御霊前とは?香典袋の表書きや名前の書き方や相場など徹底解説

公開日 : 2021/1/26

更新日 : 2021/1/26

御霊前とは?香典袋の表書きや名前の書き方や相場など徹底解説のサムネイル画像

いざ通夜や葬儀に参列することになった際、香典を持参します。その際に何となく「御霊前」と書いている人も多いのでないでしょうか。今回こちらでは、御霊前とは何なのか、また、香典袋の表書きの書き方や名前の書き方、御霊前の相場や包み方、マナーについて詳しく解説します。

公開日 : 2021/1/26

更新日 : 2021/1/26

目次

御霊前を香典として

通夜や葬儀に参列する際、香に代わる金銭として香典を包みます。香典には、「香」は線香、「典」は供えるという意味があります。その香典と呼ばれるものの中の一つに「御霊前」があります

 

御霊前を準備する場である通夜や葬儀というものは、突然参列をすることになるため、わからないことがあり慌てたという経験をしたことがある人も多いものです。慌てないですむようにするには、前もって御霊前に関する知識を持っておくことです。

 

今回こちらでは、御霊前とはどういったものなのか、また、香典袋の表書きの書き方や名前の書き方、御霊前の相場や包み方、マナーについて詳しく解説します。

御霊前の書き方

御霊前の準備をする際、外袋と中袋の書き方を知っておく必要があります。なぜなら、外袋と中袋の書き方にはマナーがあるからです。冠婚葬祭の場において、マナーを守ることは大切なことです。ここからは、外袋と中袋の書き方を解説します。

表書きの書き方

表書きつまり「御霊前」の文字ですが、水引よりも上の部分に書きます。水引で文字が隠れないように、中心に書きましょう。一人で香典を出す場合も、複数人で出す場合も「御霊前」の文字は一つで構いません。

 

表書きのみが最初から外袋に印刷されているタイプの不祝儀袋もあります。筆や筆ペンの使い方に慣れていない人は、少しでも書く文字を減らすために印刷されたタイプを選ぶのも良いでしょう。

 

また、長い人生の中で、御霊前を準備しなくてはならない機会は多いものです。そのため、「御霊前」というスタンプを準備しておけば書かずにすみます。

名前の書き方

外袋の表面には、表書きと名前を書きます。御霊前を包む際の名前の書き方は、個人で包む場合や複数人で包む場合、会社として包む場合、夫婦で包む場合などですが、ここからはそれぞれの名前の書き方を解説します。

個人の場合

個人で御霊前の香典を出す場合の書き方は、水引よりも下の中央に名前を書きます。文字の大きさは、「御霊前」という文字を同じくらいの大きさがバランスが良いでしょう。遺族が読み間違えることの無いように、楷書で書くと親切です。

複数人の場合

複数人で御霊前の香典を出す場合の書き方は、水引よりも下の中央に一番目上となる人の名前を書きます。3名までであれば、代表の人の名前の左へ順に名前を書きます。4名以上の場合は、代表の人の名前を中央に書いて、その左側に「外一同」と書きます。

 

「外一同」の詳細は、別紙に全員の名前を書いて香典袋の中に入れるようにしましょう。

会社の場合

会社で御霊前の香典を出す場合の書き方は、水引よりも下の中央に社長の名前を書きます。そして、社長の名前の右側に会社名を書きます。会社の同僚など複数名で御霊前の香典を出す場合は、中央に代表者の名前や「営業部一同」などと書き、その右側に会社名を書きます。

 

文字の大きさは、会社名や社長の場合、「株式会社」や「代表取締役」などのように文字数が多くなるため、「御霊前」の文字よりも少し小さく書くとバランスが良いです。「営業部一同」と書く場合は、右側に書く会社名を少し小さく書くとバランスが良いです。

夫婦の場合

夫婦の場合は、水式よりも下の部分の中央に夫の名前を書きます。そして、その左側に妻の名前を書きます。このとき妻は苗字は不要です。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

中袋の裏の書き方

中袋には、香典として包む金額と住所、氏名を書きます。これらを書く理由は、香典返しを準備する遺族の負担を減らすためです。中袋の表面には、金額を書きます。その際、旧漢字を使用します。例えば、1万円の場合「金壱萬圓」と書きましょう。

 

中袋の裏面には、住所と氏名をボールペンやペンを使って書きます。書き方は手紙を書く際の封筒をイメージするとわかりやすいでしょう。

 

中袋によっては、住所や氏名を書く欄が設けられているものもあります。その場合は、その欄に記入するようにしましょう。

そもそも「御香典」とは?

