香典に添える手紙に関するマナーを紹介|文例の詳細も併せて紹介
公開日 : 2020/8/15
更新日 : 2021/1/27
基本的に、香典は葬儀参列時に持参することが通例です。しかし、諸事情で葬儀に参列できないこともあるでしょう。そんな時、香典を郵送しましょう。この時、香典に手紙を添える必要があります。ここでは、この手紙に関する基本マナーから例文の詳細を中心に紹介します。
公開日 : 2020/8/15
更新日 : 2021/1/27
目次
香典の郵送はマナー違反なのか
確かに、香典は葬儀に参列する際に持参するものです。しかし、やむを得ない事情がある場合、持参できないケースが多々あります。この様な場合、香典を郵送してもマナー違反とはなりません。弔電だけで済ませるケースと同様に失礼にあたることはないので、参列できない場合は、積極的に香典の郵送を使用しましょう。
手紙を郵送する際の基本マナーを紹介
では、実際に香典を郵送する際に必要なものは香料を収めた不祝儀袋だけでよいのでしょうか。実は、それだけでは不十分です。この時、必ず手紙を添えなければなりません。また、この他にも多数のマナーが存在します。以下、基本マナーを8つ紹介していきます。
不祝儀袋はどう選ぶべきか
香典を郵送する際に必要な不祝儀袋はどれも同じではありません。実は、不祝儀袋は故人が所属する宗派ごとに規定があります。具体的には、仏教、キリスト教、神道の3つでそれぞれ規定が異なります。以下、この3つの宗派に適した不祝儀袋について説明していきます。
仏教に適した不祝儀袋とは
仏教に適した不祝儀袋の詳細を説明します。まず、水引は黒か白。もしくは双銀のものを用意してください。この時、結び切りであるかあわび結びであるかも確認してください。次に表書きについてです。
表書きは、「御香典」、「御霊前」、「御香料」の3つが適切です。そして2つの条件に加えて、蓮の花が記載されているタイプのものを選びましょう。
キリスト教に適した不祝儀袋とは
次にキリスト教に適した不祝儀袋の詳細を説明していきます。まず、上記と同様に黒か白。もしくは、双銀のタイプを選択してください。表書きは、「御花料」、「御弔慰料」の2つが適切です。
そして、これらの条件に加えて白無地であること。さらに、その上に十字架の絵が記載されているタイプを選びましょう。
神道に適した不祝儀袋とは
神道に適した不祝儀袋の詳細を説明していきます。まず、水引は黒か白。もしくは、双銀のいずれかにしましょう。この3つを選択する際、併せて結び切りであるかあわび結びであるかの2点も確認してください。
そして、表書きは「御玉串料」、「御榊料」、「御霊前」の3つの中から選択してください。神道の場合は、上記2つと異なり、その他のデザインは気にする必要はありません。
香典は現金書留封筒で送る
香典の手紙を郵送する際、必ず現金書留専用封筒で送付しましょう。基本的に、現金を郵送する際は、現金書留専用封筒の使用が義務付けられています。また、現金は宅急便等の他の配送サービスでは送信できません。
必ず、上記で指定した封筒を使用して、郵便局から送付するようにしてください。この時、封筒に直接お金を入れてはいけません。
このお金を、先ほど紹介したそれぞれの宗派に適した不祝儀袋に包んだ後に、封筒で送付しましょう。つまり、不祝儀袋を収めることができる現金書留専用封筒を購入しなければならないので、必ず事前に封筒のサイズを確認してください。
香料の入れ方・折り方を紹介
香典にお金を包む際、気をつけるべき点が数点あります。まず、折り目のついたお金を入れてください。香典に新札を包むことは、無礼にあたります。もちろん、これには明確な理由があるわけではありません。
親族の方々に「新たな不幸が舞い込まないように」との意を込めて、新札を包まないということです。同様に、使い込まれた古すぎるお札を包むことも無礼にあたります。この点も注意しましょう。次に包むお金の枚数の詳細を説明します。
枚数は基本的に同じ種類のお札を、1枚、3枚、10枚で包みます。そしてこの時の金額は、1・3・5・10の数字にするという決まりもあります。どの枚数や金額にするかは、これまでの香典の相場と比較した上で、選択してください。
