【お通夜の作法】服装や香典など知っておくべきマナーを徹底解説!
公開日 : 2020/2/14
更新日 : 2020/9/9
昨今では、葬儀全体の流れの中で「お通夜」がとても重要な役割になってきています。しかし急に参列することになったお通夜で、どのように準備して良いかわからない場合もあるのではないでしょうか。そこで今回は、お通夜における作法やマナー、服装のポイントなどをご紹介します。
公開日 : 2020/2/14
更新日 : 2020/9/9
目次
お通夜の意味とは?
お通夜は、故人の亡骸と共に最後の時を過ごす儀式です。近親者が死者と共に一夜を過ごすことで邪霊の侵入を防ぐと言われることから、遺族や親族、親しい人が集って行われます。そして最近では、お通夜にだけ参列する方が増えてきています。
葬儀は日中行われるもので参加が難しい場合も多いので、お通夜が告別式が持っていた追悼の役割を担うようになってきているのです。そこでお通夜に参加するときの作法や服装、香典のマナーなどもしっかりとおさえて、お通夜に参加した際に慌てることのない状態にしておきましょう。
お通夜の作法やマナーは、宗派や地域によっても変わりますが、こちらの記事では一般的な仏式でのお通夜のマナーについてご紹介します。
お通夜への参列前に必要とされる礼儀や作法について
まずはお通夜に参加する前の段階で押さえておきたい礼儀について解説していきます。
お通夜に参列すべきかの判断基準
これまでは本来のお通夜は、近親者のみで故人を取り囲み、線香やロウソクを切らさずに夜通し故人との思い出を語り会うというものでした。ですが現代のお通夜のスタイルは大きく変わり、近親者のみならずその他の親戚や故人の友人なども参列する形式が一般的となっています。
一方で親族などのごく限られた人のみで行われる家族葬も普及してきました。お通夜と葬儀の違いが以前よりも曖昧になり、またさまざまなスタイルで行われるようになったことからも、お通夜に参列するべきか否かをしっかり判断する必要があります。
故人の親族や親戚の場合
一般的に三親等までの親族は、お通夜や葬儀に参列しなければいけないとされている範囲にあたり、学校や会社において忌引き扱いとなります。その場合は、生前特に親しくなかったり、あまり会うことがなかったとしてもお通夜に参列した方が良いといえます。
また四親等以下の親戚の場合は、生前の関係によって参列するかどうか判断するのがよいでしょう。そこまで血縁的に近くない関係であっても、生前にお世話になった方ならば参列した方がよいといえます。
故人の友人や知人の場合
生前に故人と友人関係にあった人は、自分が故人のお通夜に参列したいかどうかが判断基準になります。お通夜と葬儀のどちらかにのみ参列することも可能ですので、生前親交の深かった人が亡くなったならば、最後に故人へのこれまでの感謝を伝えるつもりで弔問するのがよいでしょう。
また訃報が入った際に、喪主から「お通夜や葬儀に参列してほしい」と頼まれた場合は、できるだけ喪主の気持ちにそって参列するべきです。
家族葬で執り行われる場合
家族葬の場合、お通夜に参列してよいどうかは二つの判断基準があります。まずひとつは、喪主から参列してほしいと頼まれた場合です。直接頼まれた場合は、ご遺族や故人のためにも可能ならば参列するのがよいでしょう。
もうひとつは、訃報の連絡が書面にて送られてきたときに、葬儀やお通夜の詳細が記載されていた場合です。このような通知が届いていないなどの場合は、勝手に自己判断で参列することなく、必ずあらかじめ喪主に確認をとりましょう。
通夜に参列するための準備
お通夜に参列することになったら、服装や持ち物など、当日に会場で恥をかかないようにするためにもしっかりと準備をしておきましょう。
故人の宗派を確認する
日本の場合は仏教式のお通夜や葬儀が大きな割合を占めているので、喪服と数珠を揃えておけば特に問題ないと思われがちですが、いざお通夜に参列した際に違う宗教の形式のもので慌てたという経験をされた方もいるでしょう。
各宗教における宗派や、神道、キリスト教など守るべきマナーに違いがあることも考えられますので、あらかじめ喪主に確認をしておくのが安心です。
お通夜での服装は?
