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終活で遺言を残すには?遺言の作成方法やメリットを解説します

人は必ずいつかはこの世を去ります。自分がこの世を去った時のその後にも自分のしたいことがある場合、遺言として意志を残すことができます。この記事では、終活の一環としての遺言の作成方法やメリットを中心に詳しくお伝えしていきます。

公開日 : 2020/07/28

更新日 : 2020/09/09

目次

終活とは

終活とは、自分のこれからの事案に対して、自分の希望や意志を考え示していく活動です。主に病気・入院・介護・葬儀・墓・相続に対して活動を行うため、終活と呼ばれます。少し前までは人生の先を考えることは「縁起でもない」と言われがちでしたが、昨今では事情が変わってきました。

 

自分が親の死後、葬儀を行い相続を行った経験の大変さから、「自分の事は自分で決めておきたい」「子供の負担を減らしておきたい」との考えが広まり終活をする人が増えてきています。終活は主にエンディングノートに意志や希望をまとめたり、不要な物を整理処分する断捨離などを行います。

 

遺言も終活の一環です。特に死後は、残された人に声も届かず、自分も見届けることができません。備えておくことが大切なのです。

遺言とは

遺言は、死後の事柄のために遺す言葉や文章です。書面で書き起こしたものが遺言書です。遺言書は主に財産についての事柄を記します。日常的には「ゆいごん」と呼ばれますが、法律用語では「いごん」と呼ばれます。民法960条に則って残された遺言に、法律上の効果が認められます。

 

人は死によって、少なくとも意志を伝えることが不可能です。そして肉体を失い、自分で持っていた財産を手放さなくてはなりません。せっかく持っていた財産が自分の死後、どうなってしまうのか心配になるのは当然です。

 

そのために遺言というシステムがあります。遺言は死後も自分の財産を自由にできる権利ともいえるでしょう。また相続者へのメッセージでもあります。遺言は満15歳以上であれば誰でも行えます。死期が迫ってから書けばいいと思っている方もいますが、遺言は正常な判断ができる心身のよい状態が望ましいです。

 

遺言は何度でも訂正や取り消しができるので、一度遺言を書いても気が変わったり、状況が変わったりしたときには速やかに変更しましょう。

 

エンディングノートとの違い

エンディングノートは終活の内容を書き込んでいくノートです。内容は人によって異なりますが、意思疎通を図ることが難しくなった時のための意思表示が書かれています。エンディングノートには死後の事も書きますので、遺言と似ています。

 

しかし、エンディングノートと遺言には大きな違いがあります。それは法的効力が有るか無いか、です。エンディングノートには法的効力はありません。エンディングノートはあくまで希望であり、その内容を遵守するかは残された者に委ねられます。

 

しかし、遺言は正式な項目が満たされたものは法的効力が発生し、必ず従わねばなりません。そのため法的効力がある遺言は、定められた書き方があり、改ざんを避けるために様々な規定が設けられています。

遺言書の種類と作り方

それではここで遺言書の種類と作り方について、解説をしていきます。遺言は主に書面にて作成され、書き方が決まっています。大きくは普通式遺言と特別式遺言に分けられ、一般的には普通式遺言で作成をします。

普通式遺言

普通式遺言には3種類の作成の方法があります。それぞれに特徴があるため自分にふさわしいものを選びましょう。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が自らの手で書く遺言書です。財産の目録の項目のみがパソコンでの作成が認められますが、それ以外はすべて遺言を残す本人が書かなければなりません。また書く項目が定められており、一つでも項目を誤ると遺言書そのものが無効となってしまいます。

 

項目を満たしていれば縦書きでも横書きでも、サインペンや筆で書かれていても問題はありません。必要なのは、手書きであること、日付があること、署名があること、押印されていることです。

 

しかし、どれほど確認して書こうが正式な遺言書として認められるかどうか不安ですよね。そのため、自筆証書遺言には「自筆証書遺言の保管制度」があります。これは法務局で自筆証書遺言を保管してもらう制度で、預ける時に有効な遺言をかどうかを確認してもらえますので安心です。

 

なお自筆証書遺言は、自宅でも保管が可能です。ただ自宅に保管していると遺言書自体を相続者が知らなかったり、紛失や改ざんの危険性が伴います。加えて自宅で保管された遺言書は、裁判所で開けられていない有効な遺言書だという証明をしてもらわなければなりません。

 

この手続きは煩雑でしかも時間がかかるため、相続の手続きにブレーキがかかってしまうのです。そのため、自宅で保管することは避け、保管制度を利用した方が無難でしょう。

 

法務局での保管は現物とデータで行われ、全国の公証役場で問い合わせと照会ができるので便利です。

 

 

公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言者の意志を公証人が聞き取り代理で作成する遺言書です。公証人は法律の知識を有しているので有効な遺言書を作成することが可能なため、無効となる可能性がなく安心な遺言書の作成方法です。

 

公正証書遺言は公証人に必要な書類を提出し、遺言の内容を公証人に伝えて形式通りに遺言を書いてもらいます。その後で立会人と共に内容を確認し、相違がなければその場で署名捺印をして完成です。

