葬儀の式次第の順番や書き方とは?【仏式から無宗教まで紹介】

公開日 : 2019/12/27

更新日 : 2020/9/10

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葬式に行く機会もする機会も多くありませんよね。そこで困るのが葬儀の式次第の順番や書き方です。段取りが良くないと葬儀自体も良くなかったと思われてしますかもしれません。そこで今回は仏式である曹洞宗・真言宗などの式次第から天理教葬や無宗教葬儀の式次第までの順番や書き方の例をご紹介します。

公開日 : 2019/12/27

更新日 : 2020/9/10

目次

式次第とは何か?

一般的に、式次第と言えば儀式などの進行表のことを言います。しかし、お葬式の際の式次第といった場合には、本葬の式次第のことを指している場合が多いです。こちらでは、お葬式の式次第について詳しくご説明しています。

お葬式の式次第とは?

お葬式の際の式次第とは、その葬儀で行う内容を時間順に示したものです。いわば、葬儀の台本のようなものが式次第です。必ずしも紙に書いたり、印刷したものだけを式次第というわけではなく、葬儀の流れそのものを式次第と呼びます。

 

お葬式の参列者にとっては、式次第というのは葬儀のプログラムのようなものです。その流れにしたがって、お葬式をこなしていくことになります。ですから、お葬式の式次第は簡明で分かりやすいものでなくてはいけません。通常は一枚の紙や、両開きの紙に印刷されていることが多いです。

お葬式の式次第はどんな時に使う?

現在では、お葬式の式次第は葬儀会社にまかされるということも増えてきています。身内のみで行う通夜には、あまり印刷された式次第は用いません。お通夜はひっそりとしめやかに行われるのが通例です。紙に書いたり、印刷された式次第は、通常多くの人が集まる葬儀や告別式の場で使われることになります。

 

葬儀や告別式というのは、遠方からやってくる参列者や、故人とそれほど親しくなかった人たちも集まります。ですから、葬儀の進行が分かっていないとどうしたら良いのか戸惑ってしまうことになります。そうならないように、司会進行をする人物が式次第を読み上げていくというのが通例になっています。

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お葬式の式次第は誰に渡せば良い?

通常、お通夜では式次第が参列者に渡されることはありません。式次第が渡されるのは、主に葬儀や告別式においてです。したがって、式次第を受け取るのはお葬式の参列者全員ということになります。お葬式の式次第は、受付をすませた時点で受付係の人から渡されるケースが多いです。

 

香典を遺族や受付係に渡すのも、この時です。しかし、参列者ではない人に式次第を渡すということはありません。もしも葬儀に出席できない人がいれば、郵送などで式次第を送り届ける必要はありません。お葬式の式次第というのは、あくまでも当日の葬儀の流れを示したプログラムのようなものだからです。

お葬式の式次第を作るのは誰?

お葬式の式次第を作成するのは、形式上では葬儀の喪主ということになります。しかし、現在では葬儀会社にお葬式の式次第をお任せするケースが増えてきています。ですから、実質的には葬儀会社の人が式次第を作成することになります。

 

普通、葬儀や告別式が行われるのは故人が火葬されたり埋葬されたりする以前のことになります。ですから、故人の死からお通夜、葬儀、告別式が始まるまでには時間がありません。そのため、式次第を作成する葬儀会社にはなるべく早い段階で、どんな形式での葬儀を行うのかを伝える必要があります。

式次第の書き方

では、式次第は具体的にどのような書き方をすれば良いのでしょうか。式次第は亡くなった方の宗教や宗派によって大きくことなってきます。また、式次第は薄墨で書くという習慣があるので、この点にも気を付けるようにしてください。

式次第は何で書く?

