台湾と日本のお墓の違いやお墓参りのマナーについて徹底解説
公開日 : 2020/7/16
更新日 : 2020/9/9
日本は年に数回お墓参りを行いますが、台湾は日本と異なります。また、お墓は一人一基と国が違うとお墓の事情も異なってきます。そこで、台湾のお墓についてまとめてみました。日本以外にお墓を建てたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
公開日 : 2020/7/16
更新日 : 2020/9/9
目次
台湾のお墓事情について
日本ではお彼岸・お盆・命日・月命日と一年の中で何度もお墓参りを行いますが、台湾では異なります。そこで、台湾のお墓事情やお墓参りについてまとめてみましたので、チェックしてみましょう。
お墓の場所は風水で決まる
台湾の方はお墓を建てるとき風水を重視します。お墓は山の奥など辺鄙にあることが多いです。風水や占いを気にする人が多い台湾や中国では、お墓を建てるときに場所や方位が重要と言われています。このようにこだわるのは、子孫が出世する・お金持ちになると考えられています。
風水は生年月日・生まれた時間で異なるため、お墓の場所や向きもバラバラなのが特徴です。日本ではお寺や墓地公園など決められたところに同じ向きに建てることが多いですが、台湾ではこのように人によってお墓の場所や方位が異なります。
台湾のお墓は、基本的に一人につき一基のため、お墓参りをするときは故人のお墓がバラバラのため移動が多いです。昔、台湾は土葬でしたが今では火葬が主流にいなっており、これは日本と同じ流れです。台湾は日本とお墓事情は異なるため国際結婚した際に戸惑う方も多いです。
お墓参りは年に1回
日本は年に何度もお墓参りを行いますが、台湾では年に1回の清明節以外はお墓参りを行いません。台湾では毎年4月初旬に連休があり、4月4日がこどもの日で、4月5日が清明節と言われ、お墓参りをする日と決まっています。年によっては多少日にちがずれることがあります。
清明節という日には、祖先のお墓参り・草むしりをしてお墓のまわりの掃除を行います。お墓が一人につき一基のため、すべてのお墓を回るとなると1日かかるためとても時間がかかります。台湾のお墓は山にあることが多いため、荷物を持ちながらのお墓参りは大変です。
風水を重視てお墓の場所や方位を決めているため、人によっては小さな山を越えてお墓参りにいかないといけません。一年に一度のお墓参りのため、雑草や掃除にも時間がかかりお供え物も一緒に持っていくため、かなりの重労働になっているのが特徴です。
納骨堂が人気になってきた
台湾のお墓参りは年に一度で、一人につき一基のお墓のため場所の移動も大変で、その都度掃除を行わないといけません。清明節の日のお墓参りはほぼ1日かかるため、近年は寺院などにある納骨堂が人気になってきています。納骨堂であれば、お墓参りの時間も短縮することが可能です。
ロッカーの中に骨壷が収められており、同じものがずらりと並んでいるのが特徴です。これなら山登りをしながらお墓参りをしなくてもよいですし、掃除に時間もかかりません。お参りをするときは、故人のロッカーを開けて参拝を行います。
台湾にはたくさんの種族の現地人が住んでおり、お墓参りに行く時期は少しずつ異なります。そのため、清明節にお墓参りを年に1度行いますが、人によっては多少早まることもあるため、お墓参りをするときはその風習に従うのが無難です。
台湾のお墓参りのマナー
台湾でお墓参りをするときは、様々なマナーがあるため初めてお墓参りをする方は事前に確認をしておくことがおすすめです。台湾のお墓参りでは写真を撮ってはいけないというルールがあります。よって、お墓参りに集中し今自分がいることに感謝をし、供養することが大切です。
他にも、日本と同じで派手な服装で行ってはいけないというルールがあります。葬儀までとはいかなくても、お墓参りをするときは故人の供養のために行くのであり、おしゃれをする場所ではないため服装に気を付ける方が多いのが特徴です。
さらに、お墓参りには妊婦さんや乳幼児も行くのはタブーとされています。日本でも地域によっては妊婦さんがお墓参りに行けない場合もあります。これは、昔のお墓は土葬だったこともあり、霊への恐れと伝染病の蔓延を恐れて避けることを根付かせた説があります。
お墓参りの時に食べるもの
台湾のお墓参りでは、お供え物として必ずゆで卵を持っていきます。御先祖様にお供えが終わったら、そのゆで卵を親族一同で食べるのが特徴で、ゆで卵の殻は持ち帰らずにお墓の周りに巻きます。この行為がご先祖様に対して感謝の意味があるため風習となっています。
お墓参りは一人につき一基のため、お墓参りをする数が多くその都度ゆで卵を食べるのかは親族の数によって異なります。他にも食べ物でしたら、ルンビンというクレープのような薄い皮に肉や野菜、砂糖、粉状のピーナッツなどをたっぷりと包んだものを食べます。
台湾の夜市などで売られているため、旅行で訪れた時に食べることができます。ルンビンは清明節のときには食べる習慣がないところもあるため、地域や風習によってことなります。日本とは違う風習があり、国際結婚などをしたときはそのしきたりに従いましょう。
台湾独自のお墓参りのマナー
日本にはない台湾の独自のお墓参りのマナーが2つあります。1つ目の紙銭は、紙銭と呼ばれる紙を大量に燃やす風習があり、燃やせば燃やすほどにご先祖様が裕福になると考えられています。冥銭の風習は昔からあり、最近では人民元やアメリカドル紙幣を模したものを燃やします。
