精進落としって何?精進落としの具体的な流れやマナーについても解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/8

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葬儀の後で必ず執り行なわれる精進落とし。本来の精進落としは葬儀後すぐに執り行なわれるものではなく、現代の生活スタイルに合わせて変化しました。精進落としの本来の意味や流れ、マナーについても調べましたので、あわせて解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/8

目次

精進落としとは?

お葬式の後で必ず行なわれる精進落とし。いったいどんな意味があるのでしょう。単なる葬儀が終わった後の行事という理由だけではありません。精進落としの本当の意味について解説します。

葬儀参列者への労い

葬儀後に行なわれる精進落としは、葬儀参列者への労いという意味があります。葬儀参列者の中には、わざわざ遠方から駆けつけてくださった人もいます。また、大切な仕事を後回しにして参列してくださった方もいます。

 

葬儀は何よりも優先させるべき、という考えが日本には定着しています。そのことを故人の遺族は理解しているので、感謝の気持ちを表すために、精進落としを執り行ないます。

 

なお、参列者の中には僧侶も含まれます。葬儀を滞りなく執り行なってくださった僧侶に対しても、感謝の気持ちと故人に代わってのお礼を伝えるためという意味も、精進落としには含まれているのです。

忌明けの食事

精進落としには、忌明けの食事を楽しむという意味もあります。忌明けとは、遺族の喪に服す期間が終了した日のことです。

 

忌中はまだ故人の魂が冥土の旅をしている最中です。その間、遺族は故人の死を悼みながら、冥土の旅が終わることを祈ります。この間、おめでたい行事を執り行なうことは基本禁止とされています。

 

忌明けは故人の魂が冥土の旅を終えたことを示し、この日を境におめでたい行事も執り行なうことができます。冥土の旅の終了と、おめでたい行事ができるようになったことを祝して精進落としが行なわれます。

精進落としの一般的な流れ

精進落としは葬儀後の正式な行事です。そのため、一般的な流れというものがあります。適当に始めて終われば良いという行事ではないのです。

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開始の挨拶~献杯

精進落としは開会の挨拶で始まります。開会の挨拶を務めるのは喪主です。葬儀に参列してくださった方への労いの言葉を述べるのが一般的です。目の前にお料理が並んでいるため、長い挨拶はよくありません。短い挨拶が好まれます。

 

開会の挨拶が終われば、献杯をします。故人の死を悼む気持ちを表すため、乾杯ではなく献杯と表現します。また、参列者の人たちは座ったままというのが一般的です。お座敷の場合もありますし、おめでたい席ではないので座ったままで献杯を行ないます。

宴席開始

精進落としの宴席は、葬儀参列者へ労いの気持ちを表すために執り行なわれるものです。久しぶりに出会う人たちもいますから、話が盛り上がることもあるでしょう。

 

ですが、精進落としは故人の死を悼むためのものでもあります。悲しい気持ちを表すために設けられている宴席という意味もあるので、騒がしくするのは良くありません。常識の範囲内で会話やお料理を楽しみましょう。

 

また、喪主を含めた遺族は、葬儀参列者にお酌をして回ります。お酌をしながら、参列してくださったことへの感謝の気持ちを同時に述べるのが通例です。

今後の法要の予定

葬儀が終わったからと言って、それで終わりではありません。今後、四十九日や一周忌などのさまざまな法要が執り行なわれます。基本は四十九日なら葬儀後49日後、一周忌なら1年後の葬儀が執り行なわれた日に執り行なうのが通例です。

 

ですが、実際に通例通り執り行なうことは難しいでしょう。遺族はもちろん、僧侶の都合もあります。そのため、精進落としの席で今後の法要の予定を決めておきます

 

精進落としは葬儀に参列した人たちが集まる唯一のタイミングでもあります。その場でそれぞれの予定を聞き、予定を立てるのが一般的です

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引き出物などの配布~終了

葬儀では、参列者に引き出物を用意します。葬儀に参列してくれたことへの感謝の気持ちを表すためです。ですが、あまり早く引き出物を渡してしまうのは良くありません。

 

