【終活】エンディングノートの書き方、内容、選び方を詳しく解説

公開日 : 2021/3/19

更新日 : 2021/3/19

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終活のひとつであるエンディングノートには、何をどう書けばよいのでしょうか。いざ書くとなると戸惑ってしまう人も多いでしょう。そんな人に向けて、エンディングノートとは何か、ノートの書き方、書く内容、メリットなどについてこの記事で解説します。ぜひご一読ください。

公開日 : 2021/3/19

更新日 : 2021/3/19

目次

エンディングノートとは

「エンディングノート」とは、人生のエンディングを迎えた時に備えて、自分や身の回りのことや金銭事情などがわかるように、さまざまな項目について書き記しておくノートです。ノートを書いておけば、家族に大きな負担をかけずに自身が亡くなった後の手続をスムーズに進めてもらえます。

遺言書との違い

エンディングノートと遺言書の決定的な違いは、法的効力の有無です。強制力がないため、遺言書よりも自分の意思を楽な気持ちで書けるのがエンディングノートのメリットです。

法的効力

エンディングノートには法的効力がないので、強制力はありません。終末医療や介護、相続財産など自分の希望を伝えてお願いすることはできますが、遺族は必ずしもその通りに従うとは確約されません。

 

一方、遺言書は法的な強制力があります。作成の仕方も法律で決められており、規定にそって手書きで正しく書かなければ無効となってしまいます。しかし、相続財産の分割などについて、遺言書どおりに強制的に手続きが進みます。

書き方の決まり

エンディングノートの書き方は特に決まりはなく、自由に書けます。スマホやPCでも作成できます。市販のエンディングノートや、一般的な大学ノートなどに書いても構いません。書く項目の例は後述しますので、参考にしてください。

 

遺言書は法律で規定された通りに書く必要があり、規定が守られていない遺言書は無効になります。遺言書は法的効力をもち、内容は強制的に実行されるので、書き方も厳しく定められています。

内容は自由

エンディングノートに何を書くかは本人の自由です。自分の生年月日や生まれた病院から始まって、今現在の人生を振り返った自分史にするのもいいですし、亡くなった後の葬儀の形式や相続財産の有無形見分けの希望などを書くのもよいでしょう。遺される家族が迷うことなく諸々の手続きを進められるように配慮して書くと、家族の手間を最小限に抑えられます。

費用が安い

エンディングノートは、費用があまりかかりません。大学ノートに書けば数百円、市販のエンディングノートを利用しても数千円程度です。

 

一方の遺言書は2種類あり、「公正証書遺言」と、「自筆証書遺言」があります。公正証書遺言とは、公証人に遺言の内容を口述し、公証人がそれを正確に文章にまとめたものです。公正証書遺言を作成する相場は十数万円と多額の費用が必要になります

 

自筆証書遺言は2020年7月にスタートした「自筆証書遺言の保管制度」で、法務局で遺言書を保管してもらえます。手数料は3900円で、収入印紙で納付します。法務局に預けているならその旨を、エンディングノートに書いておくとよいでしょう。

死後すぐに内容を確認できる

エンディングノートは生前でも死後でも、いつでも確認でき、他社が内容を読んでも構いません。故人の希望を知ることができるため、手続きや通夜・葬儀についても希望どおりに運べばよく、家族は手続きを進めるのに迷うことがありません。

 

一方遺言書は、遺言書が確かにあったという「検認」を家庭裁判所から受け、相続人が全員揃っていないと開封できません。法律で定められた規定を守らず開封すると、5万円以下の過料が課せられることがあります。

エンディングノートに書く内容

エンディングノートは、自由に書ける人生の記録です。自由というとかえって何を書いていいのかわからなくなってしまいます。どのような項目を立てて書くのか参考にしてみてください。

基本項目

基本項目には自分にまつわることを書いていきます。少しずつ書き進めていくうちに、新しい発見や気づきがあるでしょう。

基本情報

基本項目は生年月日や住所、血液型や出身地など、プロフィールを書くように記入していきます。項目と内容を書き出すことによって、自分の頭や気持ちが整理できます。以下を参考に記述するのもいいでしょう。

 

  • 持病の有無
  • 服薬中の薬のリスト
  • よく行く病院名
  • 健康保険証の記号や番号
  • 医療保険に加入している場合は加入先と保険証書の保管場所
  • 携帯電話の番号と加入会社など

 

加入している有料サイトなどについても、URL・サイト名・月々の金額・支払い方法・パスワード・解約方法なども記しておくと、後から督促状が来て家族を慌てさせることもなくなります。

遺言書の有無

遺言書があるなら、どこに保管してあるかエンディングノートに書いておきます。自宅のほかに、さきほどご紹介した法務局に保管してもらっている場合もあるでしょう。遺言書があるなら、その保管場所をエンディングノートに書いておきます。

