突然の不幸があったら年賀状はどうなる?交換方法や期限について
公開日 : 2020/12/16
更新日 : 2021/1/23
年末に突然の不幸があり、用意していた年賀状を出せなくなった…。こういう場合は、郵便局で年賀状を交換してもらうことができます。以下では、服喪中の場合の年賀状の交換方法や注意点についてご紹介しています。年賀状の処理に困ったときはぜひ参考にしてください。
公開日 : 2020/12/16
更新日 : 2021/1/23
目次
年末に突然の不幸があったら…
お正月に向けて年賀状を用意するという人も多いでしょう。しかし、年末に身内に突然の不幸があった場合は、たとえ年賀状を用意していても、投函するわけにはいきません。それでは、出すに出せず、手元に残ってしまった年賀状は、いったいどうしたらよいのでしょうか。
年賀状は郵便局で交換できる
じつは、年賀状は郵便局で、通常葉書や切手などの他の品物と交換することができます。年賀状の交換は、無料でできる場合と、手数料がかかる場合があります。それぞれについて見ていきましょう。
喪中の場合は無料で交換
服喪により年賀状を出せなくなった場合は、年賀状を無料で交換することができます。このとき、年賀状は未使用の場合でも、すでに完成している場合でも、無料で交換に出すことができます。
無料で年賀状を交換する場合は、郵便局の窓口で、所定の書類の作成が必要です。郵便局は、簡易郵便局を除く全国の郵便局が対象です。
その他の場合は手数料がかかる
服喪以外の理由でも、年賀状を他の品物と交換することはできます。ただし、その場合は1枚につき5円の手数料が発生します。手数料は現金か切手で支払う必要があり、手数料分を年賀状や交換物の代金から差し引きすることはできません。
服喪以外の理由とは、たとえば年賀状を書き損じた場合や、年賀状を多めに用意して手元に残ってしまった場合のほか、年賀状の種類を間違って購入した場合などがあります。このとき、年賀状は未使用・使用済みを問わずに交換できます。また、交換期間であれば、過去の古い年賀状も交換に出すことができます。
計算方法は?
年賀状は、切手やはがきなどと交換することができます。このとき、提出する年賀状の額面の総合計分と同じ金額分のものと交換が可能です。たとえば、無地の年賀状は1枚63円です。10枚交換に出したい場合は「63円×10枚=630円分の品」と交換することができます。
このとき、服喪が理由の場合は無料で交換が可能です。しかし、服喪以外の理由で交換に出す場合は、1枚につき5円の手数料が必要です。つまり、10枚交換に出すなら「5円×10枚=50円」の手数料の支払いが必要です。
つまり、630円分の品を50円で買うことができるという認識になります。ちなみに手数料は交換分の金額から差し引くことはできず、現金か切手で支払わなければなりません。
どんなものを交換できる?
年賀状は未使用・使用済みを問わずに交換に出すことができますが、ある条件を満たしていないものは、交換することができません。また、年賀状と交換できる品物についても、決まりがあります。
交換できる年賀状の種類
服喪が理由で交換できる年賀状は、「(四面連刷・インクジェット紙・くぼみ入り・寄附金付を含む)お年玉付郵便はがき」と「寄附金付お年玉付郵便切手」です。ただし、印刷サービス込みの年賀状の場合は、購入金額から印刷代を差し引いた差額分で交換できます。
その他の理由で交換したい場合、交換に出せるのは「お年玉付き郵便はがき」「寄附金付きお年玉付き郵便切手」などがあります。ただし、四面連刷や広告付きはがきなどは、別の種類の年賀状との交換はできません。
消印が汚れていると交換できない
交換に出せる年賀状は、理由がどうであれ、料額印面が汚れていないことが前提です。料額印面とは、消印を押す部分です。すでに消印が押されているものや、未投函でも印面が著しく汚れているものについては、交換に出すことができません。
年賀状と交換できるもの
服喪が理由の場合、年賀状と交換できる品物は以下の通りです。
・通常切手(弔事用切手を含む)
・通常はがき・往復はがき・その他の郵便はがき
・特定封筒(レターパック封筒・スマートレター封筒)
・郵便書簡
服喪以外が理由の場合も同様です。また、年賀はがきの販売期間内であれば、今年度分の年賀はがきを別の種類の年賀はがきに交換することもできます。
現金と交換はできる?
いずれの理由であっても、郵便局で年賀状を現金化することはできません。未使用であっても、払い戻すことは不可能です。もしどうしても現金化したい場合は、金券ショップなどに持ち込む方法があります。
喪中により年賀状を無料で交換する方法
いままで見てきたように、服喪が理由であれば年賀状は無料で切手葉書類と交換することができます。その方法について見ていきましょう。
期間は?
