香典の中袋・香典の正しい書き方や金額・お札の入れ方など解説!

公開日 : 2020/2/25

更新日 : 2020/9/10

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葬儀には必ず持参する香典袋の書き方は知っていても、香典についている中袋の書き方については、知らない方も多いのではないでしょうか。実は中袋にも守らなければならないマナーがあります。この記事では、中袋に関連する知るべきマナーについて解説します。

公開日 : 2020/2/25

更新日 : 2020/9/10

目次

香典の中袋はどんな役割がある?

中袋は内袋とも言われ、外袋にあたる水引がついた香典袋と区別して使用されます。中袋は、お金を入れるための袋(封筒)です。香典袋にそのままお札を入れるより、お札が抜け落ちる心配がなく、保護がしやすいメリットがあります。

金額の書き方

中袋の表面の書き方は、中央に大きく包んだ金額を縦書きで、金額は旧書体で「金〇〇圓也」と書きます。また、改ざんができないよう大字(旧字体)を使用します。戸籍や登記などで使われる場合があります。

 

書き方は、頭に「金」をつけて、金額を書き最後に円を「圓」(えん)と旧書体で書きます。最後に「也」(なり)書かなくても構いません。出来る限り筆や筆ペンで薄墨で書きましょう。

算用数字  漢数字  大字(旧字体)
3000円  三千円 参仟圓・参阡圓
5000円  五千円  伍仟圓・伍阡圓
7000円 七千円 七仟圓・七阡圓
1万円 一万円 壱萬圓
3万円 三万円 参萬圓
5万円 五万円 伍萬圓
7万円 七万円 七萬圓
10万円  十万円  拾萬圓・什萬圓

金額を横書きで書く場合

市販の香典袋の中袋には、裏面に横書き用の金額を記載する欄があります。この場合は漢数字でも、算用数字(アラビア数字)でも構いません。文字がにじむ場合は薄墨でなくても構いません。

中袋裏面の書き方

中袋の裏面は薄墨で書くとにじみやすいため、ボールペンなどで書いても問題はありません。裏面の左下に名前と住所を書きます。ここではそれぞれの書き方について説明します。

住所を書く

住所は、縦書きで現住所を書きます。住所の番地などは、大字(旧書体)で書く必要はありません。郵便ハガキと同じように漢数字で書きましょう。市販の中袋ではすでに記入欄が印刷されているものは、その欄に記入します。

名前を書く

名前は包んだ本人のフルネームを書きます。連名で包む場合は人数分の名前を書きますが、3、4名以上になると、スペースが足りないため別紙に書き中袋を同封しましょう。

中袋のお札の入れ方

香典に入れるお札の枚数やお札の裏表の正しい入れ方にも、守るべきマナーがあります。細かい内容ではありますが、小さな心遣いが遺族に対して、生前の故人への感謝が伝わります。ここでは、お札に関するマナーを紹介します。

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お札の入れ方の向きは裏にして入れる

香典でお札を入れる向きは、お札の肖像が下(裏面)を向いているように入れます。これは「悲しみのあまり顔を伏せる」または、「不幸に顔を背ける」という意味合いがあるためです。

お札の裏表について

お札には表と裏がありますが、どちらが表か裏かわからない方も多いでしょう。肖像が入っている方がお札の表です。一万円札なら福沢諭吉の肖像が描かれている面が表面です。香典では、裏側にして入れましょう。

新札は使わない

お通夜や告別式の香典に新札は使いません。その理由は、新札であれば事前に死を予期していたと連想させるからです。残された遺族としても、香典に新札が入っているとやはり心象は良くないでしょう。

 

もし新札しかない場合は、一度折り目をつけてから包むようにしましょう。

汚いお札は使わない

香典に新札を入れるのが失礼だからといって、逆にボロボロな札や、落書きがあるお札など汚すぎるお札も避けましょう。汚すぎるお札もやはり遺族にも良い印象は与えません。ある程度の使用感のあるお札で問題はありません。

