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【意味や着せ方を解説】白装束とは?宗教別マナー・死装束との違いも

白装束というと、故人に着せる服というイメージが強いですが、仏教や神道など宗派・宗教によって異なります。今回は、白装束とは・死装束との違いや白装束の着せ方、さらに宗教との関係性について紹介します。また、夢との関係性などについても解説しましょう。

公開日 : 2020/11/11

更新日 : 2020/11/11

目次

そもそも白装束とは

ミステリードラマなどでよく登場する白装束ですが、意味や由来など知らない人も多いでしょう。葬儀における白装束について解説します。

白装束の由来

故人の服装といえば、白装束をイメージする人も多いでしょう。現代では白装束は死装束の印象が強いですが、元は死者が着るものではなく、お坊さん・巡礼者がお遍路のときに着る巡礼服です。

 

白装束とは「旅」に出るための服装で、仏教の死生観に結びつきます。人は亡くなるとあの世へいき、三途の川を渡って閻魔大王の判決を受けて地獄か天国かが決まり、輪廻転生で浄土へいくための旅です。

 

つまり、お坊さんが悟りを開くためのお遍路と、浄土へいくための死後の旅は同じ意味として葬儀でも白装束を着せます。

白色のもつ意味

白の色は、清浄、つまり清く穢れのないことを意味しています。そのため、浄土にいくのにもっともふさわしい色とされ、白装束を故人に着せるのが日本では一般的だとされているわけです。

 

ほかにも、日本には「紅白」という馴染みの深い色もあり、おめでたいシーンで使うことが多いでしょう。赤は赤ちゃんなどの出生を意味しており、白は逆の死を表していて白装束は死者に着せるようになったようです。

死装束と白装束の違い

死装束は白装束と同じと思っている人も多いでしょう。しかし、死装束と白装束は厳密には異なり、どう違うのかについて解説します。

死装束とは

死装束は、亡くなったときに着せる服という意味しかもちません。白装束は葬儀だけに限定されず、結婚式などで使う白無垢も白装束に分類され、冠婚葬祭のときに着る白い服を総称しています。

 

つまり、死装束は、亡くなった人に着せる服が白だけに限定されず、それ以外の色をしていることも多いです。しかし、葬儀の現場では白装束が死装束以外のものを示す可能性が低いことから、死装束は白装束と解説している葬儀会社もあります。

 

しかし、故人をお見送りするときに、ウェディングドレス・白無垢を着せたいときはある程度は使い分けが必要でしょう。

死装束を着せる理由

死装束を着せることは、2つの理由があります。死装束を着せるそれぞれの理由について挙げてみましょう。

旅立ちの格好をして故人を送り出すため

仏教において、死装束は笠・脚絆などの小道具をつけたものです。バスや電車などのなかった時代に旅立つときは、長旅で外部から守るために身につけていたものであり、故人に向けても同じといえます。

 

浄土へ旅立ち、閻魔大王のさばきを受けるという考えのもと、故人がつつがなく最後の旅路を辿れるように、しっかりと準備をして送り出すのが一般的です。しかし、現代では死装束は「故人の好きだった洋服にする」など多様化しています。

 

地方によっては、葬儀は白装束とする風習が受け継がれているところもあり、前もって確認が必要でしょう。

神聖な色であり死を表す色のため

日本人にとって紅白の色はとても馴染みが深く、この2つの色を組み合わせると縁起がよいとされています。紅白の紅は、生まれることを意味し、白は亡くなることを意味する色であり、葬儀では故人に白装束を着せるのが一般的です。

 

また、白は何にもおかされていない真っ白で汚れない神聖な色であることも、死装束に白が選ばれる理由とされます。汚れを洗い流し、キレイになって旅立ってほしい願いをこめて、白装束を着せるわけです。

 

 

白装束の着せ方

白装束はどのように着せるとよいのか、気になっている人もいるでしょう。白装束の正しい着せ方を紹介します。

白装束の基本の着せ方

白装束は通常は葬儀社が用意し、担当者や納棺師がおこなうのが一般的です。では、具体的にはどんな風に着せるのか確認しておきましょう。

経帷子(裏地のない着物)・帯

浄衣(じょうえ)や経衣(きょうえ)とも呼ばれます。帷子(かたびら)は、裏地のない着物のことで、白麻・白木綿などの生地が使われ、背中にお経や題目が書かれているのが一般的です。

 

中には何も書かれていないものもあり、縫い方においても指定されていて、結び目を作らない・返し縫いをしない決まりがあります。また、着物を着るときは右前ですが、死装束は左前にして帯を結ぶのが基本です。

 

