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カトリックの葬儀・お葬式の基本情報【事情・しきたり】

この記事ではカトリックの葬儀・お葬式事情についてまとめました。日本で行われている葬儀のほとんどが仏教です。カトリックの葬儀を教会で行う場合、通常の葬儀とは違う流れやマナーがあります。カトリックで葬儀・お葬式をご検討の方はぜひ参考にしてみてください。

公開日 : 2020/10/20

更新日 : 2020/10/20

目次

カトリックの葬儀・お葬式事情

カトリックは日本の総人口の1%にも満たないと言われています。そのため、カトリックの葬儀を知る人が少ないのが現状です。カトリックの葬儀を知っておき、失敗しないようにしましょう。

カトリックの葬儀の考え方

カトリックの葬儀は仏式とは考え方が基本的に違います。仏教においては死は悲しむべきものという考え方です。しかし、カトリックでは「永遠の命による生の始まり」として祝福されるべきという考え方です。

 

そのため、カトリックの葬儀ではお悔やみがないのが特徴です。基本的にはカトリックではお通夜はありませんが、日本の習慣を取り入れて「通夜の祈り」として式を行うケースもあります。

 

また、仏式にある法事も存在しません。カトリックでは葬儀後3日目、7日目、30日目に追悼ミサが行われ、1年後、3年後、5年後、7年後と奇数年に追悼の記念集会が行われます。

カトリックとプロテスタントの違いについて

キリスト教には、大きく分けてカトリックとプロテスタントの2つがあります。聖職者や歌の呼び方に違いがあるので、2つの違いを大まかに知っておくとより安心して参列することができます。

カトリック

最も重要なのは神ですが、カトリックでは2番目に重要なものは教会です。カトリックでは教会が聖書の解釈をしたので聖書の内容も統一されており、その解釈をした教会を大切にすべきという考え方です。

 

教会は豪華で手の込んだ装飾があり、十字架にはイエスキリストと十字架がデザインされています。聖職者の呼び方は、男性を神父、女性を修道女です。歌は、聖歌と呼んでいます。

プロテスタント

プロテスタントでも最も重要なのは神ですが、カトリックと違い2番目は聖書です。聖書の言葉は神の言葉そのものという考え方なので、聖書には注釈がなく、どのように言葉を受け取るかは個人の自由です。

 

教会もカトリックとは違いオルガンと十字架のみでシンプルなデザインが特徴です。聖職者は男性女性と共に牧師と呼び、階級もありません。歌の呼び方は讃美歌です。

カトリックの葬儀の流れ・しきたり

カトリックの葬儀の流れは仏教とは大きく違いがあります。カトリックの葬儀の流れを大きく見てきましょう。

終油の秘跡

仏教では亡くなった後に葬儀が始まりますが、カトリックでは臨終の時間を大切にします。そのため、危篤になった時点で家族や親族だけでなく、神父に来てもらうのが特徴的です。

 

「終油の秘跡」として、旅たちが安らかであるようにと額などに塗油をし、人生での罪の許しを乞い、この世とお別れをします。

聖体拝領と祈り

「聖体拝領」とは、絵画であるキリストの最後の晩餐が由来となっていて、この世から旅立った後に遺族がパンとワインを食べる儀式です。その後、神父による臨終の祈りが捧げられます。

納棺式

カトリックでは、納棺の前に「終油の秘跡」や「聖体拝領」、「神父の祈り」をきちんと経てから納棺をします。

 

カトリックでは納棺について、特にこれといったルールはありません。一般的には、旅だった故人に白い布をかけ、棺の中を生花いっぱいで埋め尽くして大切な人を見送ることが多いようです。

通夜の集い

基本的にカトリックではお通夜はありませんが、日本の風習に合わせてお通夜を行うケースも多くあります。お通夜を行う場合、神父と共に聖歌を歌い、聖書を朗読し、祈りを捧げます。その後、参列者全員が献花をします。

葬式・告別式

カトリックの葬儀は、故人が所属していた教会で行われます。流れは、神父が入道する際に流れる聖歌である「入道聖歌」から始まり、その後、「聖水と祈り」・「棺とご遺族の入場」・「開式の辞」・「葬儀のミサ」の流れで行われます。

 


その後、告別式は遺族側の進行で行い、「聖歌斉唱」・「告別の祈り」・「故人の略歴の紹介」・「献花」・「弔辞」・「弔電の紹介」・「会葬者の献花」の流れで進みます。仏教とは違い、故人に手を合わせたり、拝んだりはしないのが特徴です。

出棺・挨拶

出棺では、「最後の対面」・「くぎ打ちの儀式」・「神父の出棺の祈り」・「聖書朗読」・「聖歌斉唱」の順で行われます。棺は原則として、ご遺族が運びます。

火葬

キリスト教は基本的に土葬ですが、日本では火葬が多いため、カトリックでも火葬が主流となっているのが現状です。

 

