神社やお寺に奉納する絵馬の書き方とは?書き方の具体例を紹介!
公開日 : 2019/12/27
更新日 : 2022/5/20
お宮参りをするとよく見かける絵馬ですが、この絵馬には自分や他人の願い事を書くようになっています。しかし、中には絵馬に何を書いたら良いのか分からないという人もいるでしょう。この記事では、絵馬に書いても良いこと・悪いことなどを具体例とともにご紹介しています。
公開日 : 2019/12/27
更新日 : 2022/5/20
目次
そもそも絵馬ってどういうもの?
「絵馬ってどういうもの?」と聞かれた際に、とっさに正確な答えを言える人は案外少ないのではないでしょうか。絵馬とは、神社やお寺などに奉納する将棋の駒のような形をしたお札のことです。以下の項目では、絵馬の由来やその意味などについてまとめてみました。
絵馬とは?願い事が叶ったらお礼参りをするの?
絵馬というのは、神社やお寺などに願い事をする時に使う木製のお札のことです。また、何かの願い事や祈りが叶った際には、そのお礼として絵馬を奉納する、お礼参りをします。通常は、恋愛の成就・商売繁盛・無病息災といったお願い事を絵馬に書きます。
そして、絵馬掛に奉納をすることで願いが叶うとされています。通常は1人1枚の絵馬を奉納しますが、中には複数人で絵馬を書いたり、大人数で大きな絵馬を書いたものを神社やお寺に奉納したりすることもあります。
そのため絵馬は購入するのではなく、あくまでも奉納するための金額を授けるという考え方になります。絵馬の一般的な奉納における金額は500円~1,000円程度です。
絵馬の由来
絵馬の多くは将棋の駒を大きくしたような形をしており、馬の形をしているわけではありません。このお札が「絵馬」と呼ばれるようになったのには由来があります。
昔は願掛けをする際や願い事が叶った際には、神社やお寺に本物の馬を奉納していました。この馬は神馬と呼ばれており、その名前の通り神様に奉納することが目的でした。
しかし、時が経つにつれてこの風習は変化していき、平安時代の中頃には馬の形をした木が神社やお寺に納められるようになったとされています。また、室町自体には現在のような小さな絵馬が奉納されるようになりました。
絵馬の歴史
前述したように、絵馬の歴史はとても古く、およそ古墳時代中頃には、神への奉納物として神馬を納める習慣が出来たと言われています。
奈良時代に記された書物である「続日本紀」にも、神馬に関する記述があります。絵馬がだんだん現在と同じような形になってきたのは、室町時代から江戸時代にかけてのことです。
この頃になると、貴族だけでなく庶民も小さな絵馬に願い事を書いて、それをお寺や神社に奉納するようになりました。また、絵馬に馬の絵などが描かれるようになったのも、この頃のことです。
絵馬の奉納の仕方【絵馬の掛け方】
通常、絵馬には願い事を書いて絵馬掛に奉納を行います。神社やお寺に行くと、絵馬を奉納するための専門の場所が設けられていますが、これが絵馬掛です。絵馬掛の形はある程度決まっており、屋根がついているので紐のついた絵馬をかけられるようになっています。
また、絵馬そのものに関しては、神社の巫女さんなどが販売をしています。おみくじなどを販売している場所に行けば、絵馬を貰うことができます。通常は絵馬を購入した神社に奉納することになりますが、絵馬の奉納に関する細かな規定はなく、他の神社に奉納をしても大丈夫です。
絵馬にはどんなことを書けば良いか?