通常の着物の着方である右前は、人から見られると衿がアルファベットの「y」であり、この世と浄土は逆さまであることから故人が身につける経帷子の衿も逆さまにします。

白い三角頭巾

故人の頭につける三角布は、天冠(てんかん・てんがん)とも呼ばれ、魔除け・閻魔大王に会うときの正装として必要な装飾品です。しかし、昔は多く見られた三角布も、最近ではあまり見られません。

 

冥土への旅支度である三角頭巾は、仏教において亡くなった人が四十九日間にかけて、死者の山や三途の川を超える旅をして浄土へたどり着くまでの適した格好です。白装束が白色であるように、三角頭巾も白色で統一します。

 

白装束は多様化し、現在では故人の好きだった洋服を着せてあげることが多く、紙製の白装束を納棺のときに足元に入れたり故人にかけるようです。

白足袋と草鞋

浄土までの道のりはとても険しく、素足では汚れ・キズがついてしまうかもしれません。無事に歩いていくために白足袋と草鞋は必要不可欠であり、必ず履かせてあげることがとても大事なことです。

 

また、足袋を履かせるときは必ず白い足袋を左右逆にして履かせます。足袋には紐がついていますが、結び方は縦結びとし、しっかりとほどけないように結ぶのが一般的な足袋の履かせ方といえるでしょう。

 

なお、紐は後ろで交差して結べるように手前にもってくるとほどけずにしっかりと結ぶことができます。

白装束以外に着るもの

経帷子(裏地のない着物)・帯・三角頭巾・白足袋と草鞋のほかに着せるものは、手甲(てっこう)と脚絆(きゃはん)です。手甲は、上腕から手の甲でを覆うように身につけるもので、汚れ・寒さなど外的要因からガードするために着けられます。

 

一方、脚絆はすねにつける脚衣で、手甲と同じように外的要因から守る目的や足の血行をよくするために着けられるものです。白足袋や三角頭巾と同じように外部から身を守って、浄土への旅へ導きます。

 

すねに脚絆、手に手甲をつけ、弱いところをガードする感じで故人の体に着せるのが一般的な白装束です。

白装束以外にもたせるもの

白装束以外にもたせるものは、頭陀袋(ずだぶくろ)・六文銭・笠・杖・数珠などです。頭陀袋は首からかける道具入れのようなもので、故人の首に頭陀袋をかけて、紙に包んだ六文銭を入れます。

 

六文銭は三途の川を渡るために必要なお金で、印刷されたお札を入れるのが一般的です。笠は頭にかぶって日差しや雨や雪を防ぎ、杖は浄土への長旅を歩く補助として使われ、数珠は唱えた念仏を数えるために使われます。

 

数珠をもっているだけでも魔除けとしての効果があり、手を合わせることで煩悩が消え去るため、故人に数珠をもたせるのが基本です。

仏教以外の死装束

仏教では、経帷子を身につけますが、ほかの宗教での死装束はどんなものなのか気になるところです。神道・キリスト教の場合や最近増えている故人が愛した服やエンディングドレスについても解説しましょう。

神道は神衣

1868年に出された「神仏分離令(しんぶつぶんりれい)」によって、神道と仏教は明確に分かれています。そのため、死装束において仏教と神式では異なり、着物を用いるのは同じものの、神衣(かむい)と呼ばれるものが着せられるのが一般的です。

 

男性の神衣は狩衣のかたちをとり、神職の普段着から白い生地を使います。平安時代の貴族が身につけていたもので、狩りをするときに着用され、明治時代に入ると神職の普段着として着られるようになったそうです。

 

女性の神衣は小袿(こうちぎ・こうちき)と呼ばれ、身分の高い女性が着ており、十二単を略した装いである真っ白い服を指します。神職が着る格好であると同時に、神様そのものの姿ともいわれているようです。

キリスト教はドレス・洋服

キリスト教の場合、神道・仏教とは違って、とくに決まった「死装束」のしきたりはありません。とはいってもまったくないわけではなく、布をまとわせたり布で覆ったりすることはあります。

 

また、使う布の色は、白に限定されたものではなくて黒が選ばれることもあるでしょう。一般的にキリスト教の葬儀では、着物ではなくドレスや洋服を故人に着させることが多く、とくに故人が好きだった洋服で送り出します

 

キリスト教では、胸のうえで故人の手を組ませる形がよくとられ、キリスト教のお祈りの道具である十字架・ロザリオをもたせる形が多いです。宗教における死装束の違いについても、しっかりと理解しておきましょう。

故人が愛用した服

故人を旅立たせるために、白装束を身につけるしきたりは長く受け継がれているものの、最近ではその人らしい葬儀といった考えも定着し、故人の好んだ着物や洋服で送り出すケースも増えています

