神棚の配置に決まりはある?神棚の場所や向き、祀り方などをご紹介

公開日 : 2021/2/23

更新日 : 2021/2/23

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その名の通り神様を祀る神棚は、神様に相応しい配置方法があります。それは部屋の場所であったり、向きであったりします。神様に失礼のないようにきちんとしなければなりません。今回は神棚の配置について、場所や向きと合わせて祀り方についても解説していきます。

公開日 : 2021/2/23

更新日 : 2021/2/23

目次

神棚の配置の仕方

神棚は自宅や会社の事務所などで神様を祀るための棚です。神道での宗教的なものですが、日本では昔から身近に神様を感じてきた歴史があり、一般家庭や事務所などでは比較的多く見られます。

 

尊い神様を祀るための神棚にはふさわしい配置の場所がありますので見ていきましょう。

場所や向きの決め方

家や事務所の造りはそれぞれ違います。そのため神棚を置くべき部屋の決まりはありません。しかし、神棚は神様を祀り、神様に祈りをささげるためのものですので、ふさわしい場所とふさわしくない場所があります。

ふさわしい場所と向き

神棚を備え付けるのにふさわしい場所は、明るく綺麗な場所です。明るいというのは電気の明るさもありますが、できれば日当たりがいい場所が望ましいです。神様は自然の中におられる存在であり、特に神道の主神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。

 

天照大御神は太陽を司る神様ですので、神様を迎える神棚を日当たりと風通しのよい場所におくことがふさわしいのです。神棚の向きは南向きが最もふさわしく、南向きが難しい場合は東向きにしましょう。神棚の向こうに太陽があることを意識するのです。

 

明るい場所には、人の活気がある場所という意味もあります。神棚は人が頻繁に手を合わせて神様に感謝を捧げ、神様から見守られているという安心感を与えるものですので人が出入りをして気軽に手を合わすことができる場所が好ましいのです。

 

避けるべき場所と向き

神棚を置くのに避けるべき場所は、暗くじめじめとした場所です。先述したように神道では太陽の神、天照大御神を主神として大切にしています。加えて天照大御神は皇室の氏神様であり、ひいては日本に住まうすべての人々の氏神ともされています。

 

このような明るく暖かく、天の恵みとして崇拝されてきた神様を祀るにあたり、太陽と逆の暗く湿った場所に加え、神様が嫌う不浄な場所もふさわしくありません。つまり日当たりが悪い部屋や水周りの近く、トイレの近くは特に避けるべき間所です。

 

このようにふさわしくない場所に神棚を置いてしまうと、神様に失礼にもなりますので気をつけましょう。

配置の仕方

神棚を置く場所と向きを決めたら次は配置の仕方も気をつけます。神棚は神様がおられる場所と認識することで次の注意点に納得していただけるのではないでしょうか。

目線より上に置く

神棚は必ず目線よりも上に配置しましょう。太陽も私たちの頭上にあって、その恩恵を与えてくれます。感謝を捧げる神棚をやはり見下ろすのはふさわしくありません。

神棚の上に部屋や廊下がある場合

神棚の上に部屋や廊下があって人が踏む可能性がある場合には、神棚の上に「天」や「雲」と書いた紙を張りましょう。本来、太陽に近い最上階に神棚を置くことが望ましいのですが、最上階であると人の出入りがないことでふさわしくなかったり、お参りをするのに不便であったりします。

 

そのため2階建て以上の建物でも1階に神棚を置くことは多いです。神棚の上を足で踏むことは非常に畏れ多いことでもあります。神棚の上に「天」や「雲」と書いた紙を張ることで、「この上には何もなく天上または雲上です」と神様に知らせ、許しを頂こうとする作法です。

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仏壇がある場合

仏壇と神棚の両方を置くことは一般家庭ではよくあります。神棚と仏壇は同じ部屋に置くことは構いませんが、向かい合わせと同じ場所の上下に置くことはしてはいけません。これはどちらも大切にする心からです。

 

向かい合わせにするとどちらかに手を合わせるときに、どちらかに背を向けてしまいます。上下にすると、どちらかが下になり差をつけることになってしまうからです。同じ向きまたは別の部屋に神棚と仏壇は置くとよいでしょう。

 

神棚は神道の神様に対して感謝を捧げる場所であり、仏壇は仏教で先祖の霊を祀る場所です。日本人は神道で神様を大切にしつつ、仏教で死者を送るという死生観を持っています。

 

