【3000円包むのも大丈夫?】香典のマナーについてまとめました
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/9
香典金額の相場を、よくわかっていない方は多いのではないでしょうか。例えば、親戚など親しい関係でない場合に3000円程度でも平気なのかと悩んでしまうことも考えられます。今回は、香典金額で3000円でいい場合とダメな場合を具体的に解説します。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/9
目次
香典とは
香典とは、相互扶助の意味合いをもち、葬儀を行うことで発生する金銭的負担を参列者で軽くするためのものです。皆で故人が亡くなった悲しみも負担も少なくすることができます。それに加えて、故人との親交がどのようなものであったかで、金額も変わってきます。
香典金額の相場
香典金額の相場は、故人との関係性で決定してきます。一般的な金額を把握して、実際に葬儀に参列する際、困らないようにしておきたいですね。ここでは、故人と親族の関係の場合と、故人と友人関係の場合で見出しをわけて解説します。
故人と親族の関係
故人と親族の関係にある場合の相場は、5千円から10万円です。ここで相場幅があるのは、香典を出す側の年齢差を考慮しているからです。具体的には、20代では5千円から1万円くらいが一般的、30代では5万円から10万円くらいが一般的です。
金額が高額となってしまうのは、親族ですのでそれまで密接な関係を築いてきています。そのため、これから紹介する故人と友人関係の状況と比較して高額の香典額になるのです。ですので、相場は幅が広いですが、故人と親族関係の場合は5千円から10万円です。
故人と友人関係
故人と友人関係であった場合の相場は、3千円から5万円です。ここでも相場の金額に差が生じているのは、故人と親族関係の時に説明したとおり、香典を出す側の年齢差があるからです。
具体的には、20代での相場は、3千円から5千円くらいを、30代の相場で1万円から5万円くらいです。親族の香典相場より少ないことがわかります。とはいえ、故人との関係が密接だったという方もいるでしょう。つまり、故人との関係性が重要なのです。
ここで解説したのは一般論です。年齢に関係なく相場よりも金額を上乗せして香典を包むという考え方もあります。ですので、故人と友人関係での相場は3千円から5万円です。
香典3000円の良いケースと避けた方がいい金額
香典に3000円という金額は、相手に失礼な金額なのでしょうか?ここでは具体的に3000円という金額は失礼にあたるのかと、香典を包む際に気をつけたい“避けるべき金額”について解説します。
【香典3000円 良いケース】顔見知り程度の間柄
顔見知り程度の間柄ならば、香典を3000円包むだけで構いません。なぜなら、香典に気を遣わせたくないからです。そのため、3000円で包み、「お返しは大丈夫なので」と伝えて、負担を軽くします。
具体的な顔見知り程度の間柄の方は誰を指すかというと、同級生、同僚、近所の人が該当してきます。そういったケースの場合、有志で香典をまとめて包むということもあります。また、友人の祖父母など直接関わりのないケースでも3000円で構わないとされています。
香典で避けた方がいい金額とは
日本人は昔から縁起にこだわる風習があり、そのこだわりが香典金額の数字のマナーにも表れています。香典には4や9がつく金額を包むのはタブーとされています。不祝儀にこれらの数字は「死ぬ」「苦しむ」を連想させるからです。
偶数の金額は避けるべきともいわれています。偶数は割り切れるので、故人との縁が切れると考える人がいるためです。
2万円は「ふたたび」のイメージがあるため避けられていましたが、最近では3万円では多く1万円だと少ない時にちょうど良い金額であるため、気にしない人もいます。そうとは言えども、4や9の香典の金額については避けるべきといえます。
3000円の香典に対する香典返しおすすめ
香典返しの基本は、包んでいただいた金額の3分の1から半額程度の半返しです。ですので、3000円の香典に対しては1000~1500円くらいの品物を渡します。香典返しの品物は、不祝儀を残さないという意味から、いわゆる消えものが選ばれることが多いです。
少額の香典返しにおすすめなのは、お茶やお菓子などの食料品です。ある程度日持ちがしますし、個包装された詰め合わせのものは、どんな世帯の人からも喜ばれます。
洗剤やタオルのような日用品も、少額でも選びやすい品物です。最近はカタログギフトも1500円前後から揃っており、3000円の香典返しに対応できます。