では、絵馬に書いて良いことや書いてはいけないことなどはあるのでしょうか。基本的には絵馬にはどんな願い事を書いても良いのですが、ある程度のマナーというものはやはりあります。こちらでは、絵馬に書いても良いことや悪いことについて簡単にまとめています。
絵馬に書いても良いこと
絵馬には基本的にどんなことを書いても大丈夫です。自分自身に関する願い事だけでなく、家族や友人・知人に対する願い事であってもかまいません。
また、願いの大きさに関してもとくに決まりはないので、世界平和などを願い事にしてみても良いでしょう。ですが、通常は家内安全・無病息災・恋愛成就といった身近な願い事を書くことが風習になっています。
あまりに大きな願い事や複数の願い事をすると、絵馬を司る神様が混乱をして、願いが叶いにくくなるとも言われています。そのため、絵馬に書く願い事は身近でシンプルなものにした方が良いでしょう。
絵馬に書いてはいけないこと
絵馬に書いてはいけないこと、というのはとくにありません。他人の不幸を呪うようなことは推奨されませんが、ライバル企業に勝てますように、といった願い事であれば大丈夫です。神様なんて信じないという人も多いですが、案外信じている人も多いのです。
あまり他人を蹴落としたり、けなしたりするような内容は書かない方が良いでしょう。例えば、受験や勉強に関する願い事であれば、〇〇に勝てますように、〇〇高校や△△大学に受かりますように、といった無難な内容に収めておくのが賢明です。
絵馬の書き方の具体例
では、実際に絵馬に文字を書く際には、どのようなことを書けば良いのでしょうか。一例としては「商売繁盛」や「家内安全」といったものがありますが、絵馬は自由な書き方をしても良いと言えます。こちらでは、絵馬の書き方の具体例をご紹介していくことにしましょう。
商売繁盛について「金運上昇」「千客万来」など
絵馬に書く内容については、具体的に書いても良いですし、シンプルな文言を書いてもOKです。シンプルな書き方をするのであれば、ビジネスの成功を願う場合には「商売繁盛」「千客万来」「金運上昇」といった書き方をします。
また、「商売繁盛をお願いします」「千客万来になりますように」といった言葉をつけ加えてもかまいません。
絵馬の願い事は具体的に叶うというよりは、運を引き寄せるというのが目的です。ですから、具体的に「〇〇万円儲かりますように」といった書き方をしても、それが実際に叶うとは限りません。できるだけ神様に分かりやすい願い事を書くようにしましょう。
良縁成就について
恋愛に関する願い事も、絵馬を書く場合には比較的多いです。こういった場合には、「良縁成就」「恋愛成就」といった書き方をします。「良いご縁がありますように」や「〇〇君との恋愛が叶いますように」といった書き方をすることもあります。
「今年は良縁がありますように」「来年の春までに恋人が出来ますように」などと、時期を指定して絵馬を書くこともできます。
本当の恋愛成就は本人次第だと言えますが、本人のモチベーションを高める意味合いでも、絵馬を書くことには意味があるでしょう。また、恋人同士が「この縁がいつまでも続きますように」といった書き方をすることもあります。
家内安全、夫婦円満について
家内安全に関することも、絵馬に書く願い事としては多い方です。絵馬に書くことを何も思いつかない場合には、とりあえず家内安全を願ってみても良いでしょう。
また、交通安全にポイントを絞って「今年は交通安全を目指す」などと書いてみるのもおすすめです。シンプルな書き方をするのであれば、「家内安全」や「交通安全」といった言葉を書くだけでも問題ありません。
絵馬に書く願い事は必ずしも文章になっていなくても良いので、こうした単語だけで絵馬に願いを込める方法もあります。実際、絵馬にはこうしたシンプルな願い事を書いたものほとんどです。
無病息災について【病気をしないように願う】
無病息災というのは、病気をしないようにという願い事のことです。自分に関する願い事でもありますが、家族の無病息災を願うこともできます。具体的には、「無病息災」「今年は病気になりませんように」といった書き方をします。
受験生などは、その年の冬に限って病気になりたくないと考えることもあるでしょう。そうした場合には、「今年の冬は風邪をひきませんように」といった書き方がおすすめです。
また、「一家全員が病気になりませんように」「〇〇の病気が快復しますように」といった家族や友人など、自分以外の人のために願い事をすることも可能です。
合格祈願について
