中袋なしの香典袋の書き方マナーとは?中袋ありの書き方も解説

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2020/10/10

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香典袋は中袋ありのものが一般的だと思われていますが、実は中袋なしの香典袋が正式とされている地域もあります。中袋なしの香典袋の場合、金額や住所はどこに書けばよいのでしょうか。以下では、中袋梨の香典袋の書き方やお金の包み方のマナーについてご紹介しています。

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2020/10/10

目次

香典袋とは?

香典袋とは香典を包むための不祝儀袋のことです。ちなみに香典とは、通夜や葬式、法事などの弔事に際し、線香やお花の代わりに包むお金のことです。葬祭の扶助の意味合いもあります。

 

香典袋は、黒白や双銀の水引が付いたものが一般的で、金額によってサイズや水引の種類が異なります。また、少額の香典を包むときには水引が印刷された香典袋を用いることが多いです。さらに香典袋は、のし袋と中袋に分かれた二重のものと、中袋なしの2種類に分類できます。

 

正式とされるのは、二重になった香典袋です。しかし、中袋なしの香典袋が良いとされている地域もあります。以下では、中袋なしの香典袋について使用シーンや使い方のマナーをご紹介していきます。

中袋なしの香典袋はマナー違反?

中袋なしの香典袋は略式であり、二重の香典袋を使用するのが正式なマナーだといわれています。しかし、二重の香典袋は「不幸が重なること」を連想させるともいわれます。そのため、一部地域では、遺族への配慮から中袋なしの香典袋を使用する風習が根付いていました。

 

この風習は次第に全国に広まり、いまでは中袋なしの香典袋も広く販売されています。しかし、全国的にはやはり二重の香典袋のほうが一般的であり、中袋なしの香典袋は1万円以下の少額の香典を包む場合に使用される傾向が強いです。

 

このように、中袋なしの香典袋は、一概にマナー違反とはいえません。しかし広く使用されている香典袋は二重タイプであるため、中袋なしの香典袋を使用する際は、あらかじめ遺族側の考え方や地域の風習を確認しておくのがおすすめです。

 

郵送用として使用されることもある

中袋なしの香典袋は、中袋ありのものにくらべて厚みが少ないのが特徴です。そのため、郵送用の香典袋として使用されることも多いです。通夜や葬式、法事などを欠席する際は、中袋なしの香典袋に香典を包んで、郵送してもよいでしょう。その際は、かならず現金書留で郵送してください。

中袋なしの香典袋の香典の金額相場

前述のように、二重の香典袋を使うのがマナーとされる地域では、中袋なしの香典袋は少額用として利用されます。中袋なしの香典袋に包む金額の相場は3000円~5000円が一般的で、多くても1万円までといわれています。

 

しかし最近は、金額にかかわらず中袋なしの香典袋を使用するケースも増えてきています。その場合は、もちろん1万円以上の香典を包むこともできます。ただし前述のように、あらかじめ遺族側の考え方や地域の風習を確認しておくのほうが無難でしょう。

金額別の水引の選び方

中袋の有無にかかわらず、香典袋は金額によって種類の使い分けが必要です。たとえば水引が印刷された香典袋は3000円~5000円を包む際に使用されます。1~3万円の香典なら、黒白の結び切の水引がついた香典袋を用いるのが一般的です。

 

5万円以上を包む場合は、双銀の水引の香典袋を用いましょう。10万円未満なら、すこしサイズの大きい「中金封」が妥当です。香典袋の中でももっともサイズが大きい「大金封」は、10万円以上の高額の香典を包む場合に使用されます。

中袋なしの香典袋の書き方

中袋なしの香典袋は、のし袋にすべて必要項目を記載しなければなりません。ここからは、中袋なしの香典袋の書き方や筆記用具のマナーについて解説していきます。

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筆記用具は毛筆が望ましい

中袋の有無にかかわらず、香典袋に使う筆記用具は毛筆が正式とされています。しかし最近は、筆ペンで代用することも多く、マナーの面でも許容されています。また、中袋なしの香典袋の場合は、裏側に住所や金額を記します。住所と金額は読みやすさが重視されるため、裏書に限っては細いサインペンやボールペンを使用してもよいとされています。

 

香典袋を書く際には墨の濃さにも注意が必要です。四十九日までは、香典袋を書く際は薄墨を使用します。これは「涙で墨が薄まった」「急な出来事で墨を刷る暇もない」といった、お悔みの気持ちを表すための風習です。薄墨を使用するシーンは、通夜・葬式・初七日などが代表的です。

 