ここからは、気を付けたいお通夜での服装のマナーについてみていきましょう。
本来は平服だったが今では喪服が一般的
本来お通夜は、訃報を受けてからすぐに行われるものなので平服でもよい、または喪服だと死を準備していたと捉えられて逆に不適切とも考えられてきました。
しかし現在ではお通夜のみに参列する人も増え、お通夜が故人との最後の別れの時間になってきており、喪服を着用することが一般的となっています。
お通夜は夕方の18時頃から行われることが一般的なため、会社の帰りに参加することもあるでしょう。その場合は地味な色の平服ならば問題はありません。ですが昨今は喪服を着用してお通夜へ参加することが一般的とされているため、喪服の基本ルールを確認しましょう。
男性の喪服の基本ルール
男性における喪服の基本ルールは、黒で光沢素材ではないスーツを着用することです。ジャケットは、シングルでもダブルでも構いませんが、パンツは裾がシングルのものがよいでしょう。また男女とも殺生を連想させる毛皮のマフラーやコートは身に着けてはいけません。
ワイシャツは無地のレギュラーカラーのもので、柄物やボタンダウンのシャツは避けましょう。また長袖のシャツを着用するのがベストですが、夏場は半袖でも問題ありません。ネクタイは黒無地の光沢のないもので、結び方はくぼみを作らないようにします。
靴下も無地で黒のものを履きます。くるぶし丈のソックスはカジュアルな印象を与えてしまうため避けるようにしましょう。靴は革靴で、金具などの装飾が付いていないものを履きましょう。
女性の喪服の基本ルール
女性の喪服の基本ルールは、黒の光沢素材ではないアンサンブルやワンピース、パンツスーツを着用することです。スカートの長さはひざ下あたりで、短すぎず、長すぎないようにしましょう。
ストッキングは30デニール以下で肌が少し透ける黒のものがマナーです。冬場に寒さ対策をしたい場合は、厚手のタイツはお通夜ではカジュアルな印象を与えてしまい不適切なため、ベージュのストッキングの上に黒のストッキングの重ね履きがおすすめです。
パンプスの素材は布または革のもので、エナメル素材は避けましょう。また高いヒールのパンプルやミュールやサンダルはマナー違反です。アクセサリーに関しては弔事では基本的に、結婚指輪と真珠のネックレスのみは着用可能です。
お通夜での持ち物は?
ここからはお通夜における持ち物について解説していきます。急遽お通夜へ参列することなって慌てることのないようにしっかりと確認しておきましょう。
香典
お通夜ではお花や線香の代わりに香典を持参するのがマナーです。ただしお通夜にも告別式にも参列する場合は、いずれかに持参するということになります。
しかし急に連絡を受けてお通夜に参列する場合は、不幸をあらかじめ予期していたという印象を与えてしまうため、この場合は告別式に持参するのがよいでしょう。もっともお通夜にのみ参列する場合は、お通夜に香典を持参することになります。
袱紗(ふくさ)
香典袋をそのままお通夜に持参することはマナー違反ですので、袱紗(ふくさ)と呼ばれる絹の布に包んで会場まで持っていくのがよいでしょう。
袱紗にはさまざまな色のものがありますが、弔事用は黒、グレーや紺、緑などの寒色系の色のものが一般的です。なお弔事は左開き、慶事は右開きで使用します。
数珠
仏式のお通夜において、仏教徒は仏様との世界と繋がることができ、お守りとしての役割があるといわれる数珠を持参します。焼香を行う際に使用する数珠ですが、もともと、念仏の回数を記憶するためのものとして使われていたため、念珠とも呼ばれます。
なお仏式のお通夜、また仏教徒である場合以外は特に持参する必要はありません。また男性は大きい珠の数珠、女性は小さい珠の数珠を選びましょう。色や素材は決まっていませんが、各宗派や地域の慣習があればそれにふさわしいものを選びます。
基本的には仏教徒以外は持たなくても良いものですが、気になる方は宗派を問わない略式数珠を持つのがおすすめです。数珠は持つ方のお守りの役割も果たすため、一般的には数珠の貸し借りはしないのがマナーです。
ハンカチ
ハンカチは、白または黒の無地のものを持参するようにしましょう。本来は白を持参するのが一般的でしたが、近年は喪服の色に合わせて黒のハンカチを選ぶ方も増えています。
また上記でも触れた香典を渡すときに使う袱紗ですが、万が一袱紗を忘れた時にハンカチを使うこともできます。正面にみてひし形のように置き、中央よりも少し左に香典を置きます。右、下、上の順にたたんで「左開き」となるようにしましょう。
香典の相場は?