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お札の枚数に配慮する

お札の枚数は、偶数ではなく必ず奇数の枚数で準備しましょう。偶数は割り切れるので「縁が切れる」といわれているからです。祝儀、不祝儀どちらの場合も、割り切れない奇数が縁起が良いとされています。

 

また、例えば2万円を包む場合に1万円札1枚と5千円札を2枚の合計3枚にすることで、奇数にすることができます。また、連名で香典を包む場合も同様に、奇数にならないように気をつけましょう。

お札は縁起の悪い枚数を入れない

香典に入れるお札の枚数で4枚と9枚で入れるのは避けましょう。4は「死」を連想させ、9は「苦」を連想させてしまうことが理由です。香典のお札の枚数は奇数でも9枚は避けて、1枚、3枚、5枚の枚数を入れましょう。

5千円の場合

香典に5千円を包む場合は、千円札5枚でも5千円札が1枚でも問題はありません。どちらでも準備が可能な場合は、受け取る遺族が確認しやすいように、5千円札1枚を入れる方が親切でしょう。

香典に包む金額の相場

香典を包む金額はいくら包めばよいのか非常に難しい問題です。本来、香典は葬儀など急な出費が重なるため、少しでも助けになればということから葬儀への参列者が持ち寄るものです。

 

香典は半返しといわれる「香典返し」が一般的で金額が多くても、少なくても遺族に気遣いさせたり、負担がかかる場合があります。ここでは、一般的な相場をご紹介します。

  20代 30代 40代以上
両親 5万~10万円 5万~10万円 5万~10万円
兄弟・姉妹 3万~5万円 5万円 5万円
祖父母 1万円 2万~3万円 3万~5万円
おじ・おば 5千円~1万円 5千円~1万円 1万~2万円

香典の相場は年齢と関係性によって異なります。親等が最も近い親が最も多く、血縁が遠くなると少なくなっていきます。ここでは続柄別にご紹介します。

親への香典金額の相場

両親の場合は、年代関わらず5~10万円が目安です。一般的には喪主以外であれば香典は包みます。もちろん未成年や独立していない場合なら必要はありません。配偶者の親も同じ額を包みます。地域によって考えも変わるので、親族で話し合いをしましょう。

兄弟姉妹への香典金額の相場

兄弟姉妹の香典の額は、20代なら3~5万円、30代以降は5万円以上が目安です。また配偶者の義理の兄弟姉妹にも同額を包みます。

祖父母への香典金額の相場

祖父母の場合は、20代で1~2万円、30代・40代なら2~3万円、50代以上なら3~5万円が目安です。親や兄弟姉妹と比べると金額は下がります。地域によっては、孫同士でお花やお供えをする場合もありますので、喪主や親族に確認しましょう。

親族への香典金額の相場

親戚の香典金額は、1万円~2万円が一般的です。それぞれの関係性やお互いに香典を包む額も決まっている可能性もあるため、親族と話し合って決めましょう。

中袋を書く上での留意点

これまで一般的な中袋の書き方について説明しましたが、中袋がない場合の書き方やペンで書いても良いかなど、想定外のケースがあります。ここではその解決方法を解説します。

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中袋がない場合

中袋がない場合は、中袋に書くべき金額と名前、住所を香典袋(外袋)の裏に縦書きで書きます。包んだ金額は、大字(旧書体)で書きますが、にじむ場合があるため、必ずしも薄墨の筆で書く必要はありません。

香典袋の上包の折り方

先述の通り、中袋がない場合は、金額や住所、名前を香典袋の裏面に書くとお伝えしましたが、必ず香典袋を折り曲げる上包みの内側に書きましょう。また上包みの折り方は、先に下を追ってから上を折るようにします。

中袋はボールペン・サインペンで書いても良い

中袋は、本来は薄墨で書くのが作法といわれていますが、昨今では、誰からいくらの香典を頂いたかという情報が確認できる方が重要とされています。薄墨で書くことに慣れていない方にとっては、にじんでしまったりすると、遺族も情報の確認ができないからです。

