葬儀は友引の日はダメ?いわれや六曜と葬儀の関係について紹介

公開日 : 2020/10/22

更新日 : 2020/10/22

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葬儀の日程を決めるときに、友引の日を気にするという人も多いでしょう。友引は昔から、葬儀を行うには縁起の悪い日だといわれてきたためです。なぜ、友引は葬儀と相性が悪いのでしょうか。その理由や、友引に葬儀を行う是非について解説します。

公開日 : 2020/10/22

更新日 : 2020/10/22

目次

葬儀とは

葬儀の意味は簡単に言えば「人の死を弔うための儀式」です。しかし現代ではもっと限定的な意味であることが一般的で、それらは2つの種類に分類されます。1つ目の意味は、臨終~火葬までの一連の儀式を指すというものです。この場合の葬儀に含まれるのは、「通夜」「葬式」「告別式」「火葬」などです。

 

2つ目は、葬式のみを指すというものです。葬式は一般的に通夜の翌日・火葬の前に行われるもので、死者との別れの儀式です。現代では通夜との区別をつけるために、「葬儀」=「葬式」と解釈する場合が多いです。

 

ただし、前述のように「葬儀」という言葉には通夜や火葬を含む場合もあります。たとえば「葬儀」の案内が来たときには、具体的にどの儀式を指すのか、ということに注意したほうがよいでしょう。

友引って?

友引は、六曜の中の1つです。六曜とは古代中国に生まれた戦ごとに関する暦注で、その日の吉凶を示しています。ちなみに六曜はその名の通り6つの日から成り、「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」という順番で回ります。六曜は月末に一度リセットされ、月によってどの六曜から始まるのかが決められています。

 

六曜が日本に伝来したのは鎌倉時代で、民間に流行したのは江戸時代だといわれています。伝来当時、友引は「共引」という漢字表記でしたが、時代の変化や陰陽道との融合により、現在の「友引」と表記されるようになりました。

 

友引は六曜において、「なにをしても勝負がつかない日・相引の日」と考えられています。要するに、「良くもないが悪くもない」という日だというわけです。また、友引の日は朝・晩は「吉」ですが、昼間は「凶」といわれています。

 

陰陽道では、友引は「その日の凶の方角で何事かを行うと、友に災いが飛び火する日」と考えられています。凶の方角は日によって異なります。そのため陰陽道では、友引の日には、凶角への葬送は避けるべきとされています。

 

もともとの友引は「相引の日」でしたが、次第に陰陽道と融合していったため、現代では友引は「何事かを行うと友達に同じことが起こる日」と考えられています。

友引に葬儀が行われない理由

日本では、友引の日の葬儀を避ける傾向があります。この場合の葬儀は、通夜・葬式・火葬を指すことが多いです。なぜ友引に葬儀を避けるのかというと、前述のように、友引は「同じ事柄が友達にも起こる日」と考えられているからです。つまり、もし友引に葬儀を行えうと、「友達も葬式をすることになる=亡くなる」と解釈されるわけです。

 

加えて友引は「友を引く」と書きます。そのため、友引の葬儀は「死者が友をあの世に引いていく」ということを強く連想させ、おなじく「友が亡くなる」ことにつながります。こういった不吉なイメージがあるため、友引に葬儀を行うことを敬遠する風習が生まれました。実際に、友引の日を休業日にしている葬祭場や火葬場は多いです。

葬儀と六曜の関係とは

六曜の中には「仏滅」が含まれることから、六曜と仏教は深いかかわりがあると考えらています。しかし、これは誤った認識です。先にも触れた通り、六曜は古代中国が発祥の占いの方法で、その起源は実は定かではありません。つまり、六曜と仏教には何の関係もなく仏式の葬儀において六曜を気にする必要はまったくありません

 

また友引が「友を引く」という意味は陰陽道から派生したものです。この点からも、仏式の葬儀と友引とはなんの関係もないと解釈できます。しかし現代において、友引に葬儀を避けるという風習は根強く残っています

 

もともと六曜が民間に流行したのは江戸時代でした。その理由はよく分かっていませんが、江戸っ子の「験を担ぐ」という文化が、その日の吉凶を占う六曜とうまく合致したと考えられています。

 

この風習は次第に全国に広まり、現代においても、六曜の暦注が記載されたカレンダーはたくさんあります。つまり、六曜の考え方は現代においてもそれくらい深く浸透しており、葬儀においても無視できないもの、と認識されているといえます。

【結論】友引の葬儀はいい?ダメ?