お通夜における香典の金額は、故人との関係性などで決まります。故人が親戚関係にある場合は10000円以上、親族以外の場合は5000円ほど包むのが一般的です。親兄弟など近い人物の場合はより多く包む傾向があります。
しかし上記は一般的な金額であり、実際は個人との付き合いの程度によっても包む金額は変わってきます。金額の相場は故人との関係やご自身の年代、地域の慣習などでも違ってきますので、判断に迷う場合は、親戚や身近な人に相談してみると良いでしょう。
お通夜の受付と開式前の作法やマナー
いざお通夜の会場に到着すると、早速芳名帳への記帳や香典を渡すことなどのしなければならないことが待っています。そこでお通夜に参列する際にスムーズに動くためにも、会場に着いたらどのようなことをすれば良いかを事前に把握しておくことが大切です。
会場では最初に記帳を行う
お通夜に参列するときには、まずはじめに受付で名前や住所などの必要事項を芳名帳に記入します。芳名帳は、お通夜の参列者の名簿としての役割を果たすため、受け取った香典の金額を管理するという目的もあります。
ですから参列しても芳名帳を書かないと喪主に迷惑をかけてしまうので、忘れずに記帳を行うようにしましょう。
受付での作法
ここからは受付での作法についてご紹介しますので、是参考にさなってください。
お悔やみの言葉をかける
はじめに「このたびはご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」などのお悔やみの言葉をかけて一礼します。このような言葉をかける際には、あまりはきはきと言わない方が良いとされており、言葉がつまってしまっても問題ありません。
また、ここで故人の死因を訪ねたりすることは控えるようにしましょう。最低限の挨拶にとどめておくのが良いといえます。
香典を渡す
香典の渡し方にもマナーがありますので注意しましょう。まず、香典袋を袱紗から取り出します。そして袱紗を四角に折りたたみ、その上に香典袋を載せ、相手側に正面が来るように香典袋を回してから両手で渡します。
香典を袱紗に包んだまま渡すことは、不幸を渡すというように捉えられてしまいマナー違反です。とても失礼とされているので必ず袱紗から取り出して、香典を渡すように気を付けましょう。
お通夜の式中や終了後の作法や礼儀
お通夜の式中は僧侶による読経や説法、焼香、喪主の挨拶などが行われますが、基本的には落ち着いて静かにしていることがマナーです。ここではその他にも気を付けたい作法やマナーをご紹介します。
数珠の使い方
数珠の使い方のルールについては各宗派ごとに違いがありますが、ここではどの宗派においても当てはまる一般的な作法についてご紹介します。
まず数珠を持ち始めるタイミングについては、お通夜が始まってから終わるまでずっと持っているのが基本的なマナーです。そして座っている間は左手首にかけておきます。床や椅子などに数珠を置いておくことはマナー違反ですので気を付けましょう。
そして焼香台へと歩いていくときと焼香をするときはふさが下になるように左手で持ちます。供養の際には左手にかけて右手を添えるように合わせるか、または合わせた両手に数珠をかけ親指で軽く押さえて合掌します。
焼香の仕方
お通夜では必ず焼香を行います。焼香は「立礼焼香」「座礼焼香」「回し焼香」の三つの種類に分かれていますが、焼香の仕方は基本的に同じです。
まず遺族や僧侶に一礼をし、焼香台についたら合掌をし、その後一礼をします。次に右手の親指、人差し指、中指の三本の指で抹香をつまみ、「押しいだき」といって一度額の高さ程まで右手を挙げ、その後静かに香炉へと落とします。
焼香が終わったら合掌と一礼をして、自分の席へと戻ります。なお焼香をする回数は宗派ごとに異なります。
通夜振る舞いでのマナー
お通夜が終わると、故人を偲ぶ食事会である、通夜振る舞いに案内されることがあります。 お酒も振る舞われますが、宴会ではないので、飲みすぎたり大声で騒いだりしないように気をつける必要があります。
そして通夜振る舞いは故人を偲ぶためのものですので、故人に関する話以外は控えるようにこころがけましょう。
通夜振る舞いは一般的に1時間ほど行われますが、遺族の方は心労が重なっていますので、あまり長居をしないことも大切です。そして帰る際には喪主に挨拶するのを忘れないようにしましょう。
お通夜の作法やマナーをしっかり確認しよう!
お通夜の作法やマナーについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?。急な訃報を受けて慌てることの無いように、しっかりとお通夜に関する作法やマナーを確認しておきましょう。そしてお通夜にはさまざまなマナーはありますが、故人を悼む気持ちが一番です。当日は故人をしのぶ時間を大切にお過ごしください。
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