中袋に連名が多い場合は別紙に名前を書く

香典を4名以上や「○○一同」と書く連名の場合、中袋に書ききれない場合があります。その場合は、包んだ人の住所、氏名を書いた紙を別に用意し、中袋に同封しましょう。書き方は、縦書きで目上の方から順番に書いていきます。筆で書かなくてもボールペンやサインペンでも問題はありません。

香典返しを辞退する場合は一筆入れる

香典を包んだ参列者で遺族からの香典返しを辞退することを考えている方もいるでしょう。その場合は、香典袋の中に、辞退する旨を書いた一筆箋を入れるか、中袋の裏面に書いた住所や氏名の左側に一文を書きます。

 

文例としては、「お香典返しは辞退させていただきたくお願い申し上げます。」など長くならないシンプルな文章で構いません。

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中袋に封(のり付け)はしない

市販の中袋は、封筒になっており郵便物と同じ様にのり付けが必要と考える方もいますが、マナーとして、封をする必要はありません。中袋の由来は、奉書紙といわれる紙で現金を包んでいたのが始まりです。

 

現在では、簡略化され封筒形式のタイプが一般的になりましたが、本来は包んだ紙であったことから、のり付けは不要です。

 

また、金額を確認する遺族にとっても封をしていると、開けるのに手間がかかります。中身を確認しやすいことを考慮して、のり付けはしない方がいいでしょう。

香典袋(外袋)の書き方

香典袋の書き方には守るべき作法があります。特に葬儀で参列する際には、最も目立つものであり書き方を誤っていると失礼になります。ここでは、中袋を包む香典袋の書き方について解説していきます。

香典袋の表書きの書き方

表書きは、香典袋に書く目録のような役割があります。特に葬儀で使う表書きには、種類があり、どれを書けばいいのかわからない方も多いでしょう。基本的には、故人の宗教の違いにより書き方が異なります。ここでは宗教別に表書きの書き方を解説していきます。

仏式の場合

日本で最も多いのが仏式ですが、一般的に使われる表書きは「御霊前」「御香料」「御香典」「御悔」です。仏教では四十九日まで魂が現世にいらっしゃるという考えのため、それまでは「御霊前」と書き、四十九日がすぎると「御仏前」と書きます。

 

ただし、浄土真宗の場合は、亡くなって即日で召されるという考えのため「御仏前」を使いますので気をつけましょう。宗派がわからないときは、「御香典」と書けば失礼にはあたりません。

神道の場合

神道の表書きは、仏式とは異なり通夜を「通夜祭」、葬儀は「葬場祭」と呼ばれ、儀式も仏式とは異なります。黒白または双銀の水引の香典袋に「御玉串料」「御榊料」「御神前」が使われます。

 

香典袋は蓮の花やユリの花が印刷されているものは、仏教やキリスト教向けの香典袋になるため、使用しないようにしましょう。

キリスト教の場合

キリスト教の場合も宗派によって異なります。カトリックは、「御花料」「御ミサ料」「献花料」「御霊前」を使います。プロテスタントの場合は、「御花料」「忌慰料」「献花料」が使われます。無地や十字架が印刷されている香典袋を使います。

 

宗派がわからない場合は、どちらでも使える「御花料」がもっとも適切でしょう。また、キリスト教で使える香典袋は、水引がついていない白い封筒にユリの絵柄や十字架が入っているものが基本です。

 

ただし、キリスト教用の香典袋は一般的ではないため、コンビニエンスストアや小さな文房具店には置いてないところが多く、真っ白い封筒さえあれば代用することができます。

無宗教・わからない場合

無宗教の場合に幅広く使える表書きは、「御霊前」です。しかし、前述の通り真言宗やキリスト教のプロテスタントでは使用できないため、葬儀が仏式なら「御香典」や「御香料」が最適です。葬儀が教会で行われるのであれば「御花料」を選ぶと良いでしょう。