一方、四十九日以降の法要法事には通常の濃さの墨を用います。代表的な使用シーンとして、四十九日や一周忌、三回忌などがあります。墨の濃度は、中袋の有無にかかわらずマナーが統一されているため、くれぐれも使い分けに注意してください。

 

香典袋の表側の書き方

香典袋の表書きの書き方は、中袋なしの場合も中袋ありの場合も同じです。前述のように、表書きには筆記用具は毛筆か筆ペンを用いるのがマナーです。また、墨の濃度の使い分けにも注意してましょう。

表書き

表書きは水引を真ん中として、上段の中央に縦書きします。表書きは、どの儀式に出すかによって種類が変化します。四十九日までの香典の表書きには「御霊前」を用います。その理由は、人は死後四十九日までは魂がこの世をさまようと考えらえているからです。

 

四十九日を過ぎると、魂は成仏して極楽に行くとされています。よって、四十九日以降の香典には「御仏前」が用いられます。「御霊前」の表書きは通夜・葬式・初七日など、一方「御仏前」を用いるのは四十九日法要・一周忌・三回忌などの年忌法要です。

 

ただし、表書きの使い分けは宗教宗派によって異なります。たとえば浄土真宗の場合、人の魂は死後すぐに成仏して極楽に行くと考えられています。霊という概念が存在しないため、四十九日以前の通夜や葬式であっても表書きには「御仏前」が用いられます。

氏名

氏名は、香典を包んだ人の名前をフルネームで記します。氏名を記す位置は、水引を真ん中として香典袋の下段の中央です。表書きと同様に縦書きします。

 

連名で香典を包む場合は、いくつかの方法があります。夫婦連名で香典を出す場合は、夫のフルネームを記すか、妻の名前だけを夫のフルネームの左隣に書きます。友人・知人などの連名で出す場合、3人までならそれぞれのフルネームを記すことができます。

 

4人以上の場合は、代表者のフルネームのみを書き、左隣に「〇〇一同」とあらわすとよいでしょう。それぞれの氏名は、別紙に記入して香典と一緒に包んでおきます。

 

職場や会社関係者の連名で出す場合は、一番右に会社名を記しておきます。一番役職の高い人の名前から順番に、3人までフルネームを記すことができます。4人以上で包む場合は、会社名の左隣に「〇〇部一同」のように所属団体名を記すのが一般的な方法です。

香典袋の裏側の書き方

中袋なしの香典袋の場合、外袋の裏側に住所と金額を書きます。裏書も毛筆や筆ペンが望ましいですが、読みやすさ重視の点から、細いサインペンやボールペンの使用も認められています。住所や金額は、遺族が香典返しを準備するときに重要な情報となりますので、読みやすい字を書ける筆記用具を選ぶことが大切です。

 

中袋があるタイプの香典袋は、中袋の裏側には香典を包んだ人の氏名を書きます。しかし、中袋なしの場合は、表面にフルネームを書くため、裏側への氏名の記載は省略します。

住所

住所は香典袋裏側の、中央寄りの左の下段です。その隣に金額を書き入れますので、左側に詰め過ぎないように注意してください。

 

住所は縦書きです。都道府県名やマンション名も省略せずに書きましょう。番地や部屋番号は漢数字を使うのがマナーです。

金額

金額は住所の左側に縦書きします。金額を書く際は、旧字の漢数字を用いるのが慣例となっています。これは、改ざんを防ぐためです。同じく改ざんを防ぐために、金額の前には「金」を、後ろには円の旧漢字である「圓」を書き入れるのがマナーです。

 

たとえば3万円を包む場合、金額は「金参萬圓」と書きます。最後に「也」をつけて「金参萬円也」と書く方法もあります。

中袋がある場合の香典袋の書き方

参考までに、中袋がある香典袋の書き方マナーについてもご紹介します。基本的なマナーは中袋なしの香典袋と変わりません。

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のし袋の書き方は共通

のし袋の表書きや名前の書き方は、中袋なしの香典袋と同様です。筆記用具の使い分けも同じくです。ただし、中袋なしの香典袋と異なり、のし袋の裏側にはなにも記入しません

中袋の書き方

中袋には、金額と住所などを書きます。基本的な書き方は中袋なしの場合と同じですが、書き入れる位置が異なります。また、読み取りやすさ重視のため、中袋にはサインペンやボールペンが使用できます。

 

金額

金額は中袋の表面の中央に書きます。香典を受け取った遺族が読み取りやすいよう、すこし大きな字で書くのがポイントです。書き方は、中袋なしの場合と同じく、旧漢字を用いるのがマナーです。

