一周忌の法要の案内状の文例について紹介|送り方についても解説
公開日 : 2020/12/19
更新日 : 2020/12/19
一周忌の案内状とは、「いつ」「どこで」「誰の」一周忌法要を行うのかについて。これを「親族」や「故人が生前お世話になった方」。そして、「故人の仕事関係者」などにお知らせするための案内状です。以下で、この案内状を書く際に参考にしたい文例や送り方について紹介します。
公開日 : 2020/12/19
更新日 : 2020/12/19
目次
一周忌の案内状とは
具体的な書き方等々について解説していく前に、一周忌の案内状の定義や一周忌の法要の詳細を紹介していきます。案内状を送る上での、基本知識として抑えておきましょう。
一周忌の案内状について
一周忌の案内状とは、「いつ」「どこで」「誰の」一周忌法要を行うのかについて。これを「親族」や「故人が生前お世話になった方」。そして、「故人の仕事関係者」などにお知らせするための案内状です。
こちらの案内状は郵送された後、案内状を受け取った側は法要に参加するのか参加しないの旨を、同封された返信はがきか往復はがきを使って法要主催者へお知らせる必要があります。こちらの返信までが、一周忌の案内状を送り、受け取るまでの一連の流れです。
一周忌の法要について
ここで、一周忌の法要の詳細についても解説します。一周忌とは「故人が亡くなってから一年後のタイミング」のことです。このタイミングで行われるのが、一周忌の法要です。そして、こちらの法要では、故人が生前お世話になった方を大勢招いて、「僧侶の読経」「参列者の焼香」「僧侶の法話」「参列者の会食」を行い故人を偲びます。これは、仏教以外の宗教である神道・キリスト教においても同様です。
身内だけに一周忌の案内状を送ることが可能か
基本的に、三回忌までは法要・法事は親族にも声をかけて行うことが大半です。この時、どこまでお呼びするかは各々の親戚の付き合い方にもよります。しかし、葬儀に参列いただいた方へは声をかけることが大半です。
しかし、近年ではライフスタイルや家族形態の変化により法要規模も縮小傾向にあります。そのため、一周忌の案内状を送る時、身内の親族のみや家族のみで行いたい場合は身内だけに送ることも問題はないとされています。
一周忌の案内状に記載する内容
ここでは、一周忌の案内状に記載することが好ましいとされている8つの基本事項を紹介していきます。以下の8点の基本事項を参考にして、一周忌の案内状の記載を始めていきましょう。
①差出人と故人の関係・故人の氏名
最初に、誰のための法要が行われるのかがわかるようにする必要があります。そのため、差出人である施主と故人の関係性・故人の氏名を明記してください。具体的には、亡くなった方がお父様の場合は「亡(父)」のように記載します。
このような書き方は、一周忌法要以外でも同じ書き方を使用します。どの段階における法要でも、参列者にわかりやすくするために、何回忌の法要を行うのかも明記することを心がけてください。
②頭語・結語
次に、忌事以外で受け取る案内状と同じように、拝啓・敬具などの「頭語・結語」を忘れずに明記してください。こちらの具体例は、後程紹介する例文を参考にしてください。
③時候の挨拶
一周忌の案内状において、頭語の後には季節にあった時候の挨拶を明記してください。こちらの時候の挨拶とは、「手紙の冒頭の頭語に続く季節を表す言葉」です。以下で紹介している月ごとの時候の挨拶の具体例を用いる中で、○○の折や○○の候の様に書いていく形式になっています。
1月から3月の時候の挨拶
1月の時候の挨拶の例は、以下の通りです。「初春・新春・小寒・迎春・大寒・酷寒・極寒・寒冷・厳冬・寒風」です。次に、2月の時候の挨拶の例は、以下の通りです。「立春・季冬・寒明・余寒・春寒・残寒・残雪・立春」です。
次に、3月の時候の挨拶の例を紹介します。こちらは、以下の通りです。「早春・浅春・春暖・春雪・・水ぬるむ・山笑う・菜種梅雨」です。
4月から6月の時候の挨拶
