墓じまいにはどれくらいの費用がかかる?内訳や相場を解説!

公開日 : 2020/9/3

更新日 : 2020/9/9

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子供迷惑をかけたくないという理由や、お墓の管理が難しいという理由から、墓じまいを検討する人が増えています。しかし、墓じまいにかかる費用はいったいどれくらいなのでしょうか。以下では、墓じまいにかかる費用の内訳と相場について解説しています。

公開日 : 2020/9/3

更新日 : 2020/9/9

目次

墓じまいとは?

墓じまいとは、いまあるお墓を処分することです。もっと具体的にいうなら、遺骨を取り出し、墓石を撤去して、お墓がある区画を更地に戻すことを指します。また墓じまいには、取り出した遺骨を新しい方法で供養する、という意味も含まれています。

 

最近は、子供に迷惑をかけたくないという理由や、さまざまな理由でお墓を守ることが難しいという理由などから、墓じまいを選択する人が増えています。墓じまいを行うと、その後のお墓の管理の負担が身体的・経済的になくなるというメリットや、無縁墓になるのを回避できるというメリットがあります。

 

その一方、周囲の理解を得られないというデメリットや、少なからず費用がかかる、というデメリットも存在します。それでは一体、墓じまいにかかる費用とはどんなもので、どれくらいの金額になるのでしょうか。

 

ここからは、墓じまいにかかる費用について、内訳と相場を解説していきます。墓じまいにはたしかにデメリットがありますが、それ以上にメリットも大きいものです。とくにネックとなる費用についてあらかじめ考えておくことで、問題をクリアすることにつながります。ぜひ以下にご紹介する項目を参考にしてください。

墓じまいの流れ

墓じまいの費用の前に、墓じまいの一連の流れについて解説していきます。墓じまいにはいろいろな行程があります。費用の内訳を考えるうえでも、ぜひ墓じまいの大まかな流れを知っておいてください。

新しい納骨方法を考える

まずは、お墓から取り出した遺骨をどういう形で供養し直すか、ということを考えなければなりません。墓じまいはお墓を更地に戻すことを指しますが、一般的には、遺骨を供養し直すところまでが墓じまいと考えられています。遺骨の新しい供養の方法はさまざまありますが、具体的な方法についてはのちほどご紹介します。

各所への連絡・手続き

納骨先が決まったら、親族や菩提寺、新しい納骨先に連絡を取ります。まず親族や家族への連絡・相談は必ず行いましょう。お墓を処分することに抵抗感のある人は少なからずいるものです。前触れなくお墓を処分すると、深刻なトラブルに発展することもあります。そういったリスクを減らすためにも、親族への相談や連絡は忘れないでください

 

次に菩提寺への連絡です。お墓を処分するにあたり、僧侶を招いて閉眼供養を行う必要があるからです。閉眼供養を行いたい日時を必ず伝えましょう。また、菩提寺がお墓を管理している場合は、あわせて、お墓を処分することも伝えます。勝手にお墓を撤去すると、違約金などが発生することがあります。

 

もし、今のお墓の管理者が別にいるのなら、そちらにも必ず連絡を入れましょう。新しい納骨先の管理者にも、納骨したい旨の連絡を取ります。

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石材店の選定

墓石の撤去や、区画を更地に戻すための工事は、石材店に依頼するのが一般的です。そのお墓を建立するときにお世話になった石材店に連絡を取ると、スムーズに工事できるでしょう。あるいは、新しく別にお墓を建てる場に別の石材店に依頼することもあります。その場合は、お墓の撤去工事もあわせて依頼してもよいでしょう。

役所への届け出

役所に届け出を出して、遺骨を移動させるための改葬許可を受けます。その際は、今のお墓の管理者や、新しい納骨先の管理者が発行する書類が必要です。役所の認可なしに遺骨を移動させると、埋葬法に抵触する可能性があります。

