「お悔やみの言葉」をメールで伝えてもいいの?注意点やマナーを解説
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/9
近年では訃報をメールやラインで知る機会も増えています。この場合、お悔やみをの言葉をメールやラインで伝える事に問題はないのでしょうか?ここでは、この「メールで伝えるお悔やみの言葉」に関する注意点やマナーに関し文例を交えながら解説していきます。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/9
目次
お悔やみの言葉をメールで送る事は可能なのか?
インターネットが普及した現代では、メールは私たちの生活と切り離すことができない重要な連絡手段として、無くてはならない存在になりました。
しかしこれが葬儀の場面、訃報に対してお悔やみを述べる場面で、メールやLINEなどでお悔やみの言葉を遺族に送っても問題は無いのでしょうか?ここでは、これから更に増えるであろう、メールやLINEを使ったお悔みメールを中心に解説していきます。
メールでお悔やみの言葉を伝えても大丈夫
結論を先に述べてしまえば、お悔やみの言葉をメールやLINEで伝えることは、条件付きですが問題は無いと言われています。
メールやLINEでお悔やみを送ることができる条件とは
- メールで訃報を受けた場合
- メールの送り主が知人・友人などの場合
- メールの送り主が会社の上司・同僚・取引先の担当者の場合
など、近しい間柄に限ってお悔みメールが可能となります。
メールでお悔やみを送る行為は、葬儀のマナー上あくまでも略式的にお悔やみを伝えるという行為に該当します。近しい間柄であれば、略式でのお悔やみを伝えてもは失礼には当たらないのです。
メールでお悔やみを伝える際のマナーを解説
口頭でお悔やみの言葉を遺族にかける時と同様に、メールやLINEを使う場合でも本文の書き方や言葉遣いにはマナーがあります。正しいメールで遺族の方に失礼のない文章がかけなければ、メールでお悔やみを伝えることは出来ません。
要件はわかりやすく簡潔に
メールでは必ず要件を記載します。要件の書き方は「○○(送り主の名前)よりお悔やみ申し上げます」のように、メールを一目見ただけで、誰からお悔やみメールが届いたかがわかるような内容で送ります。
前書や時候の挨拶は不要
口頭で伝えるお悔み同様に、メールでお悔やみを送る場合であっても、お悔やみの言葉はなるべく手短に伝えなければなりません。そのため、前書や時候の挨拶は省いて、文章の冒頭部分からお悔やみの言葉を述べましょう。
丁寧な言葉遣いを心掛ける
お悔やみメールは普段の連絡に使うメールと異なり、弔意を表すためのメールです。そのため、どんなに近しい間柄の方であっても、普段遣いの言葉では失礼に当たります。極端に形式ばった言葉遣いは必要ありませんが、丁寧な言葉を使うよう心がけましょう。
お悔みメールで避けるべき言葉
お悔みメールを送る際には、使ってはいけない言葉や避けるべき表現が多くあります。これらは、お悔みメールだけではなく葬儀全般の常識となっていますので、遺族に失礼が無い様に十分に理解しておきましょう。
使ってはいけない「忌み言葉」は避ける
忌み言葉(いみことば)とは、その場所で使うことがためらわれる言葉という意味合いがある言葉の事です。
お悔みメールを送る場合は、葬儀の場と同様の場となりますので、不幸ごとが重なる事を連想させる「重ね言葉」は使ってはいきません。この重ね言葉にはつぎの2種類が該当します。
一つの言葉を2回重ねて使う言葉
- 「いよいよ」
- 「またまた」
- 「ますます」
- 「たびたび」
- 「重ね重ね」
などがこれに該当する言葉です。
繰り返しや次を連想させる言葉
- 「再び」
- 「再三」
- 「追って」
- 「繰り返し」
- 「引き続き」
- 「なお」
などがこれに該当する言葉です。
生死に関する直線的な表現は避ける
重ね言葉の他には、生死に関しては直線的な表現は禁句となり、次の言葉は避けなければなりません。
- 「死ぬ」
- 「死亡」
- 「生きる」
- 「生きているころ」
- 「生存」
- 「事故死」
- 「急死」
これらは、お悔みメールとしては使うことは出来ません。ただし、柔らかい表現に言い換えることで使用することが可能です。柔らかい表現は以下のようになります。
- 「死ぬ」「死亡」:「ご逝去」または「他界される」
- 「生きる」「生存」:「ご生前」または「お元気なころ」
- 「事故死」「急死」:「突然のご不幸」または「急なことで」
- 「生きている頃」:「お元気な頃」
宗教にかかわる言葉は避ける
