忌明けの挨拶状の基本的なマナーや手書きの時の注意点を解説
公開日 : 2020/8/22
更新日 : 2020/9/8
無事に忌明けを迎えられたことの報告をするために、挨拶状を香典返しと一緒に送ります。忌明けの挨拶状の書き方や基本的なマナーを守らないといけません。また、手書きや文章を自作する方も注意点がありますので、そのポイントについてまとめてみました。
公開日 : 2020/8/22
更新日 : 2020/9/8
目次
忌明けの挨拶状の書き方
忌明けの挨拶状の書き方は、宗教によっても使ってよい言葉とダメな言葉などがあるため、基本的なマナーを守りながら準備することが必要です。ここからは基本的なマナーと宗教別に文例をご紹介しますので、確認してみてください。
忌明けの挨拶状のマナー
忌明けとは納骨や葬儀や終わったことの節目で、会葬された方に挨拶状と香典返しを行うのが一般的です。挨拶状を書くときは、句読点を用いないのが基本的なマナーのため気を付けて書きましょう。さらに、繰り返しや重ね言葉を使ってはいけません。
これは、不幸の繰り返しや重なりを連想させることになるため、「続々」・「再々」・「重ね重ね」を挨拶状の中に入れないようにしましょう。そして、相手に失礼のないように敬語を使って挨拶状を書きます。難しいように感じますが文例があれば、準備できます。
忌明けの挨拶状を送る相手によって、挨拶の内容を自作するのもおすすめです。故人の生前の人柄であったり、思い出など定型文ではなく自作すれば、相手にとって特別な文章を書き添えることができます。感謝の気持ちが伝わりやすくなるため時間がある方は行いましょう。
仏教の挨拶状
仏教の忌明けの挨拶状は縦書きで書くのが基本です。まず初めに「謹啓」と書きます。次に、「先般 亡父(俗名)儀 葬儀に際しましてはご多忙の中にもかかわらずご会葬を賜り またご鄭重なるご厚志を賜り心より厚く御礼を申し上げます」と書くと感謝の気持ちを表します。
「お蔭をもちまして (戒名)の七七忌法要を滞りなく営み忌明けを迎えることができました」と報告します。後は香典返しの内容を書くために「つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納いただければ幸いです」と書きます。
「本来であれば拝眉の御礼を申し上げるのが本意ではございますが 略儀ながら書中をもちましてお礼のご挨拶とさせていただきます」と結びの挨拶を入れたら「敬白」と書き、令和〇年〇月〇日と書いたら、住所・喪主の名前・親族一同と書いてまとめます。
神道の挨拶状
神道では、仏教のような四十九日法要と同じものの「五十日祭」が忌明けです。仏教では使わない御玉串料・御榊料という言葉や帰幽・五十日祭があるため、挨拶状の中に入れましょう。挨拶状の初めは「謹啓」から始まり最後は「敬具」でしめます。
主文は、「先般 夫〇〇 帰幽の節はご多用の中ご臨席を賜り また御懇篤なる御弔慰とご鄭重なる御玉串料を賜り 誠に有難く厚く御礼を申し上げます」と感謝の気持ちを伝えます。さらに、「お陰をもちまして五十日祭も滞りなく済ませることができました」と報告をします。
「本来ならば早速拝趨の上 御礼を申し上げるべきところではございますが 略儀ながら本状にて謹んでご挨拶申し上げます」と結びの挨拶でしめてください。また、仏教と同じく挨拶状を出した日付を書きます。
キリスト教の挨拶状
キリスト教の忌明けの挨拶状では、御花料・弔慰金という言葉を使い、カトリックなら「帰天」・プロテスタントなら「召天」という言葉を使います。プロテスタントは死後1ヶ月後に召天記念日の記念集会を行い、カトリックは死後30日目に追悼ミサを行ないます。
「拝啓」と書いたら終わりは「敬白」です。そして、本文は「先般 亡父(洗礼名・俗名) 召天の際は 心のこもったお祈りの言葉とご芳志を賜り かつご鄭重な御花料を賜り 厚くお礼を申し上げます」と感謝の言葉を書きましょう。
その後は、「お蔭をもちまして 召天記念日(カトリックなら記念ミサ)も滞りなく済ませることができました つきましては忍草のしるしに心ばかりの品をお送りいたしますので ご受納いただければ幸いです」と書き、結びの挨拶を書いてまとめます。