結局、友引に葬儀を執り行っていいのでしょうか。答えは「イエス」です。友引を気にする習慣は現代でも根強いですが、前述のように六曜と葬儀には本来なんの関係もありません。よって、友引の日に葬儀を行うことはなんら問題ありません

 

しかし、長く続いてきた習慣だけに、友引の葬儀に抵抗を持つ人は少なからずいます。葬儀の日取りの決め方に、ルールはありません。友引の葬儀に抵抗を感じる場合は日取りをずらしても、もちろんかまいません。

午後は大吉

六曜では、友引の朝・晩は吉、昼は凶とされています。この場合の昼とは正午のことであり、朝・晩はそれぞれ午前午後のことです。そのため、午前の早い時間や午後2時過ぎくらいからであれば、葬儀を行ってもよいと考える場合もあります。

 

友引と葬儀とは何の関係もありません。しかし、どうしても友引にしか葬儀を執り行うことができず、日取りが気になる場合は、午前の早い時間か午後を選ぶとよいでしょう。

地域差がある

一部地域では、友引を行ってはいけないという風習があります。友引に葬儀を行わないという傾向が強いのは、関東です。とくに江戸っ子下町といわれる地域では、今も縁起を気にして友引の葬儀を避けることが多いです。また、関東では友引に葬祭場や火葬場が休場していることが多いため、物理的にも友引の葬儀件数は少ない傾向が見られます。

 

一方、関西から西の地域では、葬儀の日取りに友引を気にする傾向は弱いです。気になる場合は、友引人形を入れるという風習があります。古都である京都でも六曜を気にする傾向は少なく、関西地域では友引に開場している葬祭場や火葬場が多いです。

葬儀の日程の決め方

友引の葬儀に抵抗を覚えるなら、友引の日に葬式・告別式を行うのは避けましょう。この場合、葬式を友引の翌日に行いますので、自動的に通夜が友引となります。また通夜は本通夜と仮通夜の2つに分けられます。

 

本通夜は告別式の前夜に行います。仮通夜を行うのはさらにその前夜で、身内だけで行うのが一般的です。つまり、3日かけて仮通夜・本通夜・葬式を行うわけです。ちなみに葬式と異なり、友引の通夜は問題ないと考えられています。

友引の葬儀の注意点

友引に葬儀をあげることに問題はありませんが、2つほど注意すべきことがあります。さっそく見ていきましょう。

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火葬場の休場日に注意

友引に葬式・火葬を考えている場合は、まず火葬場の休場日をチェックしておきましょう。友引に葬儀や火葬を避ける傾向は全国的に強いため、実際に友引の火葬件数も少ないです。そのため、友引を休場日としている火葬場があります。とくに関東地域は注意しましょう。

 

同じ理由から、友引を休業日にしている葬祭場も一部あります。友引に葬祭場や火葬場の利用を考えている場合は、まず休場していないかどうか、あらかじめ調べておくことが大切です。

参列者への配慮を忘れずに

喪主や家族が気にならない場合は、友引に葬儀をあげてもよいでしょう。ただし、参列者の中には、友引の葬儀に抵抗を覚える人もいる、という可能性を忘れないようにしましょう。とくに、身近な親族にはあらかじめ了解を取るのが無難です。あるいは、友引の午前か午後に葬儀を行うという選択肢もあります。

友引の通夜や法事について

友引には葬儀を避けるべき、という風習がありますが、その場合の葬儀とは「葬式」を指すのが一般的です。それでは、友引に通夜を行うことはできるのでしょうか。あわせて、友引と法事・法要の考え方についてもご紹介します。

通夜の場合

習慣上、友引の通夜は問題ないとされています。友引に葬儀を避けるのは「死者が友を引いていく」ためです。しかし、実際に友の魂を引いていくのは火葬のときだと考えらえているため、通夜は関係とされているわけです。

 

そもそも通夜は夜通し故人の遺体を守るための儀式です。一方の葬式は、故人の冥福を祈り、あの世に送り出す別れの儀式です。つまり、葬式や火葬は「別れ」の意味合いがあるのに対し、通夜はそういった意味合いは薄いです。よって友を引くことはないとして、昔から友引の通夜は許容されています。

 

ただし、友引には通夜も避けるべきと考える意見もあります。本来、通夜と葬儀の関係は迷信ですので、通夜を行う日取りも、友引を気にするかどうかを基準にして決めるとよいでしょう。

