忌明けの挨拶状はどうすべき?|文例と共に基本的なマナーを紹介

公開日 : 2020/8/25

更新日 : 2020/9/10

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ここでは忌明けに送るべき挨拶状に関する基本的なマナー、並びに参考にしたい文例を紹介していきます。基本的に挨拶状は、所属する宗教や宗派によって守らなければならないルールがあります。きちんとルールを抑えた上で、失礼のないようにしていきましょう。

公開日 : 2020/8/25

更新日 : 2020/9/10

目次

忌明けについて

忌明けの定義について紹介します。まず仏式では、故人が亡くなられた日から49日間が期中です。これは穢れを祓う期間であり、ご遺族は身を慎み故人の冥福を祈らなければなりません。そして、忌中には初七日など7回の忌日があります。

 

この7回目の四十九日法要を終えた時が「忌明け」です。この忌明け後には、会葬者に忌明けの挨拶状を添えて香典返しを行う必要があります。

 

つまり、忌明けは葬儀後の大事な節目に位置します。一方、神式では五十日祭キリスト教では1ヵ月目の追悼ミサや召天記念日が仏教の忌明けです。

忌明けの挨拶状の用紙や折り方を紹介

ここでは、忌明けの挨拶状を送る際に使用すべき用紙の種類や、その用紙の折り方を紹介していきます。

挨拶状をはがきで送る場合

まずは、挨拶状をはがきで送る場合のマナーを紹介します。基本的に、はがきで送る場合の書き方は、封書と変わりません。しかし、注意すべき点があります。それは、はがき印刷は略式のため、手書きにしなければならないということです。また、切手も忘れずに添付してください。

 

また、はがきの類似商品として忌明けの挨拶状用のカードも販売されています。はがきよりもしっかりしたものを送りたい。しかし、封筒で挨拶状を送ることは面倒だなと考えている人は、このカードを使用することを推奨します。

挨拶状を奉書用の封筒で送る場合

忌明けの挨拶状を送る場合、もちろんはがきで済ませるのではなく封筒に入れた方が丁寧な印象が伝わります。この時、二重封筒は使用しないでください。なぜなら、二重封筒は縁起が悪いとされているからです。

 

また、封筒を使用する場合は、奉書の折り方にも気を配りましょう。まず、封筒に合わせて二つ折り、もしくは三つ折りにしましょう。この時、二つ折りで封筒に入れる場合には取り出しやすいように折った方を開く方にしてください。ただし、A4サイズの用紙を使用する場合は三つ折りにしましょう。

忌明けの挨拶状を書く際の基本的なマナー

ここからは、忌明けの挨拶状書く際に抑えておきたい基本的なマナーを紹介していきます。こちらを抑えた上で、文例を参照すると書き方に対する理解が深まるため、おすすめです。

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句読点は使わずに書く

忌明けの挨拶状を書く際に、句読点は使用しないことが慣例とされています。その理由は、大きく2つあります。1つ目が、句読点は元々、文章を上手く読めない人が読みやすいようにとの配慮でつけられた記号だったからです。

 

そのため、忌明けの挨拶状を大人に送る際、相手を子ども扱いすることになり、無礼であるということで使われないようになりました。2つ目が、物事が終わりまでスムーズに流れるように、途中で途切れないようにという願いを込めているからです。以上2つの理由から、句読点は使用しないようにしましょう。

忌み言葉と重ね言葉を使用しない

忌明けの挨拶状を書く上で、繰り返し言葉や重ね言葉等の、不幸の繰り返しや重なりを連想させる言葉は使用しないでください。これらの言葉は「忌み言葉」とされており、弔事等の行事において使用を避けなけれなならない言葉だからです。以下、忌み言葉の例を挙げておきます。

 

たびたび」がその代表例です。このような生死に関する直接的な言葉はNGです。他にも、
重なる、重ね重ね、再度、再々やまた、たびたび、しばしば、ときどき、返す返す等があります。また、皆々様や長引く、死ぬ、迷う等の使用も避けた方が良いでしょう。

故と亡を使い分ける

忌明けの挨拶状だけに関わらず、弔事における文書を書く際、見落としがちなルールが「故」と「亡」の使い分けです。具体的には、「亡父 ○○○○儀」か「故 ○○○○儀」という表記のことを指しています。

 


まず、故人との血縁関係を入れたい場合は「亡」を使用してください。さらに、施主と故人の姓が異なる場合には、氏名で書き表します。そして、社葬の場合は「弊社社長 故○○儀」の様に書き表すことが正しい表記だとされています。

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逝去は身内には使用しない

忌明けの挨拶状を書く際に、使い方に気をつけたい言葉が「逝去」という言葉です。弔事でよく耳にする言葉ですが、使用方法を誤っているケースが散見されます。以下で、正しい「逝去」の使い方を説明します。

 

まず、逝去は故人に対する敬意を表す敬語です。つまり、こちらの身内が亡くなった場合の挨拶状に使用する必要はありません。基本的には、挨拶状やお悔み状を書く時に、相手の身内に対して弔慰・哀悼を示す際に使う言葉です。

自作の挨拶状は薄墨で書く

自作で忌明けの挨拶状を書く際、薄墨を使用するケースが大半です。さらに、封筒の表紙にも基本的に薄墨が用いられます。その理由は、「きちんと墨を摺って濃い文字で書く場面だが、悲しみのあまり力が入らない」

