喪主をすべき続柄とは?喪主と続柄の関係と施主との違いを解説します

公開日 : 2020/10/27

更新日 : 2020/10/27

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お葬式において喪主は軸となる大切な役割を持っています。ではこの喪主は亡くなった人から見てどの続柄の人が相応しいのでしょうか。喪主を行う続柄に決まりがあるのかどうかなど喪主と続柄の関係や施主との違いについて解説をしていきます。

公開日 : 2020/10/27

更新日 : 2020/10/27

目次

喪主とは

喪主とは、お葬式を執り行う遺族の代表者です。故人の代弁者として会葬者を迎え、もてなすとともに、お葬式を滞りなく執り行うように取り計らうことが役目です。昨今のお葬式は家族のみで会葬者が少なく、小型化していますがそれでも喪主という役目は必要です。

 

喪主は葬儀社と打ち合わせて、どのようなお葬式にするのかを決めて責任を負います。葬儀社は喪主の意志決定を形にすることが役目で、喪主が居なければ葬儀社は誰の言うことを聞けばいいのかわからなくなります。さらに喪主が居ないと親族同士の意見が対立した際に決着がつかず、お葬式が滞ってしまう危険もあります。

 

具体的に喪主はどのようなお葬式を行うのかを決定し、葬儀社と打ち合わせを行います。そして親族を取りまとめ、食事など必要な物を把握します。通夜や葬儀では故人の傍で弔問を受け、式では遺族を代表して挨拶を述べる役目があります。

 

なおお葬式が終わった後も喪主は香典をまとめ香典返しの手配をしたり、各種の手続きや、忌明け法要の手配など様々なやるべきことがあります。このように喪主はお葬式を始め、故人が亡くなったことで生じるすべてを取り仕切る大切な役目なのです。

 

喪主と続柄

お葬式を執り行うための大切な役割である喪主は、故人からみてどのような続柄の人が担うべきなのでしょうか。喪主と続柄について詳しく見ていきましょう。

喪主を務める続柄に決まりはない

現在では喪主をどの続柄の人が務めなければいけないという法律での決まりはありません。そのため誰が喪主を務めても構わないのです。しかし、昔からの風習と慣習が現在にも受け継がれていて、一般的に喪主を務めるべき続柄が存在しています。

 

これは昔にあった家父長制という制度が関係しています。家父長制とは家族に置いて年長の男性、つまり父親が絶対的な権限を有して家族の主権を握って、代々家を継ぐのは長男であるという制度です。

 

この家父長制は明治時代の民法で定められていて、人々に根付いたまま明治の民法が改正されても現代まで喪主を行うべき続柄の一般的な決まりとして残ってきたのです。

一般的な喪主の続柄

一般的な喪主の続柄を亡くなった人を軸に見ていきましょう。喪主は誰が行っても構いませんが、一般的に喪主を担う続柄が存在します。それは基本的には遺族だということです。遺族は故人と血と戸籍のつながりで、故人と結び付けられている存在です。

 

また遺族は故人が残した遺産を受け継ぐ存在でもあります。特に喪主を行うことは家を継ぎますと宣言していることと同意義と今でも受け止められる傾向があります。

 

喪主は誰が担っても構わないとなった現在でも、遺族以外では喪主を担うにふさわしい関係がいなかったため、遺族が喪主を担うことが常習化しているとも言えます。

故人が妻または夫の場合

故人が妻の場合、一般的に喪主は夫が務めます。故人が夫の場合は、家を継ぐ子や長男、または妻のいずれかが一般的には喪主を務めます。日本の家制度では男性が優位であり、家を守り継ぐことが多いためです。

 

ただ昨今では長寿となり、喪主を務めるべき夫または妻が高齢であることも増えてきました。こうした場合には喪主の務めが大きな負担となるため、子供あるいは孫が喪主を務める場合も有ります。

故人が両親の場合

故人が両親で配偶者がすでにいない場合には、一般的には長男または家を継ぐ息子が喪主を務めます。女性は家を出るとの考えと長男が継ぐべき、という考え方は地方にはまだよく残っている考え方で、喪主もそれに従う形で風習で残っています。

 

