葬式を行う時間帯・かかる時間は?タイムスケジュールやマナーも紹介

公開日 : 2020/11/1

更新日 : 2020/11/1

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葬式はやるべきことが多く、タイムスケジュールはもちろん所要時間や行う時間帯など、把握すべき点がたくさんあります。また葬式に参列する側は時間のマナーにも注意が必要です。通夜・葬式の時間に関するポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

公開日 : 2020/11/1

更新日 : 2020/11/1

目次

葬式と葬儀は同じ?

普段あまり意識せずに使っている「葬式」と「葬儀」という言葉ですが、どう違うのか疑問に思う人もいるでしょう。辞書で調べると、どちらも「死者を葬る儀式」とあり、ほぼ同じような意味があることが分かります。

 

しかし実際にはこの2つには違った意味があります。まず「葬儀」は、故人が成仏できるように僧侶が御経を上げて祈る、宗教的な意味を持つ儀式。告別式は正確に言うと、僧侶の御経で故人を送る「宗教儀式」と「参列者が故人にお別れをする儀式」の2つが合わさっています。

 

また「葬儀」は、臨終から火葬、四十九日、一周忌、故人を弔うために行う一連の儀式も意味します。

 

それに対して「葬式」は、宗教的であるかそうでないかは一切関係ないため、「葬儀」と「告別式」の両方を意味し、「通夜と葬儀・告別式」と本来は分けて言わなければならないところを「通夜と葬式」とまとめて意味することが可能です。

 

とはいえ、正確に意味を把握していなくても特に問題はなく、言葉の選択が間違えたところで誤解を招いたり、遺族・参列者に不快な思いをさせてしまうような心配もありません。

 

ただ言葉の意味には違いがあるということだけ、理解しておきましょう。

通夜・葬式にかかる時間は?

葬式前の通夜から始まり、葬式、火葬、骨上げと、仏式の葬儀の場合は2日に渡って行われることがほとんどです。葬式を滞りなく行うためにも、まずはそれぞれにどれぐらいの時間がかかるのかを把握しておきましょう。

通夜

もともと通夜には「夜を通して故人を見守る」という意味があり、夜通し線香やそうろくの火を絶やさず、故人のそばについていました。

 

もちろん、故人との最後の時を一緒に過ごすという意味もありますが、昔はご遺体の保存が難しく、臭いなどを緩和させたり、虫を近づけさせないために線香を絶やさないようにしていたこともあります。

 

また、最近は省略されることが多くなった、亡くなった当日に自宅で行う「仮通夜」でも、一晩中故人のそばについて、お線香やロウソクの火を絶やさないようにしていました。

 

現在はご遺体に防腐処理もされるようになり、納棺時にはドライアイスも使用されるため、夜通しついている必要もなくなりました。そのため、夜中の12時ごろまで故人との時を過ごして帰宅する「半通夜」が行われることが多くなっています。

 

通夜の儀式自体は1時間ほどで終わりますが、その後に通夜振る舞いを行う場合はさらに1~2時間がかかります。そのため参列者は通夜全体にかかる時間として2~3時間が目安ですが、遺族は準備や片付けの時間も含め5時間ほどと考えておくと良いでしょう。

葬儀・告別式

葬儀・告別式の儀式自体にかかる時間は、参列者の数などによっても変わりますが、だいたい1時間から1時間半が一般的です。

 

遺族は式が始まる1時間前には到着し、受付や当日の打ち合わせをする必要がありますので、葬儀・告別式には2時間半程度かかると考えておくと良いでしょう。さらにその後、火葬と収骨を済ませるので、その日全体では所要時間は5時間から5時間半ぐらいと言えます。

葬式を含めた全体のタイムスケジュール

葬式を行う側も参列する側も、葬儀全体の流れを知っておくと、慌てずに落ち着いて故人を送り出すことができます。通夜から始まり収骨まで、葬儀全体のタイムスケジュールを見ていきましょう。

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通夜式

まず1日目に通夜式を行います。進行は葬儀社が手配してくれる司会役に任せますので、特に進行に関して心配することはありませんが、通夜挨拶の準備だけはしておきましょう。

納棺

納棺を行う時間は特に決められていませんが、お通夜前に棺にご遺体を納めます。以前は遺族が末期の水、湯灌(ゆかん)などを済ませ、ご遺体に死装束を着せていましたが、最近は納棺を専門とする納棺師などによって行われることがほとんどです。

 

故人が好きだったものなどの副葬品を一緒に納める場合は、このタイミングで棺に入れます。

受付

受付を担当する世話役は、1時間前には斎場に到着し、受付の準備をします。参列者の名前や住所を記入してもらう「芳名帳」を広げ、「香典受け」や」「名刺受け」も用意。開式より30分前には全ての準備が整い、受付ができるような状態にしておきましょう。

