家族葬での挨拶はどうする?タイミングや内容そしてマナーも解説
公開日 : 2021/3/20
更新日 : 2021/3/20
こじんまりとした家族葬を執り行うこともあるかもしれません。その際には、どういった挨拶を行えば良いのか分からないということもあるでしょう。そこで今回は、家族葬での挨拶について、タイミングや話す内容そして挨拶でのマナーについても解説いたします。
公開日 : 2021/3/20
更新日 : 2021/3/20
目次
家族葬でも喪主挨拶は必要?
ごく近しい親族のみが参加する家族葬の場合は、取り立てて挨拶をする必要はあるのだろうかと考える方もいるかもしれません。コンパクトな家族葬であれば、何も挨拶をわざわざしなくても良いのではないかという考えを持つ方もいると考えられます。
では、家族葬に喪主の挨拶は必要なのでしょうか。まずは家族葬においての喪主挨拶の必要性について解説いたします。
近親者のみなら必要ない
近親者のみが参列する家族葬であっても、状況次第では挨拶をしなくてはいけません。家族葬といっても、どこまでの範囲の親族が参列するのかという点は、家族葬により変わってきます。本当にごく少人数の2〜3人で行う家族葬もあるでしょう。
しかし、家族に加えて親族も参加して数十人規模となる場合もあります。家族などの近しい血縁者のみが参列するのみの家族葬であれば、挨拶は不要というのが基本です。よって、喪主が挨拶を行うということは珍しいケースです。
近親者以外も参列するなら挨拶は必要
家族だけでなく親族も参列する家族葬なら、一般的に家族葬であっても喪主の挨拶が行われます。挨拶をする必要があるのかどうかは、状況により変わります。また、地域におけるしきたりの違いもあるので、家族葬でも挨拶をするのかどうかは、葬儀社のスタッフに相談してから決定をすることが賢明です。
家族葬で挨拶をするタイミングとは?
喪主の方で、家族葬で挨拶をしようと思ってもいつすれば良いのか分からないということもあるでしょう。挨拶は、いつしても良いというわけではないのです。続いては、家族葬での挨拶のタイミングについてご説明いたします。
いつか、家族葬で挨拶を行うことになる時のために、挨拶をするタイミングを今から把握しておくようにしてください。
通夜で挨拶を行う
葬儀の前の晩に通夜が行われますが、その通夜の場がまず最初に挨拶をするタイミングです。喪主は、通夜式の開式および閉式において、会葬していただいた方々に対して御礼の挨拶を行います。この場で最初に挨拶をする必要があるので、その心積りで準備をしておくことも必要でしょう。
通夜振る舞いで挨拶を行う
通夜振る舞いの食事の際にも、挨拶をする必要があります。主として挨拶を行うのが着座での食事の際のみであり、立食形式であれば挨拶を行うことはあまりありません。また、通夜そのもので開式や閉式の際に挨拶をしているケースもあります。その際には、一般的には改めて通夜振る舞いで挨拶をありませんので、この点も覚えておきましょう。
告別式や出棺時に挨拶を行う
通夜の翌日に執り行われる告別式(葬儀)が終了して、出棺をする前にも会葬御礼の挨拶を行います。この告別式での挨拶は、喪主が行う挨拶でも特にイメージがしやすいかもしれません。挨拶は、棺を霊きゅう車に乗せる前に式場内において行われることもあります。
式場を出てから、外において霊きゅう車に棺を乗せてから挨拶をするケースもあります。2つのパターンがあることを覚えておくことが大事です。
精進落としで挨拶を行う
火葬後の、精進落とし(忌中払い)においても食事の前に挨拶をします。通夜および葬儀の2日間にわたり参列していただいたことに対しての、御礼を述べます。ここまで4つのタイミングについてご紹介いたしました。
ただ、どの家族葬でもここに挙げたタイミングで挨拶が行われるとは限りません。そして、地域性や葬儀の進行方法によっては、異なるタイミングで挨拶を行うケースもありますので、覚えておいてください。
挨拶での内容について
家族葬で挨拶をすることになっても、一体どういったことを話せば良いのか分からないという方もいるかもしれません。挨拶をする立場になってから、急遽内容を考えようと思ってもなかなか言葉が思い付かないこともあると考えられます。
続いては、家族葬での挨拶の内容について解説いたします。いざという時のために、把握しておくようにしてください。
挨拶で述べる基本的な内容
家族葬で挨拶をする際には、まず自身の名前や故人とどういった関係性なのかを述べます。次に参列いただいたことへの御礼と、故人が生前にお世話になったことへの御礼を述べましょう。また、故人にまつわる生前のエピソードや人柄を語ることも一案です。
この際には、良い思い出を選び披露することがポイントです。そして、今後も故人と変わらないお付き合いをお願いする旨を伝えるようにします。さらに、葬儀後のことについても参列者にお伝えするのがポイントです。
食事をする際の挨拶
通夜振る舞いや精進落としで挨拶を行う場合もあります。その際には、上記の様な内容の他にも「お食事をお召し上がりください」などと、案内をすることも必要です。また、故人のための家族葬ですし、故人についての生前のエピソードを挨拶に盛り込むことも大事です。
簡単でも問題ありませんし、事前に挨拶で語れるような故人の思い出などを整理しておくことも忘れてはいけません。
家族葬で挨拶を行う際のポイントとは?
