【書き方や例文紹介】終活年賀状とは?出すタイミングも大事!
公開日 : 2020/10/14
更新日 : 2021/1/28
SNSの普及や高齢などを理由に、終活年賀状を出す人も増えています。年賀状じまいとも呼ばれ、書きかたやタイミングなど失敗すると相手との関係性が悪くなってしまうかもしれません。今回は、終活年賀状について書き方や例文、さらに注意点などを紹介します。
公開日 : 2020/10/14
更新日 : 2021/1/28
目次
そもそも終活年賀状とは?
「終活年賀状」という言葉をよく耳にしますが、終活年賀状にはどんな意味がこめられているのか、どんなときに使うのか分からない人も多いでしょう。そこで、終活年賀状について解説します。
終活年賀状とはどんなものか【文例や注意点を紹介】
終活年賀状は、来年から年賀状のやりとりを辞退して年賀状の終了宣言をする年始の挨拶状です。別の呼び方として「年賀状じまい」といい、年賀状を通じて交流を絶つという意味も含まれます。
とはいっても、年賀状のやりとりを辞めるとなれば相手が不快な想いをするかもしれません。そのため、終活年賀状の文面や書き方、そして出す時期なども十分に注意を払うことが必要です。
ここでは、終活年賀状についての記述や、年代別による書き方(文例)と注意点などを紹介します。高齢者を中心に広がりつつある終活年賀状を、いかにお互いが気持ちよく迎えられるか参考にしてみてください。
年賀状じまいのメリット
40代・50代から高齢者にかけて広がりを見せている年賀状じまいのメリットは、何といっても人間関係を整理できる点でしょう。年齢とともに人との付きあいの幅は広がり、仕事や子供の学校関係、さらに地域との付きあいなどあります。
中には年賀状を送ってはいるが交流を途絶えている人と、しばらく疎遠であるけれど再度交流をしたい人を見極めることでより望ましい交友関係だけに絞ることが可能です。また、送る相手が多いほど、毎年の年賀状を書くのが面倒くさいと考える人もいるでしょう。
年賀状を作成する手間や費用を節約できる点でも、年賀状じまいのメリットです。最近ではラインなどSNSで新年の挨拶を済ませる人も多く、これを機会に、終活年賀状を検討してみましょう。
年賀状じまいのデメリット【友達や知人に対しても丁寧に】
年賀状じまいのデメリットは、年賀状を辞退するイコール絶縁宣言と勘違いされる可能性が高いことです。最近では「終活年賀状」という言葉は世の中に浸透してきてはいるものの、まだすべての人が認知しているわけではありません。
交友関係をやめると勘違いされると、せっかくの友好な関係にヒビが入ってしまう可能性も考えられます。だからこそ、終活年賀状を送るときには十分に注意を払う必要があり、文例やテンプレートなどを参考にしましょう。
とくに今でも友好な関係の友人・知人との終活年賀状は文面はもちろん、丁寧で気持ちのこもった書き方を推奨します。
年賀状じまいのタイミング
終活年賀状を送りたいけれども、一体いつ送ればいいのか迷ってしまう人も多いでしょう。一番ふさわしい時期は60代から80代で、60歳といえば還暦の時期であり、それを機に祝年が続くからです。
祝年を人生の節目と考えて年賀状じまいをする人は多く、送る相手に不快な想いをさせずに済む理由にもなるでしょう。また、祝年はとてもおめでたいことであり、年賀状じまいを寂しいと考えず慶賀と捉えることができます。
そのため、これから終活年賀状を考えている人は、60歳の還暦を目安として年賀状じまいを検討してみましょう。
終活年賀状の書き方【基本的なポイント】
終活年賀状を出したいけれども、一体どんなことを書けばいいのか迷ってしまうものです。そこで、基本となる終活年賀状の書き方を紹介します。
年賀の基本的な挨拶
年賀の基本の挨拶といえば「謹賀新年・あけましておめでとうございます・謹んで新年のお喜びを申し上げます」などでしょう。これは新年になっての挨拶であり、おはよう・こんにちわ・こんばんわと同じような意味合いです。
いきなり年賀状じまいの言葉を書くのは相手にとってはあまりよいイメージを与えないため、年始の挨拶や旧年の感謝などをまずは述べることがとても大事です。一般的な言葉でありきたりですが、必ず年賀のはじめにつけるようにしましょう。
「一年の計は元旦にあり」といったことわざがあるように、年賀状の初めは挨拶分から始めるようにしてください。
年賀状じまい宣言と理由
次に、今回が年賀状を出す最後になる旨を、しっかりと記載していきましょう。突然の年賀状じまい宣言に相手はびっくりするかもしれないため、どうしてそういうになった経緯のか明確にすべきです。
