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「礼服とは」を説明できる?知っておきたい喪服やスーツとの違い

礼服とはフォーマルな場で着用する衣服のこと。それでは具体的に、礼服の種類やシーン別の使い分けについてご存じですか?以下では、「礼服とは」にまつわるさまざまな知識についてご紹介しています。礼服とはいったいどんなものなのか、一緒に見ていきましょう。

公開日 : 2020/11/05

更新日 : 2020/12/08

目次

礼服とはどんな服装のこと?

礼服とは、冠婚葬祭の場で着用できるフォーマルウェアのことです。男性用のスーツスタイルのものを想像しがちですが、女性にももちろん礼服は存在します。礼服には「正礼服」「準礼服」「略礼服」の3種類があり、それぞれ格式が異なります。そのため、着用すべきシーンも決まっています

昼用と夜用がある

3種類ある礼服ですが、さらに昼と夜で服装が異なります。昼の冠婚葬祭には、夜用の礼服は着用できません。逆の場合も同様です。具体的な服装については、のちほど男女別にご紹介します。

喪服との違いは?

礼服とは冠婚葬祭で着用する衣服であるのに対し、喪服は葬儀の場で着用する衣服です。つまり、喪服は礼服の1種なのです。喪服は葬儀に特化した服装ですが、礼服は葬儀や結婚式だけでなく、さまざまな式典やお祭りのほか、節句や成人式といった、人生の節目となる場のすべてに着用できます。

 

喪服と礼服は見た目にも違います。礼服は光沢のある生地が使用されています。一方喪服は、つや消しされた漆黒の布で仕立てられます。どちらも同じ黒色ではありますが、喪服のほうがより黒が濃く、見た目は全く異なります。

喪服の種類

喪服も礼服と同様、格式によって3種類に分類できます。それぞれの喪服の種類について簡単に見ていきましょう。

正喪服

喪服の中で最も格式の高いものです。正喪服には洋装と和装の2種類があります。洋装の場合、男性はモーニングコート、女性はブラックフォーマルのワンピースやアンサンブル、スーツなどを着用します。このとき、女性のスーツにパンツスーツは含まれないとされています。男性はネクタイや靴下などはすべて黒で統一しましょう。

 

和装の場合は、男女ともに五つ紋を着用します。男性は黒の羽織二重の紋付き袴姿、女性の場合は黒無地の着物です。

 

準喪服

準喪服は正喪服に次ぐ格式の喪服です。最近は正喪服を着用することは少なく、この準喪服を着用するケースが増えているため、単純に「喪服」という場合は準喪服を指すと考えてよいでしょう。

 

男性の準喪服はブラックスーツです。ブラックスーツは礼服の1種でもあります。対して女性の場合は、正喪服と同様にワンピース・アンサンブル・スーツといったブラックフォーマルが一般的です。

略喪服

略喪服はもっとも格の低いものです。具体的には、男女ともにブラックフォーマル以外の黒、紺、グレー、茶などの地味な色のスーツやワンピースを指します。リクルートスーツや、学生の制服も略喪服に含まれます。略喪服は一般参列者が葬式や通夜に参列するときに着用することが多いです。

 

1つ注意したいのは、略喪服と平服の関係です。葬儀の案内が来た時に「平服で」と指定があることがあります。平服とはすなわち普段着のことですが、葬儀の場においては「略喪服」と解釈するのがマナーです。そのため、「平服で」葬儀の案内が来たときには、男女ともに略喪服を着用するようにしましょう。

礼服とスーツの違いとは?

スーツとは、広義には「上下友布で仕立てられた衣服」のことを指します。スーツは大きく分けて、ブラックスーツとビジネススーツに分類できます。ブラックスーツは礼服の一種で、日本では準礼服とされています。そのため、冠婚葬祭の場で着用できます。

 

対してビジネススーツは、ビジネスの場面でしか着用できません。どんなにオシャレなものであっても、冠婚葬祭で着用するのはマナー違反となります。反対に、礼服もビジネスシーンでの着用はNGとされています。つまり礼服とスーツの違いは、着用するシーンが異なることです。

見た目のちがい

礼服には上質なウールが使用されており、漆黒に近い色味であるという特徴があります。対してビジネススーツの多くはポリエステルなどの化学繊維で仕立てられており、黒といってもグレーがかってみえます。そのため、礼服に比べるとビジネススーツは黒色が薄い印象になります。

 

もう1つの違いとして「ベント」があります。ベントとは上着の裾に入っている切れ込みのことです。正礼服や準礼服にはベントがありますが、略礼服やビジネススーツにはベントがありません。

