喪章の意味・役割・歴史・着ける人・購入方法・作り方などをご紹介

公開日 : 2020/11/5

更新日 : 2020/11/5

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喪章は故人を弔うために葬儀で身に着けるためのものです。リボン記章・リボン型・腕章型などがありますが、喪章の歴史や役割、身に着ける人の立場などはあまり知られていません。喪章の意味・役割・歴史・着ける人・購入方法・作り方などを喪章のまとめました。

公開日 : 2020/11/5

更新日 : 2020/11/5

目次

喪章(喪しょう)について

喪章は故人に弔意を示すために身に着ける黒い布のことです。大きく分けて、リボン型と腕章型の2種類に分けることができます。お通夜や葬儀に身に着けるものですが、喪章には弔意を示す以外にも様々な意味があります。また、誰でも付けていいものではありません。

 

喪章の歴史や意味、付け方、身に着ける人などについてご紹介します。

喪章の種類について

喪章はリボンで作られたものと腕章型に分けられ、リボンで作られたものはリボン記章とリボン型の2つがあります。喪章は男女で区別がないのも特徴です。3種類の喪章についてまとめました。

リボン記章

リボン記章はバラの花をイメージして作られたもので、葬儀の責任者が身に着けることが多い喪章です。白いリボンをバラの形に作り、白黒のタレが付けられるのが一般的です。タレには、喪主や葬儀委員長などの役割を書くことになっています。

 

ただし、リボン記章は葬儀の喪章として利用するものだけではないので、さまざまな色のリボン記章が販売されています。リボン記章は、左の胸元に付けるのが一般的です。

リボン型

リボンで作られた喪章の中で、リボン記章を除いたものをリボン型と呼びます。リボン記章も含めて、リボンで作られた喪章全てをリボン型と呼ぶ場合もあります。白と黒のリボンを利用したさまざまなデザインの喪章があります。

 

安全ピンからリボンを下げただけのものなど、簡易的な作りの喪章が多いです。リボン記章と同じく、左の胸元に安全ピンで取り付けます。ただし、腕に取り付けるタイプのリボン型の喪章もあります。

 

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腕章型

腕章型は、読んで字のごとく腕に取り付けるタイプの喪章です。家紋が白く入るものもありますが、ほとんどの場合腕章型の喪章は黒い布だけで作られています。10センチ程度の幅の布で作られたものが一般的です。

 

以前は安全ピンで留める腕章型の喪章が多かったですが、安全性を考えてマジックテープで作られたものが増えています。また、ポリエステル製のものも多くなっています。

喪章の付け方について

喪章は腕章型とリボン型の2種類がありますが、左側に着けるのが一般的です。腕章型は、左腕に巻いて安全ピンかマジックテープで動かないようにします。リボン型と腕章型は左の胸ポケットの上辺りに、安全ピンで取り付けます。腕に取り付けるリボン型の喪章もあります。

喪章の歴史と意味について?

現在は喪章を付けることが多い当たり前になっていますが、喪章を身に着けるようになったのはいつからなのでしょうか?喪章の歴史についてまとめました。

葬儀が簡略化した明治から喪章は使われるようになった

喪章は古くからの習慣と思われる場合もありますが、実際は明治頃から始まった習慣です。「初七日法要」や「精進落とし」は時間をかけて行われましたが、現在は火葬された直後に行われるのが一般的です。

 

かつて、遺族は白い喪服を着て葬儀をしていましたが、明治から遺族も黒い喪服を着ることが一般的になりました。遺族が白い喪服を着なくなってから、遺族が喪章を付ける習慣が生まれたといわれています。

喪章は遺族と弔問客を見分けるためにできた

現在は弔意を示すために身に着けるとされる喪章ですが、元々は遺族と弔問客を見分けるための目印として喪章を付けるようになったといわれています。昔の葬儀では、遺族が白い喪服で弔問客は羽織袴を着ていました。

 

このため、遺族と弔問客は服装で見分けがついたのです。しかし、明治から遺族も黒い喪服を身に着けるようになり、服装で見分けるのが難しくなりました。一目で見分けがつく目印として遺族が喪章を付けるようになったのです。