香典袋の書き方・袋の選び方・お札の入れ方
香典袋の書き方、袋の選び方、お札の入れ方は、香典を包む際に知っておきたい知識です。ここでは、そういった基本的な知識について整理しておきましょう。この知識は、葬儀に参列することを想定した時、必ず必要です。しっかり理解しておきましょう。
香典袋の書き方は漢字が基本
香典袋の書き方です。金額は漢字で書きます。この際に注意してほしいのは、漢数字を縦で書く場合は、旧字体である大字を使う点です。香典袋には、お札を入れる中包みがあります。こちらには、金額・住所・氏名を誤りなく書きましょう。
なぜなら、ここの住所と名前を確認して香典返しを送ってくる場合があるからです。基本的に表書きには自分の名前を記載します。香典は一家族単位で包むものです。
つまり、夫の名前だけでいいのが一般的です。旧来、家族ぐるみでの付き合いが深かった方で、妻も連名で記載するケースもありますが基本的には夫だけで構わないでしょう。
香典袋は金額に見合ったものを選択する
香典袋の選び方は金額で選び分けます。金額が1万円から3万円の場合は水引を自身で掛けるタイプの香典袋を使うようにしましょう。
香典の金額が5万円以上になる場合は、香典袋のサイズも中金封のものを使うようにします。中金封のものは一般的な香典袋よりも少し大きめですので、きちんと大きさをみてから選ぶようにしましょう。
具体的に選ぶ際に気をつけたい点は、水引が印刷されているかどうかや、袋の大きさで判断します。
お札の入れ方
お札の入れ方は、印字されている肖像を袋の裏面側に向けたうえで、袋の底側にくるように入れます。また、お札は新札ではなく、使い古したお札を入れるようにしましょう。もし新札しか手元にない場合は折り目をつけてから袋にいれます。
とはいえ、あまりにも古くなりすぎているお札を入れるのは逆に失礼になります。そういった際には、あえてキレイな新札に折り目をつけ香典とした方がいい場合もあります。
香典返しを辞退することも可能
香典が少額のため遺族に負担をかけたくない場合や、公的機関や組織に属し香典返しを受け取れない立場の人が、香典返しを辞退することがあります。
香典返しを辞退しても相手に失礼にあたることはありませんが、遺族に分かるようきちんと伝える必要があります。ここでは、香典返しを辞退する方法を具体的に説明します。
香典袋を辞退することを記載する
香典返しを辞退したい時は、香典袋にその旨を書いておきます。書く場所は香典袋の裏側の端か、中袋の住所氏名を書く横の余白などです。あまりスペースがありませんので、簡潔に丁寧な文章で書きます。
書き方に明確な決まりはありませんが、例をあげると「香典返しは辞退させていただきます」「お返しのご配慮は遠慮させていただきます」のような一言になるでしょう。香典袋に書くのは抵抗があると感じるなら、一筆箋に書いて袋に入れるという方法もあります。
一筆箋は香典袋から出すと誰のものか分からなくなってしまうので、差出人の名前も添えるようにしましょう。
受付時に伝える
最近は、香典返しの品物を葬儀の日にお渡しする「当日返し」が増えました。お返しが当日返しの時は受付で辞退する旨を伝えましょう。理由を述べた上でお断りすれば先方にも理解していただけます。
当日返しの品物のほかに、参列者には会葬御礼品が手渡されます。会葬御礼品は香典返しではなく参列に対するお礼ですのでいただくようにしましょう。
お返しが当日返しではなくても、受付で香典返しを辞退したいと伝えて構いませんが、葬儀の当日は忙しいのできちんと先方に伝わらない可能性があります。口頭で伝えたとしても、遺族に確実に伝えるために香典袋に一言書いておくことをおすすめします。
故人との関係性を重視して金額を決める
この記事では、香典で3000円を包むことなどマナーについて解説しました。この知識を予め知っておくことで急な不幸で参列者の立場に立った時でも困ることは少なくなるでしょう。基本的な考え方として、最も大切にすべきなのは、故人との関係性です。
一般的な香典相場は存在しますが、「とても良くしてもらった」と思う関係性であったなら、多く包んで構いません。なぜなら、香典には相互扶助の意味合いがあるからです。つまり、故人との関係が深いほど多い金額を包み、お見送りのために役立ててもらいます。
しかし、故人との親交の度合や自分の立場を総合的に判断して、香典の額を3000円にしたとしても失礼にはあたりません。そういった知識で香典の金額を選択していきましょう。
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