喪中メールの返信はどうしたらよい？書き方や例文を紹介します

ご不幸があった知人から喪中メールが来た場合、どのような内容で返信したらよいのでしょうか。それを考える前にまず、喪中メールとは何であるのかについて確認しておきましょう。

親族が亡くなった後に一定期間喪に服して祝い事を避ける行いは、とても古くから行われてきました。現代でも昔ほど厳格ではないものの喪に服する風習は残っており、その服する期間を喪中と言います。なお葬儀から四十九日までは忌中とも言われます。

喪中の期間をどのくらいとるべきかは、亡くなった方と喪に服する人との関係によります。親や配偶者が亡くなった場合は13ヶ月、祖父母や兄弟、子供の場合は半年前後とされます。また三親等以上離れていれば喪に服さないのが一般的です。

喪中は祝い事を避けるため、その期間に新年を迎えても、お世話になった方々に年賀はがきを送ることはできません。その代わりに出すのが喪中はがきです。喪中はがきは身内に不幸があったために、年賀状を送ることが出来ないことを説明するものです。

喪中はがきは年賀はがきと違い白黒を基調とした地味なデザインで、冒頭で「喪中につき新年のご挨拶をご遠慮致します」と述べた後、誰が何歳で亡くなったかを簡潔に伝えるだけに留めます。喪中はがきは疎遠な人にも身内の死去を伝えることが出来るという機能もあります。

近年では年賀はがきを送らずに年賀メールで済ませるスタイルも浸透してきています。そのため喪中の間は、年賀メールの代わりに喪中メールを送る風習が広まりつつあります。ネットの時代の新しい文化であると言えるでしょう。

そもそも喪中はがきも長い歴史があるわけではないので、喪中メールに至ってはその作法はあまり確立していません。喪中はがきに倣った内容にすることが一般的ですが、最後に「返信はご無用」と書いて締めるスタイルが一般的になっています。

喪中メールについてわかりましたが、ではそのメールに対して返信はするべきなのでしょうか。するとしたら、いつ、どのような内容で返信すべきでしょうか。それについて見て行きましょう。

喪中メールの一般的なマナーとして最後に「返信は不要」「返信は御無用」と書いてあることが多いのですが、それならば返信しないほうが良いのでしょうか？答えは、それでも返信はするべきです。

喪中メールの最後に返信がいらない旨を書くのはあくまでマナーで、実際は返信してもらった方が嬉しく思われるのは当然でしょう。特に喪中メールを送ってきた方が目上の人だったら、返信しないのは失礼にあたります。

なおメールには相手が読んだかが分かる開封確認の機能がありますが、この機能はマナーとして望ましくないと言われています。これを付けて喪中メールを送信する人はいないと思われるので、やはり自発的に返信を行うべきでしょう。

喪中メールへの返信のタイミングはいつが良いのでしょうか。年始の喪中はがきの場合は1月7日以降に寒中見舞いとして返事を送るのが一般的です。では喪中メールへの返信もそのくらい日数を置いた方が良いのでしょうか。

喪中メールにはそういったマナーが無く、なるべく早く返信をした方が望ましいです。普通のメールと同じように出来るだけ早く返すべきです。ただし受信してから数分では逆に良く読まずに返したような印象があるので、30分以上は時間を置く方が良いでしょう。

喪中メールの返信の内容はどうしたらよいのでしょうか。まず守るべきことは、言葉使いのマナーです。法事では「たびたび」「重ね重ね」などの忌み言葉を避けますが、それは喪中メールの返信でも同様で、使用しないようにしましょう。

また「死んだ」といったような直接的な表現も避けて「逝去された」といった言葉を使いましょう。これは喪中メールの返信に限らず日常会話でも気を付けることですね。かといっておめでたい言葉を使ってもいけません。新年とは言え「あけましておめでとう」等の言葉は厳禁です。

また当然のことですが、返信メールに装飾やデコ、絵文字などを使うのはやめましょう。とても仲の良い人だとしても「親しき中にも礼儀 あり」ということわざのように、真面目な内容で返信をするべきですね。

喪中メールの返信の文章は具体的にはどのようにしたらよいのでしょうか。ここで例文を紹介するので、是非参考にしてください。

連絡ありがとうございます。謹んで心よりお悔やみを申し上げます。

お寒い中、お体に気を付けて風邪などひかないように、どうかご自愛ください。

それでは本年もどうかよろしくお願い致します。

（なお「ご冥福をお祈りします」は宗派によっては避けた方が良いので、どの宗派でも使える「お悔やみを申し上げます」を使用しましょう）

ご丁寧なご連絡を頂き、誠に恐縮の至りです。

謹んで心よりのお悔やみを申し上げます。

喪中とのことで新年のご挨拶にお伺いできませんので、簡単ながら本メールでご挨拶に代えさせていただきます。

不肖でありますが、どうか本年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

自分が喪中の場合に、身内に不幸があったことを知らない人から年賀メールを受信した場合はどうしたらよいのでしょうか。それについてお答えしましょう。

喪中でもそれを知らない人から、普通に年賀メールが来ることがあります。また知っていても喪中のマナーを知らない人が、うっかり送ってきてしまうこともあるでしょう。その場合はどのような返信をしたらよいのでしょうか。

そう言った場合は当たり障りのない内容で、メールへのお礼と来年もよろしくお願いしますと言った簡潔なメールを返しましょう。この時あけましておめでとうなどのような慶賀の言葉は避けるべきです。

喪中であることを伝えるべきか、知っていて送ってきた人に喪中のマナーについて伝えるかは、その人との親しさで決めましょう。それほど親しくない人には差し障りのない内容だけが良いでしょうね。

喪中メールの返信についてご説明しましたがお分かりいただけましたでしょうか。喪中メールに返信は不要とあっても必ず返信は行いましょう。その内容は簡潔でかまいませんが、返信をするだけでも、相手を思いやる気持ちは十分に伝わることでしょう。