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喪章を左側に付ける意味について

目印として付けるようになった喪章ですが、左側に着けることには様々な意味があるといわれています。有力なのは、故人に最大限の弔意を示すためです。仏教では、一般的に御本尊から見て右側が上位とされています。

 

この考え方だと仏壇に向かって左側が位が高いことになります。故人に弔意を示すために、自分の体の左側に喪章を付けているわけです。他にも実用的な利用として、左側に喪章を付けるようになったともいわれています。

 

人間は右利きの人の方が多いです。そのため、左側に喪章を付けた方が動きの妨げにならず、多くの人にとって動きやすくなります。動きやすいので、左側に喪章を付けるようになったともいわれているのです。

喪章をつける人について

喪章を付ける人は基本的に故人の親族ですが、喪章を付ける人の範囲はどこまでなのでしょうか?また、親族でなくても喪章を付ける人もいます。喪章を付ける人の立場についてまとめました。

喪章を付けるのは4親等以内の親族

喪章を付けるのは、原則として故人から見て4親等以内の親族とされています。4親等の親族は、祖父母の兄弟である大叔父・大叔母、孫の孫に当たる玄孫、甥や姪の子供などが該当します。かなり遠縁なのでピンとこない人も多いかもしれません。

 

現在の日本では4親等以内の親族が葬儀に来ないことがほとんどでしょう。そのため、実際は喪章を身に着けるの親族は、4親等よりも近縁に限られることが多いです。また、縁が深い人が喪章を身に着けるという考え方もあります。

 

故人と同居していた親族のみが喪章を身に着ける場合もあり、4親等よりも遠縁の親族が身に着けることも珍しくありません。喪章を身につけるのは、4親等というのは絶対のルールではないのでこのような例外もあります。

喪主のみが付ける場合について

喪章は葬儀関係者が目印として身に着ける意味合いも強いです。そのため、葬儀を取り仕切る喪主(施主)だけが喪章を身に着けるケースも増えています。葬儀の責任者が誰だか一目で分かるので、弔問客が質問しやすいというメリットがあります。

 

喪主は故人の配偶者や子供が務めることが多いですが、親族以外が務める場合もあります。この場合でも喪主は喪章を見つける必要があります。喪主が身に着ける喪主はリボン記章や腕章型の喪章が多いです。

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受付や葬儀社のスタッフ

受付の人が喪章を付ける場合もあります。基本的には、受付は家族・親族以外の人が務めます。故人の同僚や町内会の人などが、受付を担当することが多いです。受付の人も親族以外で喪章を着けるケースになります。

 

故人の親族と受付の人が見た目で分かるように、異なる喪章が用意される場合もあります。葬儀社のスタッフが受付をすることはありませんが、葬儀社のスタッフも葬儀の関係者です。

 

葬儀者のスタッフは制服を着ているので関係者とわかりやすいですが、まれに喪章を付けることもあります。ただし、受付の人や葬儀者のスタッフが喪章を付けるのは、大規模な葬儀であることがほとんどです。

喪主と施主は違う

喪主と施主は同じ人が務めることが多いですが、役割としては全く別のものです。喪主と施主は喪章を必ず身に着ける立場ともいえます。喪主と施主の違いや役割をご紹介します。

喪主は葬儀を取り仕切る

喪主は葬儀を取り仕切る立場で、故人と最も近い配偶者や子供が務めることが多いです。葬儀全体の監督や葬儀者との打ち合わせを行い、葬儀中の挨拶は喪主の仕事です。葬儀で最も重要な立場で、喪主が最も必要な人物になります。

 

施主と同じ人物が喪主を務める場合もありますが、喪主は1人とは限りません。複数の親族が喪主を務める場合や親族以外が喪章を務める場合もあります。

葬儀の費用を負担し喪主をサポートする施主

施主は葬儀の費用を負担し、喪主のサポートをするのが仕事です。小規模の葬儀では喪主と施主を1人で行うことが多いので誤解されることも多いですが、基本的には役目が異なります。また宗派や地域によっても、喪主と施主の考え方も変わってきます。

 