式次第はお葬式に関係する文書ですから、手書きで書く場合には薄墨で書くのが良いでしょう。薄墨には、急な出来事で墨をするのに十分な時間がなかった、涙で墨が薄れてしまった、という意味合いがあります。そのため、葬儀が終わるまでに作成する文書では薄墨を用います。

 

ですが、最近の葬儀では印刷された式次第を使用することが多いです。ですから、印刷の濃さなどを考える必要はとくにないと言って良いでしょう。お葬式の式次第は、手書きでなければ失礼に当たるといったようなものではないので、とくに心配しなくても大丈夫です。

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式次第は「一」のみで書いていく

式次第を書いていく際は一二三四…と書いていくのではなく、一番目も二番目も「一」で統一し、全て一一一一…と書いていくのが一般的です。パーティーや形式に重視されない場合は一二三四と書いていく場合もありますが、葬儀のような場では一で統一しましょう。

 

これに関して、なぜ一で統一しているの?と感じる方も多いのではないでしょうか。実は、この一は順番を表しているのではなく、ひとつという意味を持っています。ですので、数多くある次第の内のひとつであるという考え方から「一」で統一して書いていきます。

仏式葬儀の式次第の書き方

仏教には様々な宗派があります。ですから、そのお葬式のやり方もそれぞれ異なっています。そのため、式次第の書き方も宗派によって違ってくるので、その点には十分に気を付けておきましょう。

 

日本の仏教には、下に書いた以外にも本門佛立宗や立正佼成会といった宗派があります。しかし、これらの宗派は比較的最近になって出来た宗派のため、新興宗教の一種だと見なされることもあります。なお、本門佛立宗というのは法華経仏教の一派、立正佼成会は日蓮系・法華系の新宗教です。

曹洞宗の葬儀の式次第の書き方

曹洞宗は禅宗の一派で、鎌倉仏教の一つでもあります。本来は中国で信仰されていた仏教の一派で、道元という僧侶が中国にわたってその教えを学んだことで、日本にも広まりました。

 

▽葬儀式
一、剃髪の儀
一、授戒作法
一、入龕諷経
一、大夜念誦
一、挙龕念誦
一、引導法語
一、山頭念誦
一、回向文

 

▽告別式
一、親族・参列者着席 
一、導師式衆入場
一、開式の辞
一、入龕諷経
一、念誦
一、引導法語
一、弔辞拝受
一、弔電拝読
一、葬儀委員長挨拶
一、山頭念誦文
一、焼香
一、回向文
一、導師式衆退場
一、葬儀式閉式
一、導師式衆入場
一、御参列者焼香
一、導師式衆退場
一、遺族代表挨拶
一、告別式閉式

真言宗の葬儀の式次第の書き方

真言宗というのは、弘法大師空海が開いた宗派で、密教の流れをくんでいます。平安時代初期に誕生した宗派であるため、日本の仏教の中では長い歴史を持っている宗派です。

 

▽葬儀式
一、入式場
一、奏楽
一、導師入場
一、開式の辞
一、読経
一、導師諷誦
一、弔辞拝受
一、弔電奉読
一、葬儀委員長挨拶
一、読経
一、指名焼香
一、導師式衆退場
一、閉会の辞

 

▽告別式
一、導師入場
一、開式の辞
一、読経
一、告別式参列者焼香
一、喪主謝辞
一、閉会の辞

天台宗の葬儀の式次第の書き方

天台宗も日本の仏教の中では古い宗派で、平安時代初頭に生まれました。開祖は中国の唐に行って学んだ最澄で、大乗仏教の宗派の一つでもあります。

 

▽葬儀式
一、入式場
一、列讃
一、導師登盤
一、光明供修法
一、九条錫杖
一、随法回向
一、列讃
一、鎖龕・起龕
一、奠湯・奠茶
一、歎徳
一、引導・下炬文
一、弔辞拝受
一、弔電奉読
一、法施
一、念仏または光明真言
一、総回向
一、導師衆僧退場
一、出棺

 

▽告別式
一、衆僧入場
一、開式の辞
一、列讃
一、鐃鉢三匝
一、阿弥陀経
一、観音経
一、鐃鈑打流し
一、衆僧退場
一、親戚代表挨拶
一、閉会の辞

浄土真宗の葬儀の式次第の書き方

浄土真宗というのは、親鸞を開祖とする仏教の一派です。この宗派には他の宗派にはない様々な特徴があり、最も大きな特徴として信者は亡くなってすぐに仏様になる、というものがあります。

 

