葬儀のお車代の相場とは?表書きや渡し方などのマナーについても解説
公開日 : 2020/6/17
更新日 : 2020/9/9
葬儀の際にお車代を渡すことがあります。そもそもお車代にはどういう意味があるのでしょう。また、お車代にもマナーや相場がありますが、意外と知らない人が多くいます。そこで、表書きや渡し方などと一緒に解説していきます。参考にしてください。
公開日 : 2020/6/17
更新日 : 2020/9/9
目次
お車代とは?
葬儀の時にお車代を用意することがあります。このお車代には、どのような意味があるのでしょうか?葬儀の際のお車代の意味についてから、お車代をお渡しする相手についても解説します。意外なケースもありますので、参考にしてください。
葬儀の交通費
葬儀で用意するお車代には、葬儀の交通費という意味があります。葬儀に来ていただく場合には、決してただではありません。電車やバス、場合によってはタクシーなどを乗り継いで葬儀に駆けつけてくださいます。
そのような葬儀に駆けつけてくださったことを労うという意味と、そのための交通費をお支払いするという二つの意味が、お車代にはあります。「駆けつけてくださってありがとうございます」ということです。
また、宿泊を伴う場合にはお車代と称して宿泊費をお渡しする場合もあります。めったにないケースですが、絶対にないとは言えませんので、同時に覚えておくと良いでしょう。
僧侶へのお車代は必要
お車代をお渡しする相手は決まっていて、その多くは葬儀を執り行なってくださる僧侶にお渡しします。神社仏閣によっては、お車代が不要とされているところもあります。ですが、ほとんどのケースではお車代をお渡しします。
僧侶は葬儀で個人の魂を慰めるためにお経を唱えてくださいます。これは他の人にでは代役が務まりません。わざわざ葬儀のために駆けつけてくださった僧侶への労いの意味も込めて、お車代をお渡しするのが通例です。
また、僧侶へのお車代は葬儀の時だけではありません。法事の時にもお渡しすることが基本ですから、忘れず準備をしておきましょう。
参列者にお車代を渡すケースもある
お車代は通常、葬儀を執り行なう僧侶にお渡しします。ですが、稀なケースで親族などの参列者にお車代を渡すケースもあります。
葬儀は本来、わざわざ来てもらうという儀式ではありません。訃報を聞きつけた人が故人との別れを悼むために駆けつけるものです。そのため、通常は親族などの参列者にお車代を渡すことはありません。
ですが、親族間などの決まりによってはお車代を渡すケースもあります。これはその家で決まっていることですから、気になる場合は親戚などの親戚に確認すると良いでしょう。
お車代の相場とは?
お車代を用意する場合、金額はいくらにすれば良いのかわからないという人もいるでしょう。お車代の相場はある程度決まっています。その相場を知っておくと、準備をする際の目安になります。 一般的なお車代の相場をケース別にご紹介します。あくまで目安ですが、迷った際の参考にしてください。
通常は10,000円まで
一般的に僧侶にお渡しする際の車代の相場は、5,000~10,000円とされています。金額に多少の差があるのは、自宅から菩提寺までの距離に差があるからです。
自宅から菩提寺までの距離が徒歩や原動機付自転車などで移動可能な場合は、5,000円くらいが良いでしょう。また、車でお越しになる場合も、同じ区域内などであれば5,000円くらいで充分だとされています。
隣町や隣の駅など、多少菩提寺から自宅まで離れている場合は、10,000円が相場です。必ず来るまで来ることが予想される場合は、5,000円では安すぎるとされています。10,000円なら、ガソリン代としても充分とされているので、それくらいは用意しましょう。
遠方からの場合
菩提寺が大変遠いというケースもあります。その場合は10,000円以上お車代を準備する必要があります。
例えば、菩提寺が他府県にまたがっている場合は、僧侶の多くは車で来てくださるでしょう。ですが、わざわざ遠方からお越し頂くのですから、そのための心づけというものも必要とされています。
このような他府県などの遠方から僧侶にお越し頂く場合は、タクシーで往復分のお車代をお渡しするのが通例です。インターネットなどでだいたいの片道分を調べることができますから、その倍の金額をお車代として準備しましょう。
親族間の場合
親族間でお車代をお渡しする場合の一般的な相場はありません。何故なら、親族間でお車代をお渡しすること自体があまり一般的ではないからです。
親族間でお車代をお渡しする場合は、あらかじめ金額も決まっているはずです。親戚に確認すると良いでしょう。また、特に金額が決まっていない場合は、親族と相談して決めてください。
親族以外の参列者の場合