喪主と同じく施主も複数の人物が務める場合や親族以外が務める場合もあります。

喪章が必要ない場合について

喪章を付けるべき立場の人が喪章を付けなくても良い場合もあります。これは、喪主であっても変わりません。喪章を付けなくても良い場合をご紹介します。

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正喪服を着ている場合は喪章が無くても大丈夫

喪章は白い喪服の代わりに身に着けるようになった経緯があります。そのため、正喪服を着ている場合は、喪章を付けなくても構いません。正喪服は基本的に遺族のみが身に着ける喪服で、遺族でない場合は喪主や施主など一部の人物だけが身に着ける喪服です。

 

一般の参列者は正喪服を着ることは許されません。正喪服を着ていれば、葬儀関係者であることはわかるので喪章を付ける必要はないのです。

男女別の正喪服について

正喪服は男女別に和装と洋装があります。男女別に分けて、正喪服についてご紹介します。

男性の正喪服にふさわしい服装は?

男性の正喪服は和装の場合、黒羽二重の染め抜き五つ紋付きの羽織になります。袴は博多平か仙台平で、白足袋と畳面の草履を履くことになります。

 

洋装はモーニングコートに白で無地のワイシャツの組み合わせです。ネクタイは黒を合わせます。ただし、モーニングコートは明るい時間帯の服装なので、お通夜に着るのはマナー違反です。

 

モーニングコートのベストに白襟がついているのは良くないので、外してから着用します。

女性の正喪服にふさわしい服装は?

女性の正喪服は和装の場合、黒無地の染め抜き五つ紋付の着物に黒帯、白足袋、黒草履の組み合わせです。足袋以外の小物は黒で統一しましょう。

 

洋装の正喪服は黒いフォーマルドレスです。フォーマルドレスは準喪服と区別が付きにくいので、間違えないように注意しましょう。正喪服はスカートが長く、ジャケットの襟元が締まっているものが適しています。

 

殺生をイメージさせるので革製の小物などを身に着けるのは良くありません。ただし、革靴やバッグは基本的に問題ありません。爬虫類の模様がある革製品などは絶対に避けましょう。

喪章をつける時と外す時期について

喪章を付けるときははっきり決まっており、外すときに関してもある程度決まりがあります。喪章を付ける時や外す時期についてまとめました。

お通夜や葬儀で着用する

喪章を付けるのは基本的にお通夜や葬儀です。喪主は葬儀に参列する人間が誰でも身に着けることができるものではありません。参列者が喪主や遺族や挨拶する際も目印になるので、葬儀の間は身に着けるままにしておいた方が良いでしょう。

 

ただし、受付の人は受付の仕事が終わったら、基本的に役割はありません。そのため、受付が終わった後は、喪章を外しても問題はないといわれています。

 

また、火葬が終わったら、周囲は親族や故人と特に親しい人以外はいなくなります。目印も必要なくなるので、喪主でも火葬後は外しても大丈夫といわれています。

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外す場合は葬儀社に確認

喪章は外しても大丈夫な場合がありますが、はっきりとした決まりはありません。自信がない場合は、葬儀社のスタッフに確認してから外した方がいいでしょう

喪章を用意するには?

喪章は葬儀社が用意してくれる場合と自分で用意する場合があります。自分で用意する場合は購入するだけでなく、自作することもできます。喪章を用意する方法についてまとめました。

葬儀社が用意してくれることが一般的

葬儀社は、葬儀に必要な準備は全て行います。。そのため、葬儀に必要な喪章は全て葬儀社が用意してくれることも多いです。費用は掛かりますが、葬儀社に頼めば自分で喪章を用意する必要はありません。

 

葬儀社が用意してくれるなら、急な葬儀でも安心です。ただし、腕章型の喪章とリボン型の喪章のどちらを用意するのかは、葬儀社によって異なります。喪主用の喪章だけしか用意できない場合や自分たちで喪章を用意しなければならない地域もあります。

 

葬儀社が用意できるのか自分で用意する必要があるのか、事前に確認した方がいいでしょう。

スーパー・コンビニ・文具店でも購入可能

自分で用意しなければならない場合、意外と喪章が売られている場所は多いです。仏具店で販売されていますが、紳士服店でも喪章は手に入ります。葬儀場に近いスーパーマーケットやコンビニ、文具店でも喪章を扱っていることは多いので、意外と簡単に手に入ります。

 