香典を書く際に使用すべきペンを紹介【書き方など】
香典に添える手紙を書く時は、薄墨の毛筆か筆ペンを使用しましょう。ただし、居住地域次第では、薄墨を使用しないことが通例になっていることもあります。その際は、事前に確認しておきましょう。
併せて、薄墨を香典に添える手紙を書く際に使用すべき理由を説明しておきます。葬儀の場における薄墨には、「突然の訃報により涙が硯に落ちてしまった結果、墨が薄くなってしまった」という意味があります。
加えて、「訃報を聞き、墨を磨る暇もなく駆け付けた」という意味もあります。つまり、弔意を示す意味が薄墨にはあるため、香典に添える手紙を書く際に用いられています。
香典の手紙はシンプルなものを使おう【縦書き便箋を使おう】
香典に添える手紙を書く上で最適な便箋は、一般的に罫線がない無地の白いタイプが適切とされています。キャラクターやイラストが描写されている便箋は、弔意を示す上では不向きです。ご遺族に不快な気持ちを与えることに繋がりかねないので、気をつけましょう。
また罫線についてですが、罫線のない便箋が手元にない場合は使用しても問題はありません。しかし、横の罫線のタイプは使用しないでください。横の罫線の便箋は、プライベート等の内容を記載する際に使用するタイプだからです。
香典を郵送するタイミング
香典の手渡しができないのであれば、なるべく早めに香典を郵送したほうがいいと考える方もいるでしょう。もしくは、遺族が落ち着いてからの方が良いかもと何ヶ月か経過してから送ろうと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
果たして、どちらの方がいいのでしょうか。そんな時は、受け取る遺族にとってどの時期が一番良いのか考えてみましょう。一般的に葬儀直後は遺族も忙しいため、およそ葬儀後1週間から1ヶ月くらいの間に郵送するのが一番適切なタイミングと言えるでしょう。
香典の郵送にかかる費用
実際に香典を郵送すると、かかる費用はどれくらいなのでしょうか。現金書留専用封筒は21円で販売されており、郵送の際にかかる費用は重量分の郵便料金以外に現金書留料金が加算されます。
現金書留料金は郵送する金額が1万円までが430円です。1万円以降、5千円ごとに10円が加算されていきます。
言葉遣いについて注意しよう【亡くなった理由はきかない】
香典の手紙などの弔事では、二重に重なるものが「不幸が二度起こる」ことを思わせることから、忌避されています。そのため、「またまた」「くれぐれ」「重ね重ね」「追って」「再三」などの単語の使用はNGとなっております。
また「死」「死去」「生存」「生きる」などの生死を連想させる直接的な言葉や、「四」「九」などの「死」「苦」を連想させる言葉、「消える」「苦しみ」などの不吉な言葉も使わないように注意が必要です。これらを総称して「忌み言葉」と言います。使用しないようにしましょう。
香典に添える手紙の4つの代表的な文例を紹介【前文はいらない】
ここからは、香典に添える手紙の4つの代表的なケースの文例を紹介していきます。こちらを参考にして、間違いのないように準備しましょう。また、手紙を送る際には、お悔やみを手紙で伝えている理由を書くことや、敬称を使用するように気を付けましょう。
友人に送付するケースの文例
◎◎様の突然の訃報に接し、ただ驚いております。快活で誰に対しても優しいお人柄であっただけに、まだ信じられない気持ちでいっぱいです。ご家族の皆様のご心痛はいかばかりかと胸が締め付けられる思いです。
どうか気持ちを強く持たれますよう、心よりお祈り申し上げます。本来であれば、直接お悔やみを申し上げたいところですが、遠方(自身が参加できない理由を述べる)ゆえご葬儀にお伺いできない無礼をお許しください。
取り急ぎではございますが、香料を同封させて頂いております。◎◎様の御霊前にお供えください。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 ここまでが友人に手紙を添える際に参考にしたい文例です。理由や、細かい想いについて、この例を基に適宜、付け加えてください。