受験生や受験準備を進めている人は、目指している学校への合格の願いを込めて、絵馬に「合格祈願」の願い事を書きましょう。そのままストレートに「合格祈願」でも良いですし、「〇〇大学に受かりますように」といった具体的な書き方でもかまいません。
合格祈願の願い事についても、本人のモチベーションを高めるという意味合いが強いため、願い事はできるだけ具体的に書きましょう。「偏差値が〇〇くらいアップしますように」といった書き方をしてみるのもおすすめです。
安産祈願について【子宝を願う】
妊娠している方や、今か今かと生まれるのを待っている家族にとって安産祈願はとても大切です。特に安産祈願の日として、妊娠5か月目の最初の戌の日が良いとされています。暦には、大安や仏滅などの六曜の他にも十二支が割り振られています。
そのため戌の日は12日に1度来るようになっています。なぜ戌の日が安産祈願に適しているかという理由は、戌は多産でありお産も軽いことから代々安産の守り神とされてきたからです。
具体的な安産祈願を願う絵馬の書き方としては、「安産祈願」と書くだけでも良いです。また、それに加えて出産予定日・父と母の名前・〇県〇市までの住所を書くとさらに良いでしょう。
絵馬の書き方のポイント
ここまでの説明で、絵馬の書き方についてどのようにすれば良いのかを分かっていただけたのではないでしょうか。ここからは、実際に絵馬を書く際のポイントと、絵馬は代理人が書いても問題ないのかについて解説します。
願い事は絵がないところに書こう
では、願い事は絵馬のどの部分に書けばいいのでしょうか?絵が描かれている方が絵馬の表側であるため、願い事は絵が描かれていない絵馬の裏側に書きましょう。この時に注意しなけばならないことは、字の丁寧さです。
絵馬は神様への授けものです。自分の願い事を叶えるための道具ではありませんので、丁寧な字と読みやすい表現、そして感謝の気持ちをしっかりを伝えるように意識しましょう。
絵馬には心を込めて書くこと【完了形で書いても良い】
神様を信じている人と信じていない人がいますが、初詣などでの願掛けは信仰心に関わらず多くの方が風習として行います。何よりも、絵馬に願い事を書くことで気持ちの整理をしたりやる気が出たりするため、絵馬にはシンプルな文言で良いので、心からの願いを書くことが大切です。
また、願いが叶った際には「願いが叶いました」「良い人と出会えました」といった完了形で書くこともできます。その際には、絵馬には願いを叶えてくれた神様へのお礼をしっかりと込めて書きましょう。
絵馬は縦書きでも横書きでもいい?
絵馬は、縦書き・横書きで書くといった明確な基準はありません。一般的に多いのは縦書きですが、心が込められている文章ならば縦書きでも横書きでも全く問題ないでしょう。丁寧に分かりやすい文章で書くように意識しましょう。
絵馬には住所や氏名、日付を書く?
絵馬は神様に対して願いを届けるということが大切です。誰が書いた願いなのかということがはっきりと分かるようにした方が良いでしょう。そのため、絵馬には住所氏名や生年月日を書くことがあります。
住所氏名や生年月日などは、必ずしも正確なものでなくてもかまいません。例えば、名前に関してはイニシャルなどでもかまいません。また、神社やお寺によっては住所氏名や生年月日を隠すシールを渡してくれるところもあります。
絵馬は代理人が書いても良い?【親御さんが子供の願い事を?】
このように、絵馬とは本人や家族・知人に関する願い事を書いて神社やお寺に奉納するものですが、代理人が絵馬を書いても良いとされています。
病気などで神社やお寺に行けないようであれば、家族に絵馬を購入してもらい、それに願い事を書いて神社やお寺に奉納してきてもらっても良いでしょう。また、親御さんが子供の健康や学業の成績アップなどを願うこともよくあることです。
こうした例も、考え方によっては代理人が願い事を書いているとも言えます。このように、絵馬とは基本的に本人が書くものですが、それには限定されないため臨機応変に対応するようにしましょう。
絵馬には何で書けば良い?
古い時代には、絵馬には筆と墨を使用して願い事を書いていましたが、現在ではマジックペンなどを使用して願い事を書くことがほとんどです。通常、絵馬を奉納する絵馬掛には屋根がついていることが多く、これは昔の馬小屋の形を模したものだとも言われています。
また、絵馬は掛けているうちに風雨にさらされてしまうため、なるべく書いた内容が消えてしまわないように、水性のペンよりは油性のペンで書いた方が良いでしょう。
絵馬は持ち帰っても大丈夫?