棺の中はたくさんの生花で埋め尽くされ、棺の蓋の上にも花や十字架を置き、神父と参列者の祈りに見送られて火葬が行われます。仏教では骨壺を華やかな色の布で包みますが、カトリックでは十字架が描かれた黒い布を使用します。

葬儀後

カトリックでは、亡くなってから1か月後の召天記念日に合わせて埋葬しています。それまでは、家に遺骨を持ち帰り、祀ります。


また、カトリックではご逝去後3日目、7日目、30日目に追悼ミサを行い、その後、毎年命日にも追悼ミサを行うのが一般的です。

カトリックの葬儀でのマナー

カトリックの葬儀では、仏式とは違う独特のマナーがあります。当日に故人への思いを伝えられるようにカトリックのマナーを知っておきましょう。

献花の作法

カトリックの葬儀では、お焼香の代わりに行われるのは献花です。献花の一般的な作法を知っておきましょう。

 

  1. 遺族に一礼します。花が右、茎が左にくるように花を受け取ります。
  2. 右回りにし、花を自分の方へ向けます。
  3. その向きのまま花をやさしく献花台、または棺に捧げます。
  4. 黙祷します。(十字を切ります)
  5. 神父とご遺族に一礼して席に戻ります。

お悔やみは不要

キリスト教では、「死は永遠の命による生の始まり」なので、悲しむべきことではないという考え方です。お悔やみは言わないように気をつけましょう。

 

代わりに「お知らせいただきましてありがとうございます」「安らかな旅たちをお祈りします」などの言葉が適しています。

「香典」ではなく「御花料」

キリスト教では、香典のことを「御花料」と言います。細かくいうと、カトリックでは「御ミサ料」、プロテスタントでは「弔慰料」ですが、宗派までわからない場合には「御花料」とします。

 

また、キリスト教か神道か仏教かもわからない場合には、「御霊前」にするのが一般的です。「香典」は仏教の言い方なので使用しないように注意しましょう。御花料の相場は、一般的な香典の金額と変わりません。

聖歌へ参加

カトリックの葬儀では聖歌が歌われます。故人が天国で新しい命を与えられることへの感謝や喜びを表すこと、遺族に安らぎを与えるという意味でカトリックの葬儀では聖歌を歌うので、できたらいっしょに歌うのがベストです。

 

キリスト教でない人は歌を知らないという人もいるでしょう。葬儀で歌うことで重要なのは、「知っているか、上手か」ではなく、故人への思いです。ハミングでも参加して故人を送ってあげましょう。

カトリックの葬儀での服装

カトリックの葬儀に参列する際の服装は、基本的には仏式と変わりません。カトリックならではの服装もあるのでここでは少々詳しくみていきます。

服装のルール

男性も女性もスーツやワンピースなどの黒の礼服を着用します。男性は、靴下やネクタイも黒に、女性はパンプスやストッキング、タイツ、バッグも黒にします。ハンカチも黒にしておくと安心です。


また、アクセサリー類は結婚指輪以外は外しましょう。数珠は、カトリックの葬儀では使用しないので、持たないようにしましょう。

ベールのついた帽子のルール

喪服の時にかぶるベール付きのトークハットですが、誰でも着用していいわけではありません。誤って着用しないように女性はベールについても知っておきましょう。

カトリックの葬儀のみ

ベールの付きの帽子トークハットは、カトリック信者の女性のみが着用できるアイテムです。プロテスタントの葬儀では、ベールを着用は不可なので覚えてくと失敗を避けることができます。

 

また、ベールのついたトークハットで参列することが許されるのは喪主とその配偶者、故人と近しい親族のみです。友人や仕事関係などの参列者がベールを着用するのはタブーになるので注意しましょう。

ベールの大きさ

ベールのサイズにもルールがあります。顔にかかるベールの長さと大きさは喪主が一番大きなサイズを着用します。親族の場合には、故人との血縁関係の近さによってベールのサイズを選らびます。故人が伯父などなら小さめのサイズのベールを着用します。

ベールと手袋

ベールは洋装の喪服に合わせます。ベールを着用した場合には、必ず葬儀用の光沢のないフォーマルの手袋を合わせましょう。ベール付きのトークハットと手袋はセットで身に付けるというルールがあるので必ず2つ揃えて着用しましょう。

カトリックの葬儀は事前に準備を

カトリックの葬儀も日本の仏式に合わせている部分があるので理解しやすいのではないでしょうか。細かい部分に違いがあるので、故人への思いを伝えられるように事前に準備をしておきましょう。