閉眼供養

ここからは、墓じまい当日の流れについてご紹介します。まずはお墓から遺骨を取り出すにあたり、閉眼供養を行います。閉眼供養では僧侶を招いてお経をあげてもらいます

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遺骨を取り出す

閉眼供養が終わると、いよいよ遺骨をお墓から取り出しますお墓の開閉は石材店に依頼して立ち会ってもらうのが一般的ですが、可能ならば自力で行ってもかまいません。

墓石の撤去

遺骨を取り出したら、墓石の撤去と、墓所を更地に戻す工事を行います。これらの工事は石材店に依頼しておきます。遺骨を取り出す日と工事を行う日は、必ずしも同日である必要はありません。

新しい方法で納骨

取り出した遺骨を新しい方法で供養しなおします。ここまでが墓じまいの一連の流れですが、新しい供養は、墓石工事と同様に閉眼供養と同日である必要はありません。ただし、新しい方法で供養するまでにすこし時間を置く場合は、その間の遺骨の保管方法をあらかじめ確認しておきましょう。

墓じまいにかかる費用の内訳と相場

それでは墓じまいの費用について、内訳と相場をご紹介していきます。墓じまいにかかる費用は、大きく分類すると、「古いお墓の処分」と「新しい納骨先」の2つの局面に分けられます。さっそく、それぞれの過程における内訳と相場について見ていきましょう。

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古いお墓の処分に関する費用

古いお墓を処分するにあたり、費用が必要となるのは主に以下の3つの場面です。墓石の撤去工事や離檀料は、依頼する石材店やお世話になった寺院によって異なりますが、一般的な相場額をあげてみますので、ぜひ参考にしてください。

閉眼供養

閉眼供養は、古いお墓から魂を抜くために行う儀式です。先ほども述べたように、閉眼供養では僧侶を招いてお経をあげてもらいます。そのお礼として、お布施という形で費用が必要になります。閉眼供養のお布施は開眼供養のお布施と同額包むのがよいといわれており、相場は3万~5万円です。

 

ただしお布施の金額は、寺院との付き合いや地域・宗派によって異なります。もし開眼供養のときのお布施額が分かるなら、そちらを参考にするのもよいでしょう。また、閉眼供養後に会食を行う場合には、僧侶をお招きするのがマナーですが、断られることも少なくありません。その場合は「御膳料」として5000円~1万円程度をお包みします。

 

お布施や御膳料はそれぞれ白無地の封筒やのし袋に包んでお渡しするのが一般的です。表書きはそれぞれ「お布施」「御膳料」とします。

墓石の撤去

墓石の撤去や、墓所を更地に戻す工事にかかる費用のことです。石材店によって値段は異なりますが、一般的に、墓地面積1平方メートルあたり8万~15万円が相場です。つまり墓所の工事費用は、墓所の広さに比例します。ただし、お墓や墓所の形状が特殊な場合、追加料金などが発生するため、工事費はもうすこし高くなると考えておきましょう。

 

石材店によっては工事費をもう少し抑えられるところもあります。ただし、あまりに安価で工事を請け負う石材店の中には、撤去した墓石を不法投棄したり、中途半端な工事を行ったりするような悪質なお店もあります。費用を抑えることに固執せず、信頼できる石材店を探すことが大切です。

離檀料

寺院墓地を利用している場合、「お墓の処分=檀家を辞める」となるケースがあります。こういった場合には、お寺に離檀料をお支払いするのが一般的です。離檀料は、それまでお世話になったことに対する感謝の気持ちを表すためのお金で、決して手切れ金というわけではありません。

 

離檀料は必ずしも必要なものではなく、お寺によっては受け取らないこともあります。お手によって対応が異なりますので、詳しいことは、そのお寺に問い合わせるのがおすすめです。離檀料の相場ですが、通常のお布施の3回程度の金額だといわれています。1回のお布施額は3万~5万が相場ですので、離檀料としてお包みする金額は15万~25万円が相場です。

 

