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家族葬の挨拶は不要?喪主挨拶を行う場面別に例文つきで解説

家族葬は身近な人だけだから、喪主の挨拶は不要と思われがちです。実は、家族葬だからこそ、喪主の挨拶で故人への気持ちと参列者への感謝を伝えることで、故人を偲び思い出を共有できる場になります。今回は、家族葬の流れと挨拶が必要な場面を例文つきで解説していきます。

家族葬の流れと挨拶の場面

身内や故人が親しくしていた人だけを呼んでの葬儀を家族葬といいます。家族葬で、喪主の挨拶は必要でしょうか。

実は、葬儀の流れや場面場面の中で、葬儀の主催者として喪主が挨拶することで、家族葬ならではのアットホームさと、故人を送り出す儀式としての葬儀の厳かさを両立することができます。 ここでは、家族葬の流れとともに挨拶が必要な場面を見ていきましょう。

葬儀打合わせ

葬儀は葬儀社と打合わせの打ち合わせから始まります。具体的な流れは以下のとおりです。

①遺体の安置場所について

自宅にするのか、葬儀社手配の安置所にするかを決めます。

②葬儀の打合せ

遺影を選びます。
予算、葬儀のスタイル、呼ぶ人数、日時等を決め、列席してもらいたい方に伝えます。

③葬儀の日時や場所を呼ぶ人に伝える

家族葬の場合、訃報の連絡や葬儀の連絡はどのようにすればいいでしょうか。
一般葬では案内状を送りますが、家族葬の場合は電話やメールで問題ありません。
その際は『逝去』ではなく、このような言葉を使いましょう。

例)
「この度、○○が永眠しました」
「この度、○○が他界しました」

通夜と通夜振る舞い

通夜は以下のような流れで行われます。挨拶の必要なタイミングがいくつかありますので、把握しておきましょう。

①-1読経してくれる僧侶への挨拶
①-2弔問客への挨拶

まずは僧侶や弔問客への出迎えの挨拶から始まります。

②通夜開式の挨拶

通夜開式の挨拶とともに、今日の通夜の予定として閉式後に通夜振る舞いがあることを告げます。

③通夜閉式の挨拶・通夜振る舞い開式の挨拶

通夜閉式の挨拶の際には、このあと通夜振る舞いがあることを改めて伝えます。
通夜振る舞いの場に移ったら、「故人の思い出を皆さんと共有したい」ことを挨拶として話し、通夜振る舞い開式につなげていきます。

④通夜振る舞い閉式の挨拶

通夜振る舞い閉式の挨拶では、「故人の思い出に花が咲いたことへのお礼」「告別式の日時や場所の案内」を行いましょう。

告別式と出棺

告別式は以下のような流れで行われます。挨拶の場面を把握しておきましょう。

①-1読経してくれる僧侶への挨拶
①-2列席してくれる方への挨拶

通夜と同様、まずは僧侶や列席者への出迎えの挨拶から始まります。

②告別式閉式の挨拶

時間になったら着席して、僧侶の入場を待ちます。その後、読経や弔電の読み上げが行われた後、遺族から列席してくれた人たちの順番で焼香が行われます。

閉式の時に、喪主としての挨拶を行います。葬儀が無事に済んだこと、そして列席者へのお礼を述べます。

③出棺

出棺は告別式の前か後か地域によっても違いますが、故人のご遺体との最後のお別れです。
柩に皆でお花をお供えし、蓋をしたのち、近しい人たちで寝台車に納めます。

寝台車の出発の時に、喪主としての挨拶を述べます。列席してくれたことのお礼や、故人との生前のお付き合いについてお礼を伝えます。

精進落とし

精進落としは、葬儀を終え普段の生活に戻るための会食です。

①精進落とし開式と献杯の挨拶
喪主の挨拶として、告別式への列席と無事終了したことのお礼を伝えます。また、故人に捧げる杯として「献杯(けんぱい)」の音頭をとります。この際、乾杯のときのようにグラスとグラスは合わせず、グラスを上に上げるだけにとどめてください。

②精進落とし閉式の挨拶
精進落としの終了と、故人との生前のつながりに対しての感謝をのべます。

③僧侶へのお礼の挨拶
僧侶がお帰りになる際には、丁寧なお経を上げてくれたお礼の挨拶とお布施をお渡しします。

葬儀後の行政手続き

葬儀が終わったのちに行う手続きは以下のとおりです。手続きは保険会社や役所、健康保険組合などに問合せをしながら進めていきましょう。

・生命保険等の給付手続き
・年金の給付停止手続き
・健康保険組合での、葬祭費給付の手続き
・葬儀や故人の関係者への挨拶、挨拶状の送付

葬儀が終わったあとも、喪主として挨拶状の送付などを行う必要があります。

家族葬に呼ばなかった人への挨拶状

親族や特に親しかった人だけで執り行うのが家族葬です。一般の葬儀では、案内状を送ります。しかし、家族葬の場合は、列席して欲しい人のみに案内をし、時には参列を希望する人に葬儀出席の辞退をお願いすることもあります。