死に対する概念は、その宗教の教義によって大きく異なります。そのため、お悔やみのメールを送る際にも、その方が信仰する宗教の考えに配慮した言葉遣いが必要となります。
例えば、私たちが良く知る「冥福を祈る」と言う言葉には「死後の幸福」という意味合いがありますが、キリスト教の一部では、故人はみな必ず死後は天国へ行けるという教義があるため冥福を祈る必要はありません。
また、仏教の中でも浄土真宗では死後必ず極楽浄土に導かれるという教義があるため、「冥福を祈る」という表現は不適切です。
お悔みメールを送る際には、この様な事情を考慮しないままメールを送ってしまうと、送られた方に対して失礼な文章となってしまうため、宗教的な言葉は使わない方が無難でしょう。
お悔みメールの文例
それでは、ここからは実際にお悔やみメールとはどの様なものがあるのか文例を紹介していきます。これまで解説してきた内容を踏まえて文章を構成していきますのでご覧ください。
また、メールの内容は相手との関係性を踏まえ
- 友人・知人に当てたお悔やみメール2種類
- 会社の上司に宛てたお悔みメール
- 会社の同僚に宛てたお悔みメール
- ビジネスで付き合いがる取引先担当者へのお悔やみメール
の5種類の文例を紹介しています。
親しい友人・知人に向けたお悔やみメールの文例①
親しい友人・知人にお悔やみメールを送る場合は、相手を気遣う言葉を入れるのがポイントです。多少であれば砕けた文章であっても構いませんが、普段遣いの言葉は厳禁です。
件名:○○(メールを送っている本人の名前)よりお悔やみ申し上げます
本文:お父様のご逝去を知り、大変驚いています。本来なら直接お悔やみに伺いたいところですが、このような形になり申し訳ありません。家族を支えなくては、と無理をしていないか心配です。あなたまで倒れては大変なので、どうか自分のことを考えて体を労ってください。私にできることがあればいつでも連絡してください。
親しい友人・知人に向けたお悔やみメールの文例②
件名:○○(メールを送っている本人の名前)よりお悔やみ申し上げます
本文:お母さまの逝去を知り、大変驚いております。本来なら、直接お悔みに伺いたいところなのですが、遠方の為駆けつけられず申し訳ありせん。今はまだ、突然の事で何も考えられない事と思いますが、あまり、気を落とされませんように。何かできることがあれば遠慮なく連絡ください。
会社の上司へのお悔やみメールの文例
会社の上司や同僚に送るお悔やみメールでは、そのお悔やみメールを誰が送っているのか一目見て把握できるように、所属する部署と姓名を件名に記入するのがポイントです。
また、葬儀の準備などで忙しい相手を気遣い、返信不要の旨を文章の最後に添え、手間をかけさせない配慮が必要です。
件名:○○課(社内の部署)の○○(メールを送っていいる本人名)です。お悔やみ申し上げます。
本文:ただ今、〇〇様のご逝去の悲報に接し驚いております。心からお悔やみ申し上げます。お気持ちはいかばかりかと、お慰めの言葉もありません。やむおえない事情により、かけつけることができず大変申し訳なく思っております。お悲しみの深さを思うと、お慰めの言葉もございませんが、どうかお力を落とされませんよう願っております。 謹んでご冥福をお祈りいたします。
このメールへのご返信は不要でございます。
会社の同僚へのお悔やみメールの文例
件名:○○課(社内の部署)の○○(メールを送っていいる人物の氏名)です。お悔やみ申し上げます。
本文:お母さまのご逝去に際し、心よりお悔やみ申し上げます。直接お悔やみに伺えず申し訳ありません。家族を支えなければ、と無理をされていないか心配です。どうか、気を落とさず、お身体に気をつけてください。安らかなご永眠をお祈りいたします。
このメールへのご返信は不要でございます。
取引先担当者へのお悔やみメール
会社の取引先担当者へのお悔やみメールでは、会社の上司・同僚と同様にそのお悔やみメールを誰が送っているのか一目見て把握できるように、所属部署とメールを送っている人物の姓名を件名に記載します。
また、ビジネス上の付き合いのみの関係のため、くだけた表現は避けできるだけ手短に文章を組み立てた方が相手にお負担も少ないでしょう。
件名:株式会社○○の○○(メールを送っている人物の会社名と部署名)です。お悔やみ申し上げます。
件名:このたびはご母堂様のご逝去の報に接し、大変驚いております。ご家族の皆様のご傷心を拝察いたし、心よりお悔やみ申し上げます。心身共に大変な時だと存じますが、ご無理をなさいませんように。略儀ながらメールにてお悔やみ申し上げます。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
なおこのメールへのご返信は不要でございます。
お悔やみに返信はするべきなのか?
