香典袋に書く名前は印刷しても大丈夫?香典袋の書き方やマナーも紹介
公開日 : 2020/8/25
更新日 : 2020/9/9
葬儀や法要で渡す香典袋は、筆ペンなどで手書きすることが一般的です。しかし、近年パソコンやプリンターの普及により家庭でいろいろな書類を印刷するようになっており、香典袋についても家庭で印刷する人が増えているようです。今回は、香典袋を印刷することは失礼にあたらないか、香典袋の印刷方法、書き方、マナーについて紹介いたします。
公開日 : 2020/8/25
更新日 : 2020/9/9
目次
香典袋の印刷は失礼?
香典袋に書く名前を印刷することは失礼にあたるのでしょうか。葬儀・法要のマナー違反になるのでしょうか?まず、ここでは香典袋の名前を印刷することについて見ていきましょう。
香典袋を印刷することはマナー違反ではない
香典袋の名前を印刷することは、明らかなマナー違反ということにはなりません。世代間や地域間で考え方の違いがあり、肯定的な意見もあれば、やはりそういうものは手書きでないとという考え方があるのも事実です。
現代ではいろんな書類をパソコンで作成するため、字を書く機会が減ってきています。字にあまり自信がない人は、プリンタで印刷することによってきれいな字の香典袋を用意することができるというメリットがあります。
しかし、印刷した文字では、やはり心がこもっていないと感じる方も多いでしょう。香典袋を印刷することはマナー違反ではありませんが、心を込めて手書きで準備しておけば、相手が受け取った時どう感じるかを気にする必要もなく、落ち着いて葬儀や法要に参列することができるでしょう。
香典袋を印刷するケースも多い
香典袋は手書きが無難ですが、名前以外の部分(表書きなど)は印刷する人も多くなっています。コンビニや量販店などで売られているものの表書きは、ほとんどが印刷です。
ご家庭で印刷する場合は、文字のフォントや色に注意して印刷しましょう。フォントについては、できるだけ毛筆の字体に近いものを選ぶようにします。また、色は葬儀、告別式の場合は、薄墨に近いグレー色、他の法要の場合は黒色を使用します。
香典袋の印刷方法
香典袋を印刷するには、パソコンとプリンタが必要です。また、パソコンに文字の編集や印刷を行うソフトが必要ですが、一般的にはマイクロソフトのオフィスに含まれるワードまたはエクセルを使用するか、筆まめや筆ぐるめ等の専用ソフトを使用します。それぞれについて、使用方法を見てみましょう。
ワード
ワードを使用する場合は、Googleなどの検索サイトにて香典袋印刷用のテンプレートを検索し使用すると、簡単に作成することが可能です。 見つけたテンプレートに名前などを入力して印刷を行います。 以下に印刷までの手順例を記載します。
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香典袋を用意し、サイズを確認します。
- Googleなどの検索サイトで「香典袋 テンプレート ワード」でテンプレートを検索し、ダウンロードします。このときワードフォーマットのものをダウンロードします。
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ダウンロードした香典袋テンプレートをダブルクリップすると、ワードが起動しテンプレートが表示されます。
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テンプレートに表書きや自分の氏名を入力します。
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入力した文字のフォント、サイズ、色を指定します。
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向きや余白を指定して印刷します。このとき1.で確認した香典袋のサイズを指定します。
筆ぐるめ・筆まめ
筆ぐるめや筆まめのような専用ソフトの場合は、香典袋のテンプレートがソフト内に存在しますので、検索してダウンロードする必要はありません。以下は、筆まめの印刷までの手順になります。
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筆まめを起動し、メニューの「往復はがき 送り状・ラベルなどを作る」を選択します。
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表示されているテンプレート「のし・賞状」を選択します。
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「レイアウトデザイナー」が起動し、テンプレートが表示されますので、利用したいデザインのものを選択し、名前など編集を行い印刷。
香典袋の選び方
香典袋を選ぶ際に気を付けなければいけないことは、香典の金額に見合った香典袋を選ぶということです。やはり高額な香典を包む場合は、それにあわせて良い香典袋を用意する必要があります。金額と香典袋の組み合わせは一般的に以下のようになっています。
金額 | 香典袋 |
1万円以下 | 水引が印刷されたシンプルな香典袋 |
1万円~3万円 | 実物の白黒の水引がかかった香典袋 |
3万円~5万円 | 高級和紙づくりで銀の水引がかかった香典袋 |
5万円以上 | 高級和紙づくりで水引を含め豪華な装飾の香典袋 |
香典袋の書き方
葬儀の香典では、薄墨で書くのが礼儀となります。四十九日などの法要の香典は、黒墨で問題ありません。薄墨は、「故人が亡くなったことを悲しみ涙で薄くなった」、「突然の故人の不幸に準備が間に合わず薄くなった」といった故人や遺族への思いを込めて葬儀の香典で使用します。
法要では、事前に行うことがわかっており、落ち着いて供養を行うため、黒墨で良いとされています。一番良いのは毛筆ですが、筆ペンでも問題ありません。
表書き
表書き上段には、一般的に「御霊前」、「御香典」または「御香料」と書きます。浄土真宗の場合のみ「御仏前」と書きます。下段には、氏名をフルネームで書きます。連名で香典を渡す場合は、フルネームを横並びに書きます。
中袋・裏書き
用意した香典袋に中袋がある場合は、住所および金額を記入します。金額は表面の中央、住所は裏面の左下方に書きます。
まず、表面の中央上部に「金」と書きます。その下に金額を書くのですが、漢数字の大字で書く慣習となっています。通常の漢数字では「一」、「二」、「三」、「十」、「百」、「千」、「万」と書くところを、漢数字の大字では「壱」、「弐」、「参」、「拾」、「佰」、「仟」、「萬」と書きます。また、「円」という漢字も旧字体の「圓」を使います。
この書き方は、大事な金額の記載の改ざんを防ぐために昔から行われています。例えば1万円の場合は「金壱萬圓」と書きます。
裏書きは、中袋が無い場合のみ、住所、氏名、金額を記入します。裏面の左下方に、住所、氏名、金額の順に横並びに記載します。
香典袋の包み方
香典は、黒白の水引が着いた不祝儀袋で包みます。関西や北陸などの一部の地域では黄白の水引を使用する場合がありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
中に入れるお札については、新札でも旧札でも特に問題はありませんが、あらかじめ用意していたという印象を与えるのは失礼にあたりますので、旧札または新札に折り目をつけて入れるようにしましょう。
香典袋の渡し方
香典を渡す際は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる四角い布に包んで渡します。袱紗の色は、弔事の場合、紺、深緑、グレー等の寒色系の色を使用してください。慶弔どちらでも使用できる色、紫を用意しておくと便利です。
渡す際に気をつけていただきたいのは、袱紗に包んだ香典を、先に出してしまわないことです。香典は渡す相手の目の前で袱紗から出し、表書きを相手側から読める向きにして袱紗の上に載せて差し出します。差し出す際は、落ち着いてゆっくり丁寧に、両手で差し出すことを忘れないでください。
香典袋は印刷するよりも手書きした方が良いでしょう
今回の記事では、香典袋の印刷について詳しく紹介しました。香典袋の印刷はマナー違反ではありませんが、印刷よりも手書きのほうが良いと考える方がいることを想定して手書きで書く方が無難といえます。
オンライン葬儀なども実施されだしていることを考えますと、今後は香典袋を印刷することやオンラインで香典を届けることは一般的になるかもしれません。しかしながら、故人に対しての想いや敬意から、心を込めて手書きで香典袋を準備するという考え方を残していくことも大切ではないでしょうか。
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