香典袋の表書き・中袋・名前の正しい書き方や包み方を徹底解説

公開日 : 2021/1/17

更新日 : 2021/1/23

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葬儀や法事に参列する際、香典袋を準備しないといけません。香典袋の種類や表書き・中袋・名前など正しい書き方を守らないとマナー違反です。香典袋を初めて準備する方に向けて、正しい書き方をまとめましたので、参考にしてみましょう。

公開日 : 2021/1/17

更新日 : 2021/1/23

目次

香典袋について

香典はお花やお香の代わりに故人に手向ける金銭です。大切な人を亡くした遺族を金銭的に援助するためでもあります。香典袋を準備して、お札を包み葬儀や法事の時に持参するのが一般的で、遺族への気遣いや故人を弔う気持ちを大切にしながら香典を準備しましょう。

 

香典の準備を進めていくときは、香典袋の選び方や表書き・中袋・名前の正しい書き方を守らないといけません。初めて香典を準備する方は基本的なマナーを学んでから進めていくようにしましょう。そこで、香典袋の基本的な書き方についてご紹介します。

香典袋の正しい書き方について

香典袋は表書き・中袋・名前を記入しないといけません。正しい書き方がありますので、基本的なマナーを一緒にチェックしていきましょう。

表書きの書き方

香典袋の表書きの書き方は宗教によって異なります。どの宗教に参列するのか確認してから表書きを書くようにしましょう。宗教に合わせて、表書きの書き方をまとめました。

仏教の場合

仏教の葬儀や法事に参列する方の表書きは「御霊前」や「御仏前」と書きます。仏教では四十九日の法要までは、この世にいらっしゃるという考え方のため、お通夜や葬儀・告別式では「御霊前」と書いてください。表書きは他にも御香典」や「御香料」でも問題はありません。

 

四十九日が過ぎれば仏に供える意味になり、香典袋の表書きは「御仏前」を使用することができます。仏教で香典袋の表書きに悩んだときは、四十九日を基準に書くようにしましょう。香典袋は黒白または銀一色の水引を選び、不幸が二度と起こらないように結びきりを選びます。

 

日本は仏教が多いですが、宗派によっても表書きが異なるため、香典袋を準備するときに不安な方は親族などに、事前に確認しておきましょう。

浄土真宗の場合

浄土真宗の香典袋の表書きは「御仏前」と書きます。仏教では四十九日が過ぎるまでは「御霊前」と書きますが、浄土真宗では亡くなってすぐに仏様になるという考えから「御仏前」と書き、旧字体の「御佛前」でも問題はありません。他に「御供」でも大丈夫です。

 

お通夜や葬儀で他の宗教では「御霊前」と書くことが多いため、香典袋の表書きの書き方には気を付けましょう。親族であれば宗派を把握していることが多いですが、葬儀に参列する方は事前に確認が必要です。

神道の場合

香典袋の書き方で神道の表書きは御榊料」や「御玉串料」・「神饌料」と書きます。ご神前に捧げるものとなるため、仏ではありません。香典袋の表書きに「御霊前」と書くことはできても、「御仏前」とは書きません。

 

神道は仏教の四十九日にあたる法要で五十日祭があります。この時に香典を準備する場合でも、表書きは「御榊料」や「御玉串料」・「神饌料」と書いてください。神道では仏教と同様、一年祭・三年祭など遺族、親族などが参列する法要があります。

 

葬儀以外にも香典袋を準備しなければいけない機会があるため、表書きの基本的なマナーを把握しておくようにしましょう。

キリスト教の場合

キリスト教の葬儀に参列する際、香典袋の書き方で表書きは宗派によって異なります。カトリックの場合は、「御花料」や「御ミサ料」と書き、プロテスタントの場合は「御花料」や「献花料」・「忌慰料」と書くのが一般的です。

 

キリスト教ではお香を焚かないため、「御香典」と表書きで書かないように気を付けましょう。また、仏にもならないため、「御仏前」と書くこともありません。プロテスタントでは異教の偶像崇拝のため、「御霊前」は失礼に当たるので気を付けましょう。

 

キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあるため、事前に確認しておくのがおすすめです。宗派がどうしてもわからない場合は、「御花料」と書くのが無難のため、表書きに使いましょう。

無宗教や宗教が分からない場合

日本は仏教を信仰している方が多いですが、中には無宗教の方もいます。無宗教の香典袋の表書きは「御霊前」や「御香典」・「御花料」と書くことができます。葬儀では、仏式のように白黒の水引きが入っている香典袋に包む必要はありません。

 

