【葬儀】納棺とは|知っておきたい流れと手順を解説【マナー】

公開日 : 2020/3/15

更新日 : 2020/9/4

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「納棺」とは、ご遺体を棺の中に収める作業のことです。ただ中に入れるのではなく、湯灌や装束などの死化粧を経て棺に納められます。スムーズな葬儀のためには、納棺の流れをしっておくことが重要です。今回は、納棺の儀式の全体像を見ていきましょう。

公開日 : 2020/3/15

更新日 : 2020/9/4

目次

納棺とは

「納棺」とは、亡くなられた故人を棺の中に収めることです。ただ単に入れているわけではなく、「旅立ちの準備をする」という意味から様々な儀式を執り行います。

 

葬儀や行政上の手続きで忙しくなる前に、故人のお世話をゆっくりとしてあげられる最後の時間です。

 

 

納棺の儀式とは

納棺の準備は、自宅や病院で死亡を宣告された直後から始まります。最近では自宅に戻らずに直接セレモニーホールに移送される場合もあり、その場合は病院で一連の儀式を行うことになります。

 

納棺の儀式は「末期の水」「湯灌」「死化粧」「死装束」「副葬品を納める」という順番で進んでいきます。

 

それぞれの儀式の詳細を見ていきましょう。

末期の水

末期(まつご)の水とは、故人の口に水を含ませる儀式のことです。ガーゼや脱脂綿を箸で持ち、水分を含ませて唇を濡らしていきます。故人と関係が近い血縁者から、順番に行うのが通例です。

 

通常は病院から自宅に移送されたあとに行われるものですが、直接セレモニーホールに移送される場合は病院で行う可能性もあります。

湯灌

湯灌(ゆかん)とは、納棺の前に故人の身体を水で清める儀式のことです。単純に綺麗にして見た目を整えるという目的以外にも「この世の煩悩を洗い流す」という意味があります。

 

以前は遺族が自分たちで行っていましたが、現在では専門の業者が行うのが一般的です。費用や作法は業者によって変わってくるため、気になる場合は葬儀社に確認することをオススメします。

死化粧

最近では死装束と併せ、「エンゼルケア」という呼ばれ方も一般的になってきました。死化粧の場合は「エンゼルメイク」とも言います。

 

葬儀社が用意した専用の化粧品だけでなく、故人が生前に使っていた化粧品を利用するん場合もあります。

 

生前の見た目に近づけることで身なりを整えるほか、遺族にとっても安心して旅立ちを見送れるようになるのです。

死装束

あの世への旅立ちの身支度として、白い装束を故人に着せる儀式のことです。仏教独自の価値観に基づいた儀式のため、神道やキリスト教の葬儀の場合は行われません。

 

死装束の着せ方は「左前(普段の着物の着方と逆」です。これは逆さに着ることで生者と死者の世界を区別するためとされています。

 

白い着物のほか、笠や数珠、杖などの装束を整えていきます。また、最近では生前に使っていたスーツやユニフォームを使った死装束も一般的になりつつあります。

副葬品を納める

副葬品とは、故人と一緒に棺に納める品物のことです。現在では、故人が生前に使っていた愛用品を納めることが一般的になっています。

 

ただし、燃えずに残ってしまう金属(眼鏡・指輪など)や、灰が残ってしまう書籍などは入れることができません。

心を込めて悔いのない納棺にしましょう

今回は、「納棺とは何か」と「納棺の儀式の流れ」を解説しました。慌ただしくスケジュールが埋まっていく葬儀の中において、故人との思い出に浸れる貴重な機会でもあります。

 

心を込めて旅立ちのお手伝いをし、悔いの残らない葬儀を実現しましょう。