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玉串料に関するのし袋の慶事・弔事それぞれの書き方を詳しく解説

玉串料とは神式の祈祷の際、神様へお供えするものであり、神社への謝礼という意味も有します。この玉串料の書き方には作法があり、慶事・弔事それぞれ違いがあります。作法を間違えるとマナー違反となります。今回は慶事・弔事に関する玉串料ののし袋について解説します。

公開日 : 2021/2/27

更新日 : 2021/2/27

目次

玉串料の慶事・弔事それぞれの書き方について

神道の玉串料(たまぐしりょう)はお宮参り・七五三のようなお祝い事、そして葬儀のような個人を弔う場でも必要です。とはいえ、慶事・弔事では玉串料を捧げる作法が違います。こちらでは、まず玉串料とは何か、神道における慶事・弔事等について解説します。

そもそも玉串料とは

玉串とは神道で神聖とされる榊(さかき)の枝に、紙垂(しで)を付けたものです。こちらは神事を執り行う際、神様へ捧げるものです。そして玉串料は、この玉串の代わりとなるお金を指します。

 

この玉串料は、神社で行う結婚式をはじめ地鎮祭、七五三、お宮参り、厄払い等の慶事に該当する儀式、葬儀・霊祭のような弔事に該当する儀式に必要です。玉串料は神式の祈祷の際、神様へお供えするものであり、神社への謝礼という意味も有します。

神前式・お宮参り・七五三・地鎮祭・厄払いは慶事

神道で慶事にあたる行事は、主に次の通りです。いずれの場合も玉串料は必要です。

 

  • 結婚式(神前式):神社や神殿で行なわれる、日本の伝統・心を大切にした結婚式。三三九度の儀(三献の儀)や、玉串拝礼などの儀式がある。
  • お宮参り:生まれたばかりの赤ちゃんを土地の氏神様に参拝させ、新しい氏子として祝福をうけるという儀式。男の子は生後31日目、女の子は生後33日目に行うのが原則。
  • 七五三:7歳、5歳、3歳の子どもの成長を祝う日本の年中行事。
  • 地鎮祭:神様を敬い、工事の無事を祈る儀式。その他に土祭り・地祭り・地祝いとも呼ばれる。
  • 厄払い:災厄を神様に祈ることで取り払ってもらい、吉に転ずる儀式。

 

なお七五三は、神社だけで執り行われる儀式ではなく、お寺でも行われます。とはいえ、そもそも七五三は氏神様に子供の成長を感謝し、加護を祈ることにあり、神社に行く方が正しいとも言えます。

 

しかし、子供の成長や健康を祈るのが神様であっても、仏様であっても、どちらが正解と決めていないのが七五三の儀式です。ご家族の都合の良い方にお参りして構いません。参拝先を迷っているなら、一度ご家族で相談してみてはいかがでしょうか。

葬儀や霊祭は弔事

神道で弔事にあたる行事は、主に次の通りです。こちらの場合も玉串料は必要です。

 

  • 神葬祭:神道の葬儀。故人を子孫の家に留め、守護神になってもらうための儀式。仏教でいう故人の極楽往生または地獄という考え方とは異なる。
  • 霊祭:仏教でいえば「法要」に当たる儀式。葬儀の翌日に行われるのが翌日祭。その後に五十日祭、百日祭、一年祭等があり、神官を招いて執り行われる。

 

なお、神道での人の「死」は仏教と考え方が異なります。神道の場合、故人は氏神となり家を守ってくれるという考え方が前提です。故人は、極楽または地獄へ向かうわけでは無く、今度はずっと子孫を見守ることになると解釈しています。神道では「家」が土台となった死生観をとります。

 

一方、仏教の場合は「輪廻転生」という考え方があり、生まれ変わりを信じています。

 

そのため、神道では故人の肉体は消滅しても、子孫のそばへこれからも存在し続けることになるのです。この神道の解釈をとれば、人の死とは仏教ほど悲しむべきものでないことがおわかりになるはずです。

玉串料の書き方や用意する物は慶事・弔事で異なる

玉串料を神職に渡す場合、現金のままで渡すのはマナー違反です。神様への捧げ物としての役割もある以上、古来から伝わる作法を守る必要があります。

 

玉串料は「のし袋」に入れ、慶事・弔事のケースごとに守らなければいけない作法があります。この作法を守らないと、神職側に不快感を持たれ場の雰囲気も壊れてしまうことでしょう。

 

次章以降では慶事・弔事に分け、玉串料の「のし袋」の書き方、用意するのし袋、のし袋への正しいお金の入れ方等を解説していきます。

玉串料の慶事の際の書き方・お金を入れるのし袋について

新しい人生の門出を祝う神前式、子が健やかに育つよう祈るお宮参りや七五三、建築や工事の際の安全を祈願する地鎮祭、災厄を基地に転じるよう願う厄払い、いずれの行事も神職の祈祷がメインです。