神様と仏教の仏様を同時に大切にすることは、日本では矛盾なく共存しています。このように神棚と仏壇は、同じ部屋に置くことはかまいませんが注意しなければいけないこともあるのです。

 

 

神棚の祀り方

神棚の置き場所が決まったら、神棚を祀る準備をしましょう。

神札

神棚の中には神札を配置して祀ります。神札は神の依り代です。一般的な神棚は伊勢の内宮と外宮の模して祀るため、中に配置する神札は伊勢神宮の神札もしくは家の近くの氏神様の神札です。神札は神社で作られ、一年毎に取り替えます。

 

神札は大麻(おおぬさ)などのお祓いする神具の一部を、清浄な和紙で包んだものです。古くにはお祓い終えた祓い串の大麻を縁起物を人々に分け与え、人々が家で大切にしたことから始まりました。

 

神棚には一社造りと三社造りがあり、三社造りの場合は真ん中に伊勢神宮の「天照皇大神宮」の札、向かって右に氏神神社の神札を、向かって左には崇敬する神社の神札を配置します。一社造りは伊勢神宮の札の後ろに氏神神社、その後ろに崇敬する神社の神札とします。

神鏡

神鏡は神棚の神札の前に置く小さな鏡です。神鏡も神札と同じく神が宿る依り代です。鏡は太陽を模して丸く作られます。これも太陽を重要視する神道の考えで、鏡は太陽の光を反射し輝いて見えることから鏡も神聖なものとしてみなされています。

 

神道で大切に伝わる三種の神器の一つ、八咫鏡(やたのかがみ)も鏡です。八咫鏡は現在伊勢神宮で天照大御神の御神体として祀られています。このように鏡は昔から神の依り代とされてきました。

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お供え物

神棚にはお供え物がかかせません。これを神餞(しんせん)と言います。基本的は榊と米・塩・水が基本ですが、ここに酒・水を加えることもあります。置き方は三つほど方置き方があります。一つはお宮の前に向かって一列で左から水・酒・米・酒・塩とする置き方です。

 

二つ目はお宮の前の真ん中に米を、その右後に塩、左後に水を置きます。三つ目は米を中央前に置き、その後ろに酒を二つに分けておき、その右後に塩を、左後に水を置く置き方です。

 

どの置き方にするかは神棚の大きさや形などで決めるとよいでしょう。

榊は神の木と書くほど神道では大切にされている木です。常緑高木で一年中緑の葉を茂らせます。古来、先端が尖った植物は神が宿る依り代として神事に使われてきました。

 

榊以外にも若松やオガタマノキなどの植物が使われてきましたが、榊が最も身近にあったことから、徐々に榊が主になっていったのです。神棚の榊は榊立てという専用の容器にいれて、一対で飾ります。

 

榊自体は毎月1日と15日に新しいものに変えますが、水は毎日変え枯れないようにしましょう。

塩・米

塩と米は小さくて白いお皿に乗せます。お皿の上で三角形になるようにこんもりと盛ります。塩は粗塩を使います。粗塩とは海水の水を火で煮詰めて精製した塩のことで、水と火を使って作られるものであることに意味があります。

 

水は生きとし生ける者にかかすことができず、火は生命の生きる力の象徴です。この二つの力から作られた塩にこそ神様に捧げるのにふさわしいとされ、食塩での代用は好ましくありません。

 

米は生米が一般的ですが炊いたご飯でもかまいません。ただ炊きあがって最初のご飯を神棚に供えるようにします。神様には新鮮なものを供えることが大切で、基本的には毎日新しいものにかえることが望ましいのですが、毎日と言うのは大変です。

 

そのため1週間ごとや10日ごとなどで定期的に交換すればそれで構いません。交換して下げた塩や米はお下がりとしていただきましょう。これは神様が召し上がっていただいたものには力が宿り、食べることで神様の力を分けていただくという考え方です。

水は太陽と同じく、私たちの生きる上でとても大切なものです。日常では朝一番の水道の水や、ミネラルウォーターなどを使い毎日取り換えるようにします。水は水器(すいき)と呼ばれる専用の入れ物にいれます。

 

水器は丸みを帯びた陶器の器が多く、上部は蓋です。お供えする際は神様が水を飲めるように蓋を開け、器に立てかけておきます。他にもガラスの水器などもあります。

神様に供えるお酒は御酒(おみき)と呼ばれます。神様はお酒が好きだとされていますので、徳利や瓶子(へいし)にいれて供えます。水と同じく、神様が飲めるように徳利や瓶子の蓋は開けて供えましょう。

