エンディングノートの書き方を紹介|世代別に盛り込むべき点も紹介
公開日 : 2020/10/4
更新日 : 2020/10/4
エンディングノートとは、終末を迎えるにあたり残された家族にご自分の考えを伝えることを目的で記載する備忘録です。具体的には、終末医療に対する自身の考え方や財産処理に対する家族への想いです。以下では、ノートに書くべき基本事項や世代別に盛り込むべき項目を紹介します。
公開日 : 2020/10/4
更新日 : 2020/10/4
目次
エンディングノートについて
「終活」という言葉が巷で流行して以来、同時にエンディングノートという言葉も広く普及しました。では、そもそもエンディングノートとはどういったものなのでしょうか。
まず、エンディングノートとは、終末を迎えるにあたって、残された家族に対しご自分の考えを伝えることを目的で記載される備忘録とされています。具体的には、終末医療に対する自身の考え方や財産処理に対する家族への想い等の記録が大半を占めています。
そして、エンディングノートについて1つ注意したいことは、遺言書と違って単に亡くなられる方の考えや内心を記録に過ぎないという点です。そのため、エンディングノートには法的な力はありません。さらに、作成に関する法的なルールもありません。
エンディングノートに書くべき基本事項
エンディングノートに書き記すべき基本事項は、以下の7つです。ご自身に関する基本事項や財産や遺品に関する扱いはマストです。以下で紹介する詳細を参考に、きちんと書き記していきましょう。
自身に関する基本事項
エンディングノートには、出身地や生年月日、家族情報や小学校や高校、大学や引っ越しの有無、勤めた会社などます書きましょう。理由は、手続きに本籍地が必要になったり、生年月日などの情報を提供する場合があるからです。
そのため、家族でも意外と人それぞれの情報は、正確な情報をエンディングノートに記しておいでください。この様に自身の基本事項を書き出しながら振り返ることは、自分の歴史を改めて見つめなおし、今後の人生でやり残したこと、やりたいことが明確にできるいい機会になるでしょう。
終末医療や介護に関して
次にエンディングノートに書きべきことは、終末医療や介護に関してです。この時、自分の判断が衰えていたり、判断ができない状態になっていることを想定して書くことを心がけてください。
医療については、主に延命治療や臓器移植を希望するか否かをはっきり、エンディングノートに自身の希望を書きます。最期が迫っている段階で、延命治療などを行うかの最終判断は家族が行います。理由は、判断をする際に終活ノートに本人の希望次第で、家族の心情や心的負担が大きく軽減されるからです。
次に、介護については誰にどこでどのようにしてほしいかを書いてください。老年介護は家族の負担が大きいものです。故に、無理な要求は控えることを心がけてください。あくまで、介護が必要になった際にスムーズに進められるように準備することを意識してください。
自身の親族・友人に関して
次に、自身の交遊関係をエンディングノートに書いておきましょう。なぜなら、葬儀が発生した時に、連絡したくても連絡先がわからないことがあるからです。そのため、入院した時に知らせてほしい人。
葬儀が発生した時に知らせてほしい人などを書いておくと、家族の負担を減らすことができます。また、携帯電話などに記録しておくこともおすすめです。ただし、家族が自分の携帯電話を見ることができるようにしておく必要があります。
自身の葬儀の形式に関して
葬儀の形式もエンディングノートに希望を記すことで、円滑に死後の行事を進められます。遺族は、死後に悲しみに包まれながらも葬儀の準備に取り掛からなければなりません。この様な時でも本人の希望を終活ノートに記入しておけば、素早く葬儀の段取りを進められます。
この時、様々な葬儀の形式を調べてみましょう。その上でどんな葬儀内容にしたいのかを記入することを心がけてください。具体的には、どんな祭壇がいいのか。誰を呼びたいか・どんな音楽をかけて欲しいか等です。
ただし、葬儀は自分以外の方も関わる行事です。そのため、家族の方と話しあいながら進めておくことでトラブルを避けることができます。
自身の財産の相続・遺品に関して
ためらわれる方もいらっしゃいますが、財産相続の希望や、遺品を誰に形見分けをするのか。こういうこともきちんとエンディングノートに書いておきましょう。そのために、自分の財産や遺品を正確に把握する必要があります。
昨今では、不動産や有価証券。さらに、ネット銀行や株取引など紙での明細書がないものも増えています。このように実態の見えにくい資産をエンディングノートに書いていない場合、そのまま放置されてしまう危険性があります。
