正しいお布施袋の選び方、お布施袋の書き方について詳しく解説のサムネイル画像

正しいお布施袋の選び方、お布施袋の書き方について詳しく解説

故人の供養ため読経してもらった僧侶へ「お布施」を渡すのが日本の風習です。しかし、お布施はお布施袋に入れ、しっかりとした作法が求められます。お布施袋はどれでも良いわけではありません。そこで今回はお布施袋の正しい選び方、お布施袋への書き方について解説します。

公開日 : 2021/2/27

更新日 : 2021/2/27

目次

お布施袋の選び方について

故人の供養ために読経してもらった僧侶へ、感謝を込めお礼する習慣として根付いているのが「お布施」です。現在では、お布施を「現金」で渡すことが定着しました。

 

しかし、僧侶にいきなり現金のままお渡しするのはマナー違反です。お布施を渡す際には作法が存在します。まずはお布施を渡す意味、そしてどんなお布施袋で渡すべきなのかを解説します。

お布施は渡す意味

そもそもお布施を渡す意味は、読経・戒名の対価としてではなくご自分の所有している物を、見返りを求めず喜んで差し出すことにあります。信者が自主的に供物を差し出すことに意味があるため、昔からお布施は明確な金額が決まっていません。

 

しかしながら、最近では葬儀や法要の読経、戒名の対価にお渡しする、という方向へ次第に変わっていったのも事実です。いずれにせよ、僧侶へ感謝する気持ちを形にしたものがお布施であることは、忘れたくないものです。

どんなお布施袋を用意するのか?

現金を包む袋であれば、どんな袋でも良いわけではありません。このお布施袋にも一定のきまりがあります。こちらでは準備するお布施袋の種類や、そして準備する際の注意点を説明します。

伝統的なお布施袋

昔からお布施は「奉書紙」に包み僧侶へお礼を渡していました。現在に置いてもなるべく奉書紙で包んだ方がより丁寧な方法といえます。奉書紙とは、日本の歴史の中で古文書の紙として使われてきた白い厚紙のことです。

 

奉書紙はつるつるしている面が「表」です。お布施を包むとき、まず裏面を上にして折り始めます。紙幣は直接、奉書紙に入れません。半紙でお布施を包み奉書紙で更に包みましょう。

簡易的なお布施袋

奉書紙を用意することが難しい場合、簡易な方法と言えますが白い無地の封筒を利用しても構いません。最近では奉書紙に包まないからと言って、無礼に思う人はあまりいないことでしょう。

 

ただし、郵便番号欄のない封筒を選び、不幸が重なるという意味を避けて、封の二重になっていない封筒を利用することが無難です。

のし袋でも構わないが水引に注意

お布施袋は一般的に僧侶へ渡す物なので水引き等、何も付けなくて問題はありません。ただし、白い無地の封筒も見つからないなら、お布施を不祝儀袋(のし袋)で僧侶に渡しても構いません。

 

のし袋ならいろいろな場所で購入できます。ただし、葬儀や法要の際は、水引が双銀や黄白で、かつ結び方は淡路結び・結び切りの物を選びましょう。

 

 

お布施袋はコンビニ等で購入可能

前述した奉書紙は、概ね書道用品を扱っている文房具店で購入できます。また、不祝儀袋・無地の封筒なら本屋の文房具コーナーやコンビニエンスストア、100円均一ショップでも購入は可能です。

 

ご自宅にお布施袋へ使えそうな物がない時は、手っ取り早く自宅近くのコンビニエンスストアで購入するのが最も簡単です。ただし、時間がある人ならば大きめの文房具店をまわり、奉書紙を準備しておきましょう。

お布施袋の表書きの正しい書き方について

お布施袋が準備できたら、次にお布施袋へ表書きする必要があります。この書き方にも作法があります。こちらでは、表書きの基本的な書き方、宗派ごとの書き方の違い、葬儀後の四十九日・一周忌法要等での表書きについて解説します。

お布施袋の表書きの基本的な書き方

葬儀の際の表書きは「お布施」または「御布施」と書きます。氏名はお布施または御布施と書いた下に書きます。喪主の名字だけでもフルネームでも構いません。

 

なお、「お金を渡すのだから、読経料や戒名料などの表書きでも良いのでは?」と考える人がいるかもしれません。

 

しかし、お布施は僧侶への感謝の気持ちを形にしたものです。決して労働への対価ではありません。そのため「料」を使った表書きは避けた方が無難です。

 

また、墨を使用して書いた方がより丁寧です。ただし、薄墨ではなく濃い色の墨を使いましょう。お布施は僧侶へお悔やみを表すのではなく、先ほど述べたように感謝の気持ちを伝えるものです。

 

逆に薄墨を使うと失礼となるので気を付けましょう。なお、毛筆で書くのが苦手な人は、筆ペンを使っても構いません。

書き方は浄土真宗や真言宗など宗派で違いがあるか?