ここまで「御霊前」と「御仏前」について意味や使い分けについて解説しましたが、他にも「御香典」と書かれた香典を見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。「御香典」は、「御霊前」と「御仏前」などの全体を含んだ表書きです。

 

香典の準備に取り掛からなければならない際に、故人の宗教や宗派がわからないことは多いものです。「御香典」には「香」は線香、「典」は供えるという意味があるため故人は仏教だけれども宗派がわからない場合には「御香典」が使えることを覚えておきましょう。

 

「御香典」を表書きとして準備する場合も、「御霊前」や「御仏前」を準備する際と書き方や包み方は同じです。

 

 

「御霊前」と「御仏前」の意味

香典を準備する際、「御霊前」と「御仏前」のどちらを準備すれば良いのか悩む人も多いものです。なぜなら、「御霊前」も「御仏前」もどちらもよく目にする香典だからです。まずは、「御霊前」と「御仏前」の意味を解説します。それぞれの違いを確認しましょう。

御霊前

御霊前には、亡くなった方の「霊」の前に供えるという意味があります。仏教では、亡くなった方は四十九日を迎えるまでは「霊」であると考えられているため、霊前に供える香典や供物、供花にも「御霊前」を使用します。

御仏前

御仏前は、亡くなった方の「仏」の前に供えるという意味があります。仏教では、四十九日を過ぎると亡くなった人は成仏して「仏」になると考えられています。そのため、四十九日の法要からの香典や供物、供花には「御霊前」ではなく「御仏前」を使用します。

「御霊前」と「御仏前」の使い分け

上で解説したように、「御霊前」と「御仏前」の意味は亡くなった人が「霊」であるか、または「仏」であるかという点に違いがあります。ここからは「御霊前」と「御仏前」の使い分けについて解説します。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

仏教の教えによって

使い分けは、四十九日が大きく関係しています。人は亡くなると49日間かけてあの世へと向かう旅に出るとされています。そして、冥土の入り口で審判を受けます。遺族はこの49日の間、故人の霊が冥土にたどり着き、極楽へ行けるようにと願います。

 

四十九日には、僧侶に読経してもらい遺族や親族が供養をすることで故人が極楽へ行け「仏」になれるように後押しします。これが四十九日の法要です。つまり、「霊」であるため通夜や葬儀での香典の表書きには「御霊前」四十九日の法要で「仏」になるため「御仏前」と書きます。

 

たとえ、四十九日の法要が遺族や親族のスケジュールの都合で早めて行われた場合でも「御霊前」とは書きません。ただし、四十九日の法要が終わったら「仏」となると考えられているため、四十九日の香典までは表書きを「御霊前」とする地域もあるため注意しましょう。

宗派によって

同じ仏教であっても宗派によって教えが異なります。真宗や浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗などでは、人は亡くなると「霊」になるのではなく、仏様の力によってすぐに極楽浄土で成仏すると考えれています。

 

つまり、「霊」の状態でいることがないため香典の表書きとして「御霊前」を使用することはありません。真宗や浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗などの場合、香典の表書きはどのタイミングであってもすべて「御仏前」を使用します。

 

神道やキリスト教のカトリックであれば「御霊前」が使えます。これは、神道とキリスト教のカトリックには「霊」という観念があるからです。しかし、一般的には神道では「玉串料」、キリスト教では「御花料」が使われています。

準備するもの

御霊前の準備をする際に揃えておければならないものがあります。いざという時のために、事前にこれらのアイテムを準備をしておくことをおすすめします。ここからは、御霊前を準備するために必要なアイテムをご紹介します。

金額に合わせた不祝儀袋

不祝儀袋とも呼ばれる香典袋を準備しましょう。結婚式などに持参する祝儀袋には、カラフルな色のものもありますが、香典袋は外袋も中袋も白が基本です。略式のタイプのものは水引が印刷されていますが、正式なタイプのものは水引がかけられています。

 

水引の結び方は、一度結んだらほどけない結び方である結び切りあわび結びのものを使います。水引の色は、黒白、双銀があります。水引の色は、包む金額によって決めます。1万円までは印刷されているタイプ、3万円までは黒白タイプ、それ以上は双銀タイプがおすすめです。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

