香典辞退は可能なのか|辞退の伝え方や辞退を伝える際の書き方を紹介
公開日 : 2020/9/4
更新日 : 2020/9/10
自らの葬儀。並びに、自身が喪主を務める葬儀では参列者の方から頂く香典は辞退することが可能です。しかし、香典は「相互扶助」の考えの基、提供されるものです。そのため、失礼がないよう辞退しなければなりません。以下で、辞退する際の伝え方や伝える際の書き方を紹介します。
公開日 : 2020/9/4
更新日 : 2020/9/10
目次
香典辞退は可能
自らの葬儀。並びに、自身が喪主を務める葬儀では参列者の方から頂く香典は辞退することが可能です。この時、香典を辞退する理由はいくつかあります。1つ目が、参列者に負担をかけたくないためです。
2つ目が、故人や遺族が香典返しなどの負担を軽減したいと考えたためです。3つ目が、その土地で故人の後を継ぐ人がおらず、近所の方から香典を頂いても、その後のお付き合いが難しいと考えたためです。
4つ目が、家族のみで静かに送る葬儀を行い、一般の方の弔問はお断りするためです。そして5つ目が、宗教上の理由です。こうした理由で香典を辞退する際に、どのように相手に伝えるべきかを以下で紹介していきます。
香典辞退を伝える方法
香典辞退を伝える方法は、主に次の2つです。1つ目が、「訃報や葬式の形式案内の際に伝える」です。2つ目が、「当日、受付で辞意を伝える」です。以下でこの2つの詳細を紹介していきます。
訃報や葬式の形式案内の際に伝える
1つ目が電話やメールで訃報や式の案内の際に連絡する方法です。訃報や葬式の案内を伝える段階で、家族葬のため「香典・弔問を辞退する」ことを伝えれば、連絡を受けた相手も対応可能です。
また、訃報や葬式の連絡の際に、お通夜・お葬式の会場を伏せておくと香典・弔問辞退の意思が、より伝わりやすくなります。この時、家族葬や香典・弔問を辞退すること「故人の遺志」or「故人ならびに遺族の意思」としておけば、問題ありません。
さらに、訃報や葬式の案内を連絡する方を限定することも重要です。なぜなら、訃報や式の案内が広く知れ渡ることがなければ、辞退の意向が伝わりやすく、香典辞退に繋げることができるからです。
当日、受付で辞退を伝える
もう1つが、当日に受付で伝えるという方法です。このように会場で知らせる方法は、看板に「家族葬のため香典・ご厚志(供花や供物)を辞退する」ことを明記するというやり方です。その際、看板は葬儀会社が備品として準備してくれます。
この時、受付の方にも香典等辞退の意思を弔問客に口頭で伝えてもらうようにしてください。しかし、どうしても香典を渡したいとおっしゃる方も中にはいらっしゃいます。この様な場合の対処法を以下で紹介しているため、確認しておきましょう。
失礼のないように香典辞退するための心がけ
香典は「相互扶助」の考えで行われます。なぜなら、葬式をあげるのはお金がかかるため、近所の人など周囲で助け合って行うことが適切とされているからです。このように、元々は線香だったものが、食べ物を分けたり人手を割く形に変わり、現在ではお金になりました。
さらに、香典は弔意を表すとものとされています。つまり、葬儀で香典は渡すのが当たり前であるとの考えの方もいます。本当の理由が、香典返しの負担を軽減したいためでも、わざわざ来てくれた参列者の方にその理由を伝えるのは失礼となります。
これを防ぐために、「故人の意向で」という形で伝えることが推奨されています。さらに、準備の手間を取らせないためにも、香典辞退の旨をなるべく事前に伝えるにように配慮しなければなりません。
状況ごとの香典辞退に関する文書の書き方を紹介
以下で紹介する状況は次の3つです。1つ目の状況が、「家族葬において辞退を伝える場合の書き方」です。2つ目の状況が、「会社からの香典を辞退する場合の書き方」です。そして3つ目の状況が、「知人や友人からの香典を辞退する場合の書き方」です。詳細を紹介していきます。
家族葬にて辞退を伝える場合の書き方
当日の家族葬で香典や供物を辞退する場合
家族葬で香典辞退する場合は、「故人の希望により家族葬にさせて頂きます。つきましては弔問および香典・供物はご辞退申し上げます」と、家族葬という事だけでなく、香典辞退の旨を伝える必要があります。以下、文例です。
謹啓 ◎(喪主との続柄) 〇〇(名前)儀 ×月×日 享年△歳にて永眠致しました ここに生前のご厚誼を深謝し 謹んでご通知申し上げます 葬儀及び告別式は下記の通り執り行います 日時:通夜式 ×月△日 午後●時から 告別式 ×月×日 午前●時から 場所:☆葬祭ホール