年賀状じまいのきっかけとなる理由は、還暦・高齢で筆をとるのが難しくなった・SNSを始めた・家族の勧めなどが挙げられます。文例としては「年始のご挨拶を今年限りとさせていただきます」や「本年をもちまして新年のご挨拶状を最後とさせていただきます」などが無難でしょう。
もう少し硬い文章で年賀じまいを伝えたいのであれば「本年にて年賀状を書き納めとする所存です」がベストです。
全員に対して出していること・付き合いの変化はないということの説明
この点も年賀状じまいを送った相手との関係を壊さないために大切です。「皆様」や「どなた様」など、送り先全体に呼び掛ける言葉遣いをし、受け取った方だけでなく、年賀状を送った全員に年賀状じまいを伝えていることを文章に入れましょう。
終活年賀状は近年になって広がりつつある習慣となっていますが、まだ一般的とはいえないため、内容によっては絶縁宣言ととらえられてしまう場合があります。年賀状をやめるだけで、今後も付き合いを続けていきたい気持ちを伝えましょう。
今後の交流手段を提案する
年賀状じまいをして、それだけで終わりの人もいればこれからも交流を続けたい人もいるでしょう。今後の交流手段を年賀状で伝えることも、とても大事なポイントであり、おもにSNSでのつながりになると思います。
フェイスブック・ミクシィ・LINE・インスタグラムなどが主で、より親しい人には電話番号やメールアドレスを記しておきましょう。年賀状とは違った交流の仕方によって、ますます親しい間柄になるかもしれません。
年賀状の文章としては「今後はメールや電話などでご連絡頂ければ幸いです」「以後はSNSにて近況報告をおこなわせて頂きます」など、年賀状以外での交流を提案することで相手も安心するでしょう。
テキストを小さくする部分も
年賀状をやめるという宣言は、文字を目立たないようにする書き方もおすすめです。その他にも、例年の挨拶に加えて、末尾に「小さなテキストで書き添える」形でも問題ありません。終活や年賀状じまいは、あくまで「私事」。
このように、目立たないようにするのが作法に則った形式でもあります。代替案として提示するメールアドレス、ID、電話番号なども小さな文字でいいでしょう。年賀状は「挨拶」が主たる目的であり、その他の文面は「備考」です。テキストの大小も主旨に合わせて調節しましょう。
句読点を省くのもマナーのうち?
年賀状は「句読点をつけない」書き方が本来のマナーであり、古くからの慣習です。実際にご高齢の方の中には、年賀状の文面に句読点をつけるのは正しくない。終わりを意味する句読点は縁起が悪い。という風に捉える方も多少なりともいます。
とはいえ、ネット上では「特に気にしない」との意見が大勢を占めています。最近では専門業者の発行する年賀状にも、句読点を含む文面が少なくありません。厳密なマナーではないので、あまり気にする必要はないでしょう。
句読点をつけない場合は、適所に空白を入れる。長文は改行する。上下や行間の余白を大きめにとる。などして「読みやすさ」に配慮しましょう。
失敗しない年代別・終活年賀状の例文
同じ終活年賀状といっても、年代によって書き方が若干異なってくるでしょう。20代・30代・40代・50代・60代・70代・80代以降の人におすすめの就活年賀状の例文を紹介します。
20代~30代の終活年賀状の書き方・例文
20代から30代は世代的にまだ若く、手書きの年賀状よりもSNSで年始の挨拶を済ませる習慣が強いようです。そこで、20代から30代の年賀状じまいの書き方や例文を紹介しましょう。
20代~30代の終活年賀状の書き方
20代や30代の世代は、おもにメールやLINEなどSNSが主流になっています。そのため、わざわざハガキで新年の挨拶をする人が減少しており、今まで年賀状を出していたという人はこれをきっかけにSNSでの挨拶に切り替えるかもしれません。
また、世代によってはそもそもハガキの年賀状自体に馴染みがない人も多く、割とあっさりと受け入れてくれるでしょう。といっても、会社の同僚・上司・取引先などはしっかりと年賀状じまいを伝える必要があります。
年賀状じまいをするのであれば、最低限として目上の人に対しては断りのハガキを出すべきです。同級生などに終活という言葉を出すのはまだ早い世代ですが、目上の相手に対してはきちんとした対応をするようにしましょう。
20代~30代の終活年賀状の例文
20代から30代の終活年賀状では「あけましておめでとうございます。昨年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。本年も昨年同様に宜しくお願い申し上げます」という挨拶から始めましょう。