家族葬での挨拶は、話したいことをとにかく話せば良いというものでもありません。気を付けるべきポイントを把握して、その通りに沿って挨拶をすることが求められるのです。続いては、家族葬で挨拶をする際のポイントを解説いたします。
家族葬で挨拶をすることになった時のために、しっかりとポイントを押さえておくことが大事です。
簡潔で手短な内容を心掛ける
家族葬で挨拶をするなら、簡潔に話すことも大事です。長々と取り留めのないことを話すのは望ましくありません。他の式次第もありますし、その時間配分があるため挨拶は簡潔にすることが求められます。
挨拶の時間は2分から3分程度にするようにして、もし長くなったとしても5分以内に納めることが大事なのです。食事の開始前の挨拶では特に、あまりにも話が長くなってしまうと料理の味にも影響が出てしまいかねないので、手短に済ませることが無難です。
大きくはっきりとした声で挨拶を行う
家族葬での挨拶においては、大きくはっきりとした声を心掛けることも大事です。人前で話すことに慣れていない方や、あがり症という方もいるでしょう。しかし挨拶をするのであれば、参列者の皆様に聞こえるようなはっきりした声で話さなければいけません。
それは、声が小さいと高齢者の方などは聞き取りにくい可能性があるからです。もしマイクが用意されているなら、マイクに口を近付けて皆様に聞こえるようにします。
原稿を持ちながら挨拶をすることは大丈夫?
挨拶の際には、原稿を持ちながら話しても問題はありません。その時の気持ちをそのまま話そうと思っても上手くいかないこともあるでしょう。挨拶の文を暗記しようとする喪主の方もいますが、内容を覚えておかなければいけないというわけではありません。
喪主は、家族を亡くし葬儀を不慣れながらも取り仕切らなければいけない中で、挨拶を完璧に行おうとしてもなかなか上手くいかないこともあります。原稿を持ち、挨拶を行うことも失礼ではありません。上手く話す必要はなく、参列者の方々への感謝、故人に対する想いを伝えることが大事です。
家族葬の挨拶でのNGな言葉とは?
家族葬に限りませんが、葬儀の挨拶で言ってはいけない言葉や内容というものもあるため、注意をしなければいけません。もし言ってはいけないことを言ってしまい、参列者の方を不快にさせてしまうことや、故人にとって失礼になってしまうこともあるでしょう。
次に、挨拶でのタブーな内容について解説していきます。十分に注意をして、挨拶の内容を考えるようにしてください。
常識として言ってはいけないこと
家族葬の挨拶では、常識的に言ってはいけない事項や聞いてはいけない事柄があります。例えば、故人を冒とくするようなことは間違っても言ってはいけませんし、死因を聞くこともNGです。
また、家族側の挨拶で多少は故人のマイナス点を挨拶の中に盛り込むこともあると考えられます。しかし、参列者の立場であれば故人のマイナスとなる面については言ってはいけないので、注意をしてください。
重ね言葉
家族葬では、『重ね言葉』を用いてはいけません。『ますます』や『たびたび』などという重ね言葉は、使用してはいけないのです。また、こうした重ね言葉は言ってしまいやすい面があります。
『たびたび足を運んでくださいまして』など、意識せずに言ってしまうことが多いものです。もし言ってしまったとしても“常識を知らない”と思われてしまうほどではないものの、十分に注意をする必要があります。
宗教でもタブーな言葉がある
日本国内には、色々な宗教や宗派があります。それぞれの宗教や宗派により、しきたりなども異なるものです。よって、宗教上においてタブーとされている言葉もあります。続いては、宗教上でタブーとなっている言葉をお伝えいたします。
あなたの信仰する宗教があるなら、当てはまるかどうかを確認してみてください。そして、しっかりと注意をすることが大事です。
各宗教でNGな言葉
日本においては、仏教の家庭が多いと考えられますが、仏教の葬儀においては『天国』という言葉は使われないことを知っておきましょう。また参列する側で神式かキリスト教の場合は、『ご冥福をお祈り申し上げます』という言葉は使われません。
また、キリスト教では『お悔やみ申し上げます』とも言わないため注意をする必要があります。各宗教により、控えるべき言葉があることを覚えておくことが大事です。
宗派により死生観が変わってくる