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相続財産

財産を相続人でどう分けるかは、遺言書で指定する場合が多いです。エンディングノートに書くなら、自分がどういう財産をもっているか、その価値とともにすべて書き出して、一覧表にしておくとよいでしょう。

貯金、株式・投資、不動産など

貯金がある銀行の名前・支店名・口座番号・通帳と印鑑の保管場所について明らかにしておきます。口座ひとつずつに上記の情報を書いておくとわかりやすいです。

 

銀行口座は人が亡くなったことがわかった時点ですぐに凍結されてしまい、預金を引き出すなり新たな貯金をするなり手続きができなくなってしまいます。引き出せるようになるのは相続手続きが終わった約10か月後です。

 

公共料金や携帯電話料金の自動引き落としもできなくなるので、何の料金がどこの銀行から毎月何日に引き落とされているかを書いておくと後の処理が楽になります。

年金

エンディングノートには、厚生年金など公的年金と、企業年金や個人年金などの情報も盛り込んだほうがよいでしょう。公的年金の場合は、年金基礎番号、受取口座などについてくわしく書いておきます。併せて年金手帳の保管場所も記しておいてください。

人に貸しているお金

誰かにお金を貸している場合、自分が元気なうちに返してもらうのが最善策です。亡くなってから家族が返金を求めても相手が応じない場合が往々にしてあるからです。どうしてもそれができなければ、エンディングノートに書いておきます。

 

貸している相手の氏名・住所・連絡先・いくら返してもらっていくら残高があるのか、まとめておくとよいでしょう。

ローン・借金

遺産相続をすると負債も相続することになります。ローンや借金がある場合はどこにいくら負債があるか書き残しておきます。返済先名・返済方法・返済期限・返済残高など、細かく書いておくとトラブルがあっても対処しやすくなります

生命保険

自分が亡くなる時のこと考え、下りる生命保険についてエンディングノートに書いておくべき財産です。どこの生命保険会社のどのような契約なのかを記しておきます。保険証書の保管場所や保険金の受取人など、詳しく書いておくとよいでしょう。

終末期の希望

介護が必要になったときどうするか、死期が近づいてくるのがわかったときどうするか、延命措置や、生命維持器装着の希望などをエンディングノートに書き記しておきます。

 

 

延命措置や生命維持器装着は、特に家族が迷い悩むところです。はっきりと自分の意思を示しておきましょう。エンディングノートに明確に書いておけば、家族も迷うことなく決断できます。

 

亡くなった後の葬儀や埋葬の希望も併せて書いておきましょう。故人がどうしたいかわかれば家族も動きやすくなり、精神的な負担も軽くなります。

医療・介護

介護が必要になった場合、入りたい施設、介護者は誰がよいか記しておきます。施設に入居するときの身元保証人や、認知症などで判断能力が亡くなった時に定める法廷代理人や財産を管理する人の氏名を、希望があれば書いておきましょう。

葬儀の希望

葬儀に関する希望も書いておきます。葬儀社・斎場・式の規模・喪主などについて記録しましょう。昨今では「生前契約」といって、元気なうちに葬儀をデザインし、葬儀を営む費用を葬儀社に預けておく制度もあります。

 

亡くなったらその費用で葬儀を行うことができ、家族は金銭的にも精神的にも助かります。「生前契約」をしていることをエンディングノートに書いておき、前撮りした写真など遺影に使ってほしい写真があれば、保管場所を記します。葬儀に使う花や納棺の時の服装など、希望があれば書きましょう。

埋葬の希望

火葬・散骨・樹木葬・土葬など、してもらいたい供養があれば明記しておきます。亡くなった後に入りたいお墓はどこにあるかも書ましょう。元気なうちに自分のお墓を建てた場合は、その所在地とお墓を守ってほしい人などを記しておきます。

パソコンや携帯電話

まず、元気なうちにアプリやソフトの必要なものとそうでないものをリストアップしておき、必要がないものは削除しておきます。また、見られたくない画像やファイルも削除しておきましょう。

 

パソコンや携帯電話の起動パスワードを家族がわかるように記入しておきます。また、ネット銀行やネット証券などに口座があれば、亡くなったときにどこに連絡し、どんな手続きをするべきか、事前に調べて家族にわかるようにしておくとよいでしょう。

 

最近ではデータを勝手に削除してくれるソフトもあります。一定期間パソコンが起動されなかった場合、指定したファイルやフォルダを自動的に削除するソフトです。「死後の世界」「僕が死んだら」などがあり、無料で配布されているので、使うのも一手です。

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書く手順

ノートの最初から順番通りに書いていくと、だんだん面倒になって挫折しがちですが、この方法なら楽々と作成できます。まずはパソコンや携帯電話のメモ帳に思いつくまま箇条書きで書いていきます。順番など気にせず思いつくままにとにかく書いていきます。