2つ目は、ウチカビという鮮やかな色のついた紙を準備し、お墓の屋根に等間隔に並べて石で押さえることを行います。これを行う理由は、お墓参りに家族が来たという印になるため、昔からのマナーとなっています。
台湾ではお墓参りの時に、掃除やお参りが終わればお墓を囲んで手料理やフルーツ、お菓子を食べ楽しく過ごすのが特徴です。1日かかる台湾のお墓参りはその都度、このような儀式を行うためお腹いっぱいになります。
台湾の納骨堂の基本的な流れ
台湾のお墓参りは一日かかることが多いですが、納骨堂であれば時間を短縮することができ、近年納骨堂を選ぶ方も増えています。そこで、納骨堂でのお墓参りの流れについてまとめましたので、参考にしてみてください。
お墓参りのやり方
台湾の納骨堂は、お墓を建てるよりもコストを削減することができ、コンパクトかつ管理が行き届いているためお墓参りの時間を短縮することができます。また、納骨堂は自宅から近い場所にあることも多く、昔ながらの草むしりやお墓の掃除をすることがありません。
納骨堂のお墓参りをするときは、近くにある仏像がある建物に行きます。清明節の時は、人が多いため人でごった返していますが、スタッフから線香をもらい仏像の元にたどり着いたらお辞儀をして、お供え物であるお菓子や紙銭を棚に置いて手を合わせるのが基本です。
納骨堂の建物がある敷地に駐車場がありますが、年に一度のお墓参りに訪れる方が多いため、思った以上に時間がかかる場合もあります。早めにお墓参りを済ませる方もいるため、スケジュールを立てて家族みんなでお墓参りができる日を選んでみましょう。
ご先祖さまに挨拶をしたらブレイクタイム
液のロッカーのようなスペースに、骨壺が収めており宗教の穏やかな雰囲気の納骨堂が多いです。お墓と異なるため、管理も行き届いておりいつでもきれいな状態でお墓参りを行うことができます。納骨堂の中にも仏像が様々置いている施設が多いです。
納骨堂の中には、ご先祖様の名前、顔写真、骨壺が入っているため手を合わせてお参りします。直接お墓に行ってお参りをするよりも掃除の時間がないため、すぐにお参りを終わらせることができます。
お墓参りが終われば、霊的な世界から現実に戻るためにブレイクタイムを設ける台湾の方が多いです。納骨堂からよくない気を持ち帰るという迷信が強いためブレイクタイムで現実世界への切り替えをする方もいます。塩を入れたお守りも朝に持ち、休憩をしたときに捨てます。
家に入る前に行うこと
台湾の方はお墓参りに行き、家に入る前に行う風習があります。家に入る前は、必ず体を清めます。まずは、玄関口の水道で水を汲んだら手を洗うのが基本です。髪も一緒に清めるとさらによいと言われているため、行っている方が多いです。
玄関に入る前に水で体を清めることで、邪気を追い払うことができると考えられています。日本でもお葬式の後に塩を使って体を清めてから、家に入る風習があるのでこの風習は日本と似ているところがあります。塩をお守りとして使用することも関係しているかもしれません。
台湾には多くの宗教があるため、今回は一般的な風習をご紹介しています。その地域によって家に入る前の風習が異なる場合もあるため、もし嫁いだ方で台湾の風習が分からないときは事前に確認するのがおすすめです。
台湾の主な宗教について
台湾の宗教は日本と同じで、様々な宗派があります。中華民国憲法により、宗教の自由が認められるため、布教活動も自由です。また、政府と宗教の間には関係は存在していません。台湾では主に仏教が一番多い宗教で、次いで道教・キリスト教が占めています。
日本を発祥とする宗教団体もあり、天理教や真光教を信仰している方も台湾にはいます。道教は日本にはなく、漢民族の伝統宗教です。中国大陸全土に広まり台湾の道教は南方系の正一教で、護符や呪文の宗教儀式を重視しています。
道教は葬儀や婚礼も大掛かりで、葬儀に関しては楽隊による行進が行われる場合もあります。昔ながらの風習を取り入れている地域ではこのような葬儀もあるため、初めて参列する方であれば、事前に下調べをしてマナーを守るように努めましょう。
沖縄のお墓と台湾のお墓は似ている?
台湾のお墓と日本の沖縄のお墓は似ています。地理的に最も近い島国で、台湾の影響を大きく受けていることから、今でもその風習は近いものもあります。沖縄のお墓は亀甲墓(きっこうばか)と言われ、台湾のお墓に似ているのが特徴です。
亀の甲羅に似た形から名付けられたお墓ですが、沖縄はシンプルに灰色一色で、台湾はカラフルなところが違います。台湾の清明節が18世紀中期に沖縄に伝わっており、沖縄では呼び方は異なりますが、「シーミー」・「シーミーサイ」といいお墓参りの日を設けています。
台湾のお墓から歴史が分かる
台湾のお墓は日本と異なる点が多いですが、名残りも沖縄に残っているため全く違うとは言い切れません。昔の歴史を見返すことができ、台湾も日本から近い国ですから、一度歴史を学んでみるのもおすすめです。
台湾のお墓参りの参列することがある場合は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、失礼のないようにマナーを守りながらお墓参りを行ってください。
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