四十九日法要におけるお布施の相場を解説|お金の包み方等も紹介
公開日 : 2020/12/19
更新日 : 2020/12/19
四十九日の法要にて行われるお布施について紹介していきます。四十九日の法要を菩提寺にお願いしたとき、読経のお礼として包むお金が、お布施です。以下では、お布施の相場やその他の謝礼金の詳細。並びにお金の包み方等々のお布施に関するマナーを紹介していきます。
公開日 : 2020/12/19
更新日 : 2020/12/19
目次
四十九日の法要におけるお布施とは
ここでは、四十九日の法要の詳細を紹介していきます。併せて、四十九日の法要にてお渡しするお布施の定義についても紹介していきます。
四十九日の法要について紹介
まずは、四十九日の法要について紹介していきます。四十九日とは、忌日法要の1つです。そして、忌日法要は故人の死後、七日ごとに行われる法要で、四十九日はその最後となる日とされています。
こちらの四十九日は亡くなった方が仏さまのところへ旅立つ日として、忌日法要の中でも特に重要な位置付けです。この重要とされる日に、お葬式での仮位牌から本位牌へ霊魂が移り、それに伴い、お墓に納骨を行うのが一般的な四十九日法要とされています。
ただし、仏教でも宗派によって様式や法要の意義は異なってきます。そのため、菩提寺の宗派を確認し、宗派に合わせた法要の準備をする必要があります。
お布施の定義について紹介
上記では、四十九日の法要について解説しました。次に、四十九日の法要にて行われるお布施について紹介していきます。四十九日の法要を菩提寺にお願いしたとき、読経のお礼として包むお金が、お布施です。
お布施の定義は、仏教における6つの修行である六波羅蜜の徳目、忍辱、精進、禅定、智慧の一つから来ています。お布施には、財を施す財施。法を施す法施。そして、恐怖を取り除く無畏施の三施があります。それが、謝礼として金品を施すことがお布施と言われるようになりました。これが、お布施の生まれた背景です。
四十九日の法要のお布施の相場について
ここでは、お布施の相場について紹介していきます。こちらを参考に、お布施で包むお金の金額を検討していきましょう。
全体的な相場は、3万円から5万円
四十九日法要の時にお渡しするお布施の相場は、3万円~5万円程度だとされています。四十九日法要のときに包むお布施の金額は、「お通夜や葬儀・告別式のお布施」を基準に考えると分かりやすいでしょう。
具体的には、四十九日法要の場合のお布施は、通夜や葬式・告別式のときのお布施の10%~20%が目安です。そして、お通夜や葬儀・告別式のときにお渡しすることになるお布施の金額は、30万円程度が目安です。ただし、規模などによっても金額は異なります。こちらを考慮すると、15万円~50万円程度だと考えられます。
そして、四十九日のお布施は、こちらの10%~20%程度にあたる3万円~5万円となります。もし、判断に迷ったときには、「3万円~5万円くらいが相場。そして、お通夜や葬式・告別式のお布施の10パーセント~20パーセントを包む」と判断することを推奨しています。あくまで、「基本の考え方」です。臨機応変に対応していきましょう。
地域でお布施の相場は変わる
お通夜や葬儀・告別式。また法要におけるお布施の金額は、非常に「地方差」が大きいものです。具体例としては、東北地方の場合は3万円程度とされています。次に、関東地方の場合は5万円程度です。そして、関西地方の場合は4万5千円程度とされています。
このように、一般的に都心部の方が高く、地方の方が安くなる傾向にあります。ただし、現在では、「わかりやすくするために、一律で〇円とする」と定めているところもあるため、一概には言えません。
例えば、「僧侶派遣サービス」では四十九日法要で3万円と定めている所が多いといえます。また在来仏教で歴史のあるお寺も、「法要は一律で5万円、納骨法要を伴う場合は10万円」の所もあります。
お布施が高くなる状況について
ここまで、お布施の相場について紹介しました。ここでは、紹介した相場を超えてお布施をしなければならない状況について解説していきます。
菩提寺の格が高い場合
1つ目の状況としては、依頼しようとしているお寺の格が高い場合です。この場合は、お布施も高くなる傾向があります。お寺には「格」があります。この「格」は「寺格」とも呼ばれています。こちらは時代によって表現や分け方も変遷してきました。具体的には、「総本山」「大本山」「本山」です。