住所:A県B区3-5-24 電話:12ー0654ー0021 尚 故人の意志により家族葬にさせて頂きます 誠に勝手ながら弔問、御香典や御供花等は 辞退させて頂きます 敬白 令和▽年×月×日 喪主〇〇 ここまでが文例です。
後から葬儀を行ったことを知らせる場合
後から知らせる場合、故人の友人などから弔問に来たいと言われる場合もあります。そのため、文書内に喪主の住所や連絡先を入れておくと良いでしょう。以下、文例です。 謹啓 ◎(喪主との続柄) 〇〇(名前)儀 ×月×日 享年△歳にて永眠致しました
謹んで ご通知申し上げます なお 誠に勝手ながら 故人の遺志により 葬儀は▼月×日 近親者のみで執り行いましたこと ご容赦ください 本来ならば早速申し上げるところではございましたが ご通知が遅れましたことお詫び申し上げます
また 御香典 御供物につきましても 故人の遺志により 辞退申し上げます 生前に賜りました ご厚誼に深くお礼申し上げ 失礼ながら 書中にてお知らせ申し上げます 敬白 令和△年×月×日 住所 喪主〇〇 ここまでが文例です。
会社からの香典を辞退する場合の書き方
この場合は、言葉選びに気をつけてください。例えば、身内が亡くなった場合は「死去」「永眠」「他界」等の言葉を使用します。急に亡くなった場合は「急逝」です。「逝去」は尊敬語です。そのため、社内の総務部や人事部の方などが社員やその家族の訃報連絡を代理で回す際には利用できます。
しかし、本人が送る訃報連絡には使えないので注意してください。以下、文例です。謹啓 ×月×日 ◎(本人との続柄)○○(享年)が死去いたしました。 故人の遺志により、遺族・近親者のみで家族葬とさせていただきます。
つきましては、弔問やご香典・弔電・ご供花等ののお気遣いは、故人の遺志により辞退させていただきます。皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。敬白 〇〇 以上が文例です。
知人や友人からの香典を辞退する場合の書き方
故人の友人へ香典辞退の連絡をする際、親しかった方には電話を入れてください。その後メール等で葬儀の詳細、並びに香典辞退の連絡をすることを推奨します。以下、文例です。○○(故人の名前)の(続柄)の〇〇です。本日午後○時に○○が亡くなりました。生前のお付き合いに感謝申し上げます。
通夜は×月×日午後▼時から、告別式は翌日の×月△日午前●時からA区のBセレモニーホールで行います。(葬祭ホールのURLなど) つきましては、誠に勝手ながらご香典やご供花などのお気遣いは辞退させていただきます。〇〇(名前)ここまでが、文例です。
友人等や知人等へのメッセージを送信する場合はフランクな形式でも問題ないでしょう。重要なことは、必要事項を簡潔にまとめた後、迅速に送信することです。
香典を辞退したにもかかわらず、頂いた場合は
香典や弔問を辞退したにもかかわらず、弔問があった場合。または、御香典をいただいた場合にはどのように対処すべきでしょうか。基本的には、辞退したにも関わらず渡された場合は下に断るようなことは不適切です。
もし弔問された場合は、お通夜・お葬式には参列してもらうようにしてください。なぜなら、弔問客を無理に帰すことは失礼に値するからです。そして、御香典をいただいた場合は、後日香典返しを送るようにしてください。
この香典返しを送る時期ですが、四十九日が過ぎてから、返礼品に挨拶状や会葬礼状を添えて送るようにしましょう。ただし、家族葬であれば弔問だけされ御香典は受け取らない事例もあります。その時々に応じた、適切な対処を心掛けてください。
ちなみに、弔電も辞退可能
香典だけでなく、弔電も弔問も辞退することは可能です。もしお断りしたい時は、訃報連絡と同じ時期に弔問や香典をお断りするのと同様に行うことが適切なタイミングです。
しかし、基本的に弔電は香典と違い、お返しを必要としないことが多いものです。そのため、どうしても送りたいという方がいればありがたく弔意を受け取るようにしましょう。
マナーに則り、失礼がないように辞退しましょう
ここでは、香典辞退を行う際の伝え方。様々な状況における香典辞退の文書の書き方を紹介してきました。香典等の善意を辞退する際は、失礼がないように上記で紹介したマナーに則り、適切な対処を心がけるようにしてください。
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