男性の礼服とは

男性の礼服について、具体的な服装をご紹介します。礼服は「正礼服」「準礼服」「略礼服」の3種類に分類でき、さらに昼と夜とでは着用できる衣服が異なります。17~18時までに終わる行事には昼用の礼服を、17時過ぎに始まる行事には夜用の礼服を着用しましょう。

正礼服

最も格式の高い礼服です。昼の正礼服は「モーニング」です。前から後ろに掛けて裾が長くなっている上着が特徴的です。下衣にはストライプのスラックスを合わせるのが正式です。ジャケットの中には同じ布地のベストを合わせ、白いのシャツを着用します。胸ポケットには白いポケットチーフを指し、足元は革靴です。

 

夜の正礼服は「燕尾服」です。モーニングと同じく前から後ろに裾が長くなりますが、後ろに燕の尾のような切れ込みがあるのが最大の特徴です。上着とスラックス、靴を黒で統一し、ベスト・シャツ・蝶ネクタイを白でまとめます。「ホワイトタイ」とも呼ばれる服装です。

準礼服

正礼服に次いで格の高い礼服です。夜用の準礼服には「タキシード」があります。ただし、近年ではタキシードは燕尾服の代わりに正礼服として着用するシーンも増えています。タキシードの着こなしは、黒の上着とスラックスに白のシャツです。

 

靴はエナメルで、上着の下にはベストカマーバンドを着用するのがマナーです。黒の蝶ネクタイを合わせることから「ブラックタイ」とも呼ばれます。もう1つ、準礼服として知られるのが「ディレクターズスーツ」です。ブラックスーツよりもワンランク上の礼服という位置づけです。

 

黒のジャケットにグレーベストを着用し、下衣はストライプのコール地のスラックスが基本手です。靴は黒い革のものを着用します。

略礼服

もっとも格の低い礼服です。代表的なものとしてブラックスーツやダークスーツがあります。ただし近年の日本では、葬儀の場におけるブラックスーツは準礼服と見なされています。いずれも昼夜を問わず着用できます。

 

ブラックスーツは黒無地のスーツです。ビジネス用のブラックスーツもありますが、礼服として着用する場合は、黒色が濃いものを選びましょう。またネクタイや靴下も黒色で統一します。ダークスーツは濃いネイビーやダークグレーといった暗い色味のスーツで、無地のものです。いずれもシングルスーツの場合は、ベストを着用するのがマナーです。

女性の礼服とは

男性と同様に、女性にも礼服の区別があります。ただし男性ほど種類が多くなく、境目があいまいなものも多いです。

正礼服

和装の場合、既婚は留袖、未婚は振袖が女性の正礼服です。留袖には五つ紋の黒留袖と色留袖がありますが、葬儀の場合は黒留袖を着用します。和装の正礼服には、時間帯による区別はありません

 

洋装の場合、昼にはアフタヌーンドレスを着用します。丈は長くてもくるぶしまでで、丈が長いものほど格式が高いとされています。対して夜用の正礼服をイブニングドレスと呼びます。床につくくらいの丈で、肌の露出がある程度許されています。

準礼服

和装の準礼服は訪問着です。結婚の有無や年齢、時間帯に関係なく着用できます。洋装の場合、昼用はセミアフタヌーンドレスで、夜用はカクテルドレスです。

礼服を着用するシーンとは?

礼服は正式なフォーマルウェアであり、冠婚葬祭の場で着用できます。ただし、葬儀には礼服ではなく喪服を着用するのが一般的です。先にも触れましたが、礼服と喪服では生地の光沢などが異なります。そのため、葬儀に礼服を着用すると悪目立ちすることがあるからです。略礼服であるブラックスーツなら葬儀で着用してもかまいません

 

また礼服は冠婚葬祭の場で着用するものですので、日常のビジネスシーンなどでは使用できません。基本的に、礼服を着用するシーンは結婚式や式典、祭典など、華やかな場だと考えてよいでしょう。

葬儀に着用すべきなのは

前述のように、葬儀に着用すべきなのは喪服です。ただし、礼服の中でもブラックスーツは喪服に該当します。また、喪服にも礼服と同様、シーンによって種類を使い分ける必要があります。

喪服の種類は状況や立場にあわせる

喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があることは、先にも触れた通りです。それぞれの喪服は、葬儀に参列する人の立場や状況にあわせて使い分けます。具体的に見ていきましょう。