浄土真宗や真言宗等、仏教の各宗派で表書きの書き方に違いはありません。どの宗派でも表書きはお布施または御布施と書きます。もちろん、薄墨ではなく濃い色の墨を使いましょう。

 

ただし、四十九日法要以降は宗派によって表書きの書き方が多少異なります。こちらについては後述します。

葬儀の後の四十九日や一周忌法要で書き方は異なるのか?

各宗派の表書きの書き方は、四十九日法要以降に違いが出ます。仏教では故人が四十九日後に仏のもとへ向かうとされています。四十九日法要の際、お布施袋の表書きは「御読経料」「御回向料」と書きます。単純に「御礼」と書いても構いません。

 

ただし、浄土真宗で四十九日の法要をするなら、お布施袋には「お布施」と表書きをしましょう。浄土真宗の場合、四十九日に白木の位牌を寺院で処分します。そのため、他の仏教のように御読経料・御回向料といった書き方はしません。

仏教以外の宗教のお布施袋の書き方

お布施は、何も仏教だけの風習というわけではありません。「神道」や「キリスト教」でもお布施に当たる現金を渡します。

 

ただし仏教の場合と同様、表書きへ「お布施」と書くわけではありません。やはり神道・キリスト教それぞれに異なる作法があります。

 

なお、お金を入れる袋は仏教と同じく、奉書紙や白い無地の封筒で構いません。一方、のし袋は避けましょう。こちらでは、神道・キリスト教のお布施袋の表書きについて解説します。

神道のお布施袋の書き方

神道では、通夜祭・葬場祭(仏教の告別式に当たる)、霊祭(仏教の法要に当たる)等のとき、神社から来る宮司へ現金を渡します。神道の場合、お布施の表書きには、「御祭祀料」「御初穂料」「玉串料」「御玉串料」のいずれかを書くのが一般的です。

 

ただし神道の場合、渡すお金は神様に供えるための物です。お布施は人から施すという意味なので、人から神様へ施すという考え方ではありません。そのため、表書きには「お布施」と書かないことに注意しましょう。

キリスト教のお布施袋の書き方

キリスト教でお布施に当たるものと言えば、教会への謝礼である「献金」が該当します。この献金は、教会を葬儀場として借りることになるので、そのときに渡しましょう。

 

また、牧師・神父には「お礼」を渡します。前述した献金にこのお礼分を上乗せして渡す場合もあります。オルガン奏者へも別に渡します。

 

  • 教会へのお礼→「献金」「御花料」「御礼」いずれかで表書き
  • 牧師・神父へのお礼→「御礼」「謝礼」いずれかで表書き

 

いずれの謝礼の場合も、「御礼」と書いた方が失礼に当たらないことでしょう。

無宗教の葬儀の場合

最近、故人の遺志や遺族の意向で宗教色を薄めた、またはそれを排した葬儀が行われています。この無宗教葬儀は故人が生前に音楽を好んだなら「音楽葬」、お花が好きだった場合は「フラワー葬」という形で執り行われることも多いです。

 

およそ従来からの仏式の葬儀とは違った内容となることでしょう。もちろん、無宗教に徹して執り行われるならば、僧侶を呼ぶことも無いのでお布施は不要です。

 

ただし、全く宗教色を排するわけでは無く、僧侶の読経だけは葬儀の流れで必ず入れると決めたなら、やはり僧侶へのお布施は必要です。

お布施袋の裏面・中袋の正しい書き方について

お布施袋の表書きだけではなく、裏面・中袋へもお布施に関する記入が必要です。こちらの場合も薄墨ではなく濃い色の墨を使用します。また、金額の書き方は特に注意する必要があります。こちらでは、お布施袋の裏面・中袋の基本的な書き方について解説します。

お布施袋の裏面の基本的な書き方

お布施袋の裏面には、包んだ金額とともに氏名(喪主の名前)・住所を記載します。書き方としては裏面の右側に「金〇〇圓」と包んだ金額を書きます。円は旧字体の「圓」と書きます。

 

金額も「 0・1・2・3・4・5・6・7・8・9」というアラビア数字ではなく、漢数字の「旧字体」を使用するのがマナーです。下表を参考にしてください。

 

漢数字 旧字体
伍(または五)
陸(または六)
漆(または七)
捌(または八)
拾(または十)
仟(または千)
萬(または万)

 

「一・二・三」以外は旧字体でなくても構いません。ただし「四」と「九」は、「死」と「苦」を連想するので、この金額は最初から避けましょう。

 

なお、実際にお布施を包んだ人の氏名(喪主の名前)・住所は、裏面の左下側に縦書きで記入します。縦書きであるため、住所の数字も漢数字で書きます。なお、お布施を僧侶へ直接渡す以上、住所は省略しても構いません。