絵馬を購入した場合、それを自分の家に持ち帰っても良いかどうかは気になるところですよね。実は絵馬には持ち帰っても良いという考えと、持ち帰ってはいけないという考え方の両方があります。
持ち帰ってはいけないという考え方としては、神社やお寺に奉納したものだから、神様に願い事が届かなくなる、といった考えが元にあります。基本的に、絵馬は持ち帰らずに神社やお寺に奉納するものだと覚えておけば間違いないでしょう。
通常、神社やお寺では1年に1度絵馬供養というものが行われます。この際、その1年の間に掛けられた絵馬はまとめて燃やされ、供養されることになります。なお、破魔矢についている絵馬に関してはそのまま持ち帰ってしまって問題ありません。
絵馬の書き方の注意点
絵馬を書く際には、何よりもシンプルな願い事を書くということが大切です。というのも、絵馬にたくさんの願い事を書くと絵馬を見た神様が混乱してしまうと言われているからです。こちらでは、絵馬を書く際の注意点についてまとめてみました。
絵馬の値段は?
絵馬を購入する際に大切なのは、絵馬を購入するのではなく「授けていただく」という気持ちです。絵馬やお守りが置いてある場所を「授与所」といいます。
巫女さんが「お金をお納めください」というのは、あくまでも絵馬やお守りは神様の分身であるということを示しています。一般的な絵馬の値段は、500円~1,000円です。
あまり沢山の願い事を書かない
絵馬に複数の願い事を書いてはいけないという決まりごとはありません。しかし、一般的には1つの絵馬に対して願い事は1つだけ書くのが通例です。あまり多くの願いを絵馬に書きすぎると、その願いは叶いにくくなってしまうと言われています。
ただし、同じ内容の絵馬を複数の神社やお寺に奉納するといったことに関しては問題ないとされています。「家内安全」や「無病息災」など、大事な願いを神様に聞き届けてほしい場合には、複数の神社やお寺に絵馬を奉納するのもいいでしょう。
絵馬の奉納に関しては、あまり厳密なルールというのはありませんが、あまり欲張りすぎない程度に願掛けを行うようにすると良いでしょう。
絵馬を書くときにはポイントをしぼって
絵馬に書く願い事としては、「家内安全」や「合格祈願」といった抽象的な内容のものも多いです。「商売繁盛」「恋愛成就」といった願い事も、そうした抽象的な願い事のうちに入るでしょう。ですが、具体的な願い事がある時には、ポイントを絞って書き方が大事です。
一例として、「〇〇大学に受かりますように」「〇〇君との恋愛がうまくいきますように」などがあります。その内容が神様に伝わらなければ、願い事を掛ける意味がないため、絵馬を書く際にはできるだけ分かりやすい内容の願い事を書くようにしましょう。
絵馬は外されてしまうの?
毎年、神社には多くの人が絵馬を奉納します。では、どんどん増えていく古くなった絵馬はいつ外されているのでしょうか?一般的に神社では、年に1度どんど焼きの行事でお焚きあげが行われます。
どんど焼きとは、お正月にお迎えした神様が天へ帰られる際に、しめ縄などと一緒に燃やしお送りする風習です。ここで、古くなった絵馬も、お守りやお札などといっしょにお焚きあげがされることになります。
絵馬は他人の絵馬にぶらさげてはいけない?
これも絵馬を奉納するときのマナーですが、一般的に他人の絵馬に自分の絵馬をぶら下げてはいけないとされています。これは、元から掛けられていた絵馬が落ちやすくなってしまうという理由とともに、その絵馬の内容が表から見えにくくなってしまうから、という理由があります。
絵馬は表側と裏側、どちらを表に出してかけるのか分からないという人も多いのですが、通常は願い事を書いた裏側を表にして絵馬掛にかけます。
ですから、他人の書いた絵馬の内容が神様にとって見えにくくなるのは、とても都合が悪いわけです。絵馬をかける時には、こうしたマナーを守ってかけるようにしてください。
絵馬の書き方についてのまとめ
絵馬にはどんな願い事を書いても良いのですが、ポイントを絞った願い事を書くようにすると良いでしょう。また、絵馬は代理人が書いても良いと認められています。絵馬に書く願い事は人それぞれであるため、ぜひ自分らしい願い事を絵馬に書くようにしてみてください。
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