年賀状を無料で交換できるのは、今年度分の年賀はがきの販売~販売終了までの期間です。年賀はがきの販売期間は、例年11月~1月の初旬です。また、服喪により無料で交換する場合は、今年度分の年賀はがきが対象です。
翌年度に持ち越すと喪が明けているため、手数料が発生します。突然の不幸で用意した年賀状が使えなくなった場合は、早めに郵便局に持っていくようにしましょう。
一方、服喪以外の理由で年賀状を交換したい場合は、年賀状の販売期間を過ぎても交換が可能です。また、過去の年賀状であっても、今年度の年賀はがきの販売期間内であれば、他の切手葉書類と交換できます。
ただし、古い年賀状は今年度分の年賀状と交換することはできません。また、今年度分の年賀状を新しい年賀はがきと交換したい場合は、年賀状の販売期間に交換に出さなければなりません。
交換できる場所は?
年賀状を交換できるのは、簡易郵便局を除く全国の郵便局です。営業時間内に、最寄りの郵便局に年賀状を持っていきましょう。ただし、原則としてゆうゆう窓口では受け付けていませんので、注意してください。
無料で交換するための手続きとは?
服喪により年賀状を無料で交換する場合は、まず窓口で「喪中であること」を伝えましょう。その後、無料で交換するための用紙に必要な項目を記入します。ちなみに記入する項目とは「住所」「氏名」「亡くなった人との続柄」です。
年賀状を無料で交換するときの注意点
服喪により年賀状を交換するときに、多くの人が抱く疑問点について、代表的なものをまとめてみました。ぜひ参考にしてください。
何親等までなら無料で交換できる?
郵便局で年賀状を無料で交換できるのは、身内に不幸があったときだけです。その他の理由で交換したいときには、1枚5円の手数料が必要です。それでは、年賀状を無料で交換できる身内の不幸とは、いったいどの範囲までを指すのでしょうか。
原則として、郵便局では身内の範囲に規定を設けていません。年賀状を控えるかどうかは、あくまで本人の意志に任されています。年賀状を無料で交換するためには、所定の用紙に「故人との続き柄」を記入する必要がありますが、その内容によって交換を断られることは基本的にはありません。
ちなみに年賀状を控えるのは、2親等以内の不幸が一般的です。2親等の親族と言えば、両親・子供・祖父母・兄弟・孫が該当します。ただし、喪中欠礼について厳格な決まりはなく、年賀状を投函するかは自己判断になります。あわせて、郵便局で年賀状を無料で交換してもらうかどうかも、自分で判断しましょう。
お年玉が当選した場合は?
年賀はがきには抽選番号がのっており、当選したら景品と交換できます。お年玉は、自分で購入したはがきであっても交換が可能です。もし服喪で投函できなかった年賀状で、お年玉が当選していた場合は、自分で景品を受け取ることができますよ。
ちなみに、景品と交換する際には、当選したはがきを郵便局に持ち込む必要があります。持ち込んだはがきは、お年玉番号にチェックが入れられたのち、返却されます。返却されたはがきは、その後、窓口で交換が可能です。
年賀状を交換するためには、消印を押す部分が未使用・きれいであることが条件です。お年玉番号と消印はまったくの別物ですので、景品と交換した後でも、ほかの切手やはがきと交換することができます。
ちなみに、お年玉番号の発表と景品の引き換え開始は、例年1月の下旬です。年賀状の販売期間を過ぎる=無料での交換ができなくなるため、注意が必要です。
年賀はがきとの交換はできる?