 

もしくは、「悲しみの涙が硯に落ち、摺っても薄くなってしまい、薄墨で書かざるを得なかった。」という意味を演出するためだとされています。

 

ただし、既に忌が明けている場合は黒墨にすべきだという考え方もあり、どちらが正しい形式かは一概には断定できません。そのため、挨拶状の本文には薄墨を使い、封筒の表書きは普通の墨を使うという書き分けをされている方もいらっしゃいます。

忌明けの挨拶状を書く際の文例を紹介

以下では、忌明けの挨拶状を書く際に参考にしたい文例を紹介していきます。宗教や宗派ごとに内容が異なりますので、きちんと確認しておきましょう。この時、香典を辞退されている方にも挨拶状は送信しましょう。

仏式の挨拶状の文例

仏式の挨拶状を送る際、必ずではありませんが戎名がある場合はきちんと記載してください。以下、文例です。 謹啓 先般 亡△(続柄) ○○(俗名)儀 葬儀に際しましては ご多忙の中にもかかわらずご会葬を賜り、またご鄭重なるご厚志を賜り 心よりお礼申し上げます

 

皆様のお蔭をもちまして ○○(戒名)の七七忌法要を滞りなく営み 忌明けを迎えることができました つきましては供養の印に心ばかりの品をお送りいたしましたので ご受納いただければ幸いです 

 

本来であれば拝眉の上お礼申し上げるべきところですが 略儀ながら書中にてお礼のご挨拶とさせていただきます 敬白  令和×年☆月◆日 住所 ●市▼町  喪主 AA 親族一同 ここまでが文例です。

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神式の挨拶状の文例

上記で少し紹介しましたが、神式では五十日祭が忌明けとされています。この行事は、神道において四十九日にあたります。仏式と共通する部分も多いため、良く見比べながら書くようにしてください。以下、文例です。

 

謹啓 先般 亡△(続柄) ○○儀 帰幽の節はご多用の中ご臨席賜り また御懇篤なる御弔慰とご鄭重なる御玉串料を賜り 誠に有り難く衷心より御かげ礼申し上げます 皆様のお陰をもちまして五十日祭も滞りなく済ませることができました

 

本来なら早速拝趨の上お礼申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中を持ちましてご挨拶を申し上げます 敬白 令和×年☆月 偲び草のしるしとして心ばかりの品をお送りしますのでご受納いただければ幸いです ここまでが文例です。

キリスト教の挨拶状の文例

キリスト教において、忌明けの挨拶状を送る際は宗派を確認する必要があります。その理由は、以下で紹介するように、宗派ごとに挨拶状の内容が異なるためです。

召天記念日の後の挨拶状の文例

キリスト教、中でもプロテスタントの場合は、故人の死後1ヶ月後に召天記念日の記念集会を行わなければなりません。この時の、忌明けの挨拶状では仏教用語は使用してはいけませんので、注意しましょう。以下、召天記念日の際の文例です。

 

拝啓 先般 亡△(続柄) ○○ (洗礼名) 召天の際は ご多用中ご臨席賜りかつご鄭重な御花料を賜り お礼申し上げます 皆様のお蔭をもちまして 召天記念日も滞りなく済ませることができました つきましては忍草のしるしに心ばかりの品をお送りいたしましたので

 

ご受納いただければ幸いです 本来なら皆様のお目にかかりお礼申し上げるべきところ 書中にて失礼とは存じますが ご挨拶とさせていただきます 敬白 ここまでが、召天記念日における文例です。

追悼後の挨拶状の文例

キリスト教、中でもカトリックの場合、故人の死後30日目に追悼のミサを行わなければなりません。プロテスタントにおける召天記念日の挨拶状とは少し異なるので、きちんと確認しておきましょう。以下、文例です。

 

過日 亡△(続柄) ○○(洗礼名) 帰天の際はご多用中ご臨席賜りまたご鄭重な御花料を賜り お礼申し上げます 皆様のお蔭をもちまして 追悼ミサも滞りなく済ませることができました ここまでが、上記文例との相違点です。これ以降は、プロテスタントの召天記念日の文例を参考にしてください。

無宗教の挨拶状の文例

無宗教であっても、上記で紹介した宗派と類似する形式で書くことは変わりません。ただし、宗教用語を間違えて使用しないように注意しましょう。以下、例文を紹介していきます。拝啓 先般 亡△ ○○ 永眠に際しましては ご多用中にもかかわらずご臨席賜り 

 

またご鄭重な御厚志を賜り お礼申し上げます 皆様のお蔭をもちまして 諸事万端滞りなく済ませることができました つきましては心ばかりでございますが お品をお送りいたしましたので ご受納いただければ幸いです

 

本来ならお目にかかりお礼申し上げるべきでございますが 書中にて失礼と存じますが ご挨拶とさせていただきます 敬白 ここまでが、無宗教の場合の文例です

マナーを抑えて適切な挨拶状を送りましょう

ここまでは、忌明けの挨拶状を送る際に参考にしたい文例。並びに挨拶状を書く上で抑えておきたい基本マナーをを紹介してきました。ここで紹介した2つを参考に、送り相手に失礼がない挨拶状を作ることを心掛けていきましょう。