読経

遺族は斎場に着席し、参列者が着席するのを待ちます。開始時刻に合わせて僧侶が入場し30分ほど読経が行われます。

 

最近は斎場で行われることが多くなったため、椅子が用意されていることがほとんどですが、自宅などの場合は正座をする必要があります。時折、足の指先を立てる「跪坐(きざ)」などをしながら、足がしびれることのないようにしましょう。

焼香

読経が始まると、焼香が同時に行われます。焼香の順番は、喪主から始まり、親族、参列者と進んでいくのが通常です。スムーズに焼香をするためにも、焼香に向かう時には中央通路を通り、席に戻る時には外側通路を通るようにします。

 

また参列者の場合は、焼香台の手前でご遺族へ一礼をし、ご遺族への心づかいを忘れないようにしましょう。

通夜挨拶

焼香と読経の後に僧侶の法話があり、全てが済んだら僧侶が退場します。司会者からの指示を受け、喪主が通夜挨拶を行います。挨拶は3分程度に短くまとめ、参列者へのお礼や葬儀・告別式の案内をしましょう。

 

弔電や弔辞の紹介が挨拶前にあることもありますが、葬儀によっては焼香前や焼香中に紹介されることもあります。

通夜振る舞い

「通夜振る舞い」は、参列者や僧侶に飲み物や食事を振る舞うことで、感謝の気持ちを伝える会食の席です。本来は、故人の思い出話などをしながら夜通し行われていましたが、最近は1時間から2時間程度で行われる場合がほとんど。

 

「精進落とし」も食事や飲み物を振る舞うため、通夜振る舞いと混同されることがありますが、火葬後の法要が終わってから行われるため、通夜振る舞いとは異なります。

 

通夜振る舞いは必ず行われるものではないため、省略されたり、親族のみに振る舞われることもあります。通夜式の終わりに、通夜振る舞いの案内が特にない場合、参列者はそのまま帰宅しましょう。

葬儀・告別式

2日目には葬儀・告別式が行われます。全体の流れとしては通夜式と同じように進んでいきますが、通夜式より長く時間がかかる場合がほとんどです。

受付・開式

遺族・世話役は1時間前に斎場に集まり、打ち合わせや準備を済ませ、開式の30分前には受付を開始。司会者の開式の言葉とともに葬儀が始まります。

読経

通夜式の時と同様に、開式後僧侶が入場して30~40分間読経を行います。その間は私語は慎み、読経に耳を傾けるようにしましょう。

焼香

葬儀の場合も、喪主から焼香を始め、遺族、親族、会社関係者、友人と順に行います。司会者から焼香順の案内がある場合はそれに従い、そうでない場合は着席順に焼香しましょう。

喪主挨拶

何を話せばよいのか悩んでしまう人もいますが、参列してくれた方への感謝の気持ちや、故人の人柄、エピソードなどをまとめて話すのが一般的です。

 

特に大勢の前で話をするのは誰もが得意とすることではないため、緊張して話す内容を忘れてしまったり、早口になってしまったりしがちです。必要ならば小さなメモを見ながら話し、急がず自分のペースで話をしましょう。

 

とはいえ、いくら便利でもスマートフォンのメモ機能を使うのはあまりおすすめできません。携帯電話を斎場に持ち込み、そのディスプレイを見ながら人前で話すのはあまり印象が良いとは言えないからです。

 

面倒でも紙に書くようにし、挨拶は3~5分程度で終わらせるようにしましょう。

出棺

葬式が終わると、柩を祭壇から降ろし式場の広い場所へ移動します。1人ずつ祭壇に飾ってある花を柩に入れながら最後のお別れをし、全員が終わると柩のふたが閉じられ、霊柩車で火葬場へ移動します。

 

この時、喪主や親族代表から、お見送りに対するお礼の挨拶があります。お見送りをしてくれている会葬者はたいてい立ったまま挨拶を聞くことになり、中には高齢者や足の不自由な人もいるかもしれません。挨拶をする場合は長くても3分程度にまとめるのが理想です。

 

火葬場へ向かう人は柩を見送ったあとに火葬場へ移動しますが、向かわない人は黙礼や合掌で故人を送り、解散します。

火葬

火葬場には葬儀の参列者全員が同行するわけではなく、ご遺族や親族のほか、故人が生前に親しくしていた友人など、限られた人だけが同行します。

 

到着後、火葬炉前に柩を安置し「納めの式」が行われます。通常は僧侶の読経が行われ、1人ずつ焼香して最後のお別れをしますが、火葬場によっては納めの式が省略され、そのまま火葬炉に柩を納めるところもあります。

 

火葬が行われている間は控室で待ちますが、簡単なお菓子や飲み物が用意されていることがほとんどです。葬儀の主催者が用意するものですが、火葬場によっては飲食物の持ち込みを禁止している場合があります。必ず事前に確認をしておきましょう。

骨上げ

火葬が終わると遺骨を骨壺に納める「骨上げ」または「収骨」が行われます。2人ペアになって骨上げ箸を使い、足の骨から拾い始め、徐々に上部の骨へと移り最期に頭蓋骨がくるようにします。

 

この後、初七日法要や精進落としが行われることもあります。

葬式を行う時間帯は決まっている?