そして「誠に勝手ではございますが、元号が改まった本年を機に、皆さまの年賀状を控えさせて頂くこととなりました。今後は皆さまとLINEにてより一層のご厚誼を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます」と年賀じまいの理由を書きます。
最後にアドレスを記入し「今後ともご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します」で締めるとよいでしょう。このように、挨拶文・理由(20代30代は主にSNSの使用を理由にする)・締めの言葉の3部作で書くのが無難です。
40代~50代の終活年賀状の書き方・例文
40代・50代になると、終活を始める絶好のタイミングになり、早く始めると説くをするのが終活の特徴でしょう。ただし、理由を書くのは意外と難しい年代でもあるため、注意が必要です。
40代~50代の終活年賀状の書き方
40代・50代になると、終活年賀状を書く絶妙のタイミングといえます。しかし、理由を書く場合にはやや難しい年代でもあり、実際に年賀状に書くときには注意しなければいけない点は多数あるでしょう。
たとえば、高齢を理由にするにはちょっと早すぎますし、仕事の上での付き合いや親族関係も重視すべき年代です。目上の人も多い世代を頭に入れると、終活年賀状を出すにはちょっと難関といえるでしょう。
といっても、今やSNSが主流の時代となっては、わざわざ年賀状を書く必要もないと考える人も多いです。年賀状の文面に注意しながら、終活年賀状を出す準備を始めてみてはどうでしょうか。
40代~50代の終活年賀状の例文
40代から50代の終活年賀状では「新年おめでとうございます。皆さまが幸多き新春を迎えられたこととお喜び申し上げます。旧年中は大変お世話になりました。本年も昨年同様、ご指導の程宜しくお願い致します」と挨拶文を述べます。
そして「私事ではございますが、本年より年賀のご挨拶を一部メールに移行しており、来年からはどなた様も葉書による挨拶状をご遠慮させて頂きます」と理由を書いてください。具体的に書くよりも諸事情といった風に書くとよいでしょう。
最後は「今後も変わらぬお付き合いの程、宜しくお願い致します」で締めると、年代に合った終活年賀状が完成します。
60代~70代の終活年賀状の書き方・例文
60代・70代では、終活年賀状を送るタイミングが何度も訪れます。どんな書き方をすべきか、例文を挙げながら紹介しましょう。
60代~70代の終活年賀状の書き方
60代から70代は、一般的に「祝い年」と呼ばれる年齢に当たり、終活年賀状を送るきっかけが何度も訪れるでしょう。たとえば、還暦は60歳・古希は70歳・喜寿は77歳で、60歳から65歳までは定年退職を迎える年でもあります。
そのため「還暦を過ぎ」「還暦を目前に控え」という言葉を使えば、終活年賀状を出すきっかけや理由として数年にまたいで使えるでしょう。また、高齢になるほどネット利用率は低く、SNSを使うことがないため、代替案の提示は必要ないかもしれません。
この年になると送る相手も同年代が近いことから、お互いに終活年賀状の時期として理解されることも多いです。
60代~70代の終活年賀状の例文
60代から70代の終活年賀状では「旧年中はお世話になりました。本年も宜しくお願い申し上げます」という挨拶文から始めるとよいでしょう。そして、ここから終活年賀状を出す理由を述べていきます。
「さて、私も年重ねて七十となりました。時代の移り変わりもあり、年賀状によるご挨拶は、本年限りとさせて頂きたく存じます」と記すと無難でしょう。「ご無礼をどうぞお許しください。今後も普段のお付き合いは電話やメールなど頂けたら幸いです」と書きます。
最後に「皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております」で締めると、きちんとした年賀状じまいの文面になるでしょう。
80代以降の終活年賀状の書き方・例文
最後は、80代以降の人の終活年賀状の書き方や例文を紹介します。この年代の方たちは、終活も仕上げに差し掛かる年代といえるでしょう。
80代以降の終活年賀状の書き方
80代以降になると、終活も仕上げに差し掛かる年代となり年賀状じまいに最適なタイミングといえるでしょう。80歳は傘寿(さんじゅ)・81歳は半寿(はんじゅ)・88歳は米寿(べいじゅ)です。
