曹洞宗の葬儀・お葬式の基本情報を詳しく解説【事情・しきたり】

公開日 : 2020/10/27

更新日 : 2020/10/27

曹洞宗の葬儀・お葬式の基本情報を詳しく解説【事情・しきたり】のサムネイル画像

仏教にさまざまな宗派があります。それぞれの宗派には特徴があり、葬儀にも各宗派によって違いがあります。そこで、今回は仏教の宗派の1つの曹洞宗の葬儀についてくわしくご説明してまいります。あわせて葬儀の流れについてもご説明します。

公開日 : 2020/10/27

更新日 : 2020/10/27

目次

曹洞宗の葬儀・お葬式事情

仏教の禅宗のひとつである曹洞宗は全国に800万人の信者を抱えていると言われる大きな宗派です。曹洞宗の葬儀について、知っているようでよく知らないという方も多いことでしょう。曹洞宗の葬儀について知り、もしもの時に備えておきましょう。

曹洞宗とは

曹洞宗の葬儀の説明の前に、曹洞宗とはどんな宗派なのか、どんな特徴があるのかについてご説明してまいります。

曹洞宗の祖は二人

曹洞宗は鎌倉時代に中国に渡った道元が禅宗であるの曹洞宗を学んだ後。日本へ持ち帰っって伝えられたものです。その後、道元の教えは瑩山(けいざん)によって広められました。

 

一般には曹洞宗の宗祖は道元だけであると思われがちですが、道元を高祖、瑩山を太祖とし、この二人を両祖として仰いでいます。

 

曹洞宗の寺院

曹洞宗には珍しく2つの大本山があります。1つは福井県にある永平寺で、もう1つは神奈川県横浜市に總持寺(そうじじ)でこ2つを両大本山といいます。2つの大本山は曹洞宗寺院における根本で信仰の源とされています。

 

他に曹洞宗の有名な寺院には、とげぬき地蔵で知られる東京の高岩寺、赤穂浪士が眠る東京の泉岳寺、神奈川県鎌倉市にある大船観音寺、青森県むつ市にある恐山の菩提寺などが挙げられます。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

曹洞宗の教え

曹洞宗は釈迦が本尊とする禅宗の一派で、道元によって中国から日本へと伝えられた「正伝(しょうでん)の仏法(ぶっぽう)」という教えを依りどころとしています。

 

曹洞宗では中国の禅の伝統と同じように教えの根幹には座禅があるとし、ただひたすら座禅を行う「只管打坐(しかんだざ)」を大切な修行としています。これは人間は生来「仏心」を与えられていて、座禅により「仏の姿」が明らかになるとの道元の教えによるものです。

 

また曹洞宗では修行をすることで日々の生活の中で自分だけでなく他人も大切にして生きていくことを目指しています。

曹洞宗の葬儀とは

曹洞宗における葬儀のとらえ方をご紹介します。

曹洞宗における葬儀の意味

曹洞宗における葬儀のとらえかたは故人があの世に行って仏弟子、つまり故人が釈迦の弟子となるために行うものと考えています。そのための大切な儀式に授戒(じゅかい)と、引導(いんどう)というものがあります。

授戒とは

授戒とは故人を仏弟子にするための儀式のことを言います。授戒には5つの儀式g葬儀の前半に行われます。

 

授戒には清水を手向ける「酒水」、生前の罪を悔いる「懺悔文」、修行者に帰依することを誓う「帰戒文」、法性水を故人の頭や位牌に注ぐ「三聚浄戒-十重禁戒」、釈迦から故人までの系図が記された血脈を霊前に供える「血脈授与」の儀式があります。

引導とは

日常でもよく耳にする「引導を渡す」の引導で、仏教においては現世での執着を捨て悟りを開くために仏の道へと導く儀式のことを言います。

 

仏の教えを説き、故人の戒名、そして生前の徳を称える形式になっている場合が多いようです。葬儀の前に親族に対して、僧侶が生前のことをお聞きして、法語をつくることが一般的です。

 

具体的には、導師が棺の前で仏の教えを述べ、故人の戒名を述べた後、生前の故人の功績や人生を称えた法語をお話しします。曹洞宗では法語の最後に「喝」や「露」と大きく叫ぶこともあります。

 

 

曹洞宗の葬儀まで

それでは曹洞宗の葬儀の流れを具体的にご説明してまいります。

人が亡くなったら

家族が亡くなったら菩提寺にその旨を連絡します。遺体を自宅や葬祭場の安置室に安置し、故人の枕元に蝋燭や花のお供えをします。自宅や葬祭場に僧侶が訪れたら枕経をあげてもらいます。

 

曹洞宗での枕経をあげるという儀式は臨終諷経(りんじゅうふぎん)と呼ばれ、遺教経や舎利礼文などを唱えます。一般的には家族や親族などの間で行われます。

 

 