現在では、ネット通販でも喪章を販売しています。急いでいる時には不向きですが、会社などでまとめて喪章を用意する必要があるならネット通販が便利です。価格は材質やデザインで幅がありますが、安く買えるものも多いです。

 

腕章型の喪章なら、200円から1000円程度で購入できます。リボン型の喪章なら、安いものは10枚で500円程度で購入可能です。

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自作する場合について

喪章を自分で用意する必要がある場合、喪章を作るのは意外と簡単です。単純な喪章の作り方についてまとめました。

黒いリボンと安全ピンで作れるリボン型

幅が2.4cm程度の黒いリボンと安全ピンを用意します。リボンを10cm程度にカットします。リボン型の喪章は裾になる側がギザギザになっているのが普通です。ピッキングバサミがあると簡単にギザギザにしてカットできます。

 

上になる部分は縫い合わせるので、アイロンでしっかりと折り目を付けるのがおすすめです。重なった部分を黒い糸でしっかりと縫い合わせて、輪になる部分を作ります。ここに安全ピンを通すことで、リボン型の喪章は完成します。

腕章型の作り方

腕章型の喪章を作るには、黒い布と接着芯、黒い糸、安全ピンが必要です。一般的な腕章型の喪章は43cm×10cmなので、接着芯はこれと同じ大きさで布は45cm×24cmにカットします。腕が太い場合は、少し大きめに作れば大丈夫です。

 

接着芯を布に挟む形で織り込むことで、型崩れしにくい腕章型の喪章ができます。安全ピンを使えば好きな位置に、喪章を留めることができます。

喪章の材料は安いものでも大丈夫

喪章の材料は、100ショップで購入できるようなものでも十分です。ただし、縫う際に糸が目立たないように、布と同じ黒い糸を使うようにしましょう。また喪章は故人を弔うためのものなので、自作する場合はしっかりと作ることが大切です。

プロ野球・サッカーなどスポーツの試合で喪章を身に着ける場合について

喪章は葬儀で遺族や葬儀関係者が身に着けるのが一般的です。ただし、2011年3月に行われたサッカーの親善試合など、スポーツ選手が喪章を身に着けて試合を行う場合もあります。

 

サッカーの試合は東日本大震災の復興支援として行われたもので、震災で亡くなった方への弔意を示すものです。最近は選手が自発的に喪章を身に着けてプレイする場合もあり、スポーツ選手が喪章を身に着けるケースが増えています。

 

これらは特殊なケースですが、故人を弔うという意味では葬儀で身に着けることと違いはありません

お通夜に喪服がない場合は喪章を付ければ喪服の代わりになる?

普通のスーツに喪章を付けることで、喪服の代わりになるといわれています。ただし、これは誤りです。普通のスーツに喪章を付けても喪服を着ていることにはなりません。葬儀では喪章は遺族や葬儀関係者が身に着けるものなので、弔問客が身に着けるのはマナー違反です。

 

急なお通夜の際などは、スーツに喪章をつけて参列しないように注意しましょう。そもそも、お通夜は喪服を着て参列しない方が良いとされています。喪服を用意していると、始期を予期していたようで良くありません。

 

お通夜に参列する際は、ブラックスーツや濃紺のスーツなどの平服で大丈夫です。本当に急な場合は私服や作業服でも構いませんが、派手な服装は避けてください。ネクタイの色やアクセサリーなどにも注意しましょう。

遺族以外が喪章を付ける場合について

喪章は葬儀関係者であることの目印と弔意を示す意味があります。弔意を示すために、遺族でなくても喪服を付けたい人もいるでしょう。基本的に遺族か葬儀の手伝いをする人以外は喪章を身に着けるべきではありません。

 

ただし、絶対に喪章を身に着けることができないわけではありません。喪主の考え方で、喪章を身に着ける人も変わります。喪主が許可しているなら、喪章を身に着けても大丈夫です。

葬儀では喪章を準備することも大事

喪章の役割や歴史、入手方法などをまとめました。喪章は故人に弔意を示すだけでなく、葬儀関係者の目印にもなる重要なものです。葬儀を行う場合は、喪章が必要になります。自分で用意する必要がある場合は、葬儀前にしっかりと準備しましょう。