仏教の中にも宗派がありますが、それらの宗派によって死生観が違うことから、そこまで気を使い過ぎる必要もありません。家族葬での家族(喪主)の挨拶においても、仏教の場合で『天国に行く』と表現をした事例もあるからです。神経質になり過ぎる必要はないものの、控えるべきである言葉が存在する点を覚えておきましょう。
生死に関する直接的な言葉
家族葬などの葬儀の場では、“死”や“生”に直接表すような言葉は避けるべきであるとされています。例えば、『死んだ時』や『生きている時』などといった言葉です。もし表現をするなら、『生前』という言葉を使うのが無難です。
これは、親族などの側であっても、参列者として出席した場合でも同様となります。家族葬に参列される時のために、覚えておいてください。
参列者の家族葬での挨拶
家族葬に招かれ、参列する機会もあるかもしれません。家族葬に参列をするということは、ある程度故人や遺族と近しい間柄にあることが考えられます。家族葬に参列した場合には、まず受付などで遺族や家族と話すことになるものです。
その際の挨拶のポイントや、盛り込む内容についても知っておくことが大事です。家族葬に参列するとなった時に、失敗しないようにしましょう。
参列者として挨拶をする際のポイント
参列者として家族葬に出席する場合には、なるべく短くするという点が鉄則です。とはいえ、家族側から故人の思い出話をしたい等の理由で引き留められることがあるかもしれません。そうした時には、家族としてもあなたと故人の話がしたいと思っていることが考えられます。
よって、時間として可能な限りお話に付き合うことも大切です。家族の希望に沿うようにしてください。
挨拶に盛り込む内容の例
家族葬において、通夜振る舞いなどに呼ばれる可能性もあります。その際には、挨拶として声をかけてくれたことへのお礼を述べるようにします。そして、故人への弔意と故人の思い出話を盛り込むことも必要です。
またそれだけでなく、遺族に対して『お体を大事になさってください』などの、労りの言葉をかけることも忘れないようにします。また、家族葬ということで故人と親しかった人などは弔辞を依頼される可能性もないとは言い切れません。
その際には、故人との思い出話を主として挨拶をするようにします。いざという時のために、故人とどの様な良い思い出があったのかなどを、思い出しておく必要もあります。
家族葬の挨拶状について
家族葬というのは、遺された家族が声をかけた人だけを招いて行う葬儀スタイルです。よって、声を掛けられなかった人は参列をすることはできませんし、家族から故人が亡くなった旨の挨拶状が届くことになります。
ここでは、家族葬に関する挨拶状を送る対象となる人や内容について解説いたします。挨拶状を出す際の参考にしていただければ幸いです。
挨拶状の対象とは
家族葬の挨拶状での対象となるのは、基本として“家族葬に呼ぶほどの間柄ではないものの、親しくしてくれた方”です。例えば、何年も会ってはいなくても、年賀状のやり取りはしている方や職場の方、もしくは遠い親戚の方が該当します。明確な判断基準というのはありませんが、出せば良いか迷った場合は挨拶状を出すようにしましょう。
挨拶状はいつまでに出すのか
挨拶状をいつ出すべきか迷うこともあるかもしれません。挨拶状は、四十九日を目安に送るのがポイントです。亡くなった直後に送るのではないのです。また、もし10月などに亡くなった場合には、喪中はがきとして出すこともあります。家族葬の挨拶状は、いつ出しても良いというわけではありません。タイミングを見極めて送るようにします。
挨拶状の内容
家族葬の挨拶状では、故人の名前といつ何歳で亡くなったのかを記載します。この際には、喪主と故人の関係性が分かるように『父〇〇』などと表記するのがベストです。そして、葬儀については故人の希望により家族葬にした旨を記します。
また、故人の生前に良くしてくれたことへのお礼や、連絡が遅くなってしまったことへのお詫びも忘れてはいけません。さらに、喪主の住所など連絡先も書くようにします。
家族葬でも挨拶は大事
家族葬は、通常の葬儀に比べてコンパクトな規模です。しかし、だからといって挨拶をしなくても良いというわけではありません。家族葬であっても、喪主などが挨拶をする場面があることを知っておきましょう。
また、参列者として家族葬に出席をする場合にも、遺族への挨拶をする際のマナーを忘れないようにする必要があります。失礼のない様に挨拶をすることが大事です。
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