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献杯の挨拶とは?タイミングや立場別の挨拶の内容などを解説

葬儀や法事では、献杯というものが行われます。しかし、献杯のことを知らない方も多いではないでしょうか。また、挨拶についてやり方が分からない方もいるかもしれません。そこで今回は、献杯の挨拶についてタイミングや立場での話す内容などを解説いたします。

公開日 : 2021/3/23

更新日 : 2021/3/23

目次

献杯の挨拶について

“献杯”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。乾杯は知っていても“献杯”とは何かわからない方もいると考えられます。そこで今回は、献杯の意味や挨拶について様々に解説していきます。葬儀などに参列する際にはとても大事なことです。

 

いつか、あなたが献杯の挨拶をすることがあるかもしれません。葬儀あるいは法事に参列する際の、参考にしてみてください。

献杯や挨拶とは?

献杯とは、盃を捧げて故人に対する敬う気持ちを示すことです。葬儀あるいは法事の後に食事の席が設けられた場合に、喪主の挨拶などが済んだ後で、会食が始まる際の掛け声として用いられる言葉となっています。

 

献杯では、日本酒が用いられ盃に注がれているのが通常です。この献杯の挨拶では、挨拶をすることになった方が、一言挨拶をしてから『献杯』と発声をして盃を捧げるのです。

献杯は慣習

献杯というのは、宗教などで決まっているものなのだろうかと思う方もいるかもしれません。献杯は宗教あるいは宗派により定めがあるものではなく、慣習として行われています。また、葬儀もしくは法事の食事の席でも、献杯が必ずあるわけではないのです。

 

キリスト教であれば一般的に献杯を行いませんし、仏教であっても浄土真宗では献杯を行っていないことも知っておいてください。

献杯の挨拶は誰が行うの?

献杯という言葉は聞いたことがあっても、献杯は一体誰がするのだろうと疑問に思う方もいるでしょう。献杯の挨拶も喪主が行うのでしょうか。続いては、献杯を行う人について解説いたします。

 

献杯の挨拶は、いつ行うことになるか分からないものです。もしあなたが献杯の挨拶をすることがあるかもしれません。どういった立場の方が献杯で挨拶をするのか、知っておくことが大事です。

献杯の挨拶は喪主とは限らない

献杯の挨拶をするのは、喪主とは限りません。多くのケースで、喪主ではなく他の方が挨拶を行います。葬儀や法事で食事の前に喪主が挨拶をすることはありますが、献杯の挨拶はその後で行われるのです。

 

親族側で、挨拶を頼みたいという方が決めたなら、その方に前もってそのご本人に依頼をすることが基本となっています。事情も色々とあり、献杯の挨拶を急遽依頼されることもあると考えられます。

 

事前に依頼される方としては、喪主が挨拶をするのでなければ、順番に遺族や故人と親しかった方となる可能性が高いです。依頼されるかもしれませんので、事前に挨拶での注意点を把握しておくことも必要です。

挨拶の決まりはあるのか

献杯の挨拶は「誰がするべきだという決まりがあるのだろうか」と疑問に思っている方もいるかもしれません。葬儀や法事を催す側の誰かがするのか、それともそれ以外でも挨拶をするケースがあるのか気になることもあると考えられます。続いては、献杯の挨拶は誰がするべきなのかという、決まりがあるのかという点について説明いたします。

具体的に決まりはない

献杯では、誰が挨拶をするのかという点において『こうしなければいけない』という決まりはありません。葬儀の後での精進落としや忌中払い、あるいは法事での食事は、遺族を主に行われます。

 

よって、遺族か親族の中の誰かが献杯の挨拶を行うことになると考えられます。喪主や遺族がが献杯で挨拶をすることもあれば、しないケースもあるのです。

お招きした方にお願いすることがある

法事などで、遺族や親族以外の故人の友人あるいは地域の方などをお招きすることもあります。その場合には、こうした方々に献杯の挨拶をご依頼することがあります。通常は、本家筋の方もしくは故人の兄弟等の親族の中でも年長者の方に親族を代表してもらうのです。

 

その他には、菩提寺の住職が献杯の挨拶を行う地域もあります。地域ごとの慣習もあることから、誰に挨拶を依頼するかを決める前に、葬儀社か寺院に挨拶のしきたりなどについて確認しておくことが大事です。

献杯の挨拶をするタイミング

献杯の挨拶は、葬儀あるいは法事で行うという点は分かっていても、どういった場面で行われるのか分からないという方もいるかもしれません。続いては、献杯の挨拶が行われるタイミングについてご説明いたします。