香典袋の名前の書き方

香典の名前の書き方は、水引の下側に薄墨で名前を書きます。個人名で書く場合と複数人数の連名で包む場合の書き方を紹介します。

個人名の場合

香典袋に書く名前は省略せず、フルネームで書きます。夫婦で出す場合は基本的に夫の名前で書きましょう。

2~3名の連名で書く場合

2、3名の連名で名前を書く場合は、目上の人から左横に人の名前を並べて書いていきます。3名くらいまでは書くことができるでしょう。

4名以上になる場合

4名以上になる場合は、所属するグループ名や会社名を書き、「○○一同」と書きます。人数が多いために、各個人の名前を中袋に全員分を書くのが難しい場合、別の用紙に全員の名前と住所を書きます。

香典袋の選び方

香典袋は包んだ金額に合わせて選ぶことが大切です。小さい金額で高価な香典袋だと遺族にも不快な印象を与えてしまいます。ここでは、金額にあった香典袋を紹介します。

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5千円未満の場合

香典に包む金額が3~5千円未満の場合は、水引が印刷されている香典袋で問題はありません。水引は黒白、双銀などの「結び切り」や「あわじ結び」のどちらでも構いません。コンビニエンスストアでも販売されています。

1万円未満の場合

1万円未満になると印刷された水引ではなく、奉書紙に実際の黒白の水引がついている「水引金封」を選びましょう。

3万円未満の場合

香典で3万円程度を包むなら、香典袋の奉書紙にも厚みがあり、黒白の「あわじ結び」の水引が実際についている「中金封」ものを選びましょう。香典に包む金額が3万円になると兄弟姉妹や、親しい親戚などが対象となるでしょう。

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5万円以上の場合

5万円以上包む場合は、最も高級感があり、あわじ結びで水引が双銀になっているものを選びます。水引の本数も基本は5本ですが、格式を重んじるなら7本の水引の「大金封」選びましょう。10万以上を包む場合、一回り大きい「特大金封」を使いましょう。

香典の渡し方

香典を渡すシーンはさまざまです。ここでは、基本的なお通夜や告別式の受付で渡す場合や、小規模な葬儀での渡し方など、それぞれの香典の渡し方について解説します。

受付で香典を渡す場合

受付がある場合の香典の渡し方で、どのタイミングで渡すのが適切か迷われる方も多いでしょう。受付の順番が来たら袱紗ごと取り出し、一礼して袱紗の上に香典を重ねて渡すのが、正しい渡し方です。決して、順番待ちで先に袱紗から香典を出さいないようにしましょう。

受付がない会場の場合

最近は家族葬も増えており、葬儀の会場に受付がない場合があります。その場合は、喪主に直接渡しても問題はありません。家族葬は参列者の人数が少ないため、直接渡しても把握できるからです。

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お通夜と告別式どちらで渡すのが良いか

お通夜と告別式どちらにも出席する場合、どちらで香典を渡すのが良いか迷う方もいます。結論としては、どちらで渡しても構いません。比較的多いのは、先に行われるお通夜で渡す方が多いでしょう。

郵送する場合

通夜や告別式に参列が難しい場合は、香典を喪主宛に郵送します。ただし、郵送するタイミングは、早すぎても遅すぎても迷惑がかかります。葬儀直後も忙しいことが多く、葬儀が終わって4、5日あたりを目安に送りましょう。

 

葬儀後の4、5日あたりから、香典返しの手配を始めることが多く、これ以降になると遺族が二度手間になるからです。

中袋の書き方の作法を守り、故人への哀悼の意を表しましょう

本記事では、中袋の書き方についてご紹介しました。香典袋や中袋それぞれに書き方やお札の入れ方まで、さまざまな作法があることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。時代の流れで葬儀を簡素にする家族葬などの普及もあり、葬儀でのマナーも昔ほど重視されなくなってきました。

 

しかし、この時代だからこそ昔から伝わる最低限のマナーを知り、行うことで故人や遺族に対して、真摯に哀悼の意を表すことができます。今回の記事を参考に葬儀に関するマナーに対する知識を深めていきましょう。