弔辞を書く際に参考にしたい例文を紹介|基本マナーや注意点も紹介

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/9

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弔辞とは、故人の死を慎む気持ちを表現する言葉です。さらに、葬儀や告別式で別れを惜しむ言葉を表現する意味もあります。以下では、この弔辞を書く際に参考にしたい例文を紹介します。そして例文と併せて、基本マナーや注意点も紹介していきます。

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/9

目次

弔辞とは

弔辞とは、故人の死を悼む気持ちを表す言葉のことを意味します。同時に、生前に故人と親しかった方が代表者として、お通夜や葬儀、告別式の御霊前といった状況で故人との永遠の別れを惜しむ言葉を読み上げる動作の事も意味します。

 

つまり、大切な方が亡くなられた時、誰にでも弔辞を依頼される可能性があるということです。しかし、いざ葬儀や告別式といった重要な場面で想いを告げてほしいと頼まれても、準備していなければ対応に困ることもあるでしょう。

 

以下では、そんな弔辞の書き方や書く上で抑えておきたい基本的なマナーを中心に紹介していきます。

関係性に合わせた弔辞の例文を紹介

当然のことかもしれませんが、弔辞を読むときは、故人との関係性に合わせて内容を書き換えていく必要があります。以下では、弔辞として読み上げる可能性が高い関係性にある4つのパターンで参考にしたい例文を紹介していきます。

友人代表として書く場合

弔辞を読みあげるケースとして最も多い状況は、友人代表として読み上げる状況でしょう。そのため、この状況における参考にしたい例文を2つ紹介していきます。

参考例文①

ここでは、友人代表として弔辞をお願いされた時に参考にしたい、例文を紹介していきます。以下、例文です。◎◎にお別れの言葉を捧げたいと思います。◎◎の訃報を耳にして、今でも全く受け入れられないのが正直な気持ちです。

 

私が◎◎と出会ったのは高校時代で、一緒に学業や部活動に専念しました。そして、高校を卒業しても私たちの交友関係は続き、何度も旅行に出かけられたことを今でも懐かしく思っています。また、◎◎は人生の決定においていつも私の背中を押してくれました。

 

今私が人間関係に恵まれた生活を送れているのも◎◎のおかげです。◎◎、本当に多くの思い出をありがとう。辛いですが、これを最後のお別れの言葉を伝えたいと思います。ここまでが、例文です。自身の経験を盛り込みながら、弔辞をまとめましょう

参考例文②

以下2つ目の例文を紹介していきます。◎◎でございます。△との関係を代表致しまして、最後のお別れの言葉を捧げたいと思います。こうしてあなたの遺影を前にしても、まだ信じられません。付き合いが長いほど、思い出は尽きないものですね。

 

思い出は尽きませんが、特に印象に残っているのは、わたしが●◎したときに、朝までお酒に付き合い、慰めてくれたことです。わたしは悲しみに暮れて、すっかり疲れ果てていました。それを朝まで世話して早朝に家へ連れて帰ってくれるような優しい人でした。

 

△とのお別れは、ほんとうにお辛かったことと存じます。どうかお力落としをなさいませんように。△、今まで本当にありがとう。これからも私たちのことを見守っていてください。ここまでが、例文です。上記と同様に、自身の経験を盛り込みながら書きましょう

親族の代表として書く場合

基本的に弔辞は親族以外の方が読むとされています。しかし、親族が読むことが全くないとは断定できないため、以下例文を紹介しておきます。以下、例文です。 親族を代表し、ご挨拶をさせていただきます。本日はお忙しい中、△の葬儀にご会葬くださいまして誠にありがとうございます。

 

故人もさぞかし感謝していることと思います。生前、皆さまにはひとかたならぬ親切を示していただきました。故人に代わり心からの感謝を述べたいと思います。私は甥として定期的に接する機会がありました。人生の先輩としてアドバイスを受けることもあり、

 

今後は△に相談できないのを悲しく思っております。故人のご家族のことも心配していますので、親族でしっかりと支えていく所存です。どうぞ故人の生前と変わらず、これからも皆さまのご指導を賜りますようお願い致します。ここまでが、例文です。関係性に合わせて2段落の文章を変えましょう

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孫として書く場合

孫として弔辞を読む状況も、一人っ子の方であれば出くわすこともあるでしょう。孫という立場だからといって、砕きすぎた文体で読むことは推奨しません。以下、例文を紹介していきます。

 

祖父へ、祖父とのお別れのときが来たことをまだ受け入れられません。祖父はいつも温かなまなざしで私を見守ってくれておりました。私がまだ中学生時に、祖父に会いにいくと、いつもお菓子やご馳走を用意していてくれたのを懐かしく思っています。