葬儀に参列する際に宗教が分からないとき、香典袋の表書きの書き方に悩む方は少なくありません。宗教が分からないとき、「御霊前」と書くことができても、浄土真宗やキリスト教のプロテスタントでは使用することができません。

 

葬儀に参列する際は、宗教について最低限確認しておくと、香典を準備しやすいです。相手に失礼の内容に努めましょう。

中袋の書き方

香典袋の中に中袋がある場合は、記入しなければいけない項目があります。表面と裏面の正しい書き方についてまとめていますので、確認してみましょう。

表面の金額の書き方

香典袋の中袋の表面には包んだ金額を記入します。香典の金額は簡単に改ざん出来ないように旧漢字で書くのが一般的です。香典を包んだことがない方は、包んだ金額を旧漢字で書くことは大変のため、中袋に使用する旧漢字を一度チェックしておきましょう。

 

3,000円は「金参仟圓」や「金参阡圓」と書き、5,000円は「金伍仟圓」や「金伍阡圓」・7,000円は「金七仟圓」や「金七阡圓」・1万円は「金壱萬圓」・10万円は「金拾萬圓」や「金什萬圓」と書いてください。

 

横書きの香典袋の場合、算用数字・アラビア数字で書きます。香典を包むときの金額で、「4」や「9」がつく数字は死・苦を連想させるため、使用しません。「2」は一般的に使われる数字のため、「弐」の旧漢字を使いましょう。

裏面の住所・名前の書き方

香典袋の裏面には住所と名前を書くのが一般的で、連名になってしまう場合は別紙に記入し、中袋に同封するようにしましょう。手紙を書くときと同様、郵便番号・住所・名前の順番で丁寧な字で書くように心がけましょう。

 

中袋の裏面に住所や名前を書く理由は、遺族側が香典を頂いた方に対して、お礼状や香典返しの準備をするためです。お付き合いがあった方は、年賀状や住所録で確認をすることもできますが葬儀で忙しいため、手間を省くためにも郵便番号や部屋番号までしっかり書きましょう。

 

親族など中袋の裏面を省略することもありますが、遺族側が参列者を把握するためには必要です。住所や番地を書くときは、漢数字を使うのが基本的なマナーです。ゼロを書くときは「零」ではなく「0」と書くようにしてください。

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中袋なしの場合

中袋なしのタイプの香典袋もあり、水引が印刷されたものです。袋が二重になっていることもあり、不幸が重なるという考え方から中袋なしのタイプを選ぶ方もいます。中袋なしタイプを使用するとき、香典の金額や住所・名前を書く場所に困る方は多いです。

 

中袋なしの香典袋は、外袋の裏面に住所と名前・金額を書くのが一般的です。中袋の裏面と同じように書けば、問題はありません。中袋なしの時、住所や名前を書くとき毛筆だと文字がつぶれてわかりにくいことが多いです。

 

読みやすさを重視しないといけないため、中袋なしの香典袋で裏面に記入するときはボールペンを使用しても問題はありません。横書きで中袋なしのタイプで金額を書くときは、「金3,000円」や「金5,000円」と書きましょう。

名前の書き方について

香典袋の表書きの下には、包んだ方の名前を記入しないといけません。名前の書き方もケースによって内容が異なるため、名前の書き方についてチェックしておきましょう。

個人で香典を包む場合

個人で香典を包む方は、香典袋の水引の下の真ん中に自分の名前を書いてください。遺族が香典返しをするためにも、名前はフルネームで書くのが基本的なマナーです。代理で香典を出すときは上司の名前の左横に「代」と書けば、遺族の方も判断しやすいです。

 

表書きの字とバランスがとれるように、調整しながら書くようにしてください。短冊に名前を書くタイプもありますので、使用しない短冊で練習して、文字幅の間隔を計算するときれいに書くことができます。

会社の名前で香典を包む場合

会社で香典を包む際、会社の名前だけ書けばよいわけではありません。右横に小さめに会社名・法人名を書いてから、代表取締役名をフルネームを書くのが一般的なマナーです。中袋がある場合は、香典の金額と代表取締役の住所氏名を記入してください。

 

会社名が入ることで名前とのバランスがとりにくいと感じるかもしれませんが、会社名はあくまでも小さ目にしておき、名前の欄には代表取締役の名前をしっかりと書くようにしましょう。部署で香典を包む際は、「〇〇部一同」と書きます。

 

部署で出した香典であっても、中袋には香典を出した人の名前と金額・住所・連絡先を書き添えるようにすれば、遺族側もお礼状やお返しの手配がしやすくなるため、必ず書くようにしてください。人数が多い際は、別紙を同封すれば問題はありません。