離檀料は閉眼供養のお布施とは別にお包みし、表書きは「お布施」とします。もし離檀料の受け取りを事前に断られた場合は、閉眼供養のお布施の額に上乗せする形でお金を包むこともあります。

新しい納骨先に関する費用

次に、遺骨を引っ越しさせるために必要な費用について、内訳と相場をご紹介します。遺骨委の引っ越しに関する費用は、遺骨をどうやって供養しなおすか、ということに大きく影響されるため、選択肢によって相場が大きく異なります

初期費用

初期費用は、遺骨をどう供養しなおすかによって異なります。たとえば新しくお墓を建てるなら、そのための土地代のほかに墓石代・工事費が必要ですし、納骨堂に納骨するなら使用料などが必要になります。それらの細かな分類や費用については、のちほど「新しい納骨の方法と費用」の項目でご紹介しますので、そちらをご参考ください。

 

開眼供養

もし新しくお墓を建てる場合、あるいは墓石を引っ越しさせた場合は、お墓に魂を吹き込む開眼供養を行う必要があります。開眼供養は閉眼供養と同様に僧侶を招いてお経をあげていただきます。その場合は、「お布施」として3万~5万円程度をお包みします。開眼供養を行う予定のある人は、準備しておくべきお金です。

維持費・管理費

こちらも、遺骨の新しい供養方法によって金額に差が出る費用です。たとえば霊園を利用する場合は管理費として年に1回支払うかもしれませんし、樹木葬や散骨などを選択した場合には発生しません。

 

また、利用費や管理費は、どの霊園や墓地を利用するかによっても異なるため、一概に相場はいくらとは言えません。ただし、霊園や納骨堂などを利用する場合は、高い確率で発生するお金ですので、そのことは頭の片隅に置いておいてください。

さまざまな手続きに関する費用

遺骨の引っ越しを伴う墓じまいは、法律に則って行わなければなりません。とくに遺骨を今のお墓から、違う霊園や墓所に埋葬しなおす際には、役所でその許可を受ける必要があります。その許可には基本的に「改葬許可証」「埋葬証明書」「受入証明書」の3つの書類が必要となりますので、それぞれの内容と入手方法、発行手数料について、簡単にご説明していきます。

改葬許可証

改葬許可証とは、その遺骨を引っ越しさせることが許可されたことを証明する書類で、元の墓地がある自治体で発行してもらいます。発行された改葬許可証は、遺骨をお墓から取り出すときと、お墓を新しく埋葬するときに必要です。つまり、今あるお墓の管理者と、移転先の管理者にそれぞれ提示しなければなりません。

 

改葬許可証の申請方法は各自治体によって異なり、窓口で入手することもあれば、オンライン上でダウンロードできることもあり、形式もさまざまです。ただし、どんな場合であっても、申請の際には「埋葬証明書」と「受入証明書」の提示が必要です。

 

改葬許可証は、古いお墓がある自治体の役所に申請します。発行手数料は自治体によって異なりますが、1000円が相場だといわれています。

埋葬証明書

埋葬証明書は、いまあるお墓の管理者に発行してもらう書類です。その人の遺骨が間違いなく埋葬されていることを証明するためのもので、改葬許可証の申請時に必要になります。民営の墓所や霊園ならその運営元に、公立の霊園を利用している場合は、運営している自治体に申請しましょう。

 

発行手数料の支払いがあるかどうかは、霊園や墓所によって異なります。金額も同様ですが、300円~1500円が相場です。

受入証明書

受入証明書は、移転先の霊園や墓所の管理者に交付してもらう書類です。その人の遺骨を埋葬することが許可されたことを証明するためのものです。埋葬証明書と同じく、改葬許可証の申請時に必要になります。発行手数料は運営元によって異なりますが、多くは無料で発行してもらえます。