 

神様への感謝と、祈祷をしていただいた神職へのお礼を、きちんと作法に則り行う必要があります。こちらでは慶事に関するのし袋の書き方、お金を入れる袋の種類、金額相場について解説します。

玉串料の慶事の際の書き方

お祝い事とはいえ、作法はしっかり守る必要があります。こちらでは、慶事に関するのし袋の表書きや、その他の書き方について説明します。

のし袋の慶事の書き方は玉串料の他にもいろいろある

神社で行う様々な神事・祈祷全般に、のし袋の表書きには「玉串料」を使用できます。もちろん慶事だけではなく、弔辞でも失礼には当たりません。事前に慶事の儀式で榊を使うと知っている場合、玉串料と書いた方が正確です。

 

一方で「初穂料」という書き方もあります。交通安全祈願、七五三、お宮参り、厄払い等すべての慶事の儀式に使えます。なお、社務所で販売されているお守り・お札等の支払い時、のし袋へ初穂料と書いて神職にお渡ししましょう。こちらの場合に玉串料は使いません。

 

水引の結ばれている袋が表書きなので、水引の上半分に玉串料または初穂料と書きましょう。そして水引の下半分にご自分の氏名を書きます。なお、毛筆または筆ペンで記入することがマナーです。

中書きには金額・住所・氏名を書く

のし袋の他に中書きも準備します。中書きは無地の白い封筒を使用しましょう。表面に金額を漢字で書きます。なお、漢字は旧字体で書きます。例えば1万円の場合は「金壱萬圓也」、2万円の場合は「金壱萬圓也」、3万円の場合は「金参萬圓也」と記入します。

 

そして裏面の左下に住所・氏名を書きます。なお、中書きをする際も毛筆または筆ペンで記入することがマナーです。

慶事の際に玉串料を入れる袋等はどうする?

のし袋は紅白の物を使います。のし袋(ご祝儀袋)はホームセンターや文房具店で販売されています。いろいろな種類が揃っているので、のし袋にこだわりたい方々はこちらで購入しましょう。また、時間が無いとき、手っ取り早く購入したいときは100円ショップやコンビニエンスストアでも売っています。

 

最近ではネット通販でも購入できます。こちらも多種多様なのし袋が選べます。ただし、ご自宅に届くまで時間がかかったり、送料がかかったりする点は注意しましょう。

玉串料の慶事の際の金額相場

慶事の玉串料(初穂料)の相場は次の通りです。

 

  • 結婚式(神前式):100,000円〜
  • お宮参り:5,000円〜10,000円
  • 七五三:5,000円〜10,000円
  • 地鎮祭:20,000円〜50,000円
  • 厄払い:5,000円〜10,000円
  • 安産祈願:5,000円〜10,000円

 

なお、結婚式(神前式)が最も高額です。しかし、10万円を払えば結婚式があげられるわけではなく、挙式会場や披露宴等の準備費用もあるので、結婚式全体の費用は数百万円以上となる点に注意しましょう。

 

また、あくまで上記の金額は目安です。各神社によって、明確に玉串料(初穂料)が決まっている場合もあります。神社ではホームページで金額を明記している所もあるので、それを参考にお金を準備しましょう。

 

一方、どの位の金額か不明確なら、祈祷してもらう神社の関係者へ金額についての問い合わせをしても構いません。

玉串料の弔事の際の書き方・お金を入れるのし袋について

神道でも故人の葬儀や仏教の法要に当たる霊祭が執り行われます。この儀式にも神職の祈祷は必要です。故人の葬儀や霊祭は、神道の場合でも厳かに執り行われなければいけません。玉串料に関する作法もしっかり守る必要があります。

 

こちらでは弔事に関するのし袋の書き方、お金を入れる袋の種類、金額相場について解説します。

玉串料の弔事の際の書き方

弔事の場合も「玉串料」を使用できます。その他に「御榊料(おさかきりょう)」と書いても構いません。

 

この榊とは榊の葉のことです。榊の葉は、神道において神様の力が宿ると信じられています。神様が降り立つ依り代として儀式に使用されます。つまり、この神聖な葉で故人を清める役割があるのです。

 

弔事の場合も、水引の結ばれている袋に表書きをします。水引の上半分に玉串料や御榊料と書きましょう。また「御神前」「御霊前」でも構いません。

 

そして水引の下半分にはやはりご自分の氏名を書きます。また、中書きも用意し慶事と同様に金額・住所・氏名を書きます。毛筆または筆ペンで記入することがマナーです。

弔事の際に玉串料を入れる袋等はどうする?

のし袋は白黒の物を使います。のし袋(不祝儀袋)もホームセンター、文房具店、100円ショップやコンビニエンスストア、ネット通販でも購入できます。

 

ただし、間違っても慶事用の紅白のご祝儀袋の使用は避けましょう。確かに神道の葬儀である神葬祭は故人を子孫の家に留め、守護神になってもらうための儀式です。そのため、仏教ほど嘆き悲しむ必要はありません。

 

そうはいっても、故人の死を喜ぶかのような振る舞いは、やはり憚られるべきです。

玉串料の弔事の際の金額相場

神葬祭で神職へ渡す玉串料の相場は10万円~30万円程度です。なお、霊祭の場合は1万円~5万円程度です。やはり故人の神葬祭の場合が最も高額です。

 

また、弔事の場合も各神社によって、明確に玉串料(御榊料)の決まっていることがあります。そのため、神社ではホームページで金額をチェックするか、神社の関係者へ金額についての問い合わせをしましょう。

玉串料の慶事・弔事それぞれに関する注意点

こちらでは表書きの書き方、のし袋を慶事・弔事で準備する際、気を付けるべき点について解説します。

玉串料の入れ方に注意

のし袋に入れるお札の向きにも作法があります。お札は人物の肖像画の印刷されている面が表です。のし袋の表の部分へ、この肖像の見えるように入れましょう。

 

のし袋に入れる際、全てのお札の向きを揃えて入れるのがマナーです。そうすれば、神職がお札を数えやすくなります。このような相手方への思いやりも必要です。

神職への玉串料の渡し方

のし袋にお札を入れたとしても、神職へ直接に手渡す方法は控えた方が無難です。ご自宅等へ神職が来て儀式を執り行ってくれた場合は、切手盆と呼ばれる小さなお盆に乗せて玉串料を渡すのが正しい作法です。 

 

ただし、ご自宅に切手盆が必ずしもあるわけではありません。切手盆がご自宅にない場合は、袱紗(ふくさ)へ包んで渡しましょう。また、神社へ持参する場合は、袱紗にのし袋を包むことがマナーです。

 

この袱紗とは、慶事の御祝儀の他、弔事の玉串料が入った金封を包む布のことです。袱紗は正方形の風呂敷をやや小さくしたサイズで、あまり大きくはありません。

 

紫色の袱紗なら慶事・弔事両方で使用できます。ただし、赤・ピンク等の華やかな色の袱紗は慶事用、紺・緑・灰色等は弔事用です。神職へ渡す場合、袱紗の上へ乗せて捧げるようにしましょう。

水引きの選び方は慎重に

のし袋の水引の結び方には蝶結び、結び切り、鮑(あわじ)結びの3種類があります。

 

  • 蝶結び:結び目を何度でも簡単に結び直せるので、何度でも繰り返して良いお祝い事に用いる。
  • 結び切り:結び目が簡単にほどけないつくりなので、一度きりであってほしい慶事・弔事に用いる。
  • 鮑結び:中央に一つ、左右に二つ輪を並べたもの。祝儀用の水引き。

 

水引の結び方や紐の色、紐の本数で使用する目的が下表のように変わります。

 

結び 色・本数 目的
蝶結び 紅白 慶事全般
結び切り 紅白 お見舞い金等
結び切り 紅白・紐10本 婚礼用
蝶結び 金銀 神事での祈祷・お祓い等
結び切り 金銀 婚礼用または長寿の祝い
結び切り 白黒 弔事全般

 

目的に応じ、慎重に選んだ方が良いでしょう。弔事で使うべき水引を慶事で使うと、常識を疑われてしまいます。逆の場合も同様です。

奉納品に関するのし袋の書き方

神社に参拝する際の捧げものとして「奉納品」があります。つまり、奉納品とは神社へ参拝する際、お賽銭とは別にお供えする品物を指します。奉納する物は、お米・お酒、季節の野菜、果物な等、様々な物を捧げて構いません。

 

この様な供物を奉納することで、神様を敬い楽しませることにつながります。この奉納品は、お祭りをはじめ願いが成就した際のお礼参り、御祈願等、いろいろな場面で神様へ納めることができます。

 

とはいえ奉納品を納める際、神社へそのまま持参するのではなく、のし紙をかけて持ち込むのがマナーです。のし紙の書き方は、これまで説明してきたような「玉串料」ではありません。

 

奉納品の場合は水引が紅白の蝶結びののし紙をかけ、水引の上半分に「奉納」「奉献」と書きます。水引の下半分には贈り主の名前をフルネームで記入します。記入する際は、毛筆または筆ペンを使用します。

玉串料は神へ感謝する捧げ物

神道の場合、渡すお金は神様に供えるための捧げ物です。そのため、同じ渡すお金だからという理由で、葬儀の際にのし袋へ「お布施」と書くのはマナー違反です。

 

お布施は人が施すという意味なので、神道からすれば人から神様へ施しを与えるという形になってしまい大変無礼です。そのため神道の場合、表書きへ「お布施」と書いてはいけないことに留意しておきましょう。