まず、4月の時候の挨拶の例を紹介します。こちらは、以下の通りです。「桜花・陽春・陽炎・暮春・花曇り・花冷え・春風駘蕩」です。次に、5月の時候の挨拶の例を紹介します。以下の通りです。「新緑・薫風・惜春・暮春・立夏・余花・軽夏・若葉」です。
最期に、6月の時候の挨拶の例を紹介します。こちらは、以下の通りです。「初夏・向暑・梅雨・麦秋・黄梅・首夏・梅雨寒・薄暑」です。
7月から9月の時候の挨拶
まずは、7月の時候の挨拶の例を紹介します。具体例は、以下の通りです。「盛夏・猛暑・猛暑・大暑・炎暑・酷暑・灼熱」です。次に、8月の時候の挨拶の例を紹介します。こちらは、以下の通りです。「晩夏・立秋・残暑・残炎・新涼・秋暑・納涼」です。
最期に、9月の時候の挨拶の例を紹介します。以下の通りです。「初秋・新秋・新涼・白露・秋冷・仲秋」です。
10月から12月の時候の挨拶
まずは、10月の時候の挨拶の例を紹介します。こちらは、以下の通りです。「秋涼・秋晴・夜長・紅葉・秋麗・初霜・秋雨」です。次に、11月の時候の挨拶の例を紹介します。「晩秋・暮秋・深秋・深冷・落葉・向寒・霜寒」です。
最期に、12月の時候の挨拶の例を紹介します。具体例は、以下の通りです。「初冬・師走・寒冷・木枯・新雪・短日・歳晩」です。
④食事について
次に、法要の後に行われる食事についても記載してください。この時、法要の後の食事の場所が法要会場から離れている場合は、食事が提供される会場までのルートを含めて記載することが安心です。
⑤施主に関する基本事項
一周忌法要の案内状の差出人は施主です。施主は、参列者と何らかの事情で連絡を取り合うこともある立場にあたります。そのため、施主の氏名・住所。併せて電話番号等の基本事項を記載しておくことを推奨しています。
⑥一周忌の法要当日の詳細について
一周忌の法要が行われる会場とその日時は、一周忌の案内状を受け取った方々が、最も気にされる点であるとされています。そのため、案内状の最後に、誰もが会場の場所を理解できるよう地図を添付する。そして、日時は大きく記載する等のわかりやすい表記を心がけてください。
⑦宛名や宛先について
一周忌の案内状におけり宛名や宛先は、お招きしたい方の氏名を書いてください。基本的に、「様」としますが、ご夫婦に出席をお願いする際には連名にしてください。この時、家族宛ての場合では世帯主様の横に「皆様」と添えることも良しとされています。
⑧返信依頼について
親族やご友人の出欠の確認をとるため、一周忌の案内状で返信先の「住所」「氏名」「電話番号」「返信期限」を明記してください。もし、一周忌の案内状を往復はがきにしていない場合は、返信用はがきを同封するのがマナーとされています。
一周忌の法要の案内状の印刷料金について
一周忌の法要の案内状の印刷料金は、インターネットで注文を受けるサービスもあり、印刷業者によって異なります。さらに、案内状のタイプや印刷枚数次第でも違います。以下では、はがき・シングルカード・ダブルカードの3つのタイプについて解説していきます。
はがきタイプについて
一周忌の法要の案内状を、はがきにする場合、形式は2つあります。私製はがきと通常はがきの2つです。印刷料金としては、1枚~20枚2350円。そして、21枚以上の場合は10枚ごとに料金が変わり、191枚~200枚で7350円となります。ただし、絵入りの場合は、1枚~20枚は3630円。それ以降は、10円刻みで、191枚~200枚が1万910円の様に値上がりします。
シングルカードについて
一周忌の法要の案内状をシングルカードにする場合、シングルカードと封筒の印刷することになります。この場合の印刷料金は、1枚~20枚5450円。これ以降10枚刻みで、191枚~200枚は1万4350円です。ただし、絵入りの場合は、1枚~20枚は5850円、191枚~200枚は1万4750円です。
ダブルカードについて