親族以外の参列者にお車代をお渡しするというケースがあります。これは、わざわざ遠方から駆けつけてくださった会社などの関係者の場合です。特別親しかった大切な取引先の人が駆けつけてくださる場合もあり、その場合にはお車代をお渡しすることもあります。
親族以外の参列者にお車代をお渡しする場合は、往復の交通費が相場です。どのような手段で駆けつけてくださったのか確認して、その分の交通費をお車代としてお渡ししましょう。
また、自家用車や交通手段を聞くことが難しい場合は、タクシーの往復分が相場とされています。ただ、親族以外の参列者にお車代をお渡しするケースも、めったにありません。異例なので、頭の片隅に置いておく程度で良いでしょう。
お車代を渡す際のマナー
お車代を渡す際に、ただ単にお車代として渡せば良いというわけではありません。お車代を渡す際のマナーというものがあります。 特に押さえておきたいお車代を渡す際のマナーをご紹介します。これさえ覚えておけば恥ずかしい思いをしなくて済みますから、ぜひ参考にしてください。
白地の封筒に入れて渡す
お車代は必ず白地の封筒に入れて渡しましょう。葬儀や法事などでは、お香典などのための封筒が売られています。お車代は葬儀や法事でお渡しするお金ですから、このような封筒に入れた方が良いと考える人もいるでしょう。
ですが、お車代は遺族から僧侶へのお礼という意味があります。葬儀や法事とは関係のないお金ですから、お香典などで使用する際の封筒を用いるのはあまり良いとは言えません。
また、ワンポイントが入っている封筒も不謹慎とされています。お礼という意味でお渡しするためのお車代ですが、神聖な儀式の場でお渡しするためのものでもあります。そのため、真っ白の封筒に入れてお渡ししましょう。
封筒に氏名は書かない
真っ白の封筒にお車代を入れてお渡しする際、表書きには「お車代」や「お車了」と墨字で書きます。ただし、墨字が苦手などの理由がある場合は真っ白の封筒のままでも問題ありません。
更に、お車代をお渡しする封筒に氏名は記載しないというのがマナーです。宗派によっては封筒に名前を書くところもあります。ですが、名前を書かなかったからと言って失礼に当たるわけではありません。
あらかじめ宗派のマナーがわかっている場合や確認できる状況の場合は、その通例に従います。ですが、知らない場合や確認できない場合は氏名は書かずにお渡ししましょう。
お布施に含む場合もある
お車代をお布施に含む場合もあります。神社仏閣などでは、お布施とは別にお車代が設定されていることもあります。その場合はお布施に含めて用意します。
ただし、お車代が設定されている場合でも、お布施とは別にした方がいいケースもあります。これは神社仏閣によって異なります。もしお車代が設定されている場合は、お布施に含めた方が良いのかどうか確認しましょう。
お札は旧札?新札?
お車代を用意する際のお札は旧札が良いのか、新札が良いのか迷うこともあるでしょう。結論から申し上げますと、旧札と新札のどちらでも問題ありません。
お香典を準備する際は新札はタブーです。新札はすぐに手に入るものではなく、あらかじめ準備する必要があります。お香典は「葬儀に慌てて駆け付けました」という意味を表すために旧札が良いとされています。
ですが、お車代はあらかじめ準備できるお金です。葬儀や法事を執り行なってくださった僧侶へのお礼の意味も兼ねていますから、新札を準備してお渡ししても失礼には当たりません。ですが、わざわざ用意する必要もありません。
お車代を渡すタイミング
お車代を準備していても、いつどのタイミングで渡せば良いのか迷うこともあるでしょう。そこで、お車代を渡すタイミングを2つご紹介します。シチュエーションによって異なりますので、参考にしてください。
葬儀が終わってから
葬儀や法事の際にお車代をお渡しする場合は、葬儀や法事が終わってからお渡しします。これは、「本日はありがとうございました」という意味も込められているからです。
ただし、宗派や地域によっては、葬儀や法事が執り行なわれる前にお車代を先にお渡しする場合もあります。どのタイミングで渡すのか気になる場合は、親族に確認しておくと良いでしょう。
お通夜の前か後
お通夜の場合にお車代をお渡しする場合は、前か後が通例です。お通夜が開始される前には少し時間があります。この間にお車代だけ先にお渡しすると良いでしょう。
タイミングを逃してしまったり、慌ただしい状況だったりするのなら、お通夜が終わってからお礼も兼ねてお車代をお渡ししましょう。ただし、お通夜は葬儀以上に慌ただしくなりがちなので、うっかり渡し忘れてしまうこともありますから注意してください。
お車代は地域によって異なるので要確認
お車代の金額やマナーは、地域によって異なることも多々あります。地域や宗派によってはお車代が必要ないケースもあります。お車代については、必ず親族や神社仏閣などに確認しておきましょう。
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