家族葬を解説!葬儀の流れや一般葬との違い、注意点について

公開日 : 2020/11/5

更新日 : 2020/11/5

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「家族葬」という葬儀の形は現在増えつつあり、名前を聞いたことがある方も多いかと思います。しかし家族葬がどのようなものか、その利点や注意点は何なのかはそれほど広く周知されていません。今回はそういった費用や流れ、注意点に関する疑問に広く答えて行きます。

公開日 : 2020/11/5

更新日 : 2020/11/5

目次

家族葬とはどのようなもの?

家族葬とはどのようなものなのでしょうか。実は家族葬には明確な定義がありません。「家族」と銘打っていますが、家族あるいは親戚の方々しか葬儀に呼べないわけでもありません。

 

家族葬とは一般的な葬儀の流れをとりつつ、参列者を故人様やご遺族の親しい極少数の人に抑えたもので、身内だけで葬儀を執り行うために形式やその他の面で柔軟な式の形を作ることができる点で魅力的です。

 

では具体的にどのような流れを取るのでしょうか。また、他の形式の葬儀と比較した時にどのような点が異なるのでしょうか。

家族葬の流れを他の葬儀の形式と比較

家族葬の形式は一般葬と同様ですが、大まかに言ってしまうと参加人数に違いがあります。会社の同僚やかなり離れた親戚、近隣の住民の方々が参加する一般葬とは異なり、参列者が近い親戚やごく少数の親しい友人の方々に限られるためです。

 

このように参加人数が少なく葬儀の規模が小さいことから低予算な印象を与えることも多くあります。では家族葬は低予算とされる直葬などとどのような点で異なるのでしょうか。また、そもそもの一般的な葬儀の形式についても紹介していきます。

家族葬の流れ

冒頭に述べたように家族葬の流れは一般的な葬儀と変わりません。一日目に通夜、通夜振舞いを行い、二日目に告別式、火葬、精進落としを行います。

 

家族葬では参列者の人数が限られているため、挨拶回りや斎場でのお仕事などに時間を取られすぎることなくお通夜の夕方からご遺族や限られた友人の方で時間をかけて故人様を悼むことができます。

 

また、親しい身内のみで式の内容を決定できるのが魅力であると述べたように、時間設定やお食事の形式は柔軟に設定することができます。

 

例えばご高齢の参列者様が多く長い時間拘束するのが申し訳ない場合は、食事会を開かずにお食事のカタログギフトを送ることもできます。

 

特に現在、会食によってコロナウイルスの感染が危ぶまれることを考えると、お食事の席を柔軟に設定できるのは好ましいことかもしれません。

 

また、演奏者の方を斎場にお呼びし会場内の音楽を生演奏にする、愛犬のための葬儀を執り行うなど、他にもご家族の数だけ様々な形の家族葬が存在します。

密葬や一日葬、直葬との違い

少人数なイメージが家族葬に重なる密葬、同じく低予算なイメージが家族葬に重なる一日葬と直葬ではそれぞれ何が異なるのでしょうか。まず密葬と家族葬では、後日の大規模な本葬やお別れ会を前提としているか否かが異なります。

 

本葬では参列者があまりに多く故人様に想いを馳せる時間があまりにも少ない場合、特に著名人や企業の社長などが、事前に親族内でしっかり故人様を悼む時間を設けるために執り行うのが密葬です。

 

次に一日葬や直葬はどのようなものなのでしょうか。一日葬とは通夜を省略し告別式から火葬までを一日で行う葬儀のことです。この場合、通夜にかかる一切の費用を抑えることができます。

 

また、直葬とは通夜、告別式、葬儀を省略し火葬のみを行う葬儀の形態です。近年では宗教観の変化や経済的な理由から直葬の形式が採られることも増えています。これらの葬儀の形式を理解した上で重要なのは、「家族葬と一日葬、直葬は両立できる」ことです。

 

先の段落で家族葬は一般的な葬儀の手順を踏むと述べたばかりですが、絶対的な定義はないため「近親者のみを呼ぶ一日葬」も家族葬ということができます。

家族葬はどこで行うの?