正喪服

正喪服を着用するのは、喪主と三親等内の親族までです。少なくとも一般参列者が正喪服を着用することはありません。また、正喪服を着用するシーンは、通夜・葬式・初七日・四十九日・一周忌・三回忌までです。それ以降は親族も準喪服や略喪服を着用するのが一般的です。

準喪服

準喪服は喪主・親族をはじめ、一般参列者も着用できます。着用するシーンは通夜・葬式・各種法要など、ほとんどすべての弔事の場です。最近は喪主であっても正喪服を着用することは少なく、遺族・参列者ともに準喪服を着るケースが増えています。

略喪服

略喪服は一般参列者や学生、子供が着用します。遺族側は着用できません。通夜や葬式には基本的に準喪服が望ましいですが、急な知らせに駆けつけた場合などは、略喪服でも許容されます。また、葬儀や通夜の参列に際し、平服の指定があった場合は、略喪服を着用するのがマナーです。

知っておきたい礼服の選び方

礼服の中でも、ブラックスーツは葬儀で着用することが多いため社会人なら1着は持っておきたいところです。ただし着用頻度はさほど高くないため、その1着を長く着ますこともあるでしょう。そのため、ブラックスーツの選び方はとても大切なのです。ここからは、礼服の中からブラックスーツを例にとり、上手な選び方のポイントを解説していきます。

長く着ることを想定する

ブラックスーツを着用するのは冠婚葬祭の場であり、使用頻度はさほど高くありません。さらに決して安価なものでもないため、そう頻繁に買い替えることもありません。つまり、ブラックスーツは少数を長く着まわすのが一般的です。そのためにも、長い期間着られるものを選ぶことが大切です。

 

1着をどのくらいの期間着用するのかは人によって異なりますが、少なくとも5年は着られるものを選びましょう。できれば10年くらい着られるものがおすすめです。

オールシーズンのものが無難

ブラックスーツにも春夏秋冬がありますが、おすすめなのはオールシーズンのものです。とくに1着目のブラックスーツなら、どんな季節にも着用できるよう、オールシーズンのスーツを選ぶようにしましょう。選び方のポイントとしては、生地が厚すぎず、薄すぎないものです。こうすることで、真夏や真冬にも着用できます。

 

そうはいっても、オールシーズンのスーツでは真冬や真夏の気候には対応しきれないこともあります。真冬の場合はアウターやインナーで調節することができます。真夏にブラックスーツを着用する機会が多いのであれば、2着目として夏用の礼服を購入するのもおすすめです。

流行に左右されないデザイン

スーツや礼服にもシルエットやデザインに流行があります。しかし1着目としてブラックスーツを購入する場合は、流行に左右されないデザインのものを選ぶことが大切です。先にも触れた通り、ブラックスーツは5年~10年ほど着まわすのが一般的だからです。

 

5年~10年経てば体型だけでなく、立場も大きく変化していることが多いです。たとえば若すぎるデザインのスーツを選ぶと、数年後に着用したときに、年齢に合っていないといった事態も起こりえます。そうならないためにも、ブラックスーツは流行や年齢に左右されないシルエット・デザインのものを選びましょう。

 

サイズ調整できるものがベスト

礼服を買い替える理由としてもっとも多いのが、「体形が変わってしまった」というものです。そういうときに便利なのが、ウエストアジャスターつきの礼服です。とくに男性用の礼服に多いです。

 

サイズ調整できない喪服の場合は、購入したお店に相談に行くのもおすすめです。とくに女性用の礼服は、将来のリペア(仕立て直し)に備えて、ウエスト部分にゆとりを持たせているものが多いです。購入したお店に持っていけば、糸をほどいて調整することができます。

 

また、大前提として、5~10年後の体形変化にも対応できるようなデザイン・サイズの礼服を選ぶことが大切です。細身のデザインのものは避け、すこしゆとりのあるサイズやデザインのものを選ぶと、多少の体形の変化があっても着で対応できます。

礼服の相場とは?

礼服はピンからキリまでさまざまです。安価なものだと1万円前後で購入できるものもあります。しかし、安価なスーツは傷みやすかったり、色味が薄かったりする場合もあります。礼服は黒色が濃いほど格式が高いとされていますので、通常のビジネススーツと変わらないような礼服は避けましょう

 

かといって、身の丈に合わないような高価すぎる礼服では、浮いて見えてしまうこともあります。礼服は、自分の年齢や立場にあったものを選びましょう。一般的な相場は3万~5万円です。

準礼服は1着は持っておきたいもの

ブラックスーツは、礼服の中で最も着用する機会が多いフォーマルウェアです。社会人になれば冠婚葬祭に出席する機会も増えますので、できれば1着は用意しておきましょう。