一周忌の法要の案内状をダブルカードにする場合、はがき2枚分のサイズで2つ折りと封筒の印刷することになります。そのため、印刷料金は、1枚~20枚7020円。それ以降は、10枚刻みで191枚~200枚は1万9120円です。ただし、ダブルカードは、絵入りはありません。
一周忌の法要の案内状の送り方とは
一周忌の法要の送り方は、細かいマナーやルールが定められています。例えば、案内状を送ることに好ましい時期や案内状を封筒に入れることが好ましい等々のマナーです。以下で、詳細を解説していきます。
案内状を送る好ましい時期について
一周忌の法要の案内状を送る時期は、法要の1ヵ月前までに送るのが好ましいとされています。上述したように、案内状では、返信用はがきを同封し、出席・欠席のどちらかに○をつけるようにする必要があります。
施主は、こちらの出欠確認を基に会食の準備や会場の準備を始めなければなりません。この点を鑑みて、遅くても2週間前をめどに出欠確認の返信を頂けるようにするために、1ヶ月前までに送るようにしてください。
案内状は封筒に入れることが好ましい
一周忌の法要の案内状は、必ず封筒に入れて送りましょう。ただし、2重封筒は縁起が悪いとされています。そのため、こちらの形式の封筒を用いないようにしましょう。
同封のはがきはどの形式が最適か
一周忌の法要の案内状に同封するはがきが、往復はがきの場合、返信面に確認したいことを印刷しておくことが可能です。さらに、案内状をいれる為の封筒も必要ありません。そのため、最近は往復はがきを使う例も増えてきています。
もちろん、封筒を使った方が礼儀正しいとされています。ただし、こちらはご案内先にもよりますので、往復はがきを使用してはいけない等の規定はありません。状況に応じて使い分けていきましょう。
案内状の切手はどうするべき
一周忌の法要の案内状の切手は、普通の切手でも問題はありません。ただし、郵便局には弔事用の切手も販売されています。状況次第では、こちらの切手をを用いてもよいでしょう。また、案内状に貼る切手を用意する際、必ず返信用はがきにも切手を貼り終えておくことが礼儀とされています。
案内状は郵便局に依頼するべきか
一周忌の案内状の印刷や送付は、必ずしも郵便局に依頼する必要はありません。もし、一周忌の法要の案内先が親族等に限られる場合。この場合は、メールや電話で連絡したほうが好ましいでしょう。
一周忌の法要の案内状の文例を紹介
一周忌の法要の案内状の内容は、宗教や宗派で異なるケースがあります。そのため、以下では3つの代表的な宗教や宗派における案内状の文例を紹介していきます。併せて、コロナウイルスの影響が法要にも及んでしまった場合の案内状の書き方も紹介します。
仏式の場合の文例を紹介
仏式の一周忌の法要の案内状は、基本的に縦書きで書きます。以下で、仏式の案内状の具体的な文例を紹介します。
「謹啓 ○○の侯 皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます この度亡父○○の一周忌にあたり 左記のようにささやかな法要を営みたいと存じます つきましては ご多忙中のことで誠に恐れいりますが ご臨席賜りますようご案内申し上げます
敬具 日時 令和○年○月○日 午前△時△分より場所 名称(住所・電話)令和×年×月 氏名(住所・電話)お手数ではございますが△月×日までに ご都合をお知らせ下さい ここまでが文例です。
キリスト式の場合の案内状について
ここでは、キリスト式の場合の案内状について紹介します。併せて、案内状を書く上で抑えておきたい基礎知識も紹介していきます。
キリスト式の場合の文例を紹介
ここでは、キリスト式の場合の文例を紹介します。以下、文例です。
故〇〇が神様に召されてから 約1年が経とうとしています 故人を偲び 生前に故人がお世話になりました皆様への感謝の想いをこめまして 令和△月△日×時から 記念ミサ(記念集会)を行う運びとなりました
ご多忙中とは存じておりますが 是非ご来席いただきたく ご案内を申しあげます なお ささやかではございますが ミサ後 〇〇(名称)にてお茶会を予定しております お手数ではございますが△月×日までに ご都合をお知らせ下さい ここまでが文例です。