では家族葬はどこで執り行えば良いのでしょうか。通常の葬儀をあげている斎場で家族葬を行うことも可能なのでしょうか。実は家族葬を執り行う上で特別な斎場を選ぶ必要はなく、一般葬を扱っているほぼ全ての場所で自由に執り行うことができます。

 

ただし家族葬はもともと少人数を想定しているため、一般葬で用いるような大きな会場を予約してしまうと、参列者数に対して会場が大きすぎ閑散とした寂しい印象を受けるかもしれません。

 

斎場の側も近年の家族葬の増加に合わせて10-30人程度に合わせた会場の数を増やしているようです。事前の打ち合わせで想定している人数を葬儀社に伝え、適切な大きさの会場を紹介してもらうのが良いでしょう。

 

加えて、会場が小さくなることでそこにかかる費用を抑えられるメリットもあります。

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誰を呼ぶの?会社の人や義両親などは?

ではそういった家族葬に誰を呼べば良いのでしょうか。また、葬儀にお呼びしない方にどのように訃報をお伝えすれば良いのでしょうか。まず誰を呼ぶかについては喪主やご遺族の方々の判断に完全に委ねられています。

 

あるいは、故人様が生前に参列者についての希望を残している場合もあります。家族葬は近年増えている葬儀の形態であるため、伝統的な決まり事などはそれほど多くありません。

 

10-20人程度の葬儀では、会社の方々や義両親もよほど親しい仲でない限り参列しないようですが、裁量は喪主にあります。では参列を遠慮していただく方々にはどのようにその旨をお伝えすれば良いのでしょうか。

 

結論から言うとお呼びしない方々に式前に連絡するのは避けた方が良いでしょう。「家族葬を行う」といった連絡を受け取る側の立場に立ってみると、自身が参列すべきなのかすべきでないのか迷ってしまうことが想像できます。

 

葬儀の後には、家族葬で故人様を見送った旨をしっかりお知らせすべきでしょう。ただし、家族葬は近年新しく広まりつつある文化であるため、人や地域によっては参列をお断りしたことを受け入れていただけないこともあります。

 

親族の習慣や地域の風習に関しては葬儀社に一度相談してみてはいかがでしょうか。

家族葬のメリットは?どのような人が家族葬を行うの?

これまで家族葬とはどのようなものなのか、その特徴を紹介してきました。ではそれらの特徴はどのようなメリットに変わるのでしょうか。また、そういったメリットを活用することでより納得の行く葬儀をあげられるのはどのような人なのでしょうか。

家族葬のメリット

家族葬のメリットは大きく分けて3つであり、既に上の段落で紹介してきたことでもあります。簡潔にもう一度まとめて紹介します。

葬儀内容を自由に決められる

一つ目の利点は、葬儀の内容を比較的自由に決定できることです。気心の知れた親しい仲の方々しか参列しないため、葬儀内容の変更も理解を得やすいと言われています。

 

葬儀内容の変更とは、先述したように「家族葬と一日葬を併用する」といった葬儀全体の構造に関わることから、当日の飾り付けに故人様の好みや思い出を反映させるなど細部に至る点までを指します。

当日のご遺族の精神的負担を減らせる

二つ目の利点は、参列者が少ないために当日のご遺族の精神的な負担を減らすことができることです。大勢の方々に来ていただく大規模な葬儀は故人様の人徳を反映するものではあります。

 

しかし、故人様の突然の逝去の直後に気持ちの整理のつかないまま葬儀に関する取り決めを葬儀社と結び、多くの参列者の方々の挨拶対応をし、焼香の順番を考えるのはご遺族の方々には肉体的にも精神的にも大変な負担だと思われます。

 

反対に家族葬で参列者数を大きく抑える場合、通夜や当日の時間に余裕ができ、心を落ち着けて葬儀に臨むことができます。後者の方がゆとりを持って故人様とのお別れができるのではないでしょうか。

費用が抑えられる

三つ目の利点は、費用が抑えられることです。参列者数を減らし、斎場を小さくする、あるいは会食で用意する食事の数が減ることで費用を抑えることができます。

 

また身内だけで行うため、返礼品、食事のグレードを下げることや葬儀の形式変更について理解が得やすい点が費用を抑えられる主な要因となっています。一方で、参列者数が減ることによっていただける香典額の総額が減ることに注意しなければなりません。

 

香典総額が減った結果、持ち出し金額は一般葬と変わらない場合も多くあるため、家族葬を選択すれば自然と家計への負担が抑えられるわけではありません。

 

こういった香典に関する不透明さを取り除くため、初めから香典は受け取らない旨を訃報連絡に記すとともに香典返しもお断りすることを通知するケースもあるようです。

近年家族葬が増えている理由

近年家族葬が増加している背景には経済、社会事情が多く含まれています。それぞれ簡潔に紹介します。

 