一般的には、精進落としの最後で引き出物を配布します。引き出物を渡す時、改めて葬儀に参列してくれたことへの感謝の気持ちを述べます。

 

引き出物の配布が終了したら、最後に喪主が終了の挨拶をします。ここで最後に喪主から改めて参列してくれたことへの感謝の気持ちを述べ、精進落としは終了します。

精進落としのルールやマナー

精進落としは葬儀における正式な儀式ですから、ルールやマナーがあります。風習として受け継がれているルールと現在のルールでは異なっている部分もありますが、基本的なことは変わりありません。

本来は初七日法要で行なう

本来の精進落としは、故人が亡くなって7日目に、初七日法要で執り行ないます。何故なら、精進落としは故人が冥土へ到着したことを祝う儀式でもあるからです。

 

故人は亡くなってすぐ冥土へ到着するわけではありません。冥土へ到着するために長い旅に出ると仏教では伝えられています。その旅路が現世でちょうど7日かかると言われています。

 

亡くなってからちょうど7日目に冥土へ到着した故人に、「冥土に到着して良かったです」という気持ちを表す意味があるので、精進落としは昔は初七日法要で執り行なわれていました。

現在は葬儀終了後

現在の精進落としは、葬儀終了後に執り行なわれます。理由は、葬儀終了後に続けて初七日方法が執り行なわれているからです。

 

葬儀に参列する人たちは仕事があったり、遠方から参列していたりします。葬儀当日の7日後に再び集まるというのは、現代では現実的ではないのです。故人を悼む気持ちは変わりありません。そこで、初七日法要だけ葬儀終了後に続けて執り行なわれるようになりました。

 

精進落としは初七日法要で執り行なわれる儀式です。葬儀後に続けて初七日法要が執り行なわれるので、精進落としも葬儀後に執り行なわれています。

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1時間~1時間半で終了させる

精進落としは、1時間~1時間半で終了させるのが一般的です。大勢の親族が集まると積もる話もあるので、長時間になることもあります。ですが、葬儀参列者の中には、遠方からきている人もいます。精進落としが長時間になると帰りが遅くなり、迷惑をかけてしまいます。

 

また、精進落としには僧侶も参加します。大変忙しい僧侶の場合は、次の予定が入っていることもあります。長時間の精進落としに参加したため、後の予定に影響が出てしまうこともあります。

 

精進落としを終了させるのは、遺族や喪主の務めです。参列者のことも考えて、1時間から長くても1時間半で終了させましょう。

一般的な席次

精進落としでは一般的な席次があります。誰がどこに座ってもいいということではなく、葬儀に参列してくださった方の立場などを考慮する必要があります。

 

上座には僧侶や世話役の人が座ります。葬儀を執り行なうのは僧侶ですから、最も高い位置に座って頂きます。また、世話役は葬儀では遺族の代わりにあらゆる手配をしてくださる人です。その労力をねぎらうという意味で上座が一般的です。

 

友人や近親者は上座の次の席に座ります。参列してくださったことへの感謝の気持ちを表すためです。また、故人の感謝の気持ちも含まれています。そして末席には、喪主と遺族が座ります。

辞退されたらお膳料を渡す

葬儀参列者の全員が精進落としに参加するわけではありません。その後の予定に予定がある人は、遠方から参列している人は時間に余裕がないため、葬儀が終わるとすぐに帰ってしまうこともあります。

 

精進落としを辞退された人にはお膳料を渡すのが一般的です。本来なら精進落としの宴席で労いの気持ちを表しますが、辞退した人にはお膳料でその気持ちを伝えます。

 

お膳料の金額の相場は一般的には1万円です。ただし、僧侶が精進落としを辞退された場合はもう少し高くなります。

精進落としは故人を悼む大切な儀式

精進落としを執り行なうタイミングは、現代人の生活スタイルに合わせて変化しました。ですが、精進落とし自体は現在も執り行なわれています。それは、故人を悼む大切な儀式だとされているからです。もし精進落としに参列する機会があった場合は、故人の楽しい思い出話に花を咲かせましょう。