まず、「総本山」とは「各宗派において、『本山』を取りまとめる寺院」のことです次に、「大本山」は総本山の下に位置しています。主に、「末寺」などを管轄する寺院を指す言葉です。そして、「本山」は、一宗一派をとりまとめる寺です。こちらは、「大本山」の下に位置しています。
ここでは、あくまで一般的な「お寺の格」について取り上げてきました。宗派によっては分け方が異なることもあります。参考程度に抑えておきましょう。
相場よりも高いお布施を渡している場合
「お寺との関係」は、家ごとに異なります。例えば、「昔から長く付き合いがあり、今もずっと親しく付き合っている」という場合もあります。一方で、「今では付き合いも希薄になっている」という場合や、「菩提寺すらも分からない」という場合もあります。
お寺との関係が深く、長い付き合いがあり、寄進等を行っている場合、四十九日法要でお渡しするお布施の金額も多くなるとされています。また、経済的に恵まれている家の場合、多く包む傾向にあるとされています。
一方で、「普段はまったく付き合いがない」。或いは、「今回限りのお付き合いであり、今後もお寺の庇護に入ることもしない」場合は単純に「1日拘束したときの金額としてのお布施の金額」をお渡しします。
宗派によって相場が異なるのか
宗教や宗派で相場が異なるのかについて紹介していきます。仏教には多くの宗旨・宗派があります。このような宗旨・宗派によって四十九日法要の金額が変わってくると考えられていることもあります。一方で、「宗旨・宗派による違い」をそれほど強く意識する必要はないという考えもあります。
相場が異なる例としては。曹洞宗のお布施についてです。こちらは、最高で10万円程度まで包む場合もあるとされています。一方、日蓮宗では5万円前後、ほかの宗旨・宗派では3万円~5万円に収まることが大半です。
曹洞宗以外で、特例を挙げるとすると、浄土真宗が挙げられます。こちらは、「年収の1パーセント」とするというきまりがある場合もあります。詳細については菩提寺、もしくは法要をお願いするお寺に尋ねましょう。
お布施以外で渡す謝礼金について
四十九日の法要でお布施以外にお渡しする謝礼金は、以下の3つが挙げられます。3つの謝礼金の詳細を紹介していきます。
お車代について
最初に、お車代について解説していきます。「お車代」とは、「ご僧侶に、会場まで足を運んでもらうときにお渡しする費用」のことです。こちらの相場は、5千円~1万円程度です。比較的近場ならば5千円を包み、少し遠いのであれば1万円を包むようにしましょう。
ただし、「菩提寺は遠方にある。しかし、お経をあげるのは菩提寺のご住職様にやってもらいたい」等の場合は、実費をお渡しすることもあります。ただし、この場合は、宿泊されるかどうかも確認しましょう。もし、宿泊される場合はお車代に宿代を含める必要があります。その一方で、お車代はその特性上、不要の場合もあります。
具体的には、四十九日法要の会場を菩提寺とした場合です。この場合、ご僧侶は移動する必要がありません。そのため、お車代は発生しません。また、別会場を選ぶ場合でも、喪主(喪家)側がタクシーなどの支払いをして送り迎えするのであれば、このお車代は不要です。
御膳料について
次に、御膳料について解説します。四十九日法要の後は、精進落としの席を設け、会食を行うやり方が一般的です。このとき、故人の思い出を話します。この会食の席には、ご僧侶が出席する場合としない場合があります。基本的に、ご僧侶と家の関係が深い場合は出席する確率が高いです。
この場合、御膳料は必要ありません。ただし、欠席する場合は御膳料を包む必要があります。つまり御膳料とは、「食事にかかる費用を、代わりに現金で手渡します」というものです。
こちらの金額は、3千円~2万円程度とされています。ただし、一般的には5千円~1万円の間の金額をお渡しすることが基本です。そのため、特段の理由がない場合はこの金額に収めましょう。
開眼供養及び納骨式のお布施について
最期に、開眼供養と納骨式のお布施について解説していきます。こちらの開眼供養及び納骨式を四十九日法要と一緒に行う場合は、さらに1万円~5万円を包むことになります。四十九日法要は、仏教において重要な節目です。そのため、このときに、納骨を行うこともあります。加えて、新しい仏壇を四十九日法要のタイミングで開く場合もあります。