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法事・法要の場合

法事や法要も、通夜と同様に故人の魂があの世に向かう日ではありません。よって、法要や法事に友引は関係ないとされています。法要の代表的なものとして、四十九日や一周忌があります。これらは個人の命日から49日目、あるいは翌年の命日に行うのが正式とされています。友引に当たるからといって、日取りを変更する必要はありません。

 

ただし現在ではスケジュール調整のため、当日ではなく直近の休日などに行われるのが一般的です。このとき、もし友引に法要を行うことに抵抗を感じるなら、通夜と同様に違う日に法要をおこなってもかまいません。

友引人形とは

友引に葬儀を行うとき、故人の棺に友引人形を納めることがあります。この風習は関西でよく見られます。友引人形とはいわば身代わり人形で、故人が現世の人の魂を引いていかないよう、代わりとして人形を棺に納めるものです。

 

友引人形の種類に決まりはありません。布人形や木彫りの人形のほか、おもちゃの人形を入れることもあります。故人の魂が寂しい思いをしないよう、生前に大事にしていた人形を用いることも多いです。また、身代わり人形は斎場や葬儀社が用意してくれたり、仏具店やインターネットで購入したりすることもできます。

友引以外の六曜と葬儀の考え方

友引以外の六曜で、葬儀の日取りについて注意すべき日はあるのでしょうか。六曜と葬儀の関係は迷信であるとはいえ、根強い風習である以上、気になるという人も多いはずです。ここでは、友引以外の六曜と葬儀の考え方について解説していきます。

先勝

「せんしょう」または「さきがち」などと読みます。「先んずれば勝つ」という名前の通り、勝負事は早めに行うと縁起が良い日とされています。先勝は勝負事に関連した日であるため、葬儀に関してはとくに言及されていません。よって、葬儀を行っても問題ない日です。

 

ただし、先勝は早い時間が吉であり、時間が遅くなれば凶となります。つまり午前中が吉、午後は凶となりますので、縁起を担ぐのなら午後の葬儀は避けたほうが無難です。

先負

「せんぶ」または「さきまけ」などと読み、先勝と対になる日です。すなわち、「先んずれば負ける」という意味であり、勝負事は遅い時間に行うのがよいとされています。先勝と同じく勝負ごとに関する日であるため、とくに葬儀を避ける必要はありません。ただし先勝と同様に、縁起を担ぐ場合は、葬儀は午後に執り行ったほうがよいでしょう。

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仏滅

「ぶつめつ」と読み、「仏も滅ぶほど縁起の悪い日」とされています。その意味の通り、なにをしても上手くいかない日であるため、とくに結婚式などの慶事を避ける傾向にあります。また、仏滅は「仏が滅ぶ」日であるため、仏式の葬儀には向かないといわれることもありますが、実はそれは誤りです。

 

むしろ、仏滅に葬儀を行うのは良いという意見もあります。なぜなら、仏滅は本来「すべてのものが滅び、新しく生まれ変わる日」という意味があるからです。この日に葬儀を行うことで、一度滅んだ故人の魂が新しく生まれ変わると解釈することができます。

大安

「たいあん」と読み、なにをしても上手くいく日とされています。そのため、結婚式などの慶事や、新規開店、旅立ち、納車などの「事始め」などは大安を好んで選ぶ傾向があります。なにをしてもよい日であるため、葬儀を行うのにも良い日です。ただし、大安は慶事の日という認識があるため、葬儀を行うのはかえって縁起が悪いとする意見もあります。

赤口

「しゃっこう」「せきぐち」と読み、仏滅とともに凶日に数えられます。赤口の「赤」は血や火事といった不吉なものを連想させます。そのため、刃物や火の取り扱いに注意するべき日と考えられています。

 

赤口はとくに慶事と相性が悪く、結婚式などは避ける傾向が強いですが、葬儀に関しては良くも悪くもありません。午前は吉であるため、縁起が気になる場合は、葬儀は午前中に済ませるのがおすすめです。

仏教以外の宗教と六曜の関係

神道やキリスト教で葬儀をあげる際は、六曜についてどう考えるべきでしょうか。結論として、いずれの場合も六曜を考える必要はありません。六曜は古代中国の吉凶を占う考え方であり、仏教と同様、神道やキリスト教とはなんの関連もないからです。

葬儀の日程と六曜は関係ない

古くから「友引の日の葬儀はよくない」といわれていますが、実は友引と葬儀にはもともと何の関係もありません。しかし、習慣として友引を避けることも多いため、友引に葬儀を行う場合は、参列者や周囲の人々への配慮を忘れないようにしましょう。