 

分類や加筆修正は後でします。パソコンや携帯電話で書いておくと、書いたものを分類したり加筆修正したりが楽にできます。

 

出尽くしたらノートの項目に従って内容を分類し、ノートに書いていきます。市販のノートを使わずパソコンや携帯電話で作成する場合は、そのままコピペすれば楽にできます。本人だけが知っていること、亡くなった後に調べるのが難しいことは必ず書いておきましょう。

エンディングノートを書くメリット

エンディングノートは家族への最後のメッセージです。きちんとまとめてあればあるほど、さまざまな手続きがスムーズにできると同時に、ありがちな家族間の無用な小競り合いも未然に防げます。エンディングノートを書くその他のメリットにはどんなことがあるか、ご紹介します。

自分の思いを託す、最後のメッセージ

エンディングノートは、いわばあなたから家族への、最後の手紙です。普段は言えなかった感謝の言葉などを綴っておくと、それを読んだ家族の癒しになります。

 

亡くなったあとの形見分けなども記しておきます。物品の一覧表を作っておき、形見に込められた思いと誰に渡すか記しておくと、手に入れた人は形見をいっそう大切にしてくれるでしょう。

遺族の負担を減らす

終末期医療のもとにある場合、本人は前後不覚に陥っていて、意思を確認するのが難しくなります。意思がわからなければ、代理人である家族の負担が増えてしまいます。

 

延命措置をするのか、してもらいたい治療方針があるのか、元気なうちにエンディングノートに記しておくと、家族はそれに従って迷わずに行動できるでしょう。

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今後の人生と向き合える

エンディングノートを書き進めていくと、使っていない銀行口座やほとんど利用しない有料サービスなど無駄なものが浮かび上がってきます。ずるずると引きずっている人間関係や身辺を整理しなければならないことに気づくことでしょう。

 

エンディングノートを書き進めると、自分はこれからどう生きていきたいのか、自分の考えも見える化されてはっきりしてきます。

エンディングノートの選び方

エンディングノートは、東急ハンズやジュンク堂、有隣堂などの大型書店で手に入ります。楽天やAmazonなど通販でも扱っています。種類が豊富なので、どれにするか迷いますよね。ここでは、選び方をまとめてみました。

人生を振り返るなら

これまでの人生を振り返るなら、自分史や履歴が書けるものを選びましょう。自分史とエンディングノートが1冊になったものもあり、自分史を書くハウツー本もたくさん出ています。これまでの人生を丁寧に綴ることで、心も穏やかに落ち着いてきます。

万が一の準備なら

自分が亡くなった時の希望する葬儀や相続のことを書けるものがよいでしょう。どういう葬儀を出してほしいか、どの財産を誰に譲るか、エンディングノートに明らかにしておきます。自分の考えをここではっきりと伝えておきましょう。

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備忘録にするなら

エンディングノートは、亡くなる前にも備忘録として役立ちます。生命保険や傷害保険、銀行口座やパソコンの暗証番号などの項目が充実しているノートを選ぶとよいでしょう。

終活のノウハウを知りたいなら

終活の方法を知りながら同時にエンディングノートを書きたければ、用語の解説や断捨離のノウハウがコラムとして記載されているノートがよいでしょう。コラムからヒントを得ながら書いていくと、頭の中も整理され、楽に書き進めることができます。

エンディングノートの保管

書き終えたエンディングノートをどこにしまっておくといいのでしょうか。目立つところに保管すると、内容に銀行口座などが記されているので盗難にあったら大変です。

保管場所

エンディングノートを保管する場所が適切でなかった場合、すべてが終わってから家族が見つけ、要望をかなえられなかったと悲しい気分にさせてしまうおそれがあります。保管場所はじっくり吟味しましょう。

 

エンディングノートを書き終えたら、家族にノートの存在を打ち明け、どこに保管するか伝えておくのがベストです。または、倒れたり亡くなったりしたときに家族が探すものである健康保険証・保険証書・通帳などのそばに置いておくと見つけやすいでしょう。

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書き換え

エンディングノートは何回でも書き換えられます。書いた時と現在では考えが変わっていることはよくあることです。毎年誕生日にエンディングノートを見直して、書き換えるのもおすすめです。その際、更新日を書いてどれが1番新しい内容なのかわかるようにしましょう。

信頼できる人に伝える

口が固くて信頼できる親族や友人などに、ノートの存在と保管場所を伝えておくと安心です。相続財産がある場合は、相続人にはならない人を選ぶ方がよいでしょう。

いつかくるその日のために

エンディングノートについて取り上げました。元気なうちにまとめておく、あなたからご家族への最後のメッセージです。きちんと記入してあればあるほど、ご家族にかかる負担は少なくなっていきます。この記事を参考にして、エンディングノートをぜひ書き記しておいてください。