供花を贈る場合のマナーとは?相場や種類についても解説

公開日 : 2020/6/17

更新日 : 2020/9/9

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お葬式を彩る供花。実は供花を贈る場合にはこまかなまなーがあります。いざ供花を贈るとなった場合、マナーを知っておくと恥ずかしい思いをしなくて済みます。ここでは、相場や供花の種類も合わせて解説します。ぜひ、参考にしてください。

公開日 : 2020/6/17

更新日 : 2020/9/9

目次

供花とは?

お葬式を華やかに彩る供花。そもそもこの「供花」とはどういうものなのでしょうか?漢字の読み方や意味はもちろん、供花の由来についてもご紹介します。

供花の読み方は二つある

「供花」という漢字には読み方が二通りあります。一つは「きょうか」です。最近はこちらの読み方が一般的で、多くの人たちは「きょうか」と読みます。

 

もうひとつの読み方は「くげ」です。こちらは葬儀に詳しい方々やご年配の方に多い読み方です。「供花」と似た言葉で「供物(くもつ)」があります。これは神様に捧げる食べ物などのことを指しています。これに合わせて花のことを「くげ」と読んでいました。

 

ですが、時代の流れと共に「きょうか」と読むことの方が多くなってきました。もともと「供」は音読みで「きょう」と読み、「く」と読む場面はあまり多くありません。そのため、多くの人たちが馴染みやすい「きょうか」と読まれることが多くなったのです。

供花の由来

供花の由来にはお釈迦様が深く関わっています。その昔、お釈迦様が地上での修行を終えられ、天へと旅立つ時が訪れました。人間で例えると亡くなる日が訪れたということです。

 

お釈迦様が天へ召される時、天からたくさんの花が降り注いだそうです。これは、無事に修行を終えたことを祝福するためのものでした。

 

地上にいた人たちはお釈迦様が亡くなった時に天から降り注いだ花を、供養のためと受け取ります。それが現在では個人にお供えする供花の始まりと言われています。

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故人への供花の意味

供花はもともとお釈迦様が地上での修行を終えられ、天へと旅立つことを祝福するためのものでした。ただ、故人への供花には別の意味もあります。

 

一つは故人の霊を慰めるという意味があります。花をお供えすることで、故人があの世で穏やかに過ごすことができるようにという気持ちを示しているのです。その気持ちは花の香りと共にあの世に届けられ、霊が慰められるとされています。

 

もう一つは、花の香りが故人の霊にとっての食事になるという考えです。人間はあの世に行ってもお腹が空くと考えられていました。ですが、この世での食べ物には穢れがあるとされ、代わりに花の香りが食事になると考えられていたのです。

宗教によって異なる供花

葬儀には宗教によってその方法が異なります。供花も同じで、宗教によってお花の種類が異なるのです。ここでは、宗教によって異なる供花について解説します。

仏式の場合

仏式の場合は、白い菊の花が基本です。仏式で白菊がベースになるのは、白が浄化を表しているということと、白菊の花言葉が「ご冥福をお祈りいたします」だからです。白菊を供花にすることで、故人を悼む気持ちを表しています。

 

また、白菊だけではあまりに寂しいため、白菊と一緒に黄色の菊やカーネーション、ユリなどをアレンジします。菊以外の花を入れることで、華やかさも出るようにするのが一般的です。

 

ただし、仏式の葬儀はあくまで故人を悼むための神聖な儀式です。供花も派手なものはあまり好まれません。そのため、色は白や黄色、薄いピンクなどが用いられます。

神式の場合

神式の場合の供花には、花の種類に決まりはありません。仏式の場合は白菊がベースですが、神式の場合は花の種類そのものに「これ」と言ったものはありません。

 

ただし、神式の場合は供花の色が重要で、「白」です。最近では紫や薄いピンクなどの花も入れることがありますが、本来は白い花のみを供花とします。神式の場合は「穢れがない」ということを重視しているため、白とされているのです。

 

また、神式と言えば「榊(さかき)」です。そのため、供花に榊を入れる人もいますが、これはあまり良いとは言えません。現代の神式では、喪主が榊を供えるとされているからです。

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キリスト教の場合

キリスト教の場合は、故人の霊を悼むというよりは、故人の霊を慰めるという意味合いが強くなります。そのため、供花は仏式や神式に比べると大変華やかです。

 

ここで気をつけたいのは花の種類です。キリスト教の場合の供花では、菊は使用しません。菊は仏式や神式のみです。キリスト教の供花では洋花のみを使うのが一般的なので、気をつけましょう。

 

以前は、キリスト教の供花では白のみとされていました。ですが、最近は紫や薄いピンクの洋花もOKとされているところもあります。確認が取れない場合は、白の洋花で統一した供花を贈ると良いでしょう。

その他

無宗教や家族葬の場合には、故人が好きだった花を供花として贈るのが一般的です。宗教に囚われないので、白菊を入れなければならないという決まりや、白で統一しなければならないなどの決まりはありません。

 

葬儀にふさわしくない花はあまりお勧めできませんが、故人が好きなら供花としてお供えしても良いという考えが浸透してます。そのため、供花としてひまわりをアレンジするということもあります。

 

