法事の金額相場はいくら?御布施の相場と渡し方、マナーを解説
公開日 : 2020/9/18
更新日 : 2020/9/18
四十九日や一周忌など法事をやる機会は多いのではないでしょうか。その際気になるのが法事の相場・御布施にどのくらいの金額を包めばよいのかということだと思います。この記事では、御布施の相場と御布施に関するマナーを紹介していきます。
公開日 : 2020/9/18
更新日 : 2020/9/18
目次
そもそも法事とは
法事とは故人の冥福を祈って供養を行う仏教の儀式を指します。似たような言葉で「法要」がありますが、厳密には法事と法要の意味は異なります。
法事は法要とその後の会食を含む行事のことを意味する一方で、法要は死者の冥福を祈るための供養行事という意味があります。すなわち、法要と会食をまとめた仏教行事のことを法事と呼びます。
法事は一般的に初七日と四十九日を除いては遺族のみで行われます。通常は四十九日をもって忌明けとされ、その日以降は年忌法要となります。この記事では、初七日や一周忌などの法事ごとの金額相場や御布施の渡し方等をみていきます。
法事の金額相場
法事の際には僧侶(お坊さん)に対して御布施をお渡しする必要があります。御布施は寺院の維持費などに使われます。仏教では御布施は修行の一部として考えられているため、金額が明示されることはありません。
「いくら包めばよいのか」と悩む方もいらっしゃると思います。そこで、法事の種類別に御布施の相場をみていきましょう。
忌日法事の金額相場
まずは初七日、二七日や六七日などの忌日法事の金額相場をみていきましょう。
初七日
初七日は命日から数えて七日目に行う法事を指します。故人の魂が三途の川の川岸にたどり着く日であるとされています。初七日の御布施は3万円~5万円が相場です。
最近では葬儀と初七日法事を同日に行う方も増えています。その場合、葬儀の御布施に合わせて初七日の御布施を支払う必要があるので気をつけましょう。
二十七日~六十七日
二七日~六七日の法事の御布施はそれぞれ3万円~5万円が相場です。四十九日に納骨法要を同日に行う場合は6万円~10万円、さらに開眼法要を行う場合は10万円~15万円が相場になります。
最近では四十九日だけの法事を行う方が増えていますが、本来であれば二七日(ふたなのか)・三七日(みなのか)・四七日(よなのか)・五七日(いつなのか)・六七日(むなのか)の法事を行い、故人の冥福を祈ります。
年忌法事の金額相場
次は一周忌、三回忌、二七回忌、三十三回忌、五十回忌などの年忌法事の金額相場をみていきましょう。
一周忌
一周忌は命日から1年後に執り行われる法事です。金額相場は3万円~5万円です。一周忌は家族・親族以外にも友人・知人を招いて行うため、他の回忌法事よりも参列者が多い傾向にあります。四十九日に納骨法要を行わなかった場合は一周忌に行う場合が多いです。
その場合は6万円~10万円が相場になります。開眼法要も合わせて行う場合は、10万円~15万円が御布施の相場です。日程調整については、本来は命日に法事を行うことが理想ですが、週末などの集まりやすい日に行われることも増えました。その場合は命日よりも前に行うことが一般的です。
三回忌~二十七回忌
三回忌から二十七回忌の法事の金額相場は1万円~5万円です。具体的には、三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・二十七回忌があります。法事は故人が亡くなった年から数えでそれぞれの年後に行われます。
三回忌までは知人・友人なども参列する場合があります。二十三回忌以降は身内のみで行う、もしくは法事を行わないところもあります。
三十三回忌/五十回忌
三十三回忌と五十回忌の法事の金額相場は1万円~5万円です。弔い上げを行う場合の相場は5万円~10万円になります。
家族や親族が高齢になって法事を行うことが困難になる・故人に縁のある人が少なくなるという理由から弔い上げを行ってそれ以降の年忌法事を行わない方が多いです。
その他の法事の相場
その他の法事として初盆・通常のお盆・お彼岸の際の法事の金額相場をみていきましょう。
初盆