葬儀に参加できなかった人には、失礼をお詫びし、無事に家族葬が終了したことを手紙で報告していきましょう。

葬儀後に来る弔問客への対応

訃報を後から知ったり、葬儀に来られなかったりした人が、自宅に弔問に訪れることがあります。 その際は、「どうぞお線香を上げていってください」と伝え、自宅へ招き入れましょう。 その際には、故人とのつながりや「あなたにとって故人はどんな人でしたか。」と聞くと、お互いに気まずくなく、故人を偲ぶ時間が作れるでしょう。

家族葬の挨拶で使ってはいけない言葉

挨拶や会話の中で使ってはいけない言葉がいくつかあります。以下で確認してみましょう。

忌み言葉、重ね言葉

使うのが避けた方がよい言葉を「忌み言葉(いみことば)」といいます。代表的なものに「重ね言葉(かさねことば)」があります。くり返しになるような言葉を使うことで、不幸が繰り返されることを連想させます。なるべく使わないようにしていきましょう。

 

例)

・言葉自体が繰り返される言い回し
「重ね重ね」「いよいよ」「ますます」「たびたび」

 

・次を予感させる言い回し
「なお」「再三」「再び」「追って」

直接的な言葉

直接的な表現も避けましょう。穏やかな表現で言い換えられるといいですね。

 

例)直接的な言葉⇒言い換え

「急死」⇒「突然のこと」

「生きているとき」⇒「生前・元気な頃」

家族葬での挨拶《僧侶を呼んだ場合の僧侶への挨拶》

近しい人だけで行う家族葬ですが、僧侶をお呼びすることがあります。菩提寺に頼むのか、葬儀会社に手配を頼むのか悩ましいですが、お墓がお寺にある、もしくはお盆の法要などをお寺に頼んでいるのであれば、お寺に相談が近道です。お寺と繋がりがないときには、葬儀社に相談しましょう。 僧侶をお呼びする際は、事前に、お布施はどのくらいの金額か確認しておきましょう。僧侶を呼んだ際の挨拶は以下のとおりです。

開式前の挨拶

例)
「ご多用のところ、ご足労いただきありがとうございます。

予定通り、○時から始めますので、どうぞよろしくお願いいたします。」

閉式後の挨拶、お布施のお渡し

例)
「本日は、丁寧なお勤めをたまわり、誠にありがとうございます。

おかげさまで、無事に葬儀を執り行うことができました。どうぞお納めください。」

家族葬での挨拶《列席者への挨拶》

近しい人たちにしか列席してもらわないからこそ、駆けつけてくれた方たちには手短な挨拶で喪主としての感謝を伝えましょう。

例)

「ご多用のところ(また、足元の悪い中)、お越しいただき誠にありがとうございます。」

「ご丁寧なお悔やみをありがとうございます。」

「故人○○が生前はお世話になりました。故人にかわりまして厚くお礼を申し上げます。」

家族葬での挨拶《通夜での挨拶》

喪主の挨拶として大切な場面に絞って紹介していきます。焼香が終わったタイミングでの通夜閉式の挨拶と、その後の通夜振る舞いでの挨拶を中心に紹介していきます。

通夜閉式での挨拶

例)
「本日はご多用のところ、ご焼香をたまわり、誠にありがとうございました。親しい皆さまにお集まりいただき温かく見守られ、故人も喜んでくれていることと思います。

別室にささやかですがお菓子などを用意いたしました。皆さまと故人の話をする時間を持てればと思います。今しばらくお付き合いしていただけますと幸いです。

なお、明日の葬儀と告別式は○時からこの会場にて行います。本日は、本当にありがとうございました。」

通夜振る舞いでの挨拶

通夜振る舞いの挨拶では、弔問に来てくれた方への感謝と「故人の思い出を皆さんと共有したい」という目的を伝えましょう。

通夜振る舞い開始の挨拶

例)
「本日は故人の通夜に列席いただきまして誠にありがとうございました。

故人は生前、ここにお集まりの皆さま大変お世話になりました。皆様にお集まり頂いたことをさぞかし喜んでいることと存じます。

ささやかではございますが、粗茶をご用意ました。召し上がりながら故人との思い出などをお聞かせくださればと思います。」

通夜振る舞い終了の挨拶

例)
「皆さま。本日はご多用の中、故人の通夜にご列席くださいましてありがとうございました。皆さまのおかげをもちまして、とどこおりなく通夜を済ませることができました。