本来、ビジネス上でお付き合いがある方からメールを頂いた時は、直ちに返信する事がマナーとされていますが、これがお悔みメールの場合はどのように対応すれば良いでしょうか?ここでは、遺族の立場からお悔やみメールを頂いた際の対応方法を解説します。
基本的には返信は必要
お悔みメールを頂いた場合、基本的には返信は必要とされています。ただし、葬儀を行うには
- 葬儀業者との打ち合わせ
- 会場の確保
- 葬儀の告知
- 役所への届出
など、やらなければならないことが多く、特に喪主は多忙を極めることになります。そのため、必ずしも返信しなくとも失礼になる事はありません。まずは故人をしっかりと見送り、葬儀後に時間的な余裕ができてから改めて返信しても問題はありません。
お悔みメールへの返信の内容
お悔みメールに対する返信は、格式ばった文章や長文でのお礼は必要ありません。できるだけ簡潔に文章を構成します。返信する相手との関係を考慮した言葉遣いは意識しますが、内容自体はお悔みメールを頂いたお礼だけを述べれば良いでしょう。
友人・知人からもらったお悔みメールへの返信文例
特別な言葉ではなく、相手の心遣いに対する感謝の気持を、ご自身の言葉で表すだけで結構です。
件名:本当にありがとう・○○より (○○は自身の姓名)
本文:メール本当にありがとう。お陰様で何とか葬儀も無事終了する事ができました。徐々に時間の余裕も出てきたので、ようやくゆっくり休むことができそうです。気遣ってくれて本当にありがとう。
上司や取引先担当者からもらったお悔みメールへの返信文例
相手の気遣いに対してのお礼を述べ、その後仕事を休んでしまった事への謝罪を盛り込むと良いでしょう。
件名:お気遣い本当にありがとうございます・○○課○○より(○○は自身の所属先と自身の姓名)
本文:お悔やみのメールを頂きありがとうございました。お陰様で無事に葬儀を終わらせる事ができました。お気遣いありがとうございます。なお〇月〇日より出社いたします。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。
お悔みメール以外の供養方法
友人・知人・親族などの訃報を受け、どうしても葬儀に参列する事ができない様な事情がある場合、お悔みメールを送るなどして故人の死に対する哀悼の意を表現します。
しかし、故人が親族の場合などはこれだけでは不十分です。ここでは、お悔みメールを送る以外に出来る故人の供養方法を紹介します。
お花を送る
お葬式やお通夜に参列する事ができない場合は、お葬式に飾るお花や花代を葬儀の喪主あるいは施主へ送り、自分の気持ちを形とする事も可能です。
特に大きく立派なお花は葬式の場に映え、遺族にとっても印象に残るため「この様な立派なお花を頂き故人もさぞ満足しているだろう」と考えてくれるものです。
香典を送る
お花を送る事と同様に、お葬式やお通夜に参加できないせめてもの気持ちとして、香典を送る事が可能です。特に、故人と関係性が深い場合や、親族の場合は自分の気持ちは香典として伝えるべきでしょう。
ただしこの香典を巡っては、葬儀が終了した後に「香典をくれたくれない」で親族どうしのトラブルに発展する場合もあります。相手との関係を考慮して、できるだけ分け隔てなく香典を渡す様に努めましょう。
お悔みメールで気持ちが伝わりづらい言葉
お悔みメールは、遺族に対して哀悼の意を表するための文章になりますが、この時どうしても違和感を覚える言葉に「ご愁傷様です」というフレーズがあります。ここでは、この「ご愁傷様です」という言葉が何故お悔みメールに適さないかを解説します。
気持ちが伝わりづらい「ご愁傷です」
「ご愁傷です」という言葉には様々なニュアンスがあり、複数の意味がある事に注意しなければなりません。この複数の意味の中には、本来の「ご愁傷です」という言葉の意味とは全く異なる、皮肉や相手をからかう意味も含まれます。
特にメールは相手の顔が見えない分、言葉の意味が歪曲して相手に伝わってしまう可能性があります。メールを使ってお悔やみの言葉とする時は、メールが持つリスクも考慮して言葉を使い分ける必要がります。
気持ちが伝わりやすい「お悔やみ申し上げます」
メールで自身の気持を示すには、書き言葉である「お悔やみ申し上げます」という表現が適切です。
大切な方を亡くし遺族の心中が乱れているものです。そのため冷静さを欠いた信じられない思い違いを起こすことは十分に考えられます。お悔みメールを送る場合は、この様な事情を考慮して、誤解を招きかねない表現はできるだけ使わない方が良いでしょう。
お悔やみ メールまとめ
冒頭でも解説した通り、今日ではメールやLINEは私たちには欠かすことができない連絡ツールです。そのため、お悔やみに関しても今後はこれらはの通信手段を用いる場面は、確実に増加する事が予想されます。
お悔やみに一番重要な事は、相手の心に寄り添い思いやる心です。これを念頭に置くことで、略式とされるお悔みメールであってもあなたの気持ちはきっと遺族に伝わるはずです。
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