叔父・叔母などの親戚に送付するケースの文例
○○様の訃報をお聞きし、驚きのあまり言葉を失っております。以前、お目にかかった際はお元気そうでしたので、まだ実感が湧いておりません。皆様のご心痛はいかばかりかと拝察いたします。どうかお力を落とされませんよう、くれぐれもお体をご自愛ください。
本来ならば、直接弔問にお伺いすべきところではございますが、やむを得ない諸事情により、お手紙を差し上げた次第です。このような無礼な振る舞いを何卒お許しください。心ばかりの香料でございますが、同封しております。
御霊前にお供えいただければ幸いです。略儀ではございますが、書中にてお悔みを申し上げます。ここまでが、親戚へ手紙を送る際に参考にしたい文例です。上記のケース同様、適宜想いや細かい諸事情を付けくわえるようにしてください。
取引先の会社等へ送付するケースの文例【心からのお悔やみを伝える】
ここでは、取引先の会社の方へ香典を送る際の文例を紹介します。 このたびは◎◎(役職を記載)△様のご逝去のお知らせに接し、心からお悔やみ申し上げます。ご遺族をはじめ、社内の皆さまのご心痛をお察し致します。御生前は△様には格別の御厚情とご指導を賜りました。
本日の弊社がございますのも、△様の厚いお力添えによるものと社員一同深く感謝しております。本来であればすぐにでも弔問井お伺いすべきところではございますが、遠路ままならず略式ながら書中にてお悔みを申し上げる次第でございます。
香料を心ばかりのものでございますが同封いたしました。御霊前へお供えいただければ幸いです。△様のご冥福を弊社の社員一同お祈り申し上げます。ここまでが、上記の文例です。思い入れのある取引の話等を記載すると個人の想いがしっかり伝わるでしょう。
葬儀後に訃報を知った時に送る手紙の文例【葬儀に参列できない旨を詫びる】
ここでは、葬儀後に訃報を知った場合の手紙の文例を紹介していきます。○○様がご逝去されたこと、昨日知りました。
ご逝去のこと存じ上げず、葬儀に伺うこともできませんでしたことを深くお詫び申し上げます。取り急ぎ、心ばかりではございますが御香典をお送りいたします。謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます。
香典に添える一筆箋の短い文例を紹介
上記では、香典に添える文例3つ紹介しました。ここからは、一筆箋の文例を3つ紹介していきます。××様 ◎◎様のご逝去の知らせを受け、大変驚いております。御生前のお姿を偲び、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
××様 ◎◎様の突然の訃報に接し、驚きと悲しみがこみ上げております。遠方のため駆けつけることができず残念でなりません。◎◎様のご冥福をお祈りいたします。 ××様 ◎◎様のご訃報に接し、ご心痛をお察し申し上げますとともに衷心より哀悼の意を表します。
どうぞ安らかな旅たちとなりますよう、心からお祈り申し上げます。以上3つが、一筆箋で使える3つの例文です。その時々に合わせて、言葉を変えることで、自分自身の想いが伝わるように工夫しましょう。
手紙と弔電の違い
弔電と香典の手紙は、お通夜や葬儀に参列できない場合に送るという点は共通ですが、異なる点もあります。それは、告別式で弔電を読み上げられるかどうかです。そのため、弔電はできるだけ早く、遅くとも告別式の1時間前には到着しておかなければなりません。
ですので、告別式の時間をあらかじめ調べておき、ご遺族の方に負担をかけないようにしましょう。
マナーを抑えて適切に香典を送りましょう
ここでは、香典を郵送する際に添える手紙の代表的なケースにおける文例や香典郵送時に気をつけたいマナーについて紹介してきました。どのマナーも当たり前のことかもしれませんが、それだけに抑えておかなければ無礼にあたることもあるので、注意しましょう。
ご相談・お問い合わせください