一、入式場
一、総礼
一、勧衆偈
一、短念仏
一、回向
一、総礼
一、三匝鈴
一、路念仏
一、三匝鈴
一、導師焼香
一、表白
一、三匝鈴
一、弔辞 
一、正信偈
一、短念仏
一、和讃
一、回向
一、総礼

真宗大谷派の葬儀の式次第の書き方

真宗大谷派というのも、浄土真宗の一宗派です。そのため、開祖は浄土真宗と同じく親鸞です。

 

一、入式場
一、導師入場
一、総礼
一、伽陀
一、勧衆偈
一、短念仏十遍
一、回向
一、総礼
一、三匝鈴
一、路念仏
一、三匝鈴
一、導師焼香・総礼
一、表白
一、三匝鈴
一、弔辞
一、正信偈
一、焼香
一、短念仏
一、和讃
一、回向
一、総礼

神葬祭の式次第の書き方

神葬祭では告別式は火葬を行った後に行われます。この点は仏式葬儀とは大きく異なる点だと言って良いでしょう。また、式の進行を務めるのも神主さんです。

 

一、入式場
一、神職入場
一、開式の辞
一、祓詞奏上
一、修祓
一、斎主一拝
一、献饌
一、斎主祭詞奏上
一、弔辞
一、弔電
一、玉串奉奠
一、斎主一拝
一、一般参列者拝礼
一、神職退下
一、遺族代表挨拶
一、一般告別式
一、撤饌
一、祭員一拝
一、神職退下
一、閉式の辞

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カトリック葬の式次第の書き方

キリスト教の中でもカトリックというのは最も古い宗派の一つにです。カトリックの式次第はミサと告別式に分かれています。

 

▽ミサ

一、入式場

一、開祭の儀

一、司祭の人堂

一、司祭献香

一、入祭のことば

一、集会祈願

一、聖書朗読

一、司祭説教

一、共同祈願

一、奉納の歌と奉納行列

一、パンを捧げる祈り

一、奉納祈願

一、叙唱前句

一、叙唱

一、感謝の賛歌

一、奉納文

一、パンの分割

一、拝領前の祈り

一、拝領祈願

 

▽告別式

一、聖歌合唱

一、故人の略歴紹介

一、告別の祈り

一、弔辞朗読

一、弔電披露

一、献花あるいは焼香

プロテスタント葬の式次第の書き方

プロテスタントというのはカトリックから分かれて生まれたキリスト教の一宗派です。主にドイツやアメリカなどの国々で信仰されていて、日本にも多くの信者がいます。プロテスタント葬の式次第はカトリックのものと比べるとやや簡略です。

 

一、入式場
一、開会の辞
一、前奏
一、黙祷
一、聖書朗読
一、讃美歌
一、聖書朗読
一、祈祷
一、賛美歌
一、葬の儀
一、祈祷
一、賛美歌
一、故人経歴
一、弔辞朗読
一、弔電朗読
一、祝祷
一、後奏
一、葬儀委員長挨拶
一、告別
一、遺族代表挨拶
一、閉会の辞

天理教葬の式次第の書き方

天理教というのは江戸時代末期に生まれた新宗教の一つで、奈良県天理市を中心に多くの信者がいます。教祖は中山みきで、天理教における神様は天理王命と呼ばれています。

 

一、入式場
一、献饌
一、しのびの詞奏上
一、玉串奉献
一、告別詞奏上
一、斎員列拝
一、玉串奉献
一、玉串奉献および列拝
一、撤饌

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無宗教葬の式次第の書き方

故人が無宗教であった場合には、葬儀会社が式次第を決めることになります。以下に掲載するのはその一例です。

 

一、入式場
一、開式の辞
一、黙祷
一、故人略歴
一、弔辞
一、故人生前の声
一、拝礼
一、葬儀委員長挨拶
一、閉式の辞
一、一同退場

それぞれの葬儀の特徴

お葬式はそれぞれの宗教や宗派の式次第にのっとっておこなわれます。しかし、それぞれの宗教や宗派でお葬式の意味合いや内容などは大きく異なっています。こちらでは、それぞれの宗教・宗派のお葬式について簡単に解説してみたいと思います。