私も知らない個人の一面や、偲ぶお話の数々本当にありがとうございます。皆さまに大変親しくお付き合いいただいたことに、改めてお礼を申し上げます。

まだ故人を偲んで頂きたいところでありますが、おのおのの時間でお引き取り下さればと思います。 なお、明日の葬儀・告別式は○時よりこちらの会場で予定しております。

ご都合がつくようでしたらお見送り頂ければと思います。 どうぞ足もとにお気を付けください。」

家族葬での挨拶《告別式での挨拶》

告別式は最後の別れの儀式です。また、列席者を含め故人の関わっていたコミュニティへの挨拶の場でもあります。

故人の人柄や、列席者への感謝も交えて、今後のお付き合いも踏まえた挨拶をしていきましょう。なお、通夜の挨拶と内容が同じでも問題はありません。

告別式閉式の挨拶

例)

私は、(個人から見た続柄、長男など)の○○○○と申します。 父は、去る△月△日息を引き取りました。享年△△歳でした。死因は□□でした。

父は、多趣味な人でした。本当にさまざまなサークルや教室で皆さまと仲良くさせていただきました。発表会や展覧会などで、仲間の皆さまと仲良くしている姿を見るのは家族一同嬉しいものでした。生前、故人が皆さまに大変お世話になりましたこと、親族一同心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

今後も皆様には、変わらぬご厚情をたまわりますようお願い申し上げます。 簡単ではありますが、私からの挨拶とさせていただきます。 本日は、ご列席いただき誠にありがとうございました。」

 精進落としでの挨拶

精進落としでは、家族葬が無事に終わったことのお礼と、現在の喪主や親族の心境、故人の生活の様子や思い出を交えた挨拶をしていきましょう。参列者にもゆっくりくつろいでもらう雰囲気にできる挨拶だといいですね。

精進落とし開始の挨拶

例)
「今日は葬儀に際しまして、皆さまに大変お世話になり、ありがとうございます。おかげさまで、葬儀、告別式の一切を無事に終えることができました。故人も喜んでいると思います。皆さまにおかれましては、改めて心よりお礼を申し上げます。
 
故人は、ご近所の方とのお付き合いが大変好きでありました。家庭菜園での野菜づくりを楽しんだり、地域の行事にも楽しみに参加していました。畑友達やご近所の仲間の皆さんとの話を故人つてに聞くことができなくなるのは、本当に寂しいことだと思います。

 みなさまには、故人が存命中と変わらぬお付き合いをたまわりますようお願い申し上げます。 本日は誠にありがとうございました。
 
 ささやかではございますが、精進落しのお膳をご用意いたしました。どうぞごゆっくりお過ごしください。本日は、誠にありがとうございました。」

精進落とし終了の挨拶

例)
「本日はご多用のところ、誠にありがとうございました。皆様に列席いただき、また、たくさんの思い出話を聞かせていただきました。故人もさぞ喜んでいることと思います。

まだまだお話を聞かせていただきたいところですが、夜も更けてきました。本日はこれでお開きとさせていただきます。どうぞ足元に気をつけてお帰りください。」

例文つきで解説!家族葬後は呼べなかった人への挨拶状は必須

家族葬の挨拶状の目的は、死去の知らせと生前お世話になった事へのお礼だけではありません。

もっとも重要なことは、家族葬にしたことで、事後報告となってしまったことや参列を辞退してもらったことへのお詫びを文面にすることです。

家族葬では、訃報を聞き参列を希望する人に辞退をお願いすることもあります。また、訃報も葬儀も事後の報告になる関係者もいます。そういった方たちには、必ず挨拶状を送りましょう。

挨拶状を送るタイミングは?

一般的なタイミングとしては、四十九日法要後か納骨後がよいでしょう。

 

また、喪中はがきを送る年末あたりも一般的です。しかし、トラブルを避けるためには、逝去の時期から日を開けずに送付したほうがよいでしょう。

挨拶状を出した方がよい人は?

挨拶状を送る相手というのはどういった方がいるでしょうか。主に、以下のような人たちが挙げられます。

 

・故人が親しくしていた友人や知人

・故人が年賀状のやり取りをしていた人

・故人と遺族の職場等、所属先関係

「家族葬のため事後報告になったお詫び」を追加する

例)
令和○年○月 父○○が○○歳にて永眠いたしました

葬儀は故人の希望により誠に勝手ながら近親者のみにて執り行いました
早速お知らせするべきべきところではございましたが
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
尚、香典などにつきましてはご辞退させていただきたくお願い申し上げます

生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますと共に
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます

令和○年○月○日

家族葬の挨拶について

ここまで、家族葬の挨拶について場面別に例文を取り上げて説明してきました。身内だけだからと、挨拶なしに葬儀を進めてしまうと、儀式として厳かに故人を送り出すことの意味合いが減っていきます。それを後から後悔することもあるほどです。

 

身内や近しい人だけならではのアットホームさと、故人を送り出す儀式としての厳かさのバランスを取るためにも、喪主が場面場面で挨拶することが大切です。挨拶によって場が引きしまり、よい葬儀になっていきます。

 

喪主としての重責もあるでしょうから、肩肘をはらずに例文をもとに故人の思い出を読み上げるだけで、参列者の皆さんと故人を偲ぶことのできるすばらしい家族葬になるでしょう。

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