 

遺言書も公証役場に保管されるので、紛失や改ざんのおそれもなく安全です。また相続が発生した場合には裁判所の検認手続きも不要のため、スムーズに手続きを進めることができます。

 

ただ、公正証書遺言を作る際には2名の立会人が必要な他、公証人への費用がかかります。相続人などの関係者では立会人になることはできません。また立会人には遺言の内容を知られることにもなるので、知られたくない人には公正証書遺言は向きません。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言の中身を誰にも知られないまま、遺言書があるということのみを公証人に証明をしてもらう制度です。自筆証書遺言では遺言書の存在自体を知られないままになってしまう可能性があり、公正証書遺言では公証人や立会人に遺言の中身を明らかにする必要があります。

 

秘密証言遺言は遺言書を書いた後、厳重に封をして公証人と立会人が封に遺言書であることを認める印を押します。自筆証書遺言と違い偽造や改ざんの危険性もありません。

 

秘密証言遺言は誰にも内容を知られたくない人に都合のよい遺言書ですが、公正証書遺言と違い中身を誰もチェックしないため、項目を満たしていないと無効になる可能性があり注意が必要です。

 

また遺言書の保管は本人がするため紛失をしないように気を付けます。なお、遺言書はその時が来たら自筆証書遺言と同じように裁判所で、有効な遺言書であるという「検認」を受けなければなりません。

 

秘密証言遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言に比べてあまり活用はされていません。手続きの煩雑さや費用がかかることに加えて、制度的には前述の二つの制度で事足りるからです。

特別式遺言

特別式遺言は、普通式遺言が不可能な状況にある人が残す遺言の方式です。特徴的なのは普通式遺言が永く保存されるのに対し、特別式遺言は、普通式遺言が可能な状況になって6か月後に、自動的に無効となることです。

 

普通式遺言が時間や手続きがかかることを考慮し、死が迫った危急時に対応した制度です。負傷した際や、船舶・飛行機に乗っている場合の危急時、隔離された場所に居る時の危急時が想定されています。

 

それぞれ「一般危急時遺言」「難船危急時遺言」「一般隔絶地遺言」「船舶隔絶地遺言」と言います。例えば刑務所は隔絶地と見なされ、一般隔絶地遺言で遺言を残すことができます。

 

状況によって異なりますが、危急時といっても遺言の改ざんの危険を避けるために立会人が複数人、必要です。

遺言書を作るメリット

遺言書は自分の意志を貫くための手段です。相続は家族の事ですので本来は何事もなく、亡くなった人の遺志を継ぐことができることが望ましいですが、現実はそう簡単にはいきません。

 

ここでは遺言書を作るメリットを詳しく見ていきましょう。

相続トラブルの回避

遺言書は相続トラブルの多くを避けることが可能です。相続では金銭を少しでも多く欲しいと思ってしまうので、一度こじれると「争続」となって血縁者の仲を引き裂いてしまいます。

 

遺言書があれば、亡くなった人の遺志と法律の力で争うことを抑止することができるのです。遺言書はお金を持っている人が作るものだという認識がありますが、相続は少額でも金銭が絡むと泥沼に陥りやすいものです。

 

現在の法律は、昔の家制度を基準に相続を規定しているので、実情と合わない部分が多くあります。自分が望む相続がどのようなものかをまず考え、遺言書をしたためましょう。

 

 

 

法定相続人以外への相続が可能

遺言書は通常の法定相続人以外への相続を可能にします。逆に法定相続人を限定することも可能です。法定相続人とは配偶者や子が優先で兄弟や父母などが入ります。つまり、内縁の妻や息子の嫁、甥姪は入りません。

 

例えば介護で長男妻にお世話になったので財産を渡したいといった場合や、兄弟姉妹とは仲が悪いので財産を渡したくないといった希望に遺言書は対応が可能です。

 

そのため、遺言書の必要性が最も高いケースというのは「子供が居ない場合」「再婚して子供がそれぞれに居る場合」「特定の人に財産を渡したい場合」「内縁関係の場合」です。

 

ただ法律には遺留分という制度が設けられており、一概に遺言書ですべての財産の有り方を指定できるわけではありません。通常の相続配分ではない相続を希望する場合は、できれば弁護士など専門家の意見を聞きながら遺言書を作ることをおすすめします。

 

遺言について

遺言は終活の一環として相続をスムーズに行うための制度として注目されています。生きているうちに手に入れた財産を、死後にどのようにするのかを自分の意志で決められる制度であり、法律によって認められた権利です。

 

遺言がなければ相続は現行の法律によって相続者へと引き継がれます。しかし、昨今は社会が多様化して現行の法律だけでは賄いきれない部分が多く出てきており、トラブルが頻発しています。また遺言は亡くなった人の希望であり意志であるため、相続者への最後のメッセージとしても有意義です。

 

遺言を堅苦しいと感じたり面倒だと感じた人は、財産の有無で遺言が必要か不要かを考えるのではなく、相続者であるすべての人への負担軽減と自分からのメッセージとして認識してみてはいかがでしょうか。