無宗教の挨拶状
無宗教であっても忌明けの挨拶状は必要です。法要名や供養などの宗教用語を使わずに対応します。文例としては、「父も皆様に見送られ 旅立つことができたと思います お蔭をもちまして 滞りなく済ませることができました」と報告します。
次に、「つきましては心ばかりの品をお送りいたしますので ご受納くださいますようお願い申し上げます」と香典のお返しについて述べましょう。結びの挨拶として「本来ならばお目にかかりお礼を申し上げるべきところ まずは書中にてご挨拶を申し上げます」と書きます。
挨拶状の始めと終わりには「拝啓」と「敬白」を入れるようにしてください。忌明けの挨拶状は他の宗教と送るタイミングが同じで、書き方も普段の手紙よりも丁寧に書くようにしましょう。
挨拶状は手書きでなくても大丈夫
忌明けの挨拶状は手書きで書くと丁寧で気持ちが伝わりやすいのが特徴です。手書きの時は毛筆で書くと気品がありますが、筆ペンを使っても問題はありません。手書きで忌明けの挨拶状を書く場合は、奉書紙で純白の上質な和紙を使用するのが基本的なマナーです。
そのため、忌明けの挨拶状の用紙は適したものを選ぶようにしましょう。そして、墨は薄墨ではなく濃い墨を使うのが特徴です。四十九日法要で忌明けとなるため薄墨はもう使用する必要はありません。地域によっては薄墨を使う場合もあるため風習などを確認しましょう。
手書きで忌明けの挨拶状を書くということは、丁寧な字を心がけないといけません。字に自信がない場合は、無理しないでお店で印刷をお願いした方がよいでしょう。
忌明けの挨拶状の送り方について
忌明けの挨拶状は香典返しと一緒に送ったり、挨拶状だけと様々なパターンがあります。そのため、挨拶状の送り方について気を付けてほしいポイントをまとめてみました。不安な方は参考にしながら挨拶状の発想準備を進めていきましょう。
はがきの挨拶状の場合
忌明けの挨拶状にはがきを使う場合は、略式とされているため手書きで書いた方が丁寧に感じる方が多いです。はがきだけで送る際は、切手の貼り忘れに気を付けましょう。カードタイプの挨拶状もありますが、はがきは奉書封筒が必要ないため時間のない方におすすめです。
はがきではなく、カードに挨拶状を準備した場合は、封筒に入れるのがマナーであり、奉書封筒を使用します。丁寧な形式のため、カードの時は必ず奉書封筒を準備し、表書きは「挨拶状」と封筒の中央に丁寧な字で書いてください。
はがきやカードの挨拶状のタイプは、香典返しの品物を選んだ際に印刷してもらえることが多いです。ギフトショップにはテンプレートがありますから、自分が考えていた挨拶状の内容に合わせて選ぶことが可能です。自宅のパソコンで印刷する方もいるので調整しましょう。
手紙の折り方や封筒について
忌明けの挨拶状で便箋を使用したときは、折り方にも気を付けなければいけません。奉書紙や巻き紙の和紙を使うのがマナーです。折り方は、紙の左端から右端に文面を内側にして巻いていき、その後に端がぴったりと合うように全体を軽くつぶしてください。
軽く折り目をつけるのがポイントで、三つ折りが好ましいです。しかし、地域によっては六つ折や七つ折と決まっている風習もあり確認しましょう。香典返しと挨拶状を一緒に送るときは、のしの下に挨拶状を入れ、郵送の際はのしが傷つかないためにその上から包装紙をかけます。
忌明けの挨拶状で便箋を使用したら、奉書封筒を用意しますが白封筒で一重のものを使用してください。二重封筒は縁起が悪いと考えられているためマナー違反です。
忌明けの挨拶状のマナーを守って準備しよう
忌明けの挨拶状を書くときは、宗教に合わせた言葉を使って書かないといけません。定型文があるため、それに沿って行えば準備を進めていくことができます。手書きや文章を自作する方は気を付けなければいけないポイントを守って書くようにしましょう。
文章以外にも挨拶状の用紙や折り方など細かい点にも気を付ける点はあるため、正しいマナーを守って挨拶状を準備してください。
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