また、90歳は卒寿(そつじゅ)・99歳は白寿(はくじゅ)・100歳は百寿(ひゃくじゅ)と祝い年が続きます。これを理由にすれば、断りのハガキを出しても失礼に当たらず、むしろ終活の嗜みとして評価されることも多いでしょう。
80代以降の終活年賀状の例文
80代以降の終活年賀状では「謹んで新年のお祝いを申し上げます。旧年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。おかげ様で家族ともども、元気に過ごしております」と挨拶しましょう。
そして「しかしながら、私も齢八十となり、毎年年賀状をしたためるのも難しくなって参りました。つきましては、新年のご挨拶状は本年限りで最後とさせて頂きたく存じます」と理由を述べます。
最後に「体調にはとくに支障があるわけではございませんので、近くに起こしの際はぜひお立ち寄りください。今後も変わらぬお付き合いのほど宜しくお願い申し上げます」で締めるとよいでしょう。
終活年賀状の注意点
終活年賀状を書いて出すうえで、注意しなければいけない点があります。いくつか挙げています。紹介されている注意点についてきちんと理解し、失礼のないようにしましょう。
できるだけ長文で
終活年賀状を書くとき、どれくらいの文字数にすればいいのか悩むところです。基本は、150文字から200文字ほどがよく、古くからの定型文を使ってごくごくシンプルな内容で構いません。
年賀状というとオリジナリティを出したくなってしまいますが、ここではとくに必要がなく、できるだけ長文だと気持ちが込められていて伝わりやすくなるでしょう。
目上の人は手書きで一言添える【印刷8割・手書き2割】
最近では年賀状というと印刷が主流であり、多くの人に送る場合、手書きでは間に合いません。終活年賀状においても同様で、疎遠な人に対しては印刷のみでもOKですが、親しい人には手書きが大事でしょう。
とくに目上の人に送る場合、失礼に当たらないように手書きで一言加えたほうが無難です。長文で書く必要はないものの、8割から9割は印刷で残り1割から2割は手書きを添えると高感度があがります。
断りの文面は小さめに書く
おめでたいことであれば大きな文字で書くとよいでしょう。しかし、年賀状じまいについての理由や断りの文面はテキストサイズを小さくするのもおすすめで、できるだけ目立たないようにしてください。
通常の挨拶に加えて、末尾に小さなテキストで書き添えるという形でも問題はありません。年賀状じまいはあくまでも私事であり、もらった人の心情を考えながら書くようにするとよいでしょう。
仕事の関係はバッサリ切り離しても大丈夫
多くの方が職の一線から退く60代~70代。仕事上の人間関係を整理するいい機会でもあります。「年賀状だけ」に終始している関係など、思い切って清算してしまうのもおすすめ。特に男性は「人間関係の9割が仕事上の付き合い」という人も珍しくありません。
人間関係を「断捨離」するつもりで、まずは年賀状から、老後の新たな交友範囲を見定めましょう。とは言え100人単位で終活年賀状を書くには、手間も覚悟も必要でしょう。何となく寂しさもあり、つい年賀状のやり取りを継続してしまう方も多いようです。
しかし退職後は「二度と会わない」もしくは「自然と疎遠になる」知人が大量にいると気づくでしょう。ですから数年かけて「徐々に年賀状を減らす」方法もおすすめです。
ネットで終活年賀状のデザインを選ぶ
年賀状じまいを伝える最後の年賀状や寒中見舞いであっても、相手の一年の幸せを祈るという年賀状本来の目的は変わりません。一年の最初を祝うものなので、デザインも華やかなものが良いでしょう。とわいえどのようなデザインがいいのかイメージがわかないという方もいるとおもいます。
そのような方におすすめなのが、ネットのテンプレートを利用する方法です。PNG形式のファイルをダウンロードできますので、そのまま年賀葉書や通常の葉書に印刷し簡単に終活年賀状や寒中見舞いを作成することができます。
また、他のデザインも作成することができます。しかし終活年賀状は文字数がおおめになりますので、注意が必要です。いずれにしても、ネットのサービスを活用するのは、大変おすすめと言えるでしょう。
まとめ
今回は、終活年賀状について書き方や例文、さらに注意点などを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。最近では新年の挨拶はSNSで済ます人も多く、高齢などを理由に年賀状じまいをする人も多いです。ぜひ、年賀状の目的や今後の在りかたを見直してみましょう。
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