新しい納骨の方法と費用

墓じまい後の新しい遺骨の供養方法について、主だったものをご紹介します。あわせてその費用についても触れますので、ぜひ参考にしてください。

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永代供養

永代供養とは、霊園や墓所が遺骨を預かり、永代にわたって供養をするものです。一般的には三十三回忌を区切りとして、遺骨は共同墓所に移されます。費用は地域や運営元、また単独墓や集合墓といったお墓によって大きく変動します。

 

相場は30万~50万といわれていますが、地域やお墓の種類によっては100万円以上かかることもあります。ただし永代供養の場合は、初期費用として入会費や利用料を支払えば、購入後に管理費や維持費を支払う必要はありません

納骨堂

お墓のような管理が必要ないことから、墓じまい後に納骨堂への改葬を選択するケースも多いです。納骨堂を利用する場合の費用の内訳は、主に納骨スペースの永代使用料と管理費です。

 

納骨堂では、ロッカー式や仏壇タイプなど、さまざまな納骨方法を選択でき、それによって利用料や管理費も異なります。また遺骨は一定期間が経つと共同墓所に移されますが、その期間の長さによって、管理費の支払い期間も異なってきます

 

一般的にロッカータイプの納骨堂を1人で使用する場合永代使用料は約50万円程度、管理費は1年につき1万円程度が相場といわれています。

樹木葬

樹木を墓標とする樹木葬は、お墓の手入れや維持費用が必要ないことから、最近注目をあつめる供養方法です。ただし法律上、樹木葬であっても、指定された区域にしか埋葬することはできません。樹木葬を提供している霊園や墓所を利用するのが一般的です。

 

樹木葬には里山タイプや霊園型タイプ、個別埋葬や合同埋葬など、さまざまな形態があり、費用もそれによって異なります。里山タイプを選択する場合の相場は、個別埋葬なら50万~100万円程度、合同埋葬なら5万~50万です。

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散骨

散骨とは、海や林に遺骨を撒く供養方法です。樹木葬と同じく、お墓のメンテナンスがないというメリットがあります。散骨をする場合は、必ず骨を粉状にすりつぶす「粉骨」という作業が必要になります。個人での粉骨はむずかしいため、業者に依頼するのが一般的です。

 

業者に依頼した場合、粉骨にかかる費用は3万円前後が相場です。また散骨は自分で行う方法もあれば、業者に代行してもらう方法もあります。業者に代行を依頼する場合の費用は5万円が相場です。

手元供養

手元供養とは、遺骨を埋葬せずに自宅などに安置して供養する方法です。お墓から出した遺骨を自宅の祭壇などに安置するため、必要な経費は祭壇の購入費や設置費くらいですが、場合によってはお金がまったくかからないこともあります。

 

手元供養をする場合、スペース上の問題から、骨をすり潰して小さいサイズの骨壺に移し替えることもよくあります。粉骨を業者に依頼する場合、3万円程度の費用がかかります。

新しいお墓の建立

新しくお墓を建てる場合、墓石代や工事費のほか、霊園や墓所に支払う永代使用料・管理費といった費用がかかります。お墓を建てる場合の費用は、お墓の規模や材質、霊園によって大きく異なりますが、全国的な平均額は150万~200万円程度となっています。

代行業者に依頼する場合は?

自力で墓じまいを行うのが難しい場合、代行業者に依頼することもできます。墓じまいのすべての行程を依頼するのではなく、希望する行程だけの代行を依頼することも可能です。代行にかかる費用は、墓じまいのすべての行程を依頼した場合、相場は15万~30万円程度です。

 

ただしこれは代行業者に支払う手数料であり、新しい納骨先に支払う利用料などは別計算となります。業者によってはすべての費用込みで請け負っているところもありますので、サービスに含まれる内容をしっかり確認することが大切です。

メリットとデメリットを考えて選択しよう

墓じまいをすると、それ以降のお墓の管理が必要なくなるという大きなメリットの一方、それなりに費用がかかるというデメリットがあります。自分にとって大切なのはどちらなのかをしっかり考えて選択することが大切です。