますので、注意しましょう。
レンタルできる店やウェブサイトを事前にチェックしておくとよいでしょう。
夏の喪服を用意して参列しよう
お通夜やお葬式において、最も重要なのは故人を想う気持ちです。故人を尊重する気持ちをもって、服装にまで気を遣いましょう。ご自身の体調管理や快適さを維持しながらマナー違反にならないような服装を事前に用意しておきましょう。
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