 

葬儀などに参列する際のために、覚えておくことが大事です。また、いつか挨拶をすることになるかもしれませんし、参考にしてみてください。

葬儀の精進落としをしてから

献杯というのは、葬儀の精進落としの後に行われるのが基本です。故人が火葬をされて、親族の元へと戻ってきた時に、食事をするという過程になっています。この過程は、現代における葬儀のスタイルに合わせたものです。

 

以前であれば、大体の家庭において四十九日を迎えるまで通常の食事をしないというスタイルでした。よって肉あるいは魚といったものは四十九日を迎えるまで食べないということが当然のように行われてきたのです。

 

それでも、時代が変化するにつれて精進落としのあるべき姿も、変わってきたということです。葬儀も、時代と共に変化していっている点も覚えておくことがポイントです。

法事のお斎(おとき)の時

献杯は、葬儀で行われるだけでなく法事でのお斎(とき)でも行われます。お斎というのは、法事の後に僧侶らと共に食事をするということです。とはいえ、法事であれば百箇日や一周忌、三十三回忌など葬儀とは異なり種類が多くあります。

 

法事の中のどれか1つで献杯をすれば良いというものではないことを、覚えておいてください。法事を執り行うごとに食事の席を設けて、献杯を行うことが望ましいのです。故人に対して敬意を払うためにも、お斎の席では献杯を必ず行うようにすることが大切です。

献杯の挨拶は参列者全員が着席してから

献杯の挨拶は、参列者の方々が皆席に着いてから行うことが大事です。まだ着席していない方がいるのに挨拶をしてはいけません。献杯の挨拶に移る前には、喪主が挨拶なども行っていると考えられます。

 

よって、空席があるということはないかもしれませんが、挨拶をする際には十分に気を付ける必要があります。誰も欠けることなく、献杯をすることがポイントです。

献杯の挨拶の内容

献杯の挨拶では、どういった内容を話せば良いのだろうかと悩む方もいるかもしれません。内容は重要なものですし、マナーに沿った内容にしたいものです。ここでは、献杯の挨拶での話す内容について立場別などにご紹介いたします。

 

献杯の挨拶は、自身がどういった立場ですることになるか分かりません。話す内容に困ってしまうという方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

喪主が献杯をするケース

喪主が、献杯も行う場合があります。喪主が行う場合には、まず葬儀(もしくは法要)への参列に対しての感謝の言葉と、故人も喜んでいるであろうという点について話します。そして、会食の場では懐かしい話などをして、故人を偲んでいただきたいという旨を話しましょう。

 

上記の内容を話したら、『それでは、献杯のご唱和をお願いいたします』を言ってから、皆さんが盃を捧げたことを確認し「献杯」と言います。その後に、「ありがとうございます」と言って締めます。

故人の友人が挨拶をするケース

故人の友人が献杯の挨拶を依頼されるケースもあります。その際には、まず冒頭で「ご紹介いただきました〇〇と申します」と名乗ってから始めてください。そして、故人との出会いや関係性、故人への想いを一言話すことも一案です。

 

また遺族を労わる言葉もかけながら、「故人を偲びまして、献杯をさせていただきたいと思います」と言います。その後は、喪主と同じく「献杯」と言って「ありがとうございます」の言葉で締めます。

会社の上司が挨拶をするケース

故人が勤めていた場合には、故人の上司に献杯の挨拶が依頼されることがあります。その場合には、最初に勤務先と名前を名乗ることがポイントです。それから職場においての関係性や故人の職場での様子を軽く紹介します。

 

その後に、故人への想いやご冥福をお祈りするという気持ちを話して、「献杯をいたします」と告げてから献杯をします。

献杯の挨拶で言ってはいけない言葉とは?

あらゆる場面において、避けるべき言葉というものがあります。それは献杯の挨拶も同様であり、献杯の挨拶をする際にも言ってはいけない言葉があるのです。しかし、どういった言葉を言ってはいけないのだろうかと思われる方もいるかもしれません。

 

ここでは、献杯の挨拶で避けるべき言葉についてお伝えいたします。もし挨拶をすることになったとして、その時に失敗をしないためにも覚えておくことが大事です。

重ね言葉

献杯の挨拶で言ってはいけない言葉は、まず重ね言葉が挙げられます。重ね言葉は『忌み言葉』ともされていて、献杯の挨拶では避けるべきとされているのです。不幸が重なると考えられるためです。