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

通夜は

人が亡くなって数日の間に通夜式が執り行われます。通夜式とは一般的に葬儀の前日に行われ、家族や親族、友人や知人が参列する儀式です。曹洞宗の通夜式では、釈迦の教えを伝えるために道元が記した「修証義」を僧侶と遺族や家族と一緒に読誦します。

 

 

葬儀当日の流れ

遺族や親族がそれぞれの席に着きます。そして参列者が揃い葬儀の開始の時間となったら僧侶が入場し、曹洞宗の独自の葬儀の儀式が執り行われます。これらの儀式は故人が仏の弟子となり、仏の道へ導くための大切な儀式です。

 

「剃髪(ていはつ)」「授戒」「入棺諷経(にゅうかんふぎん)」「龕前念誦(がんぜんねんじゅ)」「挙龕念誦(こがんねんじゅ)」「引導法語」「山頭念誦(さんとうねんじゅ)」といった儀式を執り行った後に再度、鼓鈸三通を行って出棺となり葬儀は終了です。

 

曹洞宗の葬儀の特徴

曹洞宗の葬儀に見られる他の宗派との違いや特徴についてご説明します。

鼓鈸三通

曹洞宗の葬儀の特徴の1つに鼓鈸三通(くはつさんつう)という儀式があげられます。これは僧侶が3人一組となりシンバルのような物や太鼓、鈴のような仏具を打ち鳴らす儀式で、初めて曹洞宗の葬儀に参列される方は少々驚かれるかもしれません。

 

鼓鈸三通を行うのは、ドンジャンと大きな音をあげることで故人の魂を迎えたり見送りをするためです。この儀式は遺体が斎場へ入場する時とお別れの出棺の時の2回行われます。

葬儀の時間が長い

他の仏教の宗派と比べて曹洞宗の葬儀は時間がかかると言われることが多いようです。それはご説明した来ましたように、故人を仏門へ入門させて仏の弟子とし、悟りの世界へと導く一連の儀式を執り行うためです。

 

葬儀で他の宗派が約30分ほど要するとすると、曹洞宗の葬儀は一般的におよそ1時間ほどかかります。参列する場合、葬儀が長くなることを承知しておき体調も気をつけましょう。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

曹洞宗の葬儀のマナー

曹洞宗の葬儀におけるマナーについてご説明します。曹洞宗の葬儀に参列することになったらぜひ参考にしてください。

お焼香

焼香の回数は各宗派によって異なりますが、曹洞宗の葬儀で行う焼香は2回です。ここはぜひ覚えておいておきたいポイントです。

 

1回目の焼香は主香(しゅこう)と呼び、故人の冥福を祈って行います。お香を右手でつまんで額の高さほどまで持ち上げ心を込めて焼香します。これは「押しいただく」と呼ぶ行為です。その際は左手を軽く添えます。

 

2回目の焼香は従香(じゅうこう)と言います。1回目よりもお香は少量にし、押しいただくことはせずに焼香し数珠を両手にかけてから合掌と礼拝をします。参列者が多く時間がかかるときには1回にするよう促される場合もあります。

 

焼香の番がきたら遺族や喪主、僧侶に軽く一礼をしましょう。焼香台へ進みいったん立ち止まってご本尊や遺影、位牌に一礼をしましょう。焼香が終わったら再び祭壇に一礼し、遺族、喪主、僧侶にも再び一礼をしましょう。

合掌のマナー

曹洞宗において合掌は、仏と一体になるための行為とされています。合掌する際には数珠を左手の親指と人差し指の間にかけ、数珠の房を力を抜いて垂らすように持ちます。手を合わせる際には数両手に数珠をかけて合掌します。

 

数珠の玉の数が108個が二重になったものが正式とされていますが、略式として数珠の玉の数が54個や27個のものがあります。一般的には曹洞宗では宗派にこだわらずに使える略式の数珠を使用すします。

曹洞宗の香典は

宗派によって香典袋も異なりますが曹洞宗の葬儀での香典袋は「御霊前」か「御香典」と書かれたものを用意しましょう。自分の氏名は水引の下部にフルネームで記入します。その際、薄墨の筆ペンを使用します。

 

数人で香典を包む場合はそれぞれの氏名をバランスを考えて書きます。3名以上になる場合は、代表者の氏名を記入しその横に「一同」と書きます。

 

香典の金額は他の宗派の場合と同じと考えていいでしょう。親族の場合は1万円~10万円、友人などの場合は5千円から1万円前後です。金額は地域によっても変わってくるので事前に確認しておくと良いでしょう。

 

 

服装は

曹洞宗の葬儀での服装は特に決まったものはありません。他の宗派と同じように男性はブラックスーツや喪服に黒の靴下と黒のネクタイ、女性は黒いワンピースやスーツに黒のストッキングを着用するのが一般的です。子供はなるべく地味な色合いのものを選びます。

 

 

 

心を込めてお見送りを

今回、曹洞宗の葬儀についてご説明した来ました。曹洞宗の葬儀に参列することになったらぜひ参考にしてください。そして心を込めて故人のお見送りをしましょう。