年賀状を別の種類の年賀状と交換したいという場合があります。たとえば種類を間違って購入してしまった場合などです。今年度分の年賀状でかつ年賀状の販売期間内であれば、今年度分の年賀状と交換が可能です。
一方、過去の年賀状は、今年度分の年賀状と交換することはできず、他の切手やはがきと交換しなければなりません。服喪の場合は、そもそも年賀状を出さないため、今年度分の年賀状と交換することはできません。服喪が理由で年賀状を交換したいときは、切手類のほかに、喪中欠礼用のはがきと交換することが多いです。
年賀状の交換についてのまとめ
年賀状を交換する際の手数料などについて、条件別に表をまとめました。ぜひ参考にしてください。
服喪が理由 (使用・未使用を問わない) |
書き損じの 年賀状 |
未使用の 年賀状 |
過去の 年賀状 |
|
通常切手(弔事用切手を含む) |
無料 (今年度の年賀状販売期間内に限る) |
手数料1枚5円 | 手数料1枚5円 | 手数料1枚5円 |
通常はがき・往復はがき・その他の郵便はがき |
無料 (今年度の年賀状販売期間内に限る) |
手数料1枚5円 | 手数料1枚5円 | 手数料1枚5円 |
特定封筒(レターパック封筒・スマートレター封筒) |
無料 (今年度の年賀状販売期間内に限る) |
手数料1枚5円 |
手数料1枚5円 |
手数料1枚5円 |
郵便書簡 |
無料 (今年度の年賀状販売期間内に限る) |
手数料1枚5円 |
手数料1枚5円 | 手数料1枚5円 |
別の種類の年賀はがき | × |
手数料1枚5円 (今年度の年賀状販売期間内に限る) |
無料 (今年度の年賀状販売期間内に限る) |
× |
※いずれの場合も料額印面がきれいであることが条件です。
書き損じや未使用の年賀状の活用方法
手元にのこった年賀状は、交換に出す以外にも活用方法があります。代表的なものをご紹介していきます。
金券ショップ・フリマアプリなどで現金化
書き損じや未使用の年賀状は、金券ショップで買い取ってくれることがあります。買い取りに出せる年賀状の種類・状態や、金額は金券ショップによって異なりますが、だいたい1枚20~30円での買い取りが相場です。
郵便局では、無料あるいは1枚5円で年賀状の総額と同等の品と交換できるので、還元率は金券ショップのほうが低いです。しかし郵便局では払い戻しや現金化ができませんので、物品より現金に替えたいという場合は、金券ショップに持ち込んでみるのもよいでしょう。あるいは、フリマアプリサイトなどを活用して売却する方法もあります。
福祉団体などに寄附
書き損じや未使用の年賀状は、NPO法人などの福祉団体への寄附に使うことができます。はがきや切手の寄附を受け付けているのは「日本ユネスコ協会連盟」「日本盲導犬協会」「日本点字図書館」などです。
団体によって、寄付できるはがきの種類・状態や枚数が異なります。詳しくは各団体のHPなどでチェックしてみてください。
通常はがきとして使う
年賀状は、通常のはがきとして使用することもできます。ただし、余った年賀状を通常はがきとして使用すると、受け取った側が不快に思うこともあります。そのため、懸賞用のはがきとして使うことが多いです。年賀状を通常はがきとして使う場合は、「年賀」という朱書き部分を、黒のボールペンで二重線で消します。
喪中の場合の年賀状の考え方
喪中に年賀状を送るのを控えるのは、故人への追悼として一定期の間通常儀礼を控え、身を慎むためです。身を慎むのは、死=穢れを他の人に移さないためという、神道の考えにも由来しています。そのため、喪中は年始の挨拶状である年賀状を出すことを控えることが習慣づいています。
喪中はがきを出す
喪中の場合は年賀状の代わりに、喪中はがきを出すのが一般的です。喪中はがきとは「年賀欠礼状」といい、不幸事により年始の挨拶を控えることを詫びるためのものです。喪中はがきは、先方が年賀状の準備を始める前に届けるのが一般的です。遅くとも12月の初旬をメドに送るようにしましょう。
喪中に年賀状を受け取ることはできる?
前述のように、喪中はがきとは不幸があった側が年賀状を控えることを詫びるためのものです。つまり、年賀状を出すことはできませんが、年賀状を受け取ることはマナー違反ではないのです。
喪中の人へ年賀状を出すのはマナー違反?
喪中の人でも年賀状を受け取ることはできます。よって、喪中はがきを受け取った方も、喪中の人に年賀状を出すのはマナー違反ではありません。遺族を励ましたいという思いから、あえて年賀状を出すこともあります。
ただし、「年賀」とは「新年を喜ぶ」という意味があります。そのため、やはり喪中の方に年賀状を出すことに抵抗を覚える人は多いです。
寒中見舞いや年始状を出すことも
もし喪中の方に年賀状を出すことに抵抗を覚えるなら、「年始状」や「寒中見舞い」「喪中見舞い」という方法で、年始の挨拶をするのも1つの方法です。年始状とは、年始の挨拶のための令状です。「謹賀新年」などの代わりに、「新年のご挨拶を申し上げます」「一陽来復」などの文言を用います。
寒中見舞いは、寒さが厳しい時候に相手を気遣うためのものです。寒中見舞いを出すのは松の内が明けてから立春までの期間です。喪中見舞いは喪中の相手を気遣うための見舞い状で、喪中はがきを受け取ったらすぐに出すのが一般的です。そのため、年始の挨拶状として送るなら、「年始状」あるいは「寒中見舞い」が一般的です。
寒中見舞いは、喪中の人でも送ることができます。年賀状を返すことができないのが心苦しい場合は、松の内が明けるのを待って寒中見舞いでお礼を伝えるのもよいかもしれません。
年賀状は有効活用できる
突然の不幸で、用意した年賀状が出せなくなった場合は、郵便局で無料で交換することができます。また、手元に残った年賀状は福祉団体への寄附も可能です。処分してしまわず、有効活用してみましょう。
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