私が仕事を始めた後も、祖父の厚い気遣いは変わらず、私の幸せを一番に考えておりました。今まで直接伝える機会はあまりありませんでしたが、祖父には本当に感謝しています。だから、この場で言わせてください。おじいちゃん、ありがとう。ここまでが、例文です。

会社関係者(上司)として書く場合

ここでは、会社関係者として、特に自分が上司として弔辞を読む際に参考にしたい例文を紹介していきます。◎◎のご霊前に謹んで弔辞を捧げます。◎◎の遺影の前に立ち、深い悲しみを抑えられずにいます。

 

◎◎が私の所属する部署に配属された時、◎◎の聡明さと誠実さが大変印象的でした。◎◎の的確な判断力でチームをまとめる能力を持ち、敵を作らずに計画を進める◎◎は本当に貴重な存在でした。

 

ご遺族のことを考えると、どのような言葉をかけてよいのかも分かりません。私にできる限りの支援をしたいと思っております。◎◎もどうか見守っていてください。◎◎、ご冥福を祈ります。ここまでが、例文です。2段落目は配属状況等に合わせて書き換えましょう

会社関係者(部下)として書く場合

上記では、会社関係者の中でも上司の立場としての弔辞を記載しました。ここでは、部下の立場として参考にしたい例文を紹介していきます。以下、例文です。◎◎さんのご霊前に謹んでお別れの言葉を捧げます。

 

◎◎さんの突然の訃報を聞いて、私たちは大きな悲しみを感じました。◎◎さんはどのような計画であっても果敢に挑戦され、チームを常に鼓舞してくださる存在でした。そんな能力だけでなく優しい人柄も人気で、私も◎◎さんのような存在になりたいと思っていました。

 

今でも◎◎さんは私にとって見習うべき手本です。私たちは◎◎さんの残してくださった思いを胸に業務に励みたいと思います。今まで本当にありがとうございました。ご冥福を申し上げます。ここまでが、例文です。上記同様に、2段落目は状況に応じて変えていきましょう

弔辞に関する基本マナーを紹介

ここでは、弔辞を初めて書く人が抑えておきたい基本マナーを紹介していきます。経験がないころに思いつく疑問は、こちらを抑えることで解消できることが多数あります。以下、参考にしてみてください。

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弔辞の望ましい長さとは

ここでは、弔辞に望ましい長さについて紹介していきます。一般的な葬儀では、3~5人が弔辞を読み上げることが通例です。ここから逆算すると、一人あたりの奉読時間は3分程度が妥当でしょう。つまり、話す速度は1分間で300~400字程度に収めてください。

 

これは、だいたい原稿用紙1枚分くらいです。字数に換算すると900から1,200字程度になるでしょう。この文字数からわかるのは、一人があまり長々と読み続けるのは望ましくありませんが、短すぎるのもあまり味気ないということです。

 
大事なことは時間内に収めようとして、早口にならないようにすることです。事前に練習をして、ちょうどよい長さに内容をまとめておきましょう。

弔辞で伝えるべき内容とは

上記で紹介した例文でも少し触れましたが、弔辞を書く上で一番大切なことは、故人を想う気持ちと、ご遺族を慰める言葉です。そのため、弔辞の内容は、故人との思い出を振り返り、快く見送ることができるようにしてください

 

また、弔辞は、状況によっては文語体で書く必要はありません。堅苦しくならないような書き方で大丈夫です。書く時のイメージは故人に語りかけるようにするといいでしょう。しかし、弔辞の内容は、ご遺族やご親族などの参列者も聞くこととなります。

 

とはいえ、砕けすぎた表現には注意してください。なぜなら、故人との最後の言葉を交わす場所ではありますが、周りの方も聞いているということも意識した内容にする必要があるからです。

弔辞は巻紙、薄墨で書く

弔辞をしたためる際、基本的には巻紙、もしくは奉書紙に薄墨で書くのが正式なマナーとされています。そして弔辞の冒頭は、巻紙や奉書紙の右端から5cmから10cmほど余白を空けて、書き始めていきましょう

 

そして弔辞の本文の内容は、奉書紙の折り目の間に3行から4行ほど入るとよいといわれています。弔辞の文の全体の長さとしては、400字詰の原稿用紙2枚分ほどを目安に、縦書きで作成することがおすすめです。この時読みやすいように、本文は行間を少し空けて書いていくことをおすすめします。

 

そして文章を書き終えたら、改行してから少し下げた位置に年月日と氏名を本文よりも小さい文字で書きます。基本的には主に口語体で書いても構いませんが、社葬や団体葬では格式を重んじるため、文語体が推奨です。