もちろん現在では次男、三男、または長女、次女などが家を継ぐ場合も多くなりました。加えて息子が婿養子に入ったりして家を継がない場合や、娘しかいない家も多くあります。この場合には喪主は子供たちが相談して決めます。

 

故人が高齢で、子供世代も高齢である場合には孫が喪主を務めることもあります。孫で誰が喪主を行うかは相談にはなりますが、長男長女など年上の子供の子が選ばれる場合が多いです。

故人の血縁者がいない場合

故人の血縁者がいない場合、喪主を務めるべき一般的な関係はありません。そのため、誰が喪主を務めるかは、誰がお葬式を執り行うかで決まります。例えば可能性として懇意にしていた友人や、共に暮らしていた同居人や内縁関係などがあげられます。

 

なお血縁者以外の人がお葬式を上げることはできます。しかし火葬の許可証を取得するのは難しいです。これは死亡診断書を市役所に提出する資格がある人は、「同居の親族」「同居していない親族」「同居人」「大家」「死亡診断書を発行した病院の委員長」に限られるため、友人関係や同居を始めて間もない内縁関係などは認められないのです。

 

現行の火葬許可証の取得には血縁者以外では難しい部分が多いため、血縁者がいない故人は葬儀社や役所が連携をしてお葬式や火葬の段取りをすることが多くなっています。

喪主と施主の違い

お葬式には喪主と似たような呼び名の施主という役目があります。昔の名残で残っていますが、わかりやすく言うと施主は「布施を施す者」、つまり「お葬式の支払いを負担する者」です。

 

喪主は「お葬式を取り仕切る者」と言えます。つまり喪主がお葬式の段取りをして、お葬式代金を負担するのであれば、喪主と施主は同じ人ということです。このように喪主と施主は同じ人で構いませんし、別の人でも構いません。

 

多いのは夫が亡くなった時に、長男が喪主を、妻が施主となるケースです。妻が亡くなった時には夫が喪主と施主を兼ねることが多いです。

続柄の書き方

喪主と故人との続柄は様々です。加えてこの続柄は書き方に置いて、遺族側からの書き方と遺族以外からの書き方が異なります。敬称で書き方が変わるので見ていきましょう。

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遺族側からみた続柄の書き方

遺族側からは故人への敬称を外して続柄を表記します。主に訃報用紙に書く場合に使う書き方です。訃報用紙など遺族からの発信の場合は「父」「母」「祖父」「祖母」「義父」「義母」「長男」「長女」などと書きます。「父」「母」については「実父」「実母」とすることもあります。

 

訃報においては誰が亡くなったのかをはっきりさせる必要があるため、訃報用紙には喪主との続柄を記載することが一般的です。

 

遺族以外から見た続柄の書き方

遺族以外から見た続柄は敬称で書く必要があります。お葬式では主に会社が社内に知らせる訃報や遺族への弔電などで活用される書き方です。父は「御尊父(ごそんぷ)様」が最も多く使われ、他には「お父様」「御父上」「夫君」なども用いられます。

 

母の場合は「御母堂(ごぼどう)様」が最も一般的で、「お母さま」「御母上様」「母君」といった表し方もあります。他にも義父は「御岳父(ごがくふ)様」、義母は「御丈母(ごじょうぼ)様」、祖父は「御祖父様」、祖母は「御祖母様」です。

 

使う場面は少ないですが、息子の場合は「御令息様」「御子息様」、娘には「御令室様」「御息女様」「御令嬢様」などが用いられます。

 

 

喪主と続柄について

喪主は現代でもお葬式において、お葬式を執り行い故人に代わって会葬者を受け止める役目を担っています。大切な役目を担う喪主は、故人から見てどの続柄の人が行うのかは法律では定められていませんが、昔からの一般的な慣習が残っています。

 

一般的には故人と関係が深い人、つまり配偶者や子が喪主としてふさわしい続柄と言われています。昔には故人が世帯主であった場合には家を継ぐ意思を親族や会葬者へ示す意味もあった名残でもあります。

 

日本では血のつながりを重視する傾向がありますが、喪主を担う続柄は決まりで定められているわけではありませんので、喪主に誰が相応しいかは話し合って決めてもよいでしょう。