ただ、あまり大きな供花は遺族の迷惑にもなりかねません。華やかさを出したいからと言って、大きな供花を贈るのは控えましょう。

供花のマナーや手順

供花を贈る際には、手順やマナーがあります。それらを知っておかないと、遺族の迷惑になったり恥ずかしい思いをしたりすることがあるかもしれません。 供花の基本的な手順やマナーについて解説します。特にこれだけは押さえておきたいというポイントをご紹介しますので、参考にしてください。

遺族の了承を得る

まず、供花を贈る際には必ず遺族の了承を得ましょう。最近は供花や香典をお断りするというパターンが多く見受けられます。せっかく贈ったのに辞退されて戻ってきてしまった、ということも多くあります。

 

近年では、葬儀に参列できないからという理由で、代わりに供花を贈る人が多くいます。ですが、故人が生前に「何も受け取らないように」と遺族に言い残していることもあります。その場合は受け取ってもらえないことも多々あるのです。

 

故人を悼む気持ちを表すために供花を贈ることは決して悪いことではありません。ですが、故人の遺志というものもありますから、必ず贈る前には遺族の了承を得ましょう。

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葬儀社に依頼

遺族の了承を得た後は、供花の手配をします。通常は葬儀社に依頼するのが一般的です。斎場に連絡をすれば、担当している葬儀社がわかります。その葬儀社に供花を手配しましょう。

 

担当している葬儀社に供花を依頼するのは、供花を統一させるためです。せっかく贈った供花が葬儀場の雰囲気に合わないという場合があります。どのような雰囲気になるのかは、葬儀社が一番よく知っていますから、合わせた供花を用意してくれます。

 

また、供花は飾る位置や順番に明確な決まりがあります。葬儀社に依頼する場合は、自分が故人とどのような間柄だったのかを明確に伝えましょう。

自分で手配する場合

最近では供花をインターネットなどで、自分で手配するケースも増えてきています。その方が供花の種類も多く、金額も抑えられるということもあるからです。

 

ただし、自分で手配する場合も必ず担当している葬儀社に確認を取りましょう。インターネットで手配する場合の供花は種類が豊富です。そのため、葬儀場のイメージからは大幅にかけ離れた供花を贈ってしまうということもあります。

 

もし、葬儀社の確認が取れない場合は、白で統一された供花を贈ると良いでしょう。また、できるだけ小さめの花かごの供花を選ぶことをお勧めします。小さな花かごなら、仮に葬儀場のイメージとかけ離れていても目立ちにくいので安心です。

供花の札名の書き方

供花には名札をつけます。供花を葬儀社に依頼する場合は、葬儀社が名札を用意してくれますが、その場合も正式な名前を伝えることが大切です。 パターン別に供花の名札の書き方を解説します。葬儀社などに供花を依頼する場合も同じですので、参考にしてください。

個人の場合

個人で供花を贈る場合は、個人名のみを名札に記載します。故人と個人的な付き合いがあった場合も同じです。

 

ただし、名前の漢字には気をつけましょう。中には下の名前が本当は感じなのに、書き順が多いからなどの理由で普段はひらがな表記にしている人がいます。供花の名札は正式名称が基本ですから、下の名前が漢字の場合は漢字表記が一般的です。

 

通常は略字漢字を使用しているけれど本来は難しい漢字という人もいるでしょう。その場合は、画数で考えましょう。供花の名札は墨字表記です。あまり画数の多い漢字は字がつぶれてしまうこともあります。ケースバイケースで考えると良いでしょう。

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連名の場合

連名で供花を贈る場合は、基本的には年功序列です。年齢が上の名前を向かって右側にし、左に行くにつれて年齢が下の人という順番です。

 

また、肩書などがある場合は、地位が上の人が向かって右側です。肩書の地位の高さだけではなく、肩書の有無でも同じことが言えます。肩書のある人が向かって右、左は肩書のない人の名前を書きます。

 

ただし、連名の人数が多い場合は「〇〇一同」などのようにするケースもあります。この場合は、個人名を明記した書面をつけることもできます。

会社の場合

会社名で供花を贈る場合は、正式な会社名を明記します。正式な名称というのは「株式会社」や「〇〇法人」なども明記するということです。

 

ただし、会社名がとても長くて名札に入りきらない場合のみ「株式会社」は「(株)」とすることも可能です。ですが、よほどのことがない限りは「株式会社」と明記します。

 

また、会社名の漢字にも注意が必要です。例えば「寿」という漢字でも正式な会社名は「壽」を使っているということがあります。このような場合は供花の名札には「壽」という漢字を用いましょう。

供花の相場

供花の相場は5,000~20,000円が相場だとされています。かなり幅がありますが、これは個人で贈る場合もあれば、連名や会社名で贈る場合もあるからです。

 

個人で贈る場合は5,000~10,000円くらいが良いでしょう。あまり高い供花を贈ると、遺族の方が恐縮してしまうこともあります。また、大きすぎるのもあまり良しとされていませんから、小ぶりのものを選ぶのが一般的です。

 

連名や会社名で贈る場合は、10,000~20,000円が相場です。ただ、金額が高くなると供花自体が大きくて派手になる可能性があります。その場合は一対で贈るようにすると良いでしょう。

供花にも細かなマナーが多いので注意

一言で「供花」と言っても、葬儀という神聖な儀式ですから、細かなマナーがあります。ただ、すべてのマナーを覚える必要はありません。簡単なマナーさえ押さえておけば恥ずかしい思いをすることはありませんから、安心してください。