 

よって、『重ね重ね』あるいは『次々』などの言葉は挨拶で用いないようにします。さらに『再び』などの言葉も、繰り返しを連想されることから避けることが無難です。

生死を表現するストレートな言葉

献杯の挨拶では、生死を直接的に表現する言葉も避けるようにします。『死ぬ』や『死んだ』『生きる』などという言葉は、遺族に対して配慮に欠けると見なされてしまうでしょう。こうした場合には、言葉を他のものに言い換える方法があります。

 

例えば、『ご逝去』や『生前』などと言い換えてみると、葬儀や法事での献杯の挨拶における言葉として相応しいものとなります。

宗教上での違い

日本には多様な宗教や宗派があります。献杯の挨拶では、挨拶を行う葬儀(もしくは法事)がどの宗教や宗派であるのかという点に、配慮をしなくてはいけません。例えば『冥福』や『供養』といった言葉は仏教のものです。

 

よって、仏教の葬儀などでは相応しいと考えられます。また、神式やキリスト式においては『御霊(みたま)安らかに』という表現をすることが可能です。さらにキリスト教では死去したことを『天に召される』と表現するのが特徴でもあります。

 

献杯の挨拶をすることになった場合だけでなく、葬儀や法事に参列する際にも宗教や宗派について確認をしておくことが必要です。

献杯の挨拶での注意点

献杯の挨拶での避ける言葉についてお伝えいたしましたが、注意すべき点はそれだけではありません。献杯の挨拶をするにあたり、注意をする必要があるポイントが覚えておいてください。

 

注意点を知らずに挨拶の場に立ってしまうと、失敗をしてしまうことがないとは言い切れないのです。しっかりと挨拶をやり遂げるためにも、注意点を覚えておくようにしましょう。

話が長くならないようにする

献杯の挨拶は、できるだけ短くするようにします。故人を想うあまりに話が長くなってしまいがちですが、挨拶が長くなりすぎるのもいけません。周囲も『まだなのだろうか』と感じてしまう可能性もあります。

 

よって、献杯の挨拶は手短に済ませるようにして、1分程度を目安にしてください。話したいことが色々とあるなら、会食の際中に参列者の方々と話す機会はあるものです。

乾杯とどう違うのかを把握しておく

乾杯の場合は、良く知っているかもしれません。乾杯では皆で明るく唱和をすることや、グラスを合わせるなどを行うものです。そして、飲み干したら拍手が起こることもあります。しかし献杯の場合はしきたりが異なります。

 

乾杯とは異なり、献杯では洋酒ではなく日本酒が盃に注がれることが多い(ビールの場合もある)です。また唱和をするとしても静かに行い、拍手も行われません。

献杯の挨拶で参列者も注意すべき点

献杯の挨拶においての、挨拶をする人の注意点をご説明いたしましたが、参列者が注意すべき点がないというわけではないのです。挨拶をする人だけでなく、参列者の皆が気を付ける点もあります。

 

ここでは、葬儀や法事に参列した方々の、献杯の挨拶での注意すべき点について解説いたします。参列者側にも気を付けるべき点があることを、知っておいてください。

献杯での作法

献杯の挨拶において、参列者の方々は献杯の際と同様に盃を差し出しますが、乾杯のようにグラスを打ち付けることは避けます。挨拶が終わり『献杯』との発生があったなら、低めの声で「献杯」と唱和して盃を差し出してからお酒を飲むのです。

 

また、乾杯の場合は拍手が起きるものですが、献杯では拍手をしてはいけません。もし拍手をしてしまったなら、周囲からひんしゅくを買いかねないでしょう。

終わるまで料理に手を付けてはいけない

参列者の方々が献杯の挨拶で注意すべきマナーは、もう1つあります。それは、献杯が終わるまで料理に手を付けてはいけないという点です。『献杯』との発声があるまでは、料理を食べたりせずに待つのがマナーとなっています。

 

この点も、乾杯とは異なるため十分に注意をしてください。もしこのマナーを知らずに参列して献杯の前に料理を食べてしまうと、非常識と思われてしまいかねません。

献杯の挨拶は喪主以外が行うことがある

献杯とは、故人を敬う心を示すものであり、葬儀や法事の際の会食の場で行われます。喪主がそのまま献杯の挨拶も行うことがありますが、故人と親しかった方など他の方に依頼をすることもあるのが特徴です。献杯の挨拶ではマナーもありますので、非常識とならないように挨拶をする側も参列者もしっかりと守ることが大切です。