納骨を行うためにお墓を開いたり、仏壇を開いたりすることを「開眼供養」と表します。そして、納骨を行うことを特に「納骨式」といいます。開眼供養及び納骨式を四十九日法要と一緒に行う場合、四十九日法要のお布施を追加する必要があります。
この開眼供養及び納骨式でのお布施の金額は1万円~5万円が主流です。ただし、「開眼供養及び納骨式は、四十九日法要のタイミングではなく1周忌のタイミングで行う」「お墓に入れずに手元供養する」という場合は、開眼供養及び納骨式のお布施は不要です。
四十九日法要のお布施の表書きや包み方について
ここでは、四十九日の法要でお渡しするお布施の表書きの書き方やお金の包み方について解説していきます。抑えておきたいポイントは以下の4つです。実際にお布施を用意する際に参考にしてみてください。
お布施の封筒や袋について
封筒や袋の詳細を解説します。まず、四十九日法要のお布施を入れる封筒・袋は、「奉書紙」、或いは「白封筒」を使うのが一般的です。この「奉書紙」とは楮を使って作られる裏表のある紙です。基本的に、フォーマルな場所でよく使われる紙です。
そして、もうひとつよく用いられるものは、「白封筒」があります。「白封筒」の中でも無地のものを選ぶのが通例で。必ず、郵便番号欄などが書かれていないものを選んでください。
上述した奉書紙、白封筒であれ、「どちらがより格が高い」等はありません。ただし、現在は奉書紙よりも白封筒の方がよく選ばれる傾向があります。理由としては、白封筒の方が奉書紙に比べて手に入りやすいことやお金がすり落ちることがないことが挙げられます。
水引について
次に、封筒の水引について解説していきます。まず、水引は原則として用いません。理由は、四十九日法要は「法事」ですが、それは「故人に捧げるもの」ではないからです。ただし、「弔事に深く関わる事柄」として受け止められた場合は、水引のついた封筒が選ぶこともあります。
この場合は、白黒の水引を選びます。そして、必ず結び切りあるいは淡路結びにしてあるものを選んでください。蝶々結びのものは選びません。それは、結び切りには「2度と繰り返したくないこと」の意味が込められており、淡路結びには「硬くご縁がつながりますように」などの意味が込められているからです。
表書きの書き方を解説
次に、表書きの書き方について解説していきます。基本的には「御布施」あるいは「お布施」と書きます。これがもっとも無難な書き方です。こちらの書き方は、宗旨や宗派問わずに全国的に使うことのできる表現とされています。
他にも「御読経料」「御回向料」と書くこともあります。ただし、「御読経料」や「御回向料」は、浄土真宗のときには取ることはできません。
なぜなら、浄土真宗では、阿弥陀如来がただ人を救うため、残された人間が故人のために何かをする必要はないとされており、読経や回向は必要がないとされているためです。
お布施の包み方について解説
お布施にお金を包むときの具体例を紹介していきます。ここで抑えておきたいポイントは、以下の2つです。
お金の向きにも決まりがある
お布施を包む際、お金の向きにも決まりがあります。原則として、「開けたときに、印刷された偉人の顔が見えるようにして入れる」ようにしましょう。つまり、折り目のある方に偉人の顔が印刷された方を合わせて入れていきます。
ただし、このあたりに関してはそれほど厳密に定められていません。しかし、四十九日法要のお布施で複数枚の1万円札を入れる際に、複数の1万円札がバラバラの方向を向いていると失礼にあたります。このような場合では、必ず入れる向きは統一する必要があります。
新札以外、使用NGであるのか
お布施に入れるお金は全て新札でなければならないのでしょうか。実はそのようなことはありません。四十九日法要でお布施として渡すお札は、新札でも旧札でも構いません。
そのため、旧札を包むことももちろん構いません。ただし、旧札の場合であまりにも汚れすぎているものや折り目がくっきりとついているもの。他には、くしゃくしゃになっているものは選ばないようにしてください。可能な限り、状態の良い旧札を選ぶようにしましょう。
相場や包み方に沿って、お布施を用意しましょう
ここまで、お布施の相場からお金の包み方まで、お布施に関するあらゆる面を紹介してきました。こちらで紹介したマナーに沿って、お布施を適切に用意するようにしていきましょう。
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