カトリック式の案内状に関する基礎知識
カトリックにおける一周忌の法要では、教会に親族や知人、友人を招き、追悼ミサ(死者記念ミサ)を行います。こちらのカトリックの追悼ミサでは、故人が亡くなられて3日目、7日目、30日目に行うことが通例です。
そして、1年後の故人の命日には死者記念ミサを行います。そして、その後も毎年の命日に追悼ミサを行うことが通例です。こちらの追悼ミサでは、聖書朗読や祈祷等が行われます。こちらの式の終了後は、仏式と同様に会食のようなお茶会が開かれることがあります。
プロテスタント式の案内状に関する基礎知識
プロテスタントでは、追悼ミサではなく記念集会を行います。カトリックでは、ミサを教会で行いますが、プロテスタントの記念集会は自宅で行うケースも多数存在します。
このように自宅で行われる場合は、祭壇に十字架などを飾ります。そして、牧師と親族、知人、友人などが集まり祈りを捧げます。
さらに、記念集会は、亡くなって1週間目か10日目、あるいは1カ月後の命日に行われます。
その後、1年目、3年目、5年目、7年目の命日に記念集会が開かれます。このように記念集会の礼拝が終わった後は、引き続き教会や自宅で故人を偲び茶会を行います。
神式の場合の案内状について
ここでは、神式の場合の案内状について紹介します。併せて、案内状を書く上で抑えておきたい基礎知識も紹介していきます。
神式の場合の文例を紹介
ここでは、神式の場合における一周忌の法要の案内状の文例を紹介していきます。以下、文例です。
謹啓 ○○の候 皆様にはお障りもなくお過ごしのこととお喜び申しあげます 早いもので この度 ○○(氏名)の一年祭を迎えることとなりました つきましては 左記の日時にて一年祭を執り行いたいと存じます ご多用中のところ恐縮に存じますが ご臨席を賜りたくお願い申し上げます
敬具 なお、一年祭終了後、会食の席を設けております お手数ではございますがご出席の有無を△月△日までに ご一報頂けますと幸いです ここまでが文例です。
神式の案内状に関する基礎知識
神道では、故人が亡くなって1年後に行う祭祀のことを一年祭と言います。祭祀では、故人が亡くなられた日から数えて十日ごとに、霊祭を行います。霊祭りの中でも五十日祭は、仏式の四十九日に相当しており、この日を迎えると忌明けです。
その後の節目が、一年祭です。この日を境に、喪が明けます。そして、一年祭では、故人の祥月命日に、故人と親しかった方を招待します。こちらの一年祭の場所は、祖霊舎の前や霊園の施設や墓前などで行います。
祖霊舎は、祖先の霊をまつる神棚で、仏壇に相当します。一年祭では、神職による献饌・祝詞奏上・玉串奉奠などの神事に続き、参会者が玉串を奉奠します。そして、一年祭を区切りに祖霊舎に合祀して、その後は家の守り神として祀っていきます。
新型コロナウイルスの影響が法要に及んだ場合の案内状について
コロナウイルスの影響により自粛が続く現状において、葬儀や法事も家族や身内だけで行うなど、変化が生じています。このような場面で案内状の代わりに送る死亡通知の文例を紹介していきます。以下、文例です。
昨今の状況を鑑みまして、家族葬にて葬儀を行ったことをご報告いたします。父 ○○ 儀 去る○月○日に永眠いたしました。ここに故人が生前に賜りましたご厚誼に対し 衷心より御礼申し上げます。
葬儀・告別式に関しましては 昨今の状況を鑑みて家族のみで○月○日に執り行わせていただきました。ご連絡が遅れましたこと深くお詫び申し上げます 。ここまでが文例です。
文例や送り方を参考に、案内状を作成しましょう
ここでは、一周忌の法要で送る案内状の文例や送り方の詳細を解説してきました。こちらで紹介した基本事項を基に、案内状の作成に取り掛かりましょう。
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