初盆は四十九日をあけてから初めて迎えるお盆のことです。初盆の御布施の金額相場は3万円~5万円です。
通常のお盆
通常のお盆の御布施の金額相場は5千円~2万円です。家族や親族のみで行うのが一般的です。
お彼岸
春と秋のお彼岸の時期(春分の日と秋分の日の前後3日を合わせた7日間)に法事を行った場合の相場を紹介します。合同のお彼岸法要に参加する場合は3千円~1万円が相場です。個人でお彼岸法要を依頼する場合は3万円~5万円が相場となります。
御布施以外に僧侶に渡すお金
御布施以外にも僧侶が自宅まで出向いてくれた場合にお車代、法要の後に会食をする場合に御膳料を支払う必要があります。
お車代の相場は5千円~1万円です。御膳料の金額相場は5千円~1万円ですが、ホテルのレストランや料亭を予約している場合は1万円~2万円になります。
宗派によって異なる御布施金額
仏教の宗派によっては御布施の金額は大きく変わります。また、同じ宗派であっても地域によって異なる場合があります。事前に確認をしましょう。
御布施の金額に影響を与えるものが戒名料です。戒名料は位によって金額が変わります。20万円~100万円かかる場合もあります。浄土真宗であれば戒名料は必要ありません。浄土真宗では法名をいただくことができます。
御布施の金額がわからないときの対策
ここまで御布施の相場を確認してきましたが、正確な金額を知りたい方もいらっしゃることでしょう。その場合僧侶に直接訊ねることが1つの手段になります。御布施は労働対価ではないため、「お気持ちで」と返答される可能性もあります。
その際には「他の方はどの程度渡されていますか」と尋ねることを勧めます。僧侶にとって答えやすい質問をすることで、法事後の金銭トラブルを避けることができるでしょう。
御布施に関するマナー
ここから御布施に関するマナーを見ていきましょう。
法事の御布施の包み方
まずは御布施の包み方についてです。御布施を包む際には白の封筒もしくは「御布施」と印刷されている封筒を用いるのが一般的です。白の封筒は二重になっていないことを確認してください。
水引は必要ありません。あえて選ぶのであれば、黒白か双銀の鮑結びを選びましょう。奉書紙で包むのが正式なマナーとされていますが、近年では封筒を使う人も増えており、問題ありません。
法事での御布施のお札の入れ方
封筒の表面とお札の表面(肖像画がある側)を揃えて、肖像画が封筒の口側にくるようにいれましょう。正式なお札の入れ方の決まりはないので、地域ごとの慣習など調べておくとよいでしょう。
また、金額を設定する際に不吉な数字とされている2(割り切れる)、4(死)、9(苦)には気を付けましょう。もしも2万円を準備するのであれば、1万円札1枚と5千円札2枚を準備してお札が3枚になるようにするとよいでしょう。
御布施の書き方
香典とは違って濃墨の筆で書きます。封筒の表面、上半分中央に「御布施」と書き、下半分中央に「●●家」と書きます。裏面には金額も含めて何も書く必要はありません。購入した封筒に中袋がついていて、金額や住所氏名を書く欄がある場合には書いても問題ありません。
御布施をいつ渡すのか/渡し方
御布施は法事の前に挨拶をするとき、もしくは法事後のお礼を伝える際に渡すのが一般的です。僧侶に手渡す際には小さなお盆の上にのせたり、袱紗の上に置いたりして渡します。
お盆は切手盆などを用いるのが良いのですが、無い場合は小さなお盆に載せて文字の正面を僧侶の方に向けて差し出しましょう。
合同の法要の場合はお寺の本堂などの入り口に受付が用意されていることがあります。お寺に入る際に受付の方に御布施を渡しましょう。受付がない場合は法事の前後の挨拶の際に渡すとよいでしょう。
トラブルなく法事を行うために
法事の相場・マナーを理解していただくことができたでしょうか。法事の金額は葬式などと比べて特別高いわけではありませんが、正式な値段が決まっていないために僧侶との間にトラブルが生じる可能性もあります。
法事の相場やマナーをきちんと確認して故人の冥福をお祈りできる機会を作りましょう。
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