御仏前とご霊前の違いとは?知っておきたい意味と使い分けのマナー

公開日 : 2020/2/28

更新日 : 2020/9/10

御仏前とご霊前の違いとは?知っておきたい意味と使い分けのマナーのサムネイル画像

葬儀に参加する際に知っておきたいマナーの1つとして、「御仏前」と「御霊前」の使い分けが挙げられます。「御仏前」と「御霊前」は四十九日が明ける前か明けた後か、または宗派によっても使用するシーンが異ります。故人やご遺族への失礼に当たらないためにも、「御仏前」の意味や使い分け方を知っておきましょう。

公開日 : 2020/2/28

更新日 : 2020/9/10

目次

「御仏前」と「御霊前」の使い分け方とは?

「御仏前」と「御霊前」はともに、葬儀に参列する際に持参する金品やお供え物の表書きで使用する言葉です。販売されている香典には、あらかじめ表に「御仏前」や「御霊前」と印刷されたものもあります。

 

一見似た言葉ではありますが、「御仏前」と「御霊前」には明確な違いがあります。使い方を誤ると、故人やご遺族への失礼に当たることもありますので、きちんと使い分けるようにしましょう。

「御仏前」と「御霊前」の意味

使い分けで失敗しないためにも、まずは「御仏前」と「御霊前」の意味をしっかり認識しておきましょう。「御仏前」と「御霊前」はそれぞれ「仏前」と「霊前」を丁寧にいう言葉です。「仏前」とは仏様に供えるという意味があり、霊前には霊に供えるという意味があります。

 

「仏」も「霊」も死者を表す言葉ですが、使い分けには注意が必要です。多くの仏教では、人は死後49日までは霊として現世に存在し、49日目を迎えると成仏して極楽浄土に行くと考えられています。つまり死後49日以内は「霊」であり、四十九日の法要が終わると「仏」に成るわけです。

「御仏前」を使うシーン

前述のとおり、人は死後49日を迎えると仏に成ります。よって、四十九日の法要以降の香典では「御仏前」の表書きを用います。場合によっては35日で忌明けの法要を行うこともありますが、忌が明ける=「仏」に成ると考えられるため、49日に満たなくても「御仏前」を用いて構いません。

 

49日以後に行われる法要は主に「四十九日法要」「新盆」「1周忌」「3回忌」などがあります。また、「御仏前」は「御沸前」「ご仏前」と表すこともできます。ちなみに手書きする場合、49日以後に供える香典には普通の濃さの墨を用います。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

「御霊前」を使うシーン

人は亡くなってから48日目までは「霊」の状態です。よって、死後48日以内に行われる法要に参列する場合、香典の表書きは「御霊前」を用いましょう主な法要は「通夜」「葬儀」「初七日」などがあります。葬儀などに参列せず、後日故人やご遺族のお宅へ弔問に行く場合も、忌明けの法要前であれば香典の表書きには「御霊前」を用います。

 

「御仏前」の項目でも述べた通り、49日を待たず忌明けの法要が執り行われる場合、忌明け=成仏という認識になりますので、48日以内であっても「御霊前」は用いません。「御霊前」は「ご霊前」と書くこともできます。また、四十九日の法要前の香典を書く場合は弔いの意を表すために薄墨を用います。

宗派による使い分けは必要?

「御仏前」と「ご霊前」は宗教や宗派によっても使い分けが必要です。故人が仏教徒であれば基本的に前述のような使い分け方でOKなのですが、同じ仏教であっても浄土真宗などの宗派では微妙にTPOが異なります。それぞれの宗派や宗教による香典の使い分け方を解説していきます。

浄土真宗の場合

浄土真宗や真宗各派では、人は死後すぐに成仏して「仏」に成ると考えられています。そのため、故人が浄土真宗の信徒である場合は、通夜や葬儀であっても香典の表書きは「御仏前」用います。浄土真宗では「御霊前」という文言は用いないため、くれぐれも注意しておきましょう。

 

浄土真宗と同様に、日蓮宗や曹洞宗の葬儀や法要でも基本的に「御霊前」という言葉は用いません。「御仏前」あるいは「御香典」を用いましょう。自信がない場合、可能であれば、先方に宗派や書き方を問い合わせるのも1つの方法です。

神道の場合

「仏」という概念がまずありませんので、神式の葬儀などでは「御仏前」という言葉は絶対にNGです。また「御仏前」という言葉がなくても、蓮の花などが印刷された香典袋は「仏」を連想させるため、用いるのは避けましょう。

 

神式の場合は「御神前」または「御玉串料」などの表書きを用います。神道では「霊」の存在は認められているため、「御霊前」という言葉を使用するのも可能です。ただし、「御香典」は仏式の葬儀などで用いる言葉ですので、神式の葬儀や法要にはふさわしくありません。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

キリスト教の場合

キリスト教の場合も神道と同じく「御仏前」や「御香典」といった言葉は失礼にあたります。それではキリスト教の場合はというと、「御花料」または「献花料」といった言葉が一般的になっています。

 

キリスト教も神道と同様に「霊」や「霊魂」の存在が認められていますので、「御霊前」を用いることができます。ただしキリスト教であっても一部の宗派では「御霊前」を用いることはタブーとされているため、詳しい宗派が分からな場合は「御花料」と書くのがベターでしょう。

 

宗教や宗派が分からない場合

故人の宗教や宗派が分からない場合、ご遺族に問い合わせることができればベストですが、なかなか難しいという場合も多いでしょう。故人が仏教徒だけれど宗派が分からない場合は、四十九日の前か後かに関わらず「御香典」と記すのがベターです。

 

仏教徒でないことがはっきりしている場合は、「御霊前」と書いておくのが無難です。また蓮の花などのプリントがある香典袋は「仏」を連想させるため、無地のものを準備するのがおすすめです。

「御仏前」と「御霊前」を使い分けよう

「御仏前」や「御霊前」には時期や場合によって相応しい使い分けがあります。故人やご遺族へ心からの哀悼を示すためにも、使い分けの基本的なマナーは押さえておきましょう。