住所

住所は、中袋の裏面に書きます。具体的には中央寄りの左側です。住所の左には氏名を書くため、左に詰め過ぎないように注意してください。住所を書くときは、中袋なしの場合と同じく、都道府県名やマンション名も書き、番地や部屋番号には漢数字を用います。ただし、金額と異なり、住所には新字体の漢数字を使うことができます。

氏名

中袋の裏面には氏名の記載が必要です。氏名は住所の左に記入します。二重になっている香典袋は、表書きのあるのし袋と中袋がバラバラになることもあるため、かならず中袋にも香典を包んだ人のフルネームを記載しましょう。遺族が香典返しや礼状を準備する際に、誰がいくら香典を包んだのか、すぐ見て分かるようにしておくことが大切です。

香典袋は横書きできる?

中袋なしの香典袋の中には、裏面に横書きの住所欄や金額欄が設けられているものもあります。その場合は、住所や金額を横書きします。横書きの場合は、新字体の漢字や算用数字を使用します。また、金額は適宜コンマを打つのが一般的です。たとえば3万円の香典の金額を横書きする場合は、「金30,000円」と書きます。「¥3,0000円」と書くこともあります。

 

横書きできるのは、あくまで裏書のみです。中袋の有無にかかわらず、のし袋の表面は縦書きが鉄則ですので、注意してください。また中袋がある場合は、中袋の表面と裏面を横書きしてもかまいません。

中袋なしの場合のお札の包み方

主なお札の包み方マナーについて見ていきましょう。お札の包み方のマナーは、中袋の有無にかかわらず共通のものが多いです。

むきだしでいいの?

中袋なしの香典袋の場合は、直接のし袋にお札を入れてもマナー違反ではありません。もしお金をむき出しでいれることに抵抗がある場合は、金額が大きい場合には、半紙や奉書紙で包んで、香典袋に入れる方法もあります。

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お札の種類

香典には旧札を用いるのがマナーです。一方、四十九日以降の法要には新札を使用してもかまわないという意見も見られます。ただし香典を受け取った遺族が気にすることもありますので、やはり香典には旧札を用いるほうが無難です。新札しか手元にない場合は、折り目をつけて使用すればかまいません。

 

また、お札はなるべく少ない枚数で包むのが望ましいです。たとえば5000円を包む場合、1000円を5枚ではなく、5000円札を包むほうがよいといわれています。これは、あとで遺族が香典を集計する際に、数えやすくするためです。心遣いの一種ですので、無理に換金する必要はありません。ただし香典に小銭は使用できません

お札の向きをそろえる

お札はすべて向きをそろえて香典袋に入れます。また、肖像画があるほうが裏面の下側にくるように入れるのがマナーです。つまり、お札の肖像画があるほうが、香典袋の裏書のある面と接することになります。中袋を使用する場合は、同じく肖像画が中袋の裏面の下段に接するように包みます。

避けたほうがいい金額

2で割り切れる偶数は、「故人との縁が切れる」数字だといわれており、香典では避けるべき数字です。また4と9はそれぞれ「死」「苦」を連想させるため、おなじく香典には不適の金額とされています。

 

香典を包む際は。1万円や5000円など奇数の金額が基本です。2万円を包む場合は、1万円を1枚と5000円を2枚に分けるなどして、お札の枚数が偶数にならないように配慮しましょう。

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袱紗を用いる

香典袋をむき出しで持参するのはマナー違反です。香典袋は袱紗に包んで持ち運びましょう。香典を渡すときは袱紗の上にとりだし、相手に表書きが正面を向くようにして渡します。

中袋なしの香典袋の封の仕方

封筒のようになっている香典袋なら、お札の向きに気を付けてお金を入れればOKです。のし袋のように、一枚の紙を折りたたんで使用する場合は、中央にお札を置き、左側・右側・下側・上側の順番に折り返します。

 

封筒タイプの場合も、のし袋タイプの場合も、基本的に糊付けは不要です。これは、遺族があとで香典を集計する際に、糊付けされていると開封の手間がかかるためです。封筒タイプの香典袋で、お札が飛び出す心配があるときは、付属のシールや短いセロハンテープで簡易に封をするのがおすすめです。

香典袋のマナーは中袋に関わらない

中袋なしの香典袋は、裏面の書き方に注意が必要です。中袋の有無にかかわらず、香典袋にはさまざまな決まりごとがあります。先方に不愉快な思いをさせないためにも、しっかりマナーを確認しておきましょう。