外袋用の薄墨の筆や筆ペン

御霊前を準備するには、薄墨の筆やペンが必要です。通夜や葬儀に持参するための御霊前を準備する場合には、薄墨の筆を使うことが一般的です。これは、急な訃報に悲しんでいることや、墨が濃くなるまでする時間がないほど急いで駆け付けたことを表すためと言われています。

 

御霊前を四十九日まで使用するかどうかが地域によって異なるのと同じよう、薄墨を使用しない地域もあることを知っておきましょう。また、四十九日でも御霊前を使用する場合は、薄墨ではなく濃墨で書きます。これは、法要はあらかじめ予定された日に行われるからです。

中袋用のボールペンやペン

不祝儀袋には中袋が付いていることが一般的です。中袋にも必要事項を書く必要があるためボールペンやペンを準備します。不祝儀袋の外袋は毛筆で書くことが一般的ですが、中袋はボールペンやペンで書きましょう。

 

なぜなら、香典を受け取った人がはっきりと読み取れるように書き記すことが大切だからです。そのため、毛筆ではなくボールペンやペンを使用しましょう。

御霊前の金額相場

一般的に御霊前は通夜や葬儀の際に持参するため、その際の金額の相場です。故人との関係だけで金額を決めるのではなく、生前の付き合いの深さなども考慮して金額を決めることが大切です。

 

故人との関係 金額
5万円~10万円
祖父母 1万円~3万円
兄弟姉妹 3万円~5万円
配偶者の親 5万円~10万円
配偶者の祖父母 1万円~3万円
配偶者の兄弟姉妹 3万円~5万円
叔父・叔母 1万円~5万円
親戚 5千円~1万円
友人・知人 3千円~1万円
近所 3千円~5千円
上司 5千円~1万円
部下 3千円~5千円
同僚 3千円~5千円

御霊前のお金の入れ方

御霊前として香典を包む際、お金の入れ方にマナーがあることをご存知でしょうか。御霊前に限らず弔事に関する香典を包む場合には、共通するマナーがあります。まず、折り目の無いきれいなお札はマナー違反です。これは、不幸を予測して準備していたと感じさせるためです。

 

新しいお札しか手元にない場合は、その新しいお札に折り目を付けてから入れるようにします。中袋にお札を入れる際は、お札の向きに注意しましょう。中袋を表向きにした状態で、お札が裏向きになるように入れます。

 

その際、お札に描かれている肖像が下にくるようように入れると、肖像が伏せている状態になるため、悲しみやお悔やみを表すことができます。

 

 

御霊前の包み方

御霊前に関する包み方として知っておくべきことは、お金を入れた中袋を外袋に包む際の包み方と、完成した御霊前を袱紗に包む際の包み方です。ここからは、それぞれの包み方について解説します。

外袋の包み方

中袋にお札を入れた後は、中袋を外袋に包みます。この際、注意が必要なことは、包み方の順番です。包み方の順番を間違うと折り込み口の上の部分が、かぶさっていない状態になってしまいます。

 

上の部分がかぶさっていることには、理由があります。これは、「悲しみや不幸が流れていくように」や「うつむいた様子を表す」などといった意味があるからです。反対に、祝儀袋は下側をかぶせ、「万歳をしている様子」や「顔を上げている様子」を表します。

 

このように、折り返し部分のどちらをかぶせることが御霊前を包む際に正しいのかは、意味を考えると覚えやすく、間違いを防げるでしょう。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

袱紗の包み方

外袋に包んだ御霊前を持参する際には、袱紗に包むことがマナーです。袱紗に関するマナーもあります。まず、袱紗の色です。袱紗の色は、寒色系の色を使用します。紫は弔事だけでなく慶事でも使用できるとされているため1枚持っておくと便利です。

 

袱紗の包み方は、左開きになるように包みます。袱紗をひし形に見えるように広げ、中央よりも右寄りに御霊前の文字が見えるようにを置き、右、下、上、左の順に包みます。そうすることで、左側から不祝儀袋を差し込むことができるため、左開きになります。

 

3万円以下の御霊前を包むのであれば、四角い布状の袱紗ではなく略式の袋状になった袱紗を使用するのも良いでしょう。その際も、左開きになるように入れます。

御霊前は正しい書き方でマナーを守って準備しよう

今回こちらでは、御霊前とは何なのか、また、香典袋の表書きや名前の書き方、御霊前の相場や包み方、マナーについて詳しく解説しました。御霊前は突然準備することになる香典です。そのため、いざという時に慌てなくて済むように事前に確認をしておくことをおすすめします。