香典に書く名前は3名まで

香典袋で名前を記入するところは3名まで書くことができ、中袋の裏面に代表者の住所と名前を書きます。一緒に包んだ方の住所や名前を別紙にして一緒に添えるのが一般的なマナーです。外袋に書く名前や別紙は目上の方から順番に書くようにしましょう。

 

4名以上で香典を包む際は、「〇〇一同」と書くのが一般的です。連名の中袋・別紙の書き方は3人で香典を包んだときとやり方は同じです。立場が関係ない場合の名前の書き方は、五十音順で右から順に書くケースもあるため、香典を包む方と相談しながら決めましょう。

 

他にも4名以上で香典を包むときの名前の書き方として、代表者の名前を書いてから「外一同」や「外3名」と書く方法もあります。この際も、別紙に香典を包んだ方の名前を記すことで遺族側が香典の把握をしやすくなりますので、必ず行うようにしましょう。

夫婦で香典を包む場合

夫婦で葬儀や法要に参列する方は多いですが、香典袋に名前を書くときは通常、夫の名前だけを書くのが一般的です。夫婦ともに参列する葬儀や法要で、故人と夫婦ともに特に親しかったケースは2人の名前を書くこともできます。

 

夫の名前をフルネームで中央に書いた後、妻の下の名前のみを夫の名前の左側に書けば大丈夫です。結婚の報告をしてないケースは、中袋の名前の左に旧姓も記入するとわかりやすいです。夫の代理で妻が参列するときは、左下に「内」という小さな文字を添えてください。

香典袋に使用できるペンの種類

香典袋に表書き・中袋・名前を書くときに、何を使って書けばいいのか悩む方は多いです。基本的なマナーについてまとめましたので、確認してみましょう。

四十九日が過ぎたら濃墨になる

お通夜や葬儀に香典を持参するときは、薄墨で書くのが基本的なマナーです。薄墨を使う理由は、お悔やみの言葉を表すためです。「涙がこぼれ落ちて墨が薄まってしまった」や「急な訃報のため、墨を濃くする時間がなかった」という意味もあります。

 

現在は薄墨の筆ペンが販売されていますので、自分で墨を用意し筆で書く必要はありません。急ぎの場合であっても、コンビニエンスストアやスーパーで購入することが可能です。四十九日の法要からは薄墨ではなく濃墨を使うので、香典袋を準備するときは気を付けましょう。

 

市販の香典袋は表書きがすでに印刷されているものが多いです。表書きが葬儀で使うものであっても、濃墨で印刷しているところに、薄墨で名前を書いてしまうと統一感がないため、濃墨で統一してもマナー違反になりません。バランスを取りながら調整してください。

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ボールペンやサインペンについて

香典袋の表書きはお通夜や葬儀なら薄墨で書き、四十九日以降であれば濃墨を使って書きます。筆ペンが苦手な方は、ボールペンやサインペンを使用したいと考えますが、印象が悪くなってしまうため、避けた方が無難です。

 

中袋であれば旧漢字を書き、漢字の画数も多いことから筆を使うと文字がつぶれてしまう可能性が高いため、ボールペンやサインペンを使用しても問題はありません。表書きと中袋はペンを使い分けしてください。

 

昔のように墨を準備して筆を使って香典袋の表書きを書く必要はありませんし、筆ペンはすぐに購入することができます。急な訃報であっても香典袋に適したペンを準備して書いてください。

香典袋は手書きが基本

香典袋を準備するときに、気を付けなければいけないポイントは手書きです。字が汚いと自信がない方であっても、丁寧に時間をかけて手書きで書くことが基本的なマナーです。近年、名前をプリントアウトすることはマナー違反ではありませんが、手書きを心がけましょう。

 

手書きする手間を惜しまないことで、心を動かされるケースがあります。名前のスタンプやプリントアウトをすることで、遺族側が香典袋を受け取ったときに、ネガティブな感情を抱くケースもあるため、お悔やみの気持ちを示すために手書きにしてください。

香典袋は正しい書き方でマナーを守ろう

香典袋の正しい書き方で、気を付けなければいけないポイントは多くあります。表書きは宗教によって書き方が異なり、中袋についても金額の数字を漢字を書かないといけません。名前も連名になると、正しい書き方を守る必要があります。

 

香典袋は包む金額によっても、使用する香典袋の種類が異なるため、金額の相場に合わせてお札を準備したら適した香典袋に入れるようにしましょう。基本的なマナーを守りながら、香典袋に必要事項を記入してください。