 

故人の愛用していた服装で見送る葬儀は、故人を偲ぶ意味でもとても大きな意味をもちます。洋服だけでなく、葬儀のときに流す音楽なども愛したものを選んでみるとよく、入れる花も好みで選べるでしょう。

 

最近の葬儀は、より大きく盛大に送り出すというよりも、故人の人柄を取り入れてよりオリジナリティあふれるスタイルが人気です。

エンディングドレス

エンディングドレスとは、その名のとおり、人生の最後に身につけるドレスです。死装束は、おとなしいデザインでシックなものをというイメージを覆すエンディングドレスにはとくに決まりはありません。

 

「フューネラルドレス」「ラスティングドレス」「エピローグドレス」とも呼ばれ、白や黒といった落ちついた色合いではなく、ある程度華やかなデザインが特徴的です。ドレスといっても着物も含まれます。

 

完全な洋装・着物と洋装にリメイクしたもの・着物の3パターンで、専門ショップの手によって作られるのが基本です。

白装束を着せるときの注意点

葬儀で用いる白装束を経帷子と呼びますが、故人に着せるときは左前になるように着せるのが一般的です。着物の左側を体に重ねてから右側を重ねる着せかたで、胸元がアルファベットの小文字「y」の逆になるため、間違わないようにしましょう。

 

死装束は左前に着せる理由は、日本の葬儀において「逆さごと」といい、通常とは逆のことをおこなう風習があります。着かただけでなく、着せかたも通常の右前から、逆の左前にするようになったそうです。

 

葬儀の白装束は、生前の着かたとは逆であることを頭に入れて、白足袋も逆に履かせるようにしてください。

宗教と白装束

白装束は、宗教において違う部分があります。浄土真宗をはじめ、ほかの宗教と白装束について見てみましょう。

浄土真宗の場合

仏教には色んな宗派があり、その中の浄土真宗は、故人の体に白装束を着させる風習はありません。これは、浄土真宗の死生観がほかの宗派とは根本的に違い、亡くなってすぐに浄土にたどり着くとされています

 

ほかの宗派は、人が亡くなってから浄土への険しい旅が待っており、それに合わせて旅の準備をさせるのが一般的です。浄土真宗はすぐに浄土にたどり着くことから、わざわざ故人に旅支度をさせる必要がありません。

 

そのため、浄土真宗の葬儀では、白装束の代わりに装束ではない白い服や故人が生前に愛用していた服などを着せて供養します。

ほかの宗教の場合

葬儀のときに白装束を着せるのは仏教ですが、ほかの宗教で仏教とまったく同じ白装束を着せる宗教はありません。しかし、似たような白の装束を着せる宗教はあり、古来から日本で信仰されている神道がこれに当たります。

 

神道の死装束は、神衣(かむい)と呼ばれ、仏式の白装束と形が似ているでしょう。しかし、仏式の白装束と大幅に違う点は、男性は笏(しゃく)をもたせ烏帽子をかぶらせ、女性は扇をもたせるのが一般的です。

 

元は1つの宗派として存在していた仏教と神道は日本で信仰されていることもあって、自然と葬儀の風習や考えかたが影響しあうのでしょう。

白装束のQ&A

白装束について、分からない点や疑問点などあるでしょう。そこで、白装束のQ&Aについて紹介します。

Amazonでも買える?

白装束は、Amazonでも手軽に購入することができます。価格も1万円以内のものが多く、中には千円台で買えるものもあり、急に必要になったときでも空いた時間を利用してスピーディに揃えられて便利です。

 

通常の白装束だけでなく、コスプレなども若い人を中心に人気があります。女性用・男性用に分かれていて、購入してすぐに故人に着せてあげることができ、長い旅に向けて送り出すことが可能です。

 

白装束が必要だけど、どこで手に入れたらいいのか分からない人は、Amazonで検索してみましょう。

白装束の夢を見たら?

夢占いの中には、白装束を着た人が現れる夢をみる人もいるでしょう。白装束の夢は、自身の祖先や伝統的なものとの関わりを示し、吉夢であれば先祖のサポートを得られて運気が上昇します。

 

ふと思い浮かんだアイデアや、こうしたほうがよいと思ったことを大切にして行動をすると、予想外の幸運がおとずれるでしょう。とくに白装束が光を放っている夢は、幸運の予兆として注目されています。

まとめ

今回は、白装束について、死装束との違いや白装束の着せ方、さらに宗教との関係性について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。故人を浄土に旅立たせるための準備であり、白色は穢れがなく清いイメージにより、故人を想いながら白装束で送り出しましょう。