必ず、家族が把握しやすい書き方を心がけましょう。そして遺品は、相続者に対して多ければ多いほど負担になります。財産同様に生前から整理を始めて、その上で残ったものを遺族に託しましょう。
自身のお墓に関して
最期に記しておくべきことは、自身のお墓についてです。お墓は、先祖代々のお墓の人も居れば、自身だけが入るお気に入りの場所が欲しい人。さらに、お墓ではなく納骨堂がいいという方もいらっしゃいます。
昨今では、お墓や納骨堂がすべてではなく、散骨や樹木葬、宇宙葬なども注目を集めています。自身のお墓に関する希望を記す際に、一度供養形態については自分自身で調べてみてください。それが、具体的に希望を記すことに繋がります。
ペットに関して
こちらは、当てはまる方だけ記載してください。必ずペットを飼っている方は、残されたペットのためにも以下のことは最低限記してください。1つ目が、普段はどんなものを食べているのか。
2つ目は、ペットのかかりつけ医はどこなのか等をはじめとしてペット情報について書いておくと、家族がその後の対応に困ることがないので、必ず書いておきましょう。
エンディングノートを書く際の注意点
エンディングノートを書く際に気をつけたい注意点は、次の3つです。1つ目が、遺言書を別で設けることです。2つ目が、保管場所に気をつけることです。そして3つ目が、書くべきでないことを書かないことです。
遺言書は別で書き記す
冒頭で少しお伝えしたように、エンディングノートには法的な拘束力はありません。つまり、あくまで自分の希望や意志を綴っておくノートということです。そのため、エンディングノートだけに相続の希望を書いたとしても、そこに法的効力を発揮しません。
この時、ご自身が法律による順当な相続以外の相続を希望する場合は、エンディングノートとは別に、必ず法的効力を持つ遺言書を作成すること忘れずに取り組んでください。
保管場所に気をつける
エンディングノートには自分の事や、資産・財産などを記します。こうした大切な個人情報を、エンディングノートは多く含んでいます。そのため、自身が最期の瞬間を迎える状態になるまで、他人に見られないように保管場所を気を付けなければなりません。
中には、相続などの希望で親族でも気になってしまった結果、エンディングノートを覗いてしまうという問題も起きています。故に、自分の部屋の鍵付きの引き出し等にしまっておくことを推奨しています。
この時、銀行の貸金庫にしまわれる方もいます。確かに非常に安全ですが、自分以外の人にはなかなか開けることができません。もし、自分が倒れた時、亡くなった時に家族の元にエンディングノートがなければ意味がありません。そのため、そういった場所はおすすめできません。
書くべきでないことは記さない
エンディングノートは、沢山の項目を書き込んでいきます。ただし、書かなくてよい情報は書かないでください。具体的には、クレジットカードの番号があてはまります。どこのクレジットカードを使っている、何枚持っているは書いてもかまいません。
しかし、番号を記載してしまうと、万が一盗難や紛失にあった場合に危険です。さらに、銀行もどこの銀行の通帳を持っていて、どこに仕舞ってあるかは書いても良いでしょう。しかし、こちらも同様に暗証番号は記さないでください。
世代別のエンディングノートに記すべき特記事項
20代、30代~40代の比較的若い世代の方はエンディングノートに書くべきことが明確でないこともよくあるでしょう。こうした悩みを抱える方に向け、以下で世代別で書くべき基本事項を紹介していきます。
20代が記すべき基本事項
20代の方は成人したばかりです。そのため、エンディングノートには上記で記したこと以外に、人生の「これから」のために書いてください。
このように書くだけでも、自覚が生まれて夢のために努力する準備ができます。さらに、目標が曖昧な人は自分の心を見つめるいい機会になります。
30代、40代が記すべき基本事項
30代~40代の方は、仕事がステップアップしたり、結婚や子どもを授かったりと人生の節目を迎える世代です。そのため、このタイミングで一度、自分自身の人生を検証整理し、これからのライフプランを練る必要があります。
そのため、エンディングノートには上記で紹介したこと以外に「ライフプラン」を書くことをおすすめします。具体的には、子どもの教育や自己投資、住宅プランなどの資金を含めた人生設計を書いていきましょう。
エンディングノートできちんと遺族に想いを伝える
ここまで、エンディングノートに書くべき基本事項。世代別で書いておくべき基本事項を中心に紹介してきました。エンディングノートは、自身の人生を振り返るきっかけを与えると主に、遺族のためにもなることがたくさんあります。是非、一度書き記すことを検討してくださいね。
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