まず経済的事情としては、近年の不況の中で故人様やご遺族の方々家計への負担を考えた場合、小規模な葬儀が好まれていることが挙げられます。喪主が望まなくとも故人様が「できるだけ家族に手間をかけさせたくない」として家族葬の遺志を残すことが多いようです。

 

次に社会的事情としては、昨今の少子高齢化や地域の人間関係の希薄化が挙げられます。喪主が高齢化したことによって、お葬式の場で大勢の参列者に対応することが体力的に難しくなり、人数的に小規模な葬儀が好まれるようになりました。

 

また、故人様が高齢でいらっしゃった場合、参列する友人の方々も残念なことに既に少なくなってしまっていることも多くあります。近隣住民との関係の希薄化によって、お葬式に呼ばない判断が増えたのも、近年の家族葬の増加の一因となっています。

家族葬の注意点、マナー、服装は?

メリットが多く、大勢の人に受け入れられ始めているように見える家族葬ですが、いくつかの点で注意が必要です。また、注意とまでは行かずとも参列する前にはマナーを確認しておきましょう。

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費用面での注意

家族葬のメリットを紹介した際に費用面での注意点も述べました。家族葬を選択するだけでは費用を抑えることはできず、場合によっては香典としていただく額が減るため持ち出し金額が大きくなってしまいます。これに加えて、費用面ではもう一つ注意点があります。

 

家族葬の見積もりを葬儀社でする場合は細かい項目ごと、一円単位まで見積もりを出してくれる葬儀社を選ぶ必要があります。

 

特に通常の葬儀と異なり、家族葬の見積もりに慣れている親族や知り合いの方は身の回りに少ないことが多いため、信用できる葬儀社を見つけることが非常に重要になります。

 

いくつかの葬儀社を回ってそれぞれ見積もりを出してもらうことで、安心して葬儀を任せることが可能な会社をみつけられます。

人数制限について

葬儀社で家族葬プランを組む多くの場合、斎場の大きさ等の都合から人数制限が契約事項に含まれます。故人様の大切な関係者の方々の中から誰を呼んで誰を呼ばないか判断するのは大変なことですが、はっきりさせておきましょう。

 

当日思わぬ弔問客があり事前に契約した人数を超えてしまうと、超過料金が発生してしまうため注意が必要です。

式後に起こりうるトラブル

親しい近親者を除いて故人様の関係者の方々を葬儀に招かず事後報告のみを行うため、地域や家族によっては理解が得られない場合があります。

 

住んでいる地域や自身の親族がどの程度伝統的な葬儀の風習を重んじているのか、親戚や葬儀社に一度確認してみてはいかがでしょうか。

 

また上記のようにトラブルにはならずとも、故人様の訃報を知った関係者の方が葬儀後にご遺族宅を訪ねてくることがあります。

 

弔問に訪れてくださることは当然喜ばしいことなのですが、雑な対応をすることはできないため、あまりにもその数が多いと葬儀後のご遺族の精神的な負担となってしまいます。

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参列者側としてのマナー

家族葬は現在増えつつあるお葬式の形態であるため、好ましい話ではありませんが、万が一身内に不幸があった場合自身が参列することもあるかもしれません。

 

規模が小さく気心が知れているとは言え、故人様を悼む気持ちをしっかり表現しご遺族に失礼の内容にする必要があります。

お香典について

家族葬のお香典相場額は一般葬と変わりません。また、家族葬にはお香典を決して持参してはならないといった規則もありません。しかし、ご遺族によっては香典返しにかかる経済的な負担を減らすため、始めからお香典を辞退していることがあります。

 

葬儀の連絡や訃報に香典自体の旨が明記されている場合は、無理に香典を送るのは好ましくありません。香典を送らずに弔意を示すには弔電を送るなどの手法があるようです。

服装について

身内のみでの葬儀ですが、服装は一般葬と変わりません。喪主となるご遺族の喪服の格式を超えないよう準喪服か略喪服で参列しましょう。

 

必ずしもご遺族から喪服の格に関する指定があるとは限りませんが、そういった場合は準喪服で行けば失礼には当たりません。また数珠も相手の宗派と異なっている場合は略式数珠を用意すれば失礼に当たりません。

納得の行くお葬式を

家族葬は故人様との最後の挨拶の時間をしっかり確保することのできる、現代の人々に適した素晴らしい葬儀の形であると言えます。一方でお呼びしなかった関係者の方々への挨拶や費用など注意点も多く含まれています。

 

それぞれのご家族が納得の行く葬儀の形態を、葬儀社と相談して選び出すことができることをお祈りしています。