 

供える酒の種類に決まりはありませんが、できれば日本の米や水で作られた日本酒が好ましいです。普段は米・塩・水でお供えをしている場合は新年など特別な日にはお酒を用意するとよいでしょう。

 

徳利や瓶子に入れた酒は1対で配置します。お下がりの酒はそのまま飲むか、料理に使ったり、お風呂に入れたりして神様の力を分けてもらいます。

 

季節のもの

神様は季節の実りを好みます。そのため、旬の野菜や果物は特に供えるとよいでしょう。川魚も新鮮なものであれば皿に載せ、腹をお宮に向ける形で供えます。海魚は逆です。神様は血を嫌いますので、切ったり血を流したりする魚はふさわしくありません。

 

同じ理由で肉は神棚には供えません。

神餞の注意

神様に供える米・塩・水・酒などの神餞は、本来は朝に供えて夕方に下げます。神様に召し上がっていただくには新鮮なものでなければならないのです。そのため、ずっと供えっぱなしは最もいけません。毎日は難しくとも定期的に新しいものを供えましょう。

 

またいくら旬の新鮮な野菜でもにんにくやねぎなどの強い匂いのするものは、お供えしないようにします。下げた神餞は神様の力を分けていただくことを考えて、頂くのが好ましいですが日にちがたっていたりして口に入れることが難しければ、土に埋めて自然に帰したり、白い紙に包み塩を清めてから処分しましょう。

 

 

お参り方法

神棚には基本、毎日拝礼をします。一般的な作法は二拝二拍手一拝です。二礼二拍手一礼とも言いますが、拝と礼はお辞儀の角度の差で、作法的にはどちらも同じです。ちなみに礼が軽い会釈のような浅い角度のお辞儀で、拝は45度以上の深いお辞儀のことです。

 

神様に昨日無事に過ごせたことへの感謝と、これからの一日が無事に過ごせるようにと拝礼しましょう。毎日が難しい場合は、神餞や榊を取り替えるタイミングで拝礼をするとよいでしょう。

神棚と祖霊舎の違い

神棚と似たものに祖霊舎があります。小さなお社を象った形は本当によく似ていますが、全く別のものです。神棚は神様を祀るためのもので、神様の依り代である神札を配置します。祖霊舎は故人の先祖を祀るためのもので、仏教でいう仏壇と似た意味合いのものです。

 

神道では亡くなった人はその家の守護神となって子々孫々を守るとされます。神道の葬儀では亡くなった人の御霊を霊璽(れいじ)に移す儀式をし、御霊の宿った霊璽は家の祖霊舎の中に置かれて祀られるのです。

 

このため祖霊舎には神札は置きませんが、供えるものは神棚と同じです。また、神棚と祖霊舎は同じ部屋においても構いませんが向かい合わせは避けます。上下に配したり横に置くことは構いませんが、必ず神棚のほうが高くするようにします。神棚が祀る神様の方が位が高いからです。

神棚や神札の処分方法

神札は一年毎に取り替えます。神棚も新しいものと取り替えることがあるでしょう。この時神札と神棚は、神社で「お焚き上げ」をしてもらいます。お焚き上げは清浄な火の力で焼くことによって浄化し、天へと返す儀式です。

 

特に新年には昨年分の神札に加え、絵馬や縁起物、大切な人の遺品などを「どんど焼き」として盛大にお焚き上げする神事があります。普段でも神社では古いお札やお守りなどを納める場所を設けていたり、問い合わせると引き取ってもらうことができます。

 

神様の依り代として役目を果たした神札や神棚は感謝の気持ちを込めてお焚き上げをお願いしましょう。お供え物のお皿や瓶子なども取り替える際に役目を終えた古いものは塩を振って清めてから処分して構いません。

神棚の配置について

神棚は神様を祀るためのものです。特に神道の主神である天照大御神を崇めることから神棚は明るく清浄な場所、そして太陽を見上げるように目線より高い場所へ配置することが望ましいです。

 

神様は不浄を嫌いますので、暗い場所や汚い場所は避けます。お供え物も同じで、米・塩・水などをできるだけ綺麗なままで供えます。朝にお供えし、夕方に下げてお下がりとして食すことが理想ですが、難しい場合にはお供え物が傷まない程度に定期的に取りかえるように心がけます。

 

神棚は自分達を見守ってくださる神様をお迎えするための場所としてふさわしい場所へと配置し、感謝や敬意を伝えるためにしっかりとした祀り方でもてなすようにしましょう。