通夜・葬式が行われる時間帯は、斎場や火葬場の予約時間はもちろん、ご遺族・親族の都合などで多少の違いはありますが、たいだいの場合が決まっています。一般的な時間帯についてお話していきましょう。

通夜の時間帯

通夜は、夕方18時から19時ぐらいから始まる場合が多いですが、早くて17時から、遅いところでは20時からという場合もあります。

 

たいてい通夜は平日の夜に行われるため、参列者は仕事から直接通夜に向かうという場合が多いですが、遅れることのないように余裕を持って通夜会場に向かうことが大切です。

 

また遺族・親族は1時間前ぐらいに到着して、余裕を持って参列者を待つようにしましょう。

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葬式の時間帯

葬儀・告別式は火葬も後に控えているため、早くから始める必要があります。そのためたいていは午前10時から11時ぐらいの時間帯に行われることが多いです。

 

とはいえ、火葬場の予約時間が遅い時間の場合などは、午後2時ぐらいから葬儀が開始されることもあります。「葬式は午前中から始まるもの」と決めつけず、必ず開式時間を事前に確認するようにしましょう。

葬式に参列する時の「時間のマナー」

ご遺族やほかの参列者に不快な思いをさせないためにも、身だしなみを整えて相応しい服装で参列するのは当然のことですが、時間に関してもマナーがあります。

時間前の到着

遅れないようにするため、時間に余裕を持って斎場に向かうことは大切ですが、早すぎる到着もマナー違反です。斎場では開式前の打ち合わせや準備が行われているため、ご遺族の邪魔になってしまう場合もありますし、受付の準備がまだできていないことも考えられます。

 

もし斎場に早く着いた場合には、近くにあるカフェやファーストフード店などで時間をつぶし、受付やご遺族などへの挨拶をする時間を考え、開式の30分前ぐらいに到着するようにしましょう。

 

時間後の到着

通夜は平日の夕方に急に行われることもあるため、どうしても仕事の都合で到着が遅れてしまうこともあります。30分ぐらいの遅刻でしたら、そのまま参列しても問題はありませんが、1時間以上の遅刻は、斎場に電話などで確認をしたほうが良いでしょう。

 

葬儀・告別式の場合は、やむを得ない事情がある場合を除いて、遅刻は絶対に避けたいところです。あらかじめ交通渋滞や電車の乗り継ぎの時間などを考慮し、必ず時間前に到着するよう早めに出かけましょう。

葬式の時間を決める時の注意

通夜や葬儀の開式・閉式時間を決める際には、気を付けなければならない点があります。葬式を滞りなく進めるためにも、ここで確認をしておきましょう。

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火葬場の予約時間に合わせる

葬式が行われる地域によっては火葬場の数が少なく、予約が取りにくいことがあります。

 

そのため、先に葬式の開式時間を決めてしまうと、葬式が終わってから火葬までにかなりの時間が空いてしまったり、逆に火葬に間に合わないということにもなりかねません。

 

必ず火葬場の予約を先に行ってから、その時間に合わせて葬儀・告別式の開式時間を決めるようにしましょう。

僧侶の都合に合わせる

宗教・宗派や先祖代々お世話になっている菩提寺の有無などによって、読経をお願いする僧侶も限られます。僧侶は葬式以外にもさまざまな儀式などに出向くため、自分がお願いしたい時間帯に必ず都合がつくというわけではありません

 

このような理由から、僧侶の都合を先に聞き、その時間に合わせて葬式の時間を決めるようにすることが望ましいと言えます。

 

また僧侶の都合がつかなかったからと、菩提寺に断りもなく他のお寺の僧侶に葬儀をお願いするのは厳禁です。後で菩提寺のお墓に納骨をする際、断られることもありますので注意しましょう。

多くの参列者が望める時間帯を選ぶ

葬式は故人との最後のお別れの場となるため、出来る限り多くの人に参列してもらえるのが理想です。そのためにはあまり早すぎる時間や遅すぎる時間を避け、みんなが参列しやすい時間帯を選ぶのもポイントです。

 

とはいえ、前に述べた火葬場や僧侶の都合を優先することが大前提となりますので、覚えておきましょう。

時間と気持ちに余裕を持って故人を送りましょう

通夜・葬式は、大切な家族を突然亡くした深い悲しみの中で、さまざまなことを進めていかなければなりません。

 

ご遺族は時間通りに葬式を進め、参列者は時間のマナーを守ることももちろん大切ですが、時間にとらわれすぎずに、感謝の気持ちを込めて故人を送り出しましょう。