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弔辞は万年筆やペンで書いてもいいのか

近年、弔辞用の用紙や便箋が市販されるようになってきました。そのため、こうした商品に万年筆やサインペンで弔辞を書き記すことも問題はありません。ただし、奉読後には弔辞は霊前に供えられることになります。

 

そしてご遺族が葬儀が終わった後も保管することになるので、誤字脱字が無いように、丁寧にしたためることは、肝に銘じておいてください。

弔辞はパソコンで出力してもいいのか

これまで行ってきた葬儀において、特に形式が重要視していない場合は、パソコンやスマートフォンで入力し、紙に出力したものでも構いません。便箋に直接書いた弔辞と同様に、白い封筒に入れて後、保管しておきましょう。

弔辞の封筒への包み方とは

上記で、弔辞を書く際は奉書紙を使うことが基本マナーとお伝えしました。ここでは、その紙に書かれた弔辞の封筒への治め方を紹介します。奉書紙の場合は、まず半分に折り、さらに三つ折りにした後に、上下の端を2つに折ります。

 

また、巻紙の場合は開きながら読めるように後ろから巻いてください。そして、奉書紙の中央に弔辞を書いた紙を置いて、右、左の順番に左前になるように折ってください。慶事の時のように右前にすることは、マナー違反となるので気を付けましょう。

 

次に上下を裏側に折って、「弔辞」と表書きしましょう。この時、便箋を使用した場合には、白い封筒に「弔辞」と記載して持参するようにしてください。

弔辞の基本的な文章構成を紹介

上記では例文、並びに基本的なマナーを紹介してきました。ここでは、その2つを抑えた上で、どのような状況でも転用できるように、当時の基本構成を紹介していきます。まず、故人と自分の関係は冒頭できちんと触れましょう

 

そして次に、故人の友人や同僚、上司など、故人とどのように出会って付き合ってきたのかを参列者や遺族がわかるように書いてください。この時、故人との付き合いが長い場合は長すぎないようにするようことが必要です。

故人との関係性を書いたあとは、故人の人柄や具体的な思い出を含めます。どのような魅力的な人物だったか、故人との印象的な話などです。そして、最後に故人の冥福を祈り、遺族へのお悔やみを述べます。さらに、故人との関係性を考えた別れの告げましょう。

弔辞を書く上で、知っておきたい注意点

弔辞を書く上で、抑えておきたい注意点は以下の3つです。上記で紹介した基本マナーを抑えた後に、確認してください。

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忌み言葉は使用してはいけません

弔辞を書く上で、「忌み言葉」は必ず使用してはいけません。忌み言葉とは、以下のような言葉が当てはまります。1つ目が、死亡や急死、自殺、生存、生きている頃等の、生死を直接表現する言葉です。

 

2つ目が、重ね重ねや度々、再三、ますます、次々などの重ね言葉、繰り返しを連想させてしまう表現の言葉です。3つ目が、浮かばれないや消える、迷うなどの不吉さや縁起の悪さを表現してしまう言葉です。この3つは、必ず使用しないでください

忌み言葉は必ず言い換えて使用する

忌み言葉を使用してはいけないと説明しましたが、状況次第ではどうしても生死を表す表現を使用しなければならないでしょう。その時は、忌み言葉を言い換えて使うようにしてください


具体的には死亡、急死等の表現は「永眠」、「逝去」に言い換えてください。そして、生存、生きている頃等の表現は「お元気な頃」などと言い換えることで対処していきましょう。

属する宗教に合わせた言葉遣いを心掛けましょう

こちらは少し細かい注意点になるかもしれません。しかし、抑えておくべき点のため紹介します。それは、属する宗教ごとに合わせた言葉遣いがあることです。例えば、神道、キリスト教の葬儀の弔辞では、成仏、供養、哀悼、冥福、往生などような仏教の言葉は使用禁止です。

 

他には、「天国」という言葉は、仏教用語として相応しくありません。そのため、「極楽浄土」や「空の上」等の書き方に変更しましょう。このように弔辞を書く際は、宗教に合わせた言葉を使うということも重要にもなります。

 

あくまでも弔辞はご遺族の慰めのためにも読まれることを念頭に置いて、あまり感傷的にならず、節度を持った表現を使用することに力を入れましょう。

基本的なマナーを抑えて、適切な弔辞を書きましょう

ここまで、弔辞を書く際に参考にしたい例文や、弔辞を書く上で気をつけたい基本的なマナーを多数紹介してきました。ここで紹介した、基本マナーを抑えた上で弔辞を書くことを心がけていると、失礼に当たることはないでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。