仏式葬儀の特徴

仏教の教えでは、亡くなった人は仏様になると考えられています。しかし、原則として死後49日間はこの世に魂がとどまるとされ、その魂のことを御霊と呼びます。香典などを捧げる際には、原則として「御霊前」と書きますが、浄土真宗では死んだ人はすぐに仏様になると考えられているので、「御仏前」と書くようにしてください。

神葬祭の特徴

神道の考え方では、亡くなった方は自然に帰るものだとされています。そのため、ある人が亡くなることは「帰幽」と呼びます。香典などを捧げる際には、喪主を通して神官や神主に捧げるという考え方が元になっているため、「御玉串料」や「御榊科」、「御神饌料」などと書くことになります。

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カトリック葬の特徴

カトリックの教義では、死んだ人は天に召されると考えられているため、故人に関しては「昇天」や「召天」という言葉が使われます。また、カトリックは土葬が基本なのですが、日本では多くの地域で土葬が禁じられているため、火葬に付されることも多いです。なお、香典の表書きは「御花料」や「御ミサ料」などとします。

プロテスタント葬の特徴

プロテスタントの葬儀も本来であれば土葬が原則なのですが、前の節にご説明したように、日本では火葬に付されることが多くなっています。死者に関しては、カトリックと同じく「昇天」や「召天」という言葉を使います。遺族の方にお渡しする香典には、「御花料」や「忌慰料」などと書きます。

天理教葬の特徴

天理教というのは新興宗教の一つですが、神道の一派でもあります。天理教では、一般的に言って死者がこの世から亡くなるという概念がありません。この世での身体は神様からの借り物で、死は一時的にその体を返すだけだと考えられているためです。ですから、天理教では信者が「亡くなる」とは言わず、「出直す」という言葉が使われます。

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無宗教葬の特徴

故人が無宗教でも葬儀は行われますが、その場合は葬儀会社が決める式次第にのっとって行われると言って良いでしょう。たとえ無宗教の葬儀であっても、お坊さんに読経を頼むことはあります。なお、無宗教の場合には死者に対する考え方は一様ではありませんが、香典などには「御霊前」と書くのが一般的です。

式次第を書く時のポイントと注意点

いかがでしたか。それぞれの宗教や宗派によって、お葬式の式次第は大きく違っているというのがお分かりいただけたと思います。では、最後にお葬式の式次第を書く時の注意点やポイントについてまとめてみたいと思います。

式次第を書く時には内容を明確に

式次第は多くの人が目にするものですから、分かりやすく簡略な書き方を心がけてください。また、式の司会を執り行う人も式次第を見ながら進行していくことになります。ですから、式次の順番などを間違えないように十分に注意することが大切です。

 

最近では葬儀会社に葬儀の式次第を一任することも多いです。ですが、少なくとも喪主や司会進行をする人はどのような式次第になるのかを、葬儀会社の担当者と十分に打ち合わせをしておいたほうが良いと言えます。納骨に移るのは火葬が終わった後となるので、葬儀や告別式は故人との最後のお別れの場になります。くれぐれも故人や参列者に対して失礼のないようにしたいものです。

式次第を書く時には宗教・宗派ごとの表現を間違えないこと

お葬式の基本的な形式を挙げれば、仏式または神式、キリスト教式、天理教式などとなります。それぞれの宗教によって葬儀の流れは大きく異なります。また、宗派によっても葬儀の内容は異なったものになってくるので、その点は十分に心得ておくようにしましょう。

 

例えば、仏式葬儀の中でも、真言宗や曹洞宗、天台宗、浄土真宗など多くの宗派による流儀があります。キリスト教式葬儀も、カトリックとプロテスタントでは大きく異なります。式次第もそれにともなってかなり違ったものとなってくるので、事前に書き方をよく知らべておいたほうが良いでしょう。

式次第の書き方についてのまとめ

お葬式の式次第というのは、宗教や宗派によって大きく異なっています。式次第は葬儀の台本のようなものですから、参列者にとっても分かりやすく、間違えずに書くことが大切です。故人がどの宗教や宗派に属していたのかは、なるべく早めに確かめておいたほうが良いでしょう。