お布施袋の中袋の基本的な書き方

お布施袋に中袋があれば表側に金額を、裏側に住所・名前を書きましょう。中袋の表には中央部分へ金額を旧字体で書くのがマナーです。一方、裏には名前・住所を左下側へ書きます。こちらの場合もお布施を僧侶へ直接渡す以上、住所は省略して構いません。

 

一方、お布施袋の中には中袋の付いていない物があります。この場合、無理に中袋を用意する必要はなく、中袋のない封筒のままで渡してもマナー違反ではありません。

お布施袋へお金を入れる作法

お布施袋へ正しく記入しこれで安心、というわけにはいきません。用意するお札やお札の入れ方にも作法があります。香典と同じような入れ方をすると、マナー違反となっていまします。こちらでは、お布施の相場や、お札の正しい入れ方について解説します。

お布施の相場は?新札で大丈夫か?

お布施は感謝の気持ちを形にしたものなので、渡すべき金額は明確に決まっていません。寺院へ問い合わせて、「〇万円」と明確な返答を頂ければ助かるのですが、「お気持ちで結構」と返答されるのと悩むものです。

 

各宗派や地域の実情に詳しい人が身近にいるなら、その方々へ聞いた方が無難です。お布施の一般的な相場としては、葬儀は10万円程度、四十九日や一周忌等の法要の際は3万円~5万円程度です。

 

お布施袋へ入れる金額が決まれば、新札を用意します。香典の場合、「故人の不幸を予期していなかった。」と言う意味で旧札を使用しますが、僧侶に感謝を示すお布施では新札を入れるのがマナーです。

お金の正しい入れ方

お布施袋に入れるお札の向きにも作法があります。なお、お札では人物の肖像画の印刷されている面が表です。

 

お布施袋の表の部分へ、この肖像の見えるように入れるのが正しい作法です。逆に香典の場合は、肖像画の顔を伏せるように入れるのがマナーです。顔を伏せるように入れることで、故人を悼む気持ちを表します。渡すお金がお布施か香典かで、正しい向きも異なるので注意が必要です。

 

お布施袋に入れる際、全てのお札の向きを揃えて入れましょう。そうすれば、僧侶がお札を数えやすくなります。このような相手方への配慮も必要です。

お布施袋の正しい渡し方

故人の供養に感謝を表す僧侶へのお布施では、その渡し方にも作法があります。渡す際に必要な物もあるので、事前に準備しておきましょう。

僧侶へ渡すときは盆か袱紗で

お布施袋にお札を入れたとしても、直接に手渡す方法はマナー違反です。切手盆・祝儀盆と呼ばれる小さなお盆に乗せて渡すのが作法です。

 

ただし、ご自宅に切手盆・祝儀盆がない場合もあるはずです。事前に購入しておいた方が無難といえます。切手盆・祝儀盆の準備が難しい場合は、袱紗(ふくさ)で包んで渡します。

 

この袱紗とは、お祝い事の御祝儀の他、葬儀・法要のお布施・香典が入った金封を包む布のことです。袱紗は正方形の風呂敷をやや小さくしたサイズです。素材は絹やちりめんが一般的です。

 

ただし、袱紗はどれでも良いわけで無く葬儀や法要の場合、赤・ピンク等の華やかな色はやはり不適切です。葬儀・法要では紫の他、紺、緑、灰色などの寒色系が最適です。渡す場合は袱紗の上へ乗せて捧げるようにします。

お布施袋を渡すタイミング

お布施袋渡すタイミングとしては、事前に喪主等が寺院へ出向いて渡すのが丁寧です。しかし、葬儀または法要の準備に忙しく寺院へ出向くことが難しい場合、葬儀・法要当日、儀式が始まる前に渡すのが最適です。

 

その他、葬儀・法要後に僧侶も含めて会食を行う場合、食事が終わった後に渡しても構いません。また、葬儀・法要で葬儀社を利用する場合、葬儀社の方で僧侶へ挨拶する時間を設けてくれます。その際に渡すのも良い方法です。

お布施袋を渡すことにも礼儀作法が大事

葬儀・法要で行う僧侶の読経は、故人の供養のために欠かせない儀式と言えます。お布施の金額に決まりはないものの、古来からの受け継がれた大切な習慣です。

 

僧侶は故人が極楽浄土へ迷いなく向かえるよう、ご自宅や会場へ来てくれたのですから、感謝の言葉も添えつつお布施を渡しましょう。

 

一方、僧侶の中には僧侶本人の意思や寺院の方針で、お布施を頂かないケースもあります。 そんな時、喪主側は「正しい作法に則って用意したのに、恥をかいた。」と不快に思わず、その意思を尊重しましょう。

 

お布施も